健さんの
プラモコラム

その382
 HGUC ジムVの巻

 HGUC 1/144
 RGM−86R ジムV
 バンダイ
 「機動戦士ガンダムZZ」に登場
2011年7月発売 税別初出価格1500円



 1/144ジムの発売から30周年を迎える今年をジムイヤーと定め、絶賛開催中のジム祭りでありますが(そうなの?)、ついにジムVが登場です。ジム系キットが連続してるのは確かですが、0083関連のバリエーションを一気に充実させたのは、完全新設計のジムVを区切りに、次のフォーマットに移行したい気持ちも有っての事なんじゃないかなー、なんて思ったりもします。

 ともかく、ZZからUCまでの長期に渡って活躍し、ジェガンに続く開発史を並べて再現するには欠かせない機体の発売は嬉しいですね。旧キットのバリエーションに熱心だったZZでしたが、残念ながらジムU+新規パーツで発売されずにシリーズ終了。ようやく手に取れる日が来ましたよ。では、キットに目を通していきましょう。



 頭部は、前後貼り合せて前からゴーグルをハメ込みます。は頬のダクトやアンテナまで一体成形してあり、左右から貼り付け。ゴーグルは曲面がハッキリ分かる造形で、ジムVらしさが良く出ていると思います。チョンマゲカメラは、隣接した配置のためゴーグルと一体で成形、カメラのフチ取りは塗装に任せてあります。アンテナは、設定画ではセンサーとされ、左右いつもバラバラの方向に向いている様です。頑張ってシンチュウ線でも通して、動かしてみます?

 顔内部のセンサーユニットは、首軸受けのふくらみにモールドしてあります。このため、パーツ状態で見ると小顔の人がブカブカのヘルメットを被ってる感じですが、完成後にクリアーパーツ越しに見ると悪くありません。これまで後頭部側に設けてある事が多かった軸受けですが、なかなか面白い発想をしますね。



 は二重関節。ポリパーツはムキ出しではなく、ボディの一部として成形された外装で囲ってあります。上下可動の充実ぶりも太さの表現も良い感じ。エリは後ろのラインの真ん中が膨れている点も見逃さずに再現。が切り欠いてあるのは、首の可動範囲を確保するためのアレンジの様です。

 ボディは、首と肩のポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合せ。エリは上から、胸部ダクトとコクピットハッチは前から取り付けます。埋没する形になるハッチは、ボディパーツのクボミ底面に穴を2箇所開け、裏側から押し出せる様に配慮。ダクト・ハッチともハメ込みは突起やピンではなく、パーツのフチを壁にしてあり、外形で位置や深さが決まる様になっています。ハメ込む時に傾いたり、ピンが穴に入らず押し込めなかったりというトラブルが起きない、良い方法ですね。



 ウエストは、胸完成後に腹巻きを下からハメ込み。ポリキャップを仕込まず、球体ポリキャップがハマるクボミを腹巻きパーツに直接設置しています。組立簡単、後ハメ可能、引き出してスイングも可能、ここもシンプルで上手い方法です。

 です。ウエストとの接続は、ピンの先端に球体ポリキャップを取り付け、関節位置を少し高めに設定。ピンの根元は一箇所から深く肉抜きするのではなく、四方から均等にエグって十文字にしてありますが、これは肉付きが不均一な物より強度が出るとか、中心に空洞を作るより頑丈とか、そんなノウハウに拠る物なのかな?どうかな?



 フロントスカートは、切り離せば独立ボール可動にも出来る一体可動。サイドスカートは、ポリキャップ接続でに起き上がる方向にのみ可動。表面にはハードポイントが有り、大型ミサイルランチャーをマウント出来るので、前後に振れない方が位置調整には好都合ですもんね。

 リアスカートは固定式。前後のスカートはフチをしっかり折り曲げてあり、厚みの表現は十分です。股関節軸はフンドシの下半分ごとスイング可能で、下面にはフタパーツ無しの飾り台取付穴が設けてあります。



 です。モモは上部メカ部分を分割、ポリキャップを使った3軸可動としてあります。ヒネリ可動の軸は前後貼り合せの外装を貫通してヒザ関節と連結、外装を外しても自立可能な、フレームの通ったモモになりました。00セカンドシーズンで確立した構造が、ジムにまで広がって来ましたね。

 ヒザは、ポリキャップを閉じ込めたハサミ込み式の関節で、モモ・スネ側とも後ハメ可能。差し込んだスネ側のポリキャップでも可動するので、二重関節となっています。ヒザ横の丸モールドに軸を通してある訳ではありませんが、関節内に仕込んだポリキャップの位置は丸モールドに合わせてあり、曲がり方が自然です。



 スネは、足首メカパーツをハサミ込んでの左右貼り合せ。このメカパーツは後部に露出したスラスターやその上のフレームまで含まれていて、まるごとスイングします。下端のボールジョイントと合わせて、足首は二重関節という事になりますが、あまり前例の無い構成なので、見ただけでは二重関節だと分からないかも。スラスターの裏側にポリキャップを仕込む都合上、ノズルの奥行きが他に比べて深くなっています。これくらい深い方がそれらしいのかも知れませんが。

 スネ外側には、ガンダムMk−UやZを思わせるスラスターユニットを貼り付け。前側はクッキリと別ユニットらしく、側面はヒザ関節を覆い隠し、後ろに行くと周囲と面一になっています。ユニットに隠れたフクラハギは、内側と同様のカーブを持たせて造形。ヒザのユニットは、正面から被せる様にハメ込みます。側面形状は、アニメ設定では上半分の前後幅が広くなっているんですが、キットでは逆に、上半分が狭くなっています。センチネル由来のディテールなんですが、劇中の姿にこだわりたい人は改造してみるのも良いかも。



 足首アーマーは、クルブシを左右からハサミ込んでの貼り合わせ。分割位置は端に寄せ、左右共通パーツとしてあります。クルブシの可動軸は関節と同等のハメ込み精度としてあり、ここで位置決め。分割部は、小さな突起で噛み合うだけとしてあります。

 足首は、甲・クツ・足裏を重ね、クツの中でカカトが浮き上がる様に動くタイプ。ここ1年くらいの間に似た様なのを何個作ったかな?すっかりジム系の定番になりましたね。メカ部分はポリキャップを閉じ込めての左右貼り合せ。シリンダー等の凝ったディテールやアキレス腱の色分けも無く、段差を利用して分割ラインも隠してあるため、非常にスッキリしています。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 クツはツマ先がツンと上がり、横のラインが折れ曲がった0083等のデザインに合わせてあります。足裏のディテールはアニメの設定に準じており、他のジム系と比べると平らな部分が多いですね。

 肩アーマーは、腕の横スイング用ポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合せ。今回はさらに、後部マウントラッチのポリキャップも閉じ込めてあります。普段なら側面スラスターの裏に、見慣れたハメ込みピンが見えるのかも知れませんが、今回はポリキャップの押さえが見えます。直線的なリブで構成されているので、気になる人にとっても埋めやすい形だろうと思います。



 マウントラッチは上面にも有りますが、こちらはごく浅いモールドのみでの再現。凸字形なのに凹んでいるというのは、言葉で書くと謎めいていますね(笑)。サイドスラスター上部は肩アーマーの上面と一体化していますが、設定画では段差で区切られた別ユニットに見えるので、上級者は少し削って、いわゆる別体感を強調してやると良いかも。可動に関しては、ポリ軸受けが前にスイングする肩関節に、ボール接続してあります。

 です。肩ブロックは、ガンダムMk−Uの様なサイドアーマーが付いたタイプ。例によって肩アーマー内のポリキャップに下から被せます。組むまではヒジやヒザの関節カバーかと思っていたので、ちょっと新鮮でした。



 上腕は筒状にワンパーツ成形。ヒジは、極小ポリキャップを閉じ込めたハサミ込み関節で、上腕・前腕とも後ハメ可能。前腕の差し込み部でも可動する二重関節となっています。ABSを利用した関節が一切無く、塗装派にも扱いやすい点は、最新フォーマットのキットならではですね。

 前腕は左右貼り合わせ。左右共通パーツを使ってあり、手首のU字形ポリキャップの向きで、右腕と左腕を作り分けます。手首関節基部が一段出っ張っていますが、これは成形の都合を加味したアレンジと思われます。設定ではコの字形の外装で覆われ、前腕内側と連続した手首基部は、周囲より一段引っ込んでいる様です。



股関節(モモ上部)は角ばった形状をしているため、モモを上げようとすると腰フレームの天井に当たってしまい、大きなポーズが取りにくい印象。そんな時は、フンドシ下部を下に引き出してやると良いですよ。

 設定では袖の横にマウントラッチが有りますが、キットではモールドでの再現に留めて、HGクラスで定番になっているL字ジョイントを使った方式でシールドを装備出来る様、甲の部分にスリット式のハードポイントを別に設けています。手首の横では、中に関節を仕込む都合もあって深い穴は開けられませんし。肩アーマーでも2箇所にラッチが有るので、より統一感が出たと思って。

 手首は、左右の完全に握ったゲンコツ、サーベル持ち手、平手、右のライフル持ち手が付属します。平手とゲンコツは、すっかりお馴染みになった手首ランナーの物。余った手首を保管するランナータグは今回付いていませんが、手首以外の小さな差し替えパーツが無いからかも知れませんね。



バックパックを互いに取り替えた状態のHGUCガンダムMk−U(左)とジムV(右)。今見ると中央の張り出しが別ブロックの様になっていたり、後部センサーが引っ込んだ配置になっていたりと、HGUCガンダムMk−UはヌーベルジムVの影響を受けた設計なのかも。あるいはヌーベルジムV自体、当時から張り出し部に合体用ジョイントを仕込む案を想定したデザインだったとか?

 バックパックは、2パーツ貼り合せのスラスターアームを表裏パーツでハサミ込み。新規造形ですが、設定ではガンダムMk−Uの物とされています。HGUCガンダムMk−Uと比べると後部センサーが貧弱ですが、配置は今回の方が正確。これはMk−Uの物の中央の張り出しが、Gディフェンサー合体部分のフタになっているため、センサーを少し引っ込めてあったんですね。



名前を付けるなら、スーパージム?

 背中への接続は、3箇所の突起で頑丈に連結。両端にはツメも付いてます。これはHGUCガンダムMk−Uと同一の規格。交換可能という事は、これを利用してGディフェンサーとの合体も可能という事です。4基のバーニアは、取付時のパチンという手応えが心地良く、安定も良い様です。



こうした宇宙用装備を背負った状態の場合は特に、飾り台を使ってディスプレイ出来ると嬉しいですね。

 武装です。ビームライフルは、左右貼り合せの本体で可動式のフォアグリップをハサミ込み、銃口を取り付ける構成。性能はアップデートしてるかも知れませんが、ネモやジムUと共通の物です。資料によって「初代ガンダムの物を簡略化した」とか「ビームスプレーガンの生産ラインが転用された」とか色んな解説がされてますが、Eパック式でないという点を見ると、利便性については時代遅れと思って良いかも。

 サイズはずいぶん大きく感じます。特に銃口は1/100かと思う程。1/144ジムUの物がコンパクトだった分、余計にそう思うのかも知れませんが、両手持ちさせやすくするためなのかも。グリップの突起で手首に接続するため、右手にのみ対応しています。



 ビームサーベルはガンダムMk−Uと同一デザインの物で、グリップとビーム発生部の2パーツ構成。バックパックのスラスターアームに突起が有り、ここにマウントするのはMk−Uと同じですが、突起の配置が異なっていて、互換性は有りません。クリアーのビーム刃が2本付属します。



HGUCジェガンのシールドを装備したところ。説明書には、ガンダムUC劇中の該当シーンが紹介されています。ミサイル装備が豊富なジムVに相応しい装備と言えそうです。

 シールドは、本体と表面パーツの間に十字エンブレムをハサミ込み。グリップの無いマウント接続専用のデザインで、仕込んだポリキャップは若干のスイングが可能。スライドレールの表現は有りません。取付方向が選べるL字形のアダプターを介して、前腕に接続します。十字エンブレムは先端まである程度の太さを持たせてあり、カットして整えた様な外観が特徴的です。



 ミサイルポッドは、本体と底面の2パーツを貼り合わせ、前面に発射口を取り付けます。発射口は、4発のミサイルが露出した物とハッチが閉じた物が付属し、完成後の差し替えが可能。左右共通化を図って片側に寄せたセンサー等、スタークジェガンの物はこれを元にしてるんですね。ジョイントは肩アーマーのラッチ位置の再現を優先したのか、左右共通化出来なかった様です。

 キットには付属しませんが、同等のサイズで小型ミサイルを多数内蔵した、小型ミサイルポッドも存在します。センサーが横に配置してあり、上面が大きく開くのが特徴。ジム系の顔でミサイルを連射すると聞くと、何故か全身を赤く塗りたい衝動に(略)



 大型ミサイルランチャーは、2パーツ貼り合せて前面をカバーで覆います。サイドスカートに丸ピンで取り付け、角度調節が可能。ミサイルが一体成形で取り出せないのが残念です。ランナーの途中が偶然ミサイルの形をしてると嬉しいなあ、なんて、時々思う事がありますね。

 組立時間は1時間でした。頭、肩、前腕、スネ、バックパック、ミサイルポッド、大型ミサイルランチャー関連のパーツが除外可能、または専用ランナーに集めてある事から、ジムUの発売は予定されている様です。発展型であるVの方が先に発売されるのは、最近のパターン通りですね。

 説明書の解説では、新規に作られた物とジムUから改装された物があった事とか、ジェネレーターの乗せ替え、寸法(=全高の事でしょうね)が異なる機体の存在等についても触れています。これはセンチネルに登場したヌーベルジムVを意識した記述と思われます。ヒザユニットの形状もヌーベルジムVに合わせた物で、ここから先は他のキットをミックスして作ってみよう!という宿題なのか、それともバリエーションとして発売の予定が有るのか、気になる所です。もし発売されるなら、ぜひ小型ミサイルポッドを付けて下さいね。


 おまけ

 またまた映画の前売り特典です。今回は仮面ライダーオーズゴーカイジャーの特典2種のうち、ゴーカイファン(扇風機)をゲット。もう一つはオーズのうちわで、こちらも折り畳めるという事でギミックが気になったんですが、ついつい電池で動くという所に惹かれてしまいました。電力不足が言われ始めた後で企画されたのか、前々から予定されていたのか分かりませんが、2点とも暑さが一段と心配な今年の夏にふさわしい特典じゃないでしょうか。



 全高は、プロペラを含まずに測って10センチ。背中に単四電池2本が入ります。羽根がゴム製で、うっかり当たっても安全だし痛くないというのが良いですね。頭の横にスライド式のスイッチが付いていて、オン・オフはここで行います。意外と良い風が来ますよ。



 それにしても、赤い人にプロペラが付いているとロボコンを思い出してしまうんですが、映画でロボコンの大いなる力を手に入れるとか、そんな展開の伏線になっていたりいなかったりして・・・。ロボコンのプロペラは背中でしたけどね。

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 2011.7.12 健 竹史

  

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