健さんの
プラモコラム

その386
 HGUC
 デルタプラス
の巻

 HGUC 1/144
 MSN−001A1 デルタプラス
 バンダイ
 「機動戦士ガンダムUC」に登場
2010年9月発売 税別初出価格2200円



 「また敵となるか、ガンダム!」なんてセリフを言ってみせたフル・フロンタルですが、百式の後継機、それも一度は見送られた変形プランを実現した、より本来の姿に近い機体が、敵の戦列に加わっている事には気付いているんでしょうか。「今度は変形するのかデルタ!くやしいッ!ビキビキ」くらい言って下さい!しかもミネバ様を横に乗せてるとかね。もしアニメの後半にオリジナル要素が加わるなら、大佐にもミネバ様争奪戦に加わって頂いて・・・え?誰も望んでませんかそうですか。女の子の事になると冷静さを失うくらいが赤い彗星らしいかと(個人の感想です。感じ方には個人差があります。)

 そんな感じで、採り上げるのが遅くなっていたHGUCデルタプラスです。MGが発売されてようやく変形プロセスが実感出来たこの機会に、紹介しておきましょう。



 頭部は、マスクをハサミ込んでの左右貼り合わせ。マスクにモールドされた目の上にクリアーのゴーグルをハメ込み、HGUCながらMGと同等の凝った表現を採用しています。オデコは頭頂部カメラ、アンテナ、バルカンまで含めてワンパーツ成形してあり、正面からハメ込み。内側のアンテナは薄さを表現したのか、あるいは頭頂部カメラを囲う形状という解釈なのか、段差程度の表現に留まり、先端はカメラ上面に回りこんでいます。外側のアンテナとの厚み表現の違いに、少し違和感を感じるかも知れません。

 はプラ製で、上がボール可動、下が前後スイングする二重関節。逆シャア・UC時期のキットに積極採用されているギミックですが、今回は頭の後ろにカバーが有るため、大きく上を向く事は出来ません。いっそ今回は実験的に、前に大きく引き出せる関節にしても良かったかも。猫背のポーズを上手く使えば力がこもった様な凄みが出ますし、幸いデルタプラスはエリ前が傾斜していて、うつ向いても顔が隠れないデザインですからね。



 ボディです。前後貼り合わせのウエストは胸の中まで入り込み、肩関節ポリキャップの押さえを担当。これを前後貼り合わせのでハサミ込み、胸正面や脇のフレーム露出部分の色分けを行っています。塗装派の方はウエストの後ハメが出来ないと心配かも知れませんが、胸の分割ラインは変形で割れるラインを活かしてあるので、不都合は無いでしょう。エリ、ハッチ、胸両端の白い部分を別パーツ化してあります。

 です。ウエストとの接続部はボール可動。スカート類の解釈はMGとは全く別で、まず紺のウエストアーマーをフンドシフレームに固定。その前で左右一体のフロントスカートが左右一体で軸可動します。切り離せば左右別々にボール可動に出来ますが、短いスカートなので切り離さなくて良いでしょう。



 サイドスカートは、本体とスラスターカバーの2パーツ構成。インテイクとノズルの内部は、本体の一部として成形されています。スカート自体は可動せず、これを差し込んである腰骨が横スイングします。MGではスカートに垂れ下がっている別のスカートとして造形されていましたが、このキットでは前後に長く、リアスカートに接続してあるピンが回転軸を兼ねるという、全くの別解釈となっています。



HGUC(上)とMG(下)のスカートの比較。HGUCは分かりやすくするため、サイドスカートを片方外してあります。

 リアスカートは、表裏2パーツを組み合わせ、フンドシ後部に取り付けてあります。裏面左右には腰骨接続用のポリキャップを内蔵、スラスターは、別パーツを閉じ込めてノズル内部を色分けしてあります。股関節は、スイング無しのシンプルなボールジョイント。フンドシ下には、ポリキャップを仕込んだ飾り台取り付け穴を設けてあります。フタパーツは用意されていません。



 です。モモは、ヒザ関節をハサミ込んでの左右貼り合わせ。モモ上部は、股関節軸受のポリキャップをメカパーツでハサミ込んで作り、モモ本体から着脱可能になっています。組み替え変形に対応するための仕組みですが、結果的にメカ部が色分けされる事に。短いスカートのスキマからチラリとのぞいて、無塗装でも密度感を高めてくれています。

 ヒザは、動力パイプをハサミ込んでの左右貼り合わせ。上はポリキャップを内蔵、下は動力パイプと一体成形の差し込みピンが露出し、スネ側の関節へ後ハメ可能となっています。



バインダーを外した状態。

 ヒザアーマーは、表裏2パーツで先端の白パーツを閉じ込めてあります。MGではヒザ関節メカに接続してあり、下側の関節を曲げるとスネから分離し、せり上がっていましたが、今回はスネに前側から差し込んであり、常にスネと一体化しています。WR形態ではヒザ関節メカの取り付け穴に差し替える事で、移動を再現します。

 スネは、下半分に露出するフレームを2パーツ貼り合わせで作り、それを外装で左右からハサミ込み。フレームはヒザ関節の前まで延びていて、ここでヒザアーマーを着脱します。後部スラスターカバーは、ポリキャップで着脱。差し込みピンは2本有り、MS時とWR時で差し込むピンを替える事で、移動を再現しています。MS時用の平たいピンはWR時に丸見えになるんですが、ひょっとしてスラスターノズルの表現を兼ねてるんじゃないでしょうか。同感だという人は、それっぽい色で塗ってみて下さい。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 足首関節は、上がポリキャップにピン接続して前後スイング、下がボールジョイントの二重関節。上がピンなのは、WR時に引き抜いて組み替え変形させるためでもあります。

 足首です。ツマ先は、甲・クツ・足裏を縦に重ねる構成。ポリキャップをハサミ込んだクルブシメカ部に前から差し込み、ツマ先を伸ばす方向に可動します。造形的には、ツマ先の細さを表現してるのがMG、薄さを表現してるのがHGUCといった感じでしょうか。足裏ディテールはMGとは異なっています。カカトは箱状に成形され、後ろから取り付けます。



 足首アーマーは、左右貼り合わせ。クルブシの前、ツマ先の後端をハサミ込んで接続してあります。これは差し替え変形を行う時に、引き抜いたツマ先に付いてくる様にするため。内側の足首アーマーは、の延長として一体成形されています。

 肩アーマーは、ボディとの仕切り板を前後からハサミ込んであり、ハネ上げる事が可能。スラスターの中は分割ラインを端に寄せてあります。前後のアーマーも一体で成形、変形時にポジションが移動した状態は、WR形態用のパーツに差し替えて再現します。肩関節軸の上から仕切り板を差し込んで取り付け。腕を真横まで上げる時は、サイドアーマーがスラスターの奥に入り込む様、少しハネ上げてやります。



 です。肩関節は前後スイング式。胸側にポリキャップが有り、肩関節軸ごと腕を引き抜ける仕組みです。組み替え変形でWR用ボディに腕を取り付ける時は、肩関節軸を起こし、途中にある肩アーマー着脱用のミゾを利用。腕がボディに埋没する様な配置になるため、着脱部がABS同士で、ポリキャップの様にキツくなり過ぎないというのは有り難いですね。力を込めずに分解出来ます。

 肩ブロックは、極小ポリキャップを組み込んだ肩関節軸を、前後からハサミ込み。関節パーツをL字にし軸位置を高めにしてあるため、腕を横に上げた時に怒り肩になってカッコ良いのです。サイドアーマーは、横から貼り付ける固定式。アーマーを接続する前後のアームは、モールドでの表現としてあります。



 上腕は筒状にワンパーツ成形。角柱形ポリキャップを通してあり、肩・ヒジとも後ハメ式になっています。ヒジも関節メカをワンパーツ成形してあり、前腕へ後ハメ式。足首関節もそうですが、側面がディテール風に肉抜きされているので、好みで埋めてやるのも良いでしょう。

 前腕は、ヒジと手首のポリキャップをハサミ込んで貼り合わせたフレームに、前後と甲の3方向から外装を被せる構成。前腕内側の外装は後面の外装と一体で成形してあります。ヒジ関節周囲のスキマに、0.5mmくらいフレームが露出しているのが芸コマ。左右ともヒジにはハードポイントを備えています。



 ところで、完成後は見えなくなるんですが、フレームの手首上辺りに、ダブルオーのMSに見られるコネクターに似た形状が隠れています。ポリキャップの突起を囲っただけだとは思いますが、ひょっとしてダブルオーの続編に、デルタプラスをモチーフにした機体がラスボスとして登場するという様な事は・・・○ガンダムの人がアムロの声なら、ついでに△ガンダムの人がシャアの声で登場すれば、ピッタリではありませんか!うーむ、黒幕当番制。(笑)

 手首は、左右の穴なしゲンコツ、右のライフル持ち手、右のサーベル持ち手が付属します。穴なしゲンコツを使うと、WR形態が引き締まって見えて良いですね。ライフル持ち手の手の平には、グリップ側のスリットに対応した突起が付いています。



 バインダーは、可動式の主翼とカナードを直接ハサミ込み。アームとの接続部にはポリキャップを仕込んであります。よりカナードが目立つ事が、MGと比べた時の造形的な特徴。パイロンはバインダー上部と一体成形してあります。アームは完全に固定式で、左右の位置を揃えやすいメリットは有りますが、HGUC百式と同程度に変化を付けられたら嬉しかったですね。思いっきり傾けて付け直す事は出来ますが、並行を崩せたらカッコイイですし。

 武装です。ビームライフルは、モールドに誤差程度の違いは有るものの、HGUCリゼルとほぼ同等の物が付属。可動式グリップを左右からハサミ込む、3パーツ構成です。ランナーから切り出す時に、うっかりセンサーをカットする心配の無い位置にゲートが移動して、ちょっぴりユーザーフレンドリーになりました。残念なのは、パイロンをスリムに造形しようとしたためでしょうが、グリップと入れ替えで現れるマウント用の突起が、リゼルの物より細い事。このため、拝借してきて両翼に取り付ける事は出来ません。



 ビームサーベルは、手持ち用が1本付属。ワンパーツ成形で、ビーム刃の取り付け穴はスライド金型で開孔してあります。グレーで成形してあるので、カラーリングを再現するには塗装が必要。クリアーのビーム刃は2本付属し、1本は余りパーツとなります。

 シールドは、機首になる下部と、下面カバーになる上部を別々に作り、腕へのジョイントで上下を連結しています。WR形態ではジョイントを外して上下を分離、伸縮部を含むWR用ボディに別々に取り付ける事で、変形を再現します。



 前部はビームガン、グレネードランチャー、ビームサーベルを内側に仕込んでおいてから2パーツ貼り合わせ。全て抜け止めが付いているので脱落せず安心なんですが、ビームサーベルを取り出せないので、手に持ったシーンを再現すると本数が増えた様に見えてしまいます。ビーム刃取り付け穴は開いていませんが、シールドから取り出さずに使えるという設定なので、ピンバイスで開孔しておくとプレイバリューが高まるでしょう。グレネードとサーベルのディテールが同じで、手持ちサーベルのディテールは別。ひょっとしたら4本ともグレネードとして設計されたのかも知れません。

 WR用ボディは、胸と背中が一体化した上半身外装に、胸左右の下面を取り付け。グレーのフレーム部は、展開した股関節からモモ上部、フンドシ、ウエストだけでなく、シールドの伸縮部までを一体化。フンドシ前部は2枚共通ランナーに収まっているので、MSとWRで同じパーツを使っています。肩アーマーは、WR時の配置に変化した専用パーツを使用。2パーツ貼り合わせですが、前面アーマーを省略してあり、シールドとの密着感を高めてあります。スラスターのもコンパクト化されていますね。



機動戦士ガンダムUC 〜Fin〜 (ウソ)

 WR形態への変形は、専用ボディパーツを使った組み替え変形となっています。手足、バインダー、サイド&リアスカートは共用ですが、頭と胴、腰、腰骨、股関節と肩アーマーといった機体の中心部は、まるまる余りパーツとなります。まるでZ最終回の百式の様な・・・まさか、あれが大破した百式だったというのは誤認で、シャアは組み替えボディを使ってWRで悠々と去っていったのでは・・・・(笑)。



 組み替えの手順です。シールドは継ぎ目のジョイントを外して2つのユニットに分解。カバー部分は機体下面に、機首部分は先端に取り付けます。リアスカートは、腰骨取付用の穴を着脱穴として利用し、機体の上から取り付け。バインダーは機体左右に下から取り付けて主翼にし、カナードを引き出します。は、肩関節軸を起こして、肩アーマー取付用のミゾを位置決めに利用、ウエストの左右に下から取り付けます。肩アーマーは、WR形態専用のパーツを、機体横からセット。は、フレーム両端に後ろから差し込み、ヒザをZ字に折り曲げます。

 MS形態用の足首関節とカカトは使わないので、WR形態用の無可動のカカトを介して、スネとツマ先を連結。スネ後部のスラスターカバーは一旦取り外し、開いたポジションに差し直して展開を再現。スネの奥に埋まったポリキャップの向きを変えてから差し込む指示が有りますが、ランナーの切れ端か工具が無いと難しいでしょう。サイドスカートをモモ上面に取り付け、グリップを引っ込めたビームライフルをパイロンに取り付ければ完成です。機体下面にもコクピットが有るっぽいんですが、そこは気にせずに。(笑)



 WR時でもMS時同様、飾り台取り付け穴はフンドシ下(機体後端)に設けてあります。HGUCの説明書では左翼に吊り下げているビームライフルが、MGの説明書では右翼に吊り下げてありますが、これは活躍シーンが描かれた、第3話の描写を反映したもの。HGUCが出た当時は出撃前でしたからね。同様に、腰後部にハードポイントが無くビームライフルを背負えないのは、大気圏突入シーンが描かれる前の発売だからでしょう。

 代わりに、シールド表面(機体下面)にビームライフルをマウント出来るのはHGUCのみ。MGにも同様のクボミが有るんですが、微妙にユルくて保持出来ないのは、ひょっとしてキツさ調整の漏れ、あるいは途中で不要と判断されたんでしょうか?ライフルを中央に配置した姿はカッコ良く、接地させた時の安定も良好です。



 組立時間は1時間15分でした。MGと若干の差異が有りますが、その辺がまた、現在進行形の作品に登場する最新キャラクターである事を感じさせてくれます。そして、どちらも魅力的なんですよね。腰骨とかカナードとか。細部の設定については後で決まったり、変遷も有ったのかも知れません。両方買って、2通り楽しんでしまうのが吉じゃないかと思います。△+△!(デルタプラスさんカッケー!)


 おまけ

 缶コーヒー「BOSSゼロの頂点」に、プルバックゼンマイのオマケトイが付くキャンペーンをやっていたので買ってみました。今回は飛行機。スターアライアンスコレクション、全18種であります。



 ほぼ同じスタイルにデフォルメされていますが、翼の形状やエンジンの数、オデコの盛り上がりといった、特徴的な違いは再現されています。並べるだけでも楽しいんですが、今回は腹の部分に磁石が入っていて、缶の周りをグルグル走れるんですよ。そのため、今回のゼンマイは速すぎない、程々のスピードに抑えてあります。もちろん平らな床の上で走らせる事も出来、ゆっくりした速さが、実物が飛んでいる印象に近くて良い感じです。



 ところで最近はスチール缶の成形技術が上がってきて、薄い素材でも缶が作れる様になってきたと聞きます。そのせいか、缶の上にハメられたオマケの容器を取り外す時、握力でうっかり缶が歪んでしまう事も。(え?ボクだけ?)缶の周りを走らせたい人は、注意して丁寧に取り外しましょう。



 まとめて保管しておくと時々磁石でくっついてる奴がいて、なんだかエロ・・・ほほえましいのです。磁石の向きは適当みたいで、相性の良いのと悪いのがいるみたいですね。

 缶コーヒーに付いてるプルバックトイは、親戚の小さな子のお土産に重宝しています。これからも色んなラインナップを企画してもらえると嬉しいし、助かります。

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 2011.8.24 健 竹史

  

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