健さんの
プラモコラム

その393
 HG 白式の巻

 HG 1/144
 MSN−00100 百式GPBカラー「白式」
  バンダイ
 「模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG」に登場
2011年7月発売 通販限定商品



 ジム改&ボールに続いて、通販限定キット、HG白式(ビャクシキ)を紹介したいと思います。「ガンプラビルダーズ ビギニングG」に登場する主要ガンプラの中でも、比較的古い時期のフォーマットで設計されている物でした。色替えで発売された機会に久々に組んでみたんですが、仕様やポリキャップが懐かしいと言うか、新鮮でした。たまには初期のHGUCを組んで、長いシリーズの進化を思い出してみるのも良いものですね。

 キットはメッキ対応のためアンダーゲート方式を採用。HGUC百式でアンダーゲートを初めて知ったという人も少なくないと思います。今回の「白式」はメッキでは有りませんが、百式のイメージに合わせて、光沢のある白で成形されています。では、各部を見ていきましょう。



 頭部は、左右分割のヘルメットでマスクをハサミ込み、頬からオデコまで一体のフェイスガードを正面から被せます。ヘルメット横に分割ラインが出ますが、バルカンやインテイクを正面から成形する狙いのパーツ構成ですね。の色分けはシールで対応。後頭部のアンテナは浮いた様な取り付けで、出来れば半没式にして欲しかった所です。

 は、頭にハサミ込んだポリキャップで横回転&前後スイング。この時代すでにボール可動がスタンダードになっていましたが、首用のポリパーツをバインダーに取られたため、例外的に軸可動としてあります。



 ボディは、首からウエストまで一体の黒パーツがになります。腰接続用のポリキャップをハサミ込んで前後貼り合わせ。エリは一見すると左右分離して見えますが、胸板の中でつながったコの字形にワンパーツ成形してあり、前から差し込みます。ハッチ左右のカバーも同様につながったコの字形に成形。最後に胸アーマーを前後貼り合わせて取り付けます。

 ウエストは、腰側に付いたウエストアーマーに埋まった配置になっていて、スキが少ないためほとんど横スイング出来ません。少し引き出せば前後スイング出来るので、そっちを積極的に利用してみると良いかも。



 です。フンドシは、ウエストアーマーまで一体で前後貼り合わせ。フンドシ前部は、設定ではコクピットハッチを保護する様な配置になっていますが、上端の高さを、(キットは開閉しませんが)そのまま開閉出来る程度の位置に抑えてあります。

 フロントスカートは可動軸で左右がつながった一体式で、フンドシ前部で押さえてあります。後のキットの様な抜け止めは無いので、切り離したい場合は工夫が必要です。



 サイドスカートはポリキャップで接続。普通なら二軸可動する所ですが、ウエストアーマーとキッチリ噛み合った配置で、ほぼ無可動と思った方が良いでしょう。

 リアスカートは、フンドシ後部に固定式。形状を見てもモモとの位置関係を比べても、設定より縦長に感じますが、サーベルに隠れる範囲が大きいので、狙って長めにしてあるのかも。表面から取り付けるサーベルラックも、上下幅を抑えてあります。ビームサーベルはツバをスカート上端からハミ出させ、グリップ部分だけを保持しています。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 です。モモは左右貼り合わせ。ハサミ込む股関節のボール軸受けは、モモのハメ込みピンを保持と位置決めに利用した、HGFA(ファイティングアクション)独特の物です。ヒザは関節メカを縦方向から筒状に成形し、動力パイプと一体の接続軸を上からハメ込みます。モモへは後ハメ可能。スネへは後ハメと言うより、ハサミ込んだポリパーツに上から連結する仕組み。これもHGFAならではの物で、久々に組んだら懐かしくなりました。露出前提のポリパーツだけあって、丸見えになっても何となくカッコイイ様な気も(笑)。

 スネは、左右貼り合わせのフレームに前後の外装を被せ、左右からのフクラハギ外装でロックする仕組み。スネ内部の空洞が見えない様に、この時期から既に、ヒザ関節下に仕切りを入れてあります。



 足首アーマーは、足の甲と一体で左右貼り合わせ。一度は可動式のキットを見てみたいと思うんですが、クルブシアーマーが傾斜してたり、クツとの間にスキが無いのが魅力と思っているので、難しい所も有るのかも。クルブシの中心ではなくカカトに接続すれば何とかなるかな?

 その内側のクツ下アーマーは、筒状に成形してスネフレーム下端に固定。関節を動かすとクツの中に押し込まれ、見ていて楽しい引き込み式アーマーです。設定では前側だけ覆ってある様ですが、カカト側まで囲ってあるのは、クツの中が丸見えになるのを隠しているんでしょうね。



 クツは、縦方向からワンパーツ成形。足裏には肉抜きが有りますが、ディテールは影響を受けてない様子なので、パテで埋めれば設定通りになりそうです。

 肩アーマーは、肩ブロックとサイドアーマーを前後からハサミ込み。サイドアーマーは可動式ですが、百式と比べてメッキが無い分滑りが悪いのか、若干キツめの様な気もします。必要を感じたら、事前に軸を少し削っておくのも良いかも知れません。

 肩の「白」の文字は、ガンダムデカール(ドライデカール)で付属しています。面白いのは「白」の他に「一」と「百」も付属している事。これはHGUC百式には無いサービスですね。百式を作りたい人にも、白式を作った後で百式に変えたくなった人にも対応可能。スーパーカスタムザク的な発想で本家よりも強い事をアピールしたいなら、百一式にしてしまう事も出来ますね(笑)。



付属のガンダムデカールと、HGFA用のポリキャップ。

 です。肩関節軸はまだ固定式の時代。肩ブロックはメカ色で成形されていて、前後からポリキャップをハサミ込みます。上腕は筒状に成形してあり、肩からヒジにつながる軸に通します。ヒジ関節は単独パーツ化されておらず、内側は上腕と一体で成形のため造形が平面的で、しかも百式の場合はメッキがかかっていました。ヒジ外側は、曲げた時にポリキャップが丸見えになります。

 前腕は、ヒジと手首のポリキャップと動力パイプをハサミ込み。手首のポリキャップは内側にのみスイング出来る軸可動です。動力パイプは2本有るので2パーツを組み合わせ。これはにも露出して色分けに利用してあります。甲の色分け部分は、デルタプラスのご先祖様という視点で見ると、ハードポイントの名残りなんでしょうか?

 手首は、左右の穴あきゲンコツと、右の武器持ち手が付属します。武器持ち手はクレイバズーカを脇に抱える都合上、手首関節に角度が付けてあります。



左から、HGUC百式、HGUC百式+メガバズーカランチャー、HG白式。発売される度に脱色されていく様です。

 バックパックは2パーツ貼り合わせて、2基一体成形のバーニアを取り付けます。動力パイプは上から取り付け。左右両端にはクレイバズーカを引っ掛けられるラッチが有ります。

 バインダーは、可動式の下部を貼り合わせ式の上部でハサミ込み。上部後方に有るのは、もしかして変形が検討されていた頃の、カナードの名残でしょうか?基部はポリ製のボールジョイントで、リング状になった下部可動軸の中心に通してあります。このポリパーツは普段だと首の可動に使われる物。HGFAでは通常用とアクションポーズ用のボディが付属したため、首のポリパーツも2つ入ってたんですね。



 武装です。ビームライフルは2パーツ貼り合わせ。筒状成形が定着する前のキットなので、銃口も左右貼り合わせです。銃口からビーム刃を形成し、サーベル代わりに使えるという設定ですが、接着・塗装後にビーム刃を取り付けたい人は、程々のキツさに調整を。そのままフィットする刃が有るかは確認していません。

 設定では半円状に描かれているEパックが細長く造形されているのは、MGにも見られる特徴です。これはトリガーの前に指が入る余裕を付けるためにグリップが後ろ寄りに配置されていて、それが後部を延長させた原因の一つなのかも知れません。



 ビームサーベルは、腰のサーベルラックに装備する未使用状態の物が2本付属。そして、これとは別にグリップまで一体でクリアー成形された使用状態の物も2本付属します。グリップを塗装しないと手を火傷しそうですが、最近ではビームグリップとかが手から直接出てきてもいいんじゃないかな、なんて思う様になりました(笑)。

 グリップHGUCリックディアスの物とほぼ同等ですが、握り部分の直径は僅かに太くなっています。サーベルラックは無可動なので、取り出すには上半身を一旦取り外してやる必要が有ります。ピンバイスで穴を開けて他キットのビーム刃を取り付けられる様にするのも良いかも知れませんね。



上:HG白式のクレイバズーカ。HGUC百式2種も同じ形です。
下;HGUCリックディアスのクレイバズーカ。フック先端形状と補強の有無が異なります。シュツルムディアス発売時にも、修正は加えられていません。

 クレイバズーカは2パーツ貼り合わせ。形状は基本的にリックディアスの物と同一ですが、背中に引っ掛けるフックの部分に補強が追加されました。F字形になった先端の引っ掛け部分も、強度対策のためか切り欠きが丸めてあり、その分差し込みが浅くなっています。この2点は説明書の写真に無い特徴で、開発段階の最後で追加されたのではないかと思います。

 元は漢字の「百」から「白」を連想した、純粋なイメージ遊びだと思うんですが、実際に手に取ってみると「そういえば白は、キュベレイの色だったなあ」という事に気付き、なかなか面白いカラーリングだと感じました。ハマーンカラーで塗装されたシャアの機体。厳密にはオレンジの所が紫になるんでしょうけども。設定ではサカザキ・ケンタが「女の子の色」である赤を嫌って、シャアのMSを片っ端から白で塗装している事になっていますが、今は敵対しているシャアとハマーンが、それでもお揃いの色のMSに乗ってるというのも面白そうだし、実はケンタは(友人にも黙ってるけど)ハマーン専用MSのつもりで作ってたというのもアリじゃないかと。そういう少年モデラーは、嫌いじゃありません(笑)。


 おまけ

 この機会に、元キットであるHGUC百式の画像も紹介しておきましょう。



 キットはHGUC第5弾。ここまでガンキャノン、ギャン、ザクV改、キュベレイと、ガンダムを意図的に避けながらもワンオフかそれに近い機体がチョイスされていますね。初期にメッキキットを投入した事でシリーズの可能性を広げ、しかもアンダーゲートを採用した事は、ガンプラが仕上がりにこだわる時代に入っていく事を示した一つの例だった様に思います。



 と言ってもパーツ分割はそれほど細かく分けられておらず、ゲート跡は目立たなくても、分割ラインが堂々と真ん中を通っていたりする箇所もチラホラ。より完璧な仕上がりを求める人は塗装すれば良いと思ってますし、メッキを落とす手間を省けるキットをメガバズーカランチャー付きで発売してくれたのも塗装派へのサービスだと思ってますし、この頃からメタリックテープで分割ラインを隠す手法も普及したりして、ボクはあまり気にしないんですが。でも、より細かく外装を分ける事で見違えるんじゃないかな、とも思いますね。ガンダムに準じた機体でもあり、フレームが見所になるとも思うので、RG化の有力候補の1つじゃないかとニラんでるんですけど。



サイドスカートを外すと、こんなポーズも可能になります。

 ところで、「その73」のおまけ記事で、シリーズ初期のキットはパッケージ側面にイラストが入っていないから、見つけられずに困っている人がいる、という話を紹介しましたが、その後もパッケージはリニューアルされていない様子。あれ、今からでもイラストを追加した方が良いですよ。その後も似た様な光景を見ましたから。それに、世の中にはパッケージ替え商法というのが有りましてね・・・。

 1999年10月発売 初出税別価格1500円

 続いて、HGUC百式+メガバズーカランチャーを。「その113」のおまけ記事で一度紹介していますから詳細はそちらを参照頂きたいんですが、当時は無かったアクションベースと絡めて遊べないかと思い、試してみました。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 メガバズーカランチャーに掴まって移動する百式の図。キットはアクションベースに対応していないので、フォーク形のジョイントを使って股間節に接続してやります。ランチャーは肩に乗せて、しかも動力パイプをバインダーに引っ掛けるというインチキ技。でもこれ、反対側から見たら気付かないんじゃないですかね(笑)。



 もう一つ。リアスカートの真ん中を、なかなか出番の無いC字形ジョイントで下から引っ掛けてやります。すると・・・



 地上の施設に固定された様な飾り台を使わず、宙に浮いたイメージで発射シーンを再現出来ました。支柱にカカトを押し当てて支えるのがミソです。

 ちなみに、ガンプラビルダーズに登場する白式は、サカザキ・ケンタがこのメガバズーカランチャー付のキットを塗装した物。彼もメガバズーカランチャーを持ってるハズなんですよね。白式に持たせてみるのも面白いと思いますし、彼独自のカラーリングを想像してみるのも良いでしょう。白式本体も、このキットをベースにリペイントすれば、よりリアリティが増すかも知れませんよ。

 2004年7月発売 初出税別価格1800円

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 2011.9.10 健 竹史

  

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