健さんの
プラモコラム

その418
  HG ラゴゥの巻

 HG 1/144
 TMF/A−803 ラゴゥ/バンダイ
 「機動戦士ガンダムSEED」に登場
2012年2月発売 税別初出価格1400円



 リマスター版として改めて発売されているSEEDのHGシリーズですが、アクションベース対応や成形色のリニューアルだけでなく、新作キットも発売されるとは。リマスター版発売のお陰でもありますが、10年もの間、外伝やOVAの展開でシリーズを継続してきた結果でもあるのでしょうね。もう手に入らないと思っていたラゴゥが組み上がり、目の前で骨をくわえて愛嬌を振り撒く姿は実に感慨深く、とりあえずコーヒーを淹れてみるのであります。ああ、ケバブも食べたい。

 てな訳で、SEEDは今も現在進行形。製作に10年くらいかかってるキットを抱えたままの人も、まだまだ安心なのであります。(は?)今年のガンプラ10大トピックに数えられるであろうキットに、さっそく目を通していきましょう。・・・そういえば、モビルラゴゥじゃないのね。



 頭部は、V字アンテナと組み合わせたオデコとモノアイシールドを、左右からハサミ込み。モノアイはシールでの再現になります。ツノや小アンテナ、左右のインテイクは別パーツ化、口にくわえた様な配置のビームサーベルは、左右から差し込みます。



 は、実際の動物の骨の様にを一直線に並べて、左右にリード線を通したもの。節は半円の突起とクボミで浅く噛み合い、自在に可動。カーブをリード線で保持する事で、表情を付けたディスプレイが出来ます。首の下にはメッシュ模様のゴム製ケーブルが頚動脈の様に配置され、前後両端に引っ掛けてあります。



 頭部側は球体ポリキャップでボール接続、ボディ側のジョイントは下に垂れ下がり、胸の底付近にボール接続してあります。首のパーツも仕組みも全てHGバクゥからの流用なんですが、ボディ側のボールをバクゥの時より深く差し込む事で、大きく出し入れ出来ていた首の位置をほとんど固定。また、バクゥでは丸見えだった首穴の中に、ギリギリまで仕切り板を入れ、スカスカ感を解消してあります。



 ボディです。は上下貼り合わせ。首関節と、アレイ形の肩関節ジョイントはこの時ハサみ込んでやります。ダクトは正面から貼り付け。胸の張り出しがコクピットになっているんですが、首のスカスカ感が解消された事でコクピットの中がちゃんと詰まった印象になりました。張り出しの後端はフタパーツになっていて、外せばアクションベースに対応した取り付け穴が露出します。



 ウエストは、前がボールジョイント、後ろが横スイングのジョイントパーツで、胸と腰を接続してあります。バクゥは頑丈で抜けませんでしたが、今回は完成後も簡単に引き抜ける様になっています。



 MS形態では自由可動するウエストですが、無限軌道(キャタピラ)走行形態では、ウエストを詰めて胸と腰を密着。それでも外装にスキを持たせて左右に若干のガタつきを持たせているのは、4つの無限軌道の接地を容易にするためでしょうか。伸縮部は胸パーツと一体で、首との共通性を意識したらしく、ジャバラ式の表現となっています。設定では胸と腰は分割されておらず、ギミック自体がポーズを広げるための独自解釈の様です。



 は、ウエストのジョイントをハサミ込んでの上下貼り合わせ。後部のバーニアは設定通り、根元が埋没する形で取り付けてあります。股関節は肩と同じアレイ形のジョイントによる二重関節。腰の組立時に閉じ込めてやります。

 背中にはビームキャノンの取付基部が有りますが、前方が高くなっているため、武器の互換性はイマイチ。バクゥの通常装備はフィットしますが、ケルベロスバクゥハウンドに付属するウィザード用のバックパックは、干渉して少し浮いてしまいます。(恐らくデスティニーの時代には改修されたのでしょうけど。)



 です。モモは、二重関節のヒザをハサミ込んでの左右貼り合わせ。上腕もデザインは異なりますが同様の組み立てで、横にインテイクを貼り付けます。ボール可動になっている付け根は、スキマからのぞいた時にメカっぽく見える様、ジョイントにスジを入れてあります。



 前腕とスネは、足首も含めて同一のデザイン。ヒジ・ヒザと足首の関節と、事前に組んだ無限軌道をハサミ込みます。無限軌道は、MS形態では折れ曲がって脚に密着、走行形態では一直線に伸びる変形ギミックを再現。合成ゴムの履帯を1周巻いて、完成後に見えなくなる脚の内部で留め具で固定してあります。回転は出来ませんが、後端にはローラーが仕込んであるので、履帯はユニットの折れ曲がりにスムーズに追従、馴染みます。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 足首は、甲と足裏を上下から貼り合わせ。ツメは足裏と一体で、裏面は肉抜きされています。これはバクゥには無い格闘用の装備で、砲撃士と操縦士が乗り込む複座式だからこそ使いこなせる装備と解説されています。足首関節は、上が軸可動、下がボールジョイントの二重関節。前後可動もヒネリも大きく動き、踏ん張ったポーズにも対応します。

 ウイングは、背中に上から差し込んだC字形ヒンジで上下可動します。エンジン部分は上下貼り合わせで、インテイクは前から取り付け。バーニアは腰の物より小さめですが、設定では同じくらいの大きさに見えますね。違いの大半はフチ取り部の幅みたいですから、腰のバーニアを短くカットするだけで、近い印象になるのかも?ちょっと保証出来ませんが。



 2連ビームキャノンは、左右旋回し、左右のキャノンが上下に可動。このギミックのは、上下貼り合わせ式のターレットの底面パーツに含まれ、この1パーツだけにABSを使用してあります。ターレット上部のセンサーは左右に回転。キャノンの照準を合わせるためなら、むしろ上下可動した方が・・・とも思ったんですが、ペリスコープも兼ねているのかも?

 ビームキャノンの砲身は左右を貼り合わせ、砲口を取り付けます。可動は設定通りなんですがウイングのエンジンに近いため、ポージングに不自由を感じる人もおられるかも。設定ではもっと2門の間隔が狭いんですが、キットではエンジンの内幅ギリギリまで広げて配置してあるんですね。但し、これは後部とモモが干渉するのを避ける措置なのかも知れません。改造して幅を詰めたい場合も十分検討してからの方が良いでしょう。ウイングを水平にしておけば、さほど困る事も無いと思います。



HGケルベロスバクゥハウンドのケルベロスウィザードを拝借しています。

 武装は固定式の物ばかりですが、クリアーのビーム刃が付属します。バクゥが丸タイプのサーベルなのに対して、ラゴゥは角タイプ。なんだか発売時期に合わせてAGEのサーベルを拾ってきた様な感じですね(笑)。ビーム刃はフラットタイプで、根元の差し込みもフラット。AGE−1のビーム刃と比べると、差し込み部のがやや狭い様です。

 走行形態への変形は、ウエストを縮めて胸と腰を密着させ、「伏せ」の状態にして無限軌道を真っ直ぐしてやれば完成です。を引っ込める指示が有りますが、元々そんなに大きく前後しません。



HGバクゥのミサイルポッドを拝借しています。

 脚の折り畳み方ですが、HGバクゥの説明書ではヒジをしっかり曲げて上腕と前腕を密着させる指示になっていて、発売以来ずっとこのやり方に慣れ親しんできたんですが、ラゴゥの説明書では前に投げ出した様な、あまりヒジを曲げない指定となっています。がたくましく、前腕に密着しないデザインだからこうするしかないんですが、実はバクゥも同じく、ヒジをあまり曲げない状態で設定画が描かれています。



HGバクゥ(左)との比較。頭や手足のボリュームが増していて、力強い印象になっています。

 組立時間は50分でした。バクゥより大型の機体だと思っていましたが、体格が良いといった方が近いのかな?関節やゴムパーツをバクゥと共用出来た事が、発売の後押しになった面は有るだろうと思います。お陰で手足や頭、ウイングに互換性が有るので、ミックスして中間型をデッチ上げる事も可能。ウイングを入れ替える場合は、ヒンジごと引き抜くと良いですよ。

 このキットのセールスが好調なら、未発売のMSが続々発売されるのでは?と期待してしまいます。カワイイし、是非手に取ってみて下さい。


 おまけ

 HGガンダムAGE−1のAランナーに、謎のパーツが有るのが気になっていた人は多いと思いますが、先日の放送(22話「ビッグリング絶対防衛線」)で、ついに出番がやって来ましたね。AGEシステムとのリンクを切り離した後のAGE−1は、胸にディスプレイ表示の無い姿に変更されていました。キットではこのパーツをフタとして胸にハメ込むだけで、簡単に再現する事が出来ます。



 薄いパーツですが意外と安定が良い感じ。ハッチの裏から押せば取り外しも容易です。ただし、従来とは目の色が異なる様で、厳密には新旧の状態を1体で再現する事は出来ません。また、このパーツにはナンバーが付いてないので部品注文出来るのかどうか。

 AGシリーズのディスプレイとシルエットは一致しますが、固定出来ないので流用は不可となっています。ちなみにMGでは、シールドパーツの隣にそれらしいパーツを配置出来そうなゲートの準備がしてある様なんですが・・・果たして?!



 ところで同じ放送回で、Xラウンダーは人類の進化ではなく退化であるという、面白い解釈が出てきましたね。敢えて「ニュータイプ」とは別の言葉を用意したのではないか?という指摘を以前しましたが、退化とまで言ってしまうとは。確かに、ニュータイプの知覚能力は野生動物が持っていそうな能力ではあります。こういった新しい切り口が出てくると話が俄然面白くなってくる物。特殊能力に頼らず行動で敵と理解し合う様な、そんな展開が待っているのかも?

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 2012.3.17 健 竹史

  

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