健さんの
プラモコラム

その361
 HG ダブルオークアンタの巻

 HG 1/144
 GNT−0000 ダブルオークアンタ/バンダイ
 「劇場版 機動戦士ガンダム00」に登場
2010年8月発売 税別初出価格1600円



 劇場版ガンダム00、皆さんはもうご覧になりました?西暦の続きという、比較的控えめな(と思わせる)スタートだった割には遠慮のない展開で、ついにガンダムシリーズが敢えて避けてきたアレがアレしちゃう所まで来てしまいました。・・・という触れ込みの映画なんですが、思い起こせば当初から「来るべきアレ」とか言ってた訳で、ボクはあまり唐突な印象は有りませんでした。むしろ設定的には控えめかなと思ったくらいでして。(これでファンが慣れれば、次回作ではもっとバリバリにアレなのが出てくるかも知れませんね。)

 むしろガンダム初なのは、本家のシリーズでは可能性しか示さず民衆に飽きられたとも語られたニュ(略)。予想と少し違う扱われ方をしたデカルトにも、鑑賞してから時間が経つほど、ボクの中で納得度が増していきました。他にも色々感想は有りますが、まだ公開中なのでこの辺にして、本題へ移りましょう。



レンズ底面のみ、付属の色分けシールを使用しています。

 頭部は、目と後頭部カメラが一体になったクリアーパーツを採用。パーツ単品で見ると前後に長くて、なんだかエイリアンみたいです。クマドリとアゴが一体の赤パーツに正面からマスクを被せ、目と組み合わせたら、左右からヘルメットでハサミ込みます。オデコのセンサーはアンテナの上から取り付け。の突起は後頭部と一体、側頭部のクリアーパーツは丸ではなく六角形で、砲口やセンサーに使われ見慣れてきたクリスタル状のデザインを、GNコンデンサーにも取り入れた物となっています。あるいはGNコンデンサーではなくなったのかな?



 ボディです。は、縦方向にワンパーツ成形されたウエスト上部パーツを、前後からフレームパーツでハサミ込み。従来より上寄りに配置された胸部ダクトはエリパーツと一体で上から取り付け、その上に左右から胸板を被せます。クラビカルアンテナと上部ハッチは正面から、レンズ横の白いパーツは左右から取り付け。この白いパーツは、外形と内部の噛み合わせの向きがズレている事が、外れ防止に一役買っている様です。



 レンズは球形に近く、強い自己主張を感じますね。胸をあまり張り出させず、ダクトの配置も変更して、レンズが丸見えになるのを狙ったデザイン。下から見上げるとクラビカルアンテナのハメ込みピンが丸見えになるので、目立ちにくい色で塗装しておくと良いかも知れません。



 ウエストは、赤い腹巻を縦方向にワンパーツ成形、上下にボールジョイントを仕込んであります。ウエスト上部のグレー部分や上部ハッチが腹巻の内側に入り込むデザインは、先代ダブルオーとは逆の構造ですね。より大きくウエストを可動させる事を狙って、プラモの都合を良く考えたデザインです。ウエストの下端をカットしてあるのも、最小限の引き出しで最大のヒネリを得る工夫と思われます。



キット付属の飾り台の代わりに、別売のアクションベースを使用しています。

 です。フンドシは縦方向に成形し、股関節スイング用のポリキャップを仕込んで上からフタをする、先代ダブルオーと同等のパーツ構成。ですが、腰骨のシルエットは凹凸を避けスッキリ整えたラインに改めてあり、ウエストのスキマから見えた時の印象が、より自然になっています。

 フロントスカートは、従来と同じく極小ボールジョイントで接続。普段は定位置に固定されていますが、少し持ち上げるとフンドシフレームから外れ、ヒネる事が可能になります。正面部が細く、両端の突起もコンパクトになり、ヒネった時の干渉にも配慮してある感じですね。センサーが無くなったのも目新しい点かも。



 サイドスカートも極小ボールジョイントで接続。腰骨から少し持ち上がった位置にハメ込んであるのが、劇場版キットの特徴の様です。ハードポイントは無く純粋なアーマーとなっています。

 リアスカートは、フンドシ後部に固定してあります。サーベルホルダーの機能も無く、デザイン的にもスカートらしいスカートですね。



HGダブルオーガンダム(左)との比較。

 です。股関節は、フンドシ下から差し込んであり、前後にスイング可能。下面には飾り台用の差し込み穴が有り、フタパーツも付属します。モモ上部は前後貼り合わせ式のドラム形で、ポリキャップをハサミ込んだ3軸可動。股関節からヒザまでは、今回もモモフレームでつながっています。外装は前後貼り合わせ。エッジを効かせた造形が、ますます筋肉質な印象で良い感じです。



 ヒザは、モモフレームを関節パーツで左右からハサミ込み、スネのドラム後部から差し込んだ二重関節。ヒザアーマーは正面から関節パーツに固定してあります。ヒザ後部はカバーで覆われ、ちょっぴりジンクスっぽくもあります。このカバーはヒザ関節にハメ込んであり開閉も可能、ヒザの曲げを極力妨げない仕組みになっています。白い外装が人体の素肌に相当するなら、今回の青い外装はGNコンデンサーを囲う様に集中配置されていて、一段と頑丈に守られている感じですね。

 スネは、ポリキャップと足首アーマーをハサミ込んでの、左右貼り合わせ。横のラインが無くなってフクラハギの造形がより肉体的になると同時に、噛み合わせも押さえも無くなったレンズパーツは、完全な円形になりました。レンズ自体にハメ込み突起を付けてあるのが若干目立ちますが、これはデザインの重要ポイントなので止むを得ないという所でしょうか。



 足首関節は、接地性に優れた先代ダブルオーの機構を継承。左右に180度開脚しても足裏が接地します。足首は、足裏のサイズ・デザインとも先代ダブルオーと同じですが、カカトが低く、甲やアキレス腱がより引き締まった造形になりました。ツマ先をよりピンと延ばせる様に、可動を追及した結果の様ですね。

 肩アーマーは、前後貼り合わせておいて、上から白パーツを被せる構成。セカンドシーズンのキットと同様、肩関節は腕ではなく肩アーマーに接続してあり、ボール可動します。左肩はGNシールドの密着度を高めるために端をカットしたデザイン。右肩は可動式のサイドアーマーをハサミ込んであります。



 です。肩ブロックは、肩アーマー内のポリキャップに下から被せる、従来と同じ構成。上腕は筒状にワンパーツ成形してあります。ヒジも、虫メガネ状のパーツを左右貼り合わせる仕組みを引き続き採用。前腕接続部でもポリキャップ可動する、二重関節になっています。ヒジ外側にはやはりレンズが有り、クリアーパーツで再現してあります。



 前腕は、スイング可能な手首基部とヒジ接続用のポリキャップをハサミ込んでの、左右貼り合わせ。手首外側には、やはりレンズが付いています。右腕のみ甲の部分にスリットが設けてあり、箱状にワンパーツ成形された甲アーマーを被せます。「戦いを止めさせるための機体」だから、無用の攻撃を減らすためにも防御力を高めてあるのかも知れませんね。スネもそうですが、「いざという時」までGNコンデンサーを保護し、最大出力で事に望む意味も有るんじゃないでしょうか。



 手首は、左右の穴開きゲンコツと、左の平手が付属します。「戦いを止めさせるための機体」ならば、ぜひとも右の平手も欲しかったですね。開けば掌(たなごころ)ですよ。シーズンごとに変化してきた手の甲のデザインは、今回も新しくなっています。

 バックパックは、左側にのみ可動アームを装備していて、GNシールドを保持。アーム基部はバックパック内部にまで深く入り込み、中央の丸パーツの色分けも兼ねています。丸パーツ内側の色分けシールも付属しますが、レンズパーツが無くシールがムキ出しなのが残念ですね。アームは細かいパーツの連続ですが、全関節にポリキャップを採用してあります。



 GNシールドは、2パーツ貼り合わせの本体の、表にはポリキャップ開閉式の表面パーツ、裏には引き出し可能なGNドライブを仕込んであります。アームを折り畳み、ボディとシールドを密着させる事で、直結したツインドライブを同調させる設定で、劇中同様のギミックを再現。GNソードビット着脱部にはポリキャップも内蔵、マウント時にシールドから粒子供給を受けるという設定です。



 肩にGNドライブを搭載していたダブルオーと、胸に搭載していたエクシアの機構を引き継ぎ、オーライザーのバインダーも連想させるデザインが秀逸ですね。しかも、システムを発動する際には、シールドを背中に畳み、戦場の只中で無防備に身を晒す事になります。フィールドに守られてるとかはともかく、絵的には「戦いを止めさせる機体」に相応しい、たいへん良く出来た設定だと思います。



勝手に分離シーンをデッチ上げ。ガデッサ等みたいに、GNドライブ2基とコクピットをぶら下げて飛んで逃げるイメージです。

 武装です。GNソードXは、可動式のグリップとグリップカバー、回転式の実体刃を備えていて、デザインは変わってもシステムは従来のGNソードの物を引き継いでいます。ソードモードでは上側のグリップカバーが前腕のコネクターに接続されて(プラモ的には荷重を支えつつ)、エネルギーを供給。先代ダブルオーのGNソードUとは逆に、ライフルモードでコネクトしていない事に着目すると、よりソードモードでの使用を重要視しているのかも知れません。



 ハサミ込み可動のグリップを動かし、C字形ヒンジで接続されたグリップカバーを開いて、クリスタルの実体刃を水平ポジションに差し直せばライフルモードに変化。ストックが無い事に少し戸惑いますが、握り直さずにモードチェンジ出来るので、実機での運用には好都合のハズ。



 GNソードビットは、GNシールドから分離・射出される遠隔攻撃兵器。Aビット・Bビット・Cビットの3種を2基ずつ装備しています。キットでは3種とも、青パーツとクリアーパーツを組み合わせる2パーツ構成。グリップを引き出して手に持って使う事も可能だそうですが、サイズの都合でギミックは再現されていません。設定は良く知らないんですが、BビットにはAビットと噛み合わせるためのジョイントが有り、ここをグリップの様に持たせる事も出来ますね。A・Cビットも、着脱式のグリップパーツが付属していたら、遊びの幅が相当広がったと思います。この6本が持てれば、今回もセブンソードになる訳ですし。



GNソードビットの配列。

 GNソードXは、刃の周囲にGNソードビットを合体させる事でパワーアップが可能。ソードモードはバスターソードに、ライフルモードはバスターライフルに変化します。GNソードビットの配置は同じですが、先端を構成するAビットには取付穴が2箇所有り、バスターソードでは刃先が密着したポジション、バスターライフルでは刃先が開いたポジションになる様に取り付け。また、GNソードX本体の実体刃は取り外し、差し込み穴や突起が付いた、合体再現用のパーツに取り替えておく必要が有ります。



バスターソードのパーツ構成。実体刃は左右を囲むグレーのパーツを一旦外し、合体再現用のパーツに交換してあります。

 それにしても00シリーズは、小さなゲンコツに容赦なく大きな武器を持たせますね。それをちゃんと支えてみせる、キットの保持力も大したものです。



勝手に飛行形態をデッチ上げ。

 飾り台は、ラメの入ったクリアーグリーン成形の物が付属します。角度違いの支柱2種が入った、おなじみのタイプですね。このシリーズ全般に付属するのかな?と思っていましたが、4種のガンダムが出揃った現在までの所、付属するのはこのクアンタのみとなっています。



 組立時間は1時間5分でした。完成度の高かったダブルオーガンダムの、比較的単純なデザイン替えではないかと思っていましたが、ポージングを中心にさらなる改良が続いているのには、ちょっと感動しました。また、時代を区切って3期にわたる作品になった事から、00シリーズだけで相応のMS開発史を楽しめるコレクションに発展した、充実ぶりも嬉しいですね。これで対戦相手が発売されれば・・・うーん、そこが難しいんですよね。この作品の場合。

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 2010.10.2 健 竹史

  

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