健さんの
プラモコラム

その428
 HGUC ハンブラビの巻

 HGUC 1/144
 RX−139 ハンブラビ
 バンダイ
 「機動戦士Zガンダム」に登場
2012年8月発売 税別初出価格1700円



 HGUCにハンブラビの登場です。今年は可変キットの発売が多くて楽しいんですけど、RGゼータの発売を前に、好敵手を作って待っていてねという事なんでしょうか?Zの時期のMSはなかなか種類を増やしてもらえないと言うか、主役側キットの発売と連続してもらうのが敵側キット化の貴重なチャンスだったりする気がしますね。アレもコレも待ってますんで、早めの発売をよろしくお願いします。

 ところでこの機体、モノアイがあちこちに付いてる奇抜なデザインが楽しいんですが、もしかしてギャプランの死角を突かれたエピソードが、この機体に乗り換える事の伏線になってるのかなー?では、キットに目を通していきましょう。



 頭部は肩まで一体で、前後貼り合わせ。モノアイスリットはくり抜いてあり、内部パーツにシールを貼り込んでモノアイを再現しています。後頭部の直線スリットは、内部パーツにモノアイがモールドで表現してあり、シールも付属します。



 機首にスリットを入れるだけでなく、上下スリットに囲まれた範囲をと見なして膨らみを持たせた、単調にならない造形がナイス。上の目がMAの、下の目がMSの前方を主にカバーしているという解釈も出来、機能的にも納得のいく造形です。旧キットを組んだ経験では肩の動力パイプが意外と視界の妨げになるんですが、下側のモノアイスリットを小さめに造形する事で、窮屈な印象を緩和。動力パイプのカーブも、顔から距離を取る様注意を払ってあります。



 ボディです。胸板は頭部フレームが露出したもので、正面からハッチを貼り付け。ウエストは筒状に成形された本体にポリキャップをハメ込み、正面から白いパーツで押さえます。胸と背中でハサミ込んでありますが、ポリキャップは普段肩関節に使われる引き出しタイプで、前傾姿勢に対応。首が動かない分、ウエストで表情を付けてやりましょう。



 は前後貼り合わせ。ウエストにはボールジョイントで接続してあり、引き出す事で自由可動が可能になります。引き出す前は腰骨に埋没して無可動となり、MA形態でのポジションが安定。股関節は下から差し込んであり、左右一体でスイング可能です。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 テールランス(尻尾)は、先端側をワンパーツで、根元側を左右貼り合わせで再現。根元と途中の可動部には角形ポリキャップを使用してあり、後ハメが可能です。
 
 サイドスカートはワンパーツ成形してあり、極小ボールジョイントでモモの横に接続。今見ると当たり前の構造ですが、旧キットの苦心を知るオールドファンにとっては感慨深い進歩です。可動パーツの小型高性能化の賜物と言って良いでしょう。裏面はオプションマウントラックという設定。それっぽいディテールが施してあります。



 です。モモは、ヒザ関節をハサミ込んでの左右貼り合わせ。動力パイプは、今見るとサイドスカートの接続を妨げないカーブで描かれている事が分かりますね。根元はヒザ関節横の接続口に横から差し込んであり、頑丈に保持されています。

 ヒザは、スネ側のみ後ハメ可能な二重関節。前からジャバラパーツを貼り付けてあります。



 スネは左右貼り合わせ。側面のヒレは裏面の根元側半分をスネと一体成形してあり、別パーツのヒレ本体と重ねる組み立て。裏面に継ぎ目が出ますが、強度や直角度については文句無しの、ベターな構成だと思います。 オシャレポイントである内側の軽減穴はキットでも貫通。穴から足首が見えて新鮮な印象です。旧キットでは穴の位置に関節軸が来るため開孔を見送っており、二重関節が標準の今だから再現出来たポイントと言えるかも。

 足首関節は、上下とも軸可動で前後スイングする関節ユニットに、足首側のボールジョイントを接続。下側のポリキャップには、ヒザのデザインに合わせたジャバラ風のポリキャップカバーを被せてあり、変形時にも外観を損ないません。



 足首関節が前後スイングし、しかもスネ内部ではヒネリ可動しないのは、スネ前面のスラスターを内側から押し出すため。ここはMA時のメインスラスターで、筒状成形されたノズル内部にはモールドが入っており、スネ左右でハサミ込んであります。押し出しギミックは旧キットでも採用されていましたが、一軸可動の足首に連動させたため、ツマ先を伸ばすだけで変形してしまう悩ましい部分でもありました。

 足首は、カカトまで一体成形された足裏を左右貼り合わせて作り、クツと甲を上から被せる構成。MA形態では足裏が丸見えになりますが、足裏パターンのド真ん中に分割ラインを通すワイルドさも味わい深いですね(笑)。足裏パターンは設定画よりも凝ったデザインに変更してあります。



 肩アーマーはワンパーツ成形で、ボディにハサミ込む固定式。加工して後ハメにも出来るでしょうけど、最初から後ハメ式になっていても良かったかな?MGを出す機会があれば、若干のスイングが出来ると嬉しいですね。モノアイはモールドで表現。胸を張った様に後ろに反った造形は肩までとし、アーマーは真っ直ぐな配置としてあります。

 です。肩関節軸は、根元がボール可動する二重関節。肩アーマーが動かないので、肩関節軸の自由度が腕の自由度に直結します。逆に、二重関節なら問題無いという自信に裏打ちされたデザインの様に思えますね。



 肩の球体は、角形ポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合わせ。いつもより小さなポリキャップを採用してあり、細身のデザインである事を再認識させてくれます。ハメ込みピンは動力パイプの中に配置。しかし設定画には動力パイプの有無は確認出来ない様な。ハメ込みピンを配置するための独自解釈と思われます。リング状の腕輪も押さえパーツとして機能しています。

 上腕は、肩球体とヒジパーツを腕輪に上下から連結。腕輪は縦に成形する都合で、が凸モールドに置き換わっています。より忠実に再現したい人は、ピンバイスで穴を開けてやると良いでしょう。



 ヒジは、ポリキャップをハサんで左右を貼り合わせた、00シリーズに近い構成。上側へは腕輪を通して肩球体下に後ハメ可能、下は前腕にハサミ込みとなっています。設定では関節が前腕外装からハミ出した位置にあり、ヒジでヒネリ可動も出来る様です。

 前腕は、ヒジ関節とクローをハサミ込んでの左右貼り合わせ。スリムなデザインのため、手首のポリキャップはいつものボール可動タイプよりもコンパクトな、軸スイングタイプを採用してあります。袖の内側が切り欠いてなく、クロー基部との連続性も希薄で、造形的には今風のMSに近づけたアレンジに思えます。永野さんのラインで見てみたかったなあ。



 腕部クローは、軸可動で前に展開。前腕の外装はヒジの内側も外側もオープンにしてあるので、腕の甲を上にしてクローを構える事が可能。旧キットでは出来なかった、劇中同様のポーズが可能です。

 手首は、左右の穴開きゲンコツ穴なしゲンコツ、左の平手が付属。他の平均的サイズのMSに比べて、ずいぶんコンパクトです。ところで旧キットから一貫して、前腕を延長した形で手甲アーマーが付いてるんですが、これは設定画の読み違えか、手首と一体化して構わない物なんじゃないでしょうか?MA上面図では手首と一緒に引っ込んでる様ですし、ダミーカプセルを持つにも都合が悪そうです。



 バックパックはワンパーツ成形。ボディ幅からハミ出した部分については、背中パーツがバックパック裏面までカバーしています。ウイングが肩アーマー下に収まるほどボディに密着した配置なので、この分割はスキが出来ず良かったと思います。上部ダクト(?)は型抜きの関係でフチが一面省略されています。

 ウイング(放熱板)は折り畳み可能。前側からの後ハメ式で、ポリキャップは上手く囲んで隠してあります。後面下端の色違い部分はシールで色分け。追加されたモールドは、スラスターを想定しているんでしょうか。



 ビームライフルは、左右と銃口の3パーツ構成で、後部に動力パイプをハサミ込み。抜け止めの付いた動力パイプ下端は、90度倒した位置でバックパックに差し込んで起こすように回す組み立て。こうする事で、ライフルを背負った状態では抜けない配置になる仕組みです。ライフルは肩上までせり上がって前方を狙える設定ですが、キットでは無可動となっています。

 武装です。フェダーインライフルは、マラサイ・ユニコーンVerと同じ単独ランナーの物が付属。剣としても銃としても使える装備で、ハンブラビの様な変幻自在の戦い方をするMSにピッタリと言えそうです。海ヘビはハッチと同じランナーですが、仕様的にはマラサイ・ユニコーンVerとほぼ同じ物が付属します。(グリップ径が若干違う気もします。)武装を先に準備してハンブラビの発売を待っていた感じですね。



 ビームサーベルは新規の物が2本付属。クリアーのビーム刃は2本付属し、フェダーインライフルと兼用になっています。



 MA形態への変形は、ツマ先を伸ばし、スラスターを押し出した脚を背中に回して、尻尾クローを展開すれば完了です。説明書では側面図でサラリと済ませていますが、ポイントはモモをしっかり開き気味にする事。フンドシ下にはそのまま別売のアクションベースが接続出来ますが、MA形態用のジョイントを使えばアクションベース2のスイング機構をスカート外に配置する事が出来るので、旋回シーン等、より自由なディスプレイを楽しめるでしょう。



旧1/144キット(左)との比較。原寸に換算すると旧キットは19m程度、HGUCは21m程度に相当する様で、設定身長である19.9mは、2キットの中間くらいという事になりそうです。

 組立時間は1時間5分でした。ボッテリした印象にならない様に造形してあり、立っているだけでカッコイイ、良いキットだと思います。それだけに前腕のプラモっぽさが惜しい気がしますね。開発に当たっては、ここだけはエルガイムのつもりで(略)



ヒジを地面に着いて安定させるのは難が有るので、こんな感じで駐機させるのが良いかも知れません。ウイングをハネ上げるのは脚と干渉するため、限度があります。

 ちなみにクローをランディングギアとして使い着艦出来る設定ですが、当時の図解の設置面には「アーガマ」と書かれていて、エゥーゴ側の機体(目多数=メタス)としてデザインされたらしい事が確認出来ます。キットに手持ち武器が付属しないのは、もしかして劇中のメタスの様に強力な武装を想定していないまま商品開発が進んだからなのでは?なんて想像もしてみたんですが、どうでしょう。エゥーゴカラーに塗装してIFの歴史に思いを馳せるのも楽しそうですね!(と、金欠の折に間違って2個買ってしまった自分を慰めてみる。)

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 2012.10.23 健 竹史

  

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