健さんのプラモコラム　その３５３・特撮リボルテック　ガメラの巻

健さんの
プラモコラム

その３５３
　特撮リボルテック　ガメラの巻

　特撮リボルテック　ガメラ／海洋堂
　「ガメラ　大怪獣空中決戦」に登場
２０１０年５月発売　税別初出価格２７１４円

　ここはプラモを紹介するコーナー、そう考えていた時期がボクにもありました・・・（おいおい！）。度々完成品トイを採り上げて恐縮なんですが、ガメラと聞いちゃ黙っちゃいられないじゃないですか。エイリアン、ガメラ、そして近々バットマンと、ボクの好きなキャラクターが続々登場している特撮リボルテック。ガメラはソフビもいくつか買った大好きなキャラクターでして、海洋堂から可動フィギュアで発売されるなんて夢の様。しばしお付き合い下さいませませ。

　早速取り出して各部を・・・と思ってパッケージを開けると、梱包用の針金で首と両手を縛られた姿が目に飛び込んできて・・・萌えます。ゴジラ（ＧＯＤＺＩＬＬＡ）が神の名を持つ怪獣なら、ガメラは名前の中に十字架を持つ怪獣という事なのか（メの部分：ガメラ２のタイトル参照）、昭和シリーズの頃から人間を守って血を流す、そんなキャラクターでした。梱包された姿も受難シーンのディオラマの様で、取り出すのが惜しい気もしますね。次回出荷分からは針金の代わりに、ぜひ有刺鉄線を・・・安全上ダメですか、残念。

ガメラがゴーゴーおどってる！

　では今度こそ、各部を見ていきましょう。頭部は、口の開閉を再現。リボルバージョイントで接続されたアゴはカチカチとラチェットが効いて良い感じです。口の奥はアゴと一体で、左右にそそり立った感じで肉を造形してあり、喉の真ん中だけが穴になっています。口の中が丸見えになってもＯＫ、劇中でもこんな印象になってましたね。閉じる時にも邪魔にならず、上手く作ってあると思います。

　接続がリボルバージョイントなので、アゴはヒネる事も可能。１８０度回す事も出来ますよ・・・いや、ヒネる必要は無いんですけどね。口の上下の中心がピッタリ一致してるとカッコイイので、しっかり位置を合わせてやりましょう。下アゴの先が上下にツンと尖ってるのがチャームポイントで、正面から見た時に凛々しいんですよね。

虫歯は無いようねえ

　目はちゃんと正面を見据えた様に描かれています。ここは平成ガメラのデザイン上のポイントで、明確な意思を持った怪獣らしさが出ている、個人的にも気に入ってる所です。視野が前方をカバーしてると攻撃的な特性が伝わって来ますし、ラストでヒロイン（ほか数名）を見つめるシーンも、視線がハッキリしてるからこそ絵になりましたよね。

　首は、後頭部の上寄りと甲羅裏面をつなぐ二重関節。筒状に成形された外皮はリボルバージョイントに直接固定せず、被せてあるだけ。上下の動きに合わせてボディ内部に引っ込み、伸縮したかの様な印象を与えます。首が直接ボディに固定してないためなのか、左右に振ると首と胸の中心が不一致になり、体内で首から背骨につながるラインがうねっている様な緊張感あるポーズになります。ここはひょっとすると、実物よりも演技が上手いんじゃないでしょうか。

　ボディは、甲羅の内側に上半身の芯がリボルバージョイントで接続してあり、これに腕と下半身（腰）が接続してある構成。腹パーツは軟質素材で、中央をボディの芯に、左右両端を甲羅にピン接続してあります。この腹が無ければ、甲羅の中で体をヒネる事も出来そうですね。腰を動かして前屈みのポーズが取れるのは、腹パーツが柔らかく、動きに追従してくれるお陰。程良くマダラに塗装してあり、生物的な質感も良く出ていると思います。

　腰は、リボルバージョイントで上半身の芯パーツに接続。定位置では突起で甲羅の内側に噛み合って固定されていますが、前傾させると外れてフリーになります。この状態では左右ヒネリも可能になり、一歩踏み出した様なポーズも決まりますよ。甲羅との間にスキマが出来るので、横から見るのはオススメしませんけど。

　脚は、モモ・スネ・足首をリボルバージョイントで接続。ジェット噴射のためにデザイン段階でヒザに継ぎ目を入れてあるので、リボルテック向きのキャラクターではあります。ここは継ぎ目が被さった様な構造で、全身の可動部の中でも特にジョイントが上手く隠れて目立たない箇所ですね。

　足首は、カカト側から前に向けて軸を打ち込んであり、開脚時の接地に対応。ヒネリを加えて上手く調整してやりましょう。足のツメは外側に傾けて造形。カメのツメって、こんな感じで横に向いてるんですよね。こんなの見てたら、また飼いたくなってきます。

　腕は、ムクの上腕と前腕をリボルバージョイントで接続。肩関節は、特に大きくジョイントがムキ出しになる箇所だろうと思います。十文字のラッチが見えない方向に向けてやると良いかも知れません。手首はスイング可動式。前腕の途中で分割してあり、ヒネリ可動はここで行います。また、開いた手と握った手の２種類が付属し、前腕ヒネリ部で差し替える事が可能です。隠し武器のエルボークローは、残念ながら付属していません。

甲羅だけ取り外して、ガメラの墓場を再現。ひとり１００個は買うてくださいね。

　尻尾は３パーツに分割し、リボルバージョイントで接続。最初の可動位置を地面に近い部分に配置してあり、根元から動かそうとしていません。怪獣フィギュアを多数手がけてきたメーカーだけに、「ポーズはここから先で付けるべき」「根元が動いても効果的でない」という判断が有っての事なのでしょう。確かに、尻尾を吊って動かしているなら、あるいはシルエットを美しく見せるには、こんなカーブになるべきなのかも。

　尻尾にポーズを付ける時、間着式のソフビではディテールも分断してヒネってしまいますが、リボルバージョイントの場合は全周にスキマを必要とする代わりにディテールの位置関係がズレる事が有りません。意外と怪獣モノと相性が良い関節機構なのかも？と思いました。

キノコうめえええ！

　オプションパーツを見ていきましょう。プラズマ火球は、先端の白い発光と口の中の炎のイメージを、グラデーションのかかった塗装で表現。再現時は喉にエフェクトパーツを差し込んでやりますが、口の奥左右の肉がフォークの様な二股になっていて、着脱するのに好都合。舌の造形にもフィットさせ、安定良く取り付けられます。アゴをヒネると、あらぬ方向に向ける事も可能ですよ。（これがホーミングプラズマというものか！：嘘）

　下半身は取り外し、脚と尻尾を引っ込めた状態のパーツと交換可能。足を引っ込めた穴には、ピン接続でジェット噴射のエフェクトパーツを取り付け可能で、飛行状態を再現出来ます。飾り台は付属しませんが、このエフェクトパーツが飾り台みたいなものですね。腰を屈ませる事で、シチュエーションの違いもある程度楽しめると思います。

　ネームプレートは、エイリアンと共通規格の物が付属。登場作品名を書き添える方針なので、３作品のイメージをミックスするのではなく、１作品（今回は「大怪獣空中決戦」）に準拠した造形となったのは自然な流れですね。もちろん１作品の中にも大・小・用途別の複数のガメラが使われているので、それらのイメージを統合した物にはなっていると思いますが。このネームプレートがある限り、今後発売されるキャラクターも基本的には１作品ごとのデザインが尊重されるのではないかと思います。

各部共通のジョイントを活かして自由合体。君だけのオリジナルガメラを作ってみよう！（笑）

　という訳で、いずれはガメラ２、ガメラ３準拠のガメラも発売して欲しいなと期待しているんですが、同時に、作品ごとの違いを表現したゴジラが発売されたら凄い数になりそうで、ガクブルしてしまいますね。３のガメラなんかは、甲羅のウロコがフル可動とか（無茶）。腕を翼に変形させた２以降の飛行スタイルは、ぜひ机上に飾ってみたいものです。

ピットロード１／７００現用米国空母艦載機（インディペンデンス艦載機）セット付属のＦ－１４トムキャット、１／７００あきしお（呉市・てつのくじら館）との比較。Ｆ－１５イーグルが有ればもっと良かったんですけど。

　ライバル怪獣も出るのかな？と考えた時に気になるのは、スケールが統一されるのかという事ですね。レギオンの大きさはハンパじゃないですけど、対決させたいので出来れば統一して欲しいところです。ちなみに今回のガメラは、６０ｍとされる甲羅が約８ｃｍである事から、１／７５０程度だと思われます。スケールが近い１／７００の艦船模型等と並べてみるのも面白いでしょう。

　初めて手に取った時には、ちょっと小さいかな？と思ったんですが、甲羅が手の平にスッポリ収まって、ものすごくカワイイですね。ペットとして丁度良いサイズで、いじってる最中に目が合ったりすると、ものすごく和みます。カメ好きにはたまらない、というか・・・リボルテックでカメが欲しくなってきたんですけど。そのうち新展開で、動物シリーズなんかどうでしょう？

その１７０　リボルテック　ダグラムの巻
その１９７　リボルテック　コンボイの巻
その３４６　特撮リボルテックエイリアンの巻
その２１６おまけ記事　てつのくじら館

　2010.6.14　健　竹史