健さんの
プラモコラム

その439
 1/220 メッサーラの巻

 1/220 PMX−000 メッサーラ
 バンダイ
 「機動戦士Zガンダム」に登場
1985年9月発売 税別初出価格400円



 あるメカが、あるいはキット自体が好きで、ついつい同じキットを何度も買ってしまったという経験が有る人、少なくないんじゃないでしょうか。最近では小隊買いなんてのも定着して来ましたが、それとはちょっと違います。最初から小隊を再現しようと思ったんじゃなくて、繰り返し買ってしまうんですね。ボクにとってはこのメッサーラが、そんなキットの一つです。安い事もあって、ついつい再販の度に買ってしまうんですよね。

 発売当時、1/144キットを一つでも多く発売して欲しいのに、新たに加わった1/220というラインナップ。「300円サイズが一番良く売れるから」というメーカーの説明に納得いかなかったものですが・・・すみません!ボクが間違っていました(東に向けて土下座)!HGUCが出たこれからは、もう買わなくなるのかな?多分買うんだろうな。てな事を思いつつ紹介したいと思いますので、お付き合い下さいませませ。



 頭部は左右貼り合わせ。ボディと一体化も出来たと思うんですが、細かな部分のペーパーがけやモノアイの描き込みを、頭単独で行いたい人には、ボディと別成形してある事が重宝しそうな気も。

 ボディは左右貼り合わせて、機首先端から胸板まで一体の前面パーツを貼り付け。ハッチカバーが薄く成形してあり、その内側にコクピットハッチの表現が入ってるのはポイント高いですね。

 ウエストは無可動。変形時の移動も有りませんが、背中のベルトが単独パーツで再現してあります。リックディアスやサザビーにも見られるベルトケーブル、しばらく地球圏を離れていたシロッコが用いている所を見ると、もっと前からMS内部には使われていたのかな?は、左右一体の股関節軸を通してあります。この時期の股関節はポリキャップ式の2軸可動のため、軸には少し角度が付けてあります。



 テールスラスターは、ボディにハサミ込んである変形アームの先端に接続。左右貼り合わせてあり、ポリキャップで可動します。噴射口が有るべき奥の面に、アームが丸見えなのが惜しい!惜しいは美味しいの(略)モナカ割りでも二重底の様な処理は出来たんじゃないかと思います。

 です。モモはポリキャップとヒザ関節(スネフレーム上端)をハサミ込んでの左右貼り合わせで、前後スイングと開脚の2軸可動。ヒザの後ろに極細の動力パイプが一体成形されているので、折らない様に注意しましょう。

 ヒザは、スネフレーム(内部メカではありません)をハサミ込んでの左右貼り合わせ。設定に描かれているか良く分からないんですが、関節前側にも動力パイプの表現が入っています。MA形態を再現するため、逆方向にも若干の曲げが可能。肩に干渉してモモ自体が垂れ気味になるので、シルエット再現としては若干で十分な感じです。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。
また、このキットにアクションベース用の取付穴は有りません。
フォーク形のジョイントを利用しましょう。

 スネは、フレーム(芯)と外装の二重構造。後面まで塞がった構造でも成立しただろうと思うんですが、ヒザ周辺と後面にスキマの演出を入れてあるのは、メッサーラらしさを表すポイントという判断なのでしょう。貼り付け式の後部スラスターは、もっとカカトのクローギリギリまで延ばして欲しかったですけど。ここはスキマ有り過ぎ。後部フィンは、貼り付けたC字形ヒンジをスネ左右でハサミ込み。後ハメ目的ではなく、キツくなり過ぎないため、磨耗でユルまないための処理ですね。

 足首はスネと一体のため無可動ですが、カカトのクローが開閉します。左右一体成形で、スネフレーム下端にC字形ヒンジで接続。閉じた状態でも自立可能です。

 肩関節軸は、ボディと肩アーマーをつなぐ、ストレートな単独パーツ。ボディ側にはポリキャップを真っ直ぐ配置するスペースが無く、斜めに配置してあります。これ、当時としては止むを得ない処理だったのだろうと思いますが、ボディパーツの差し込み穴を切り欠いて長穴にすれば、MGザクver2.0と同様の、肩関節斜め引き出しが実現していたのでは・・・?!胸板が近過ぎて動かなかったかな?



 です。上腕は、肩アーマーまで一体の前後貼り合わせ。このためヒネリ可動は無く腕のポーズに制限が有ります。肩の横スイングは、固定用のポリキャップの四角い回り止めを丸穴に内接させて、無理矢理可動式ポリキャップとして使うという荒技が見どころ。可動用と固定用の2種類しかない、バイファムシリーズ用のポリキャップを、上手い事使ってるなぁと感心したものです。

 ヒジは、上腕を前腕でハサミ込み。ポリキャップを仕込んで膨れた関節は前腕の幅に収まりきらず、クローユニットにまで入り込んでいます。このキットが如何に小さいか分かりますね。

 前腕は2パーツ貼り合わせ。クローユニットまで一体で、展開したクローの再現は有りません。



 手首は、左右とも穴開きゲンコツが付属。前腕にハサミ込むためキットのままでは交換不能ですが、独特のデザインゆえ平手を付けてもらえると嬉しかったですね。

 甲羅はワンパーツ成形で、変形アームに乗せる様に接着。スラスターユニットにつながるアームは無可動で、左右から差し込む様に接着します。水平になる様に注意する指示が有りますが、今は乾燥時間が短い流し込み接着剤が有って重宝しますね。スキマが有ると思ったので通常の接着剤と併用しましたが、割とすぐに固まってくれました。昔は何時間も安静にしておいたものですが。

 スラスターユニットは、メガ粒子砲の砲口とポリキャップをハサミ込んで左右を貼り合わせ、バーニアとフィンを取り付けます。砲口は微妙に円錐形で、根元が太くなっているため、後から差し込む事は出来ません。ほとんど埋没して見えなくなるので、削って差し込む事も出来そうですが、説明書通りに作りたい人はハサミ忘れに注意しましょう。バーニアは穴に合わせて接着しますが、下側2箇所の取付穴は、成形方向の都合でミゾになっています。



 武装は、ビームサーベルが1本付属します。根元付近で膨らんで先に行くほど細くなっている近年のビーム刃に見慣れていると、真ん中で膨らんだ昔のビーム刃は新鮮ですね。

 MAへの変形は、甲羅を起こして胸板と連続させ、手足を後ろへ回し、テールスラスターとフィンの位置を整えるというシンプルな物。ツマ先の変形は省略、腕は縮まず、向きも変わらず、スラスターユニットに埋没もしません。が、各部に内蔵されたポリキャップで安定感は良好。あっという間に変形出来、グラつきも無くブンドド出来るので、価格に見合った楽しさは得られると思います。

 着脱容易な肩関節軸を利用すれば、もう1セット買って差し替え用のを作るのも、腕試しには良いかも知れません。無可動のをボディと分割して有るのも、収納位置にズラして接着しやすい構成と言えるかも知れませんね。キットそのままで楽しむには、ヒジを逆関節に曲げて肩アーマーを外へ向けると、モモとの収まりが良い様です。



1/220リックディアス(右)との比較。全高30.3m、頭頂高23m・・・なんですが、18.5mのガンダムMk−Uとの対比が添えられた設定画では、股関節下辺りがMk−Uの高さになってました。頭頂高こそ30.3mじゃないのかな?と悶々とし、そうだった場合の巨体を見たくて方眼紙に正面図を描き・・・このキットでその後の人生が少し変わってしまった気がしないでもありません。
ちなみに1/220では頭頂高10.5cmとなり、もう1cm程度大きくても良いかな?という感じ。1/220よりも1/250のキットと絡めたら良いかも知れません。もしかして途中まで1/250として設計されてました?1/220シリーズ第一弾ですし、表記を後続キットに合わせたとかで。
って事で1/250イロプラ再販しましょうよ。こういう物こそプレミアムバンダイで!

 資料で確認しましたが、1/144等、他のスケールでZシリーズの可変キットが出始めるのは10月以降。Gアーマーやコアファイターを除いた、MSとしての可変ガンプラは、このメッサーラが初めてだっただろうと思います。HGUC化されたこの機会に、可変MS・可変キットの原点に触れてみませんか?


 おまけ



 ついでに、HGUCメッサーラの記事でチョコっと触れたプライズ景品の「DX可変モビルアーマー・メッサーラ」も紹介してしまいましょう。サイズは1/220キットと同程度。ブースター付きのギャプランも同時リリースされていました。



 材質はPVCとABS。HGUC同様に背中と腹がスライドするだけでなく、腹の前を顔が上下スライド。顔左右のレールに引っ掛けてある胸を一旦起こして閉じる事で、MA・MSそれぞれのボジションでの頭の位置をロックし、顔も埋没させています。



 面白いのは腕の変形。多段式に曲がる肩関節軸は、ディテール再現を放棄して変形目的に特化しています。折り曲げて詰めればMS時の状態に、延ばして広げればMA時の収納位置になります。肩ブロック側で前に90度倒れるギミックも再現。ミサイルハッチの開閉を省略したから出来た事だろうとは思いますが。腕の伸縮は、ヒジ関節をクローユニット側にズラし、上腕をクローユニットの中に押し込むという面白い物。最初はそんな無茶な!と思ったものですが、ヒザ関節を階段状に折り曲げる変形は他作品含め多くのロボットで採用されていますよね。腕で同じ事をやっても構わないハズ。このトイではレール式で実現していますが、中で折れ曲がっていると考えるのもアリでしょうし、本当にレール式でも良いかな、と今では思っています。



 脚の各関節はボール接続が基本で、ヒザにヒネリや横への折れを加えたポーズも可能。大きく曲げる事は不得意なので、立ち方、踏ん張り方を楽しむと良さそうです。カカトのクローや後部フィンもボール可動です。



 腕の差し替え無しで変形する点は見応え有りますが、スラスターユニットのポジションは、アームを各モードの専用パーツに交換する事で調整しています。個体差も有ると思いますが、ここが抜けやすく、ピンを奥まで差し込むには調整も必要かも。MS時にもユニットは回転しません。とは言え設定で見る限り、アームは折れ曲がりよりも傾きやズレで動いていると思われ、固定パーツの差し替えで再現を試みたこのトイの構成は妥当ではないかと思います。

 PVCを使ったムクの造形が魅力的に感じる一品です。中古品等で手に入る機会が有れば、手に取ってみるのも良いと思いますよ。

 2013.7.12 健 竹史

  

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