健さんの
プラモコラム

その346
 特撮リボルテック エイリアンの巻

 特撮リボルテック エイリアン/海洋堂
 「エイリアン」に登場
2010年4月発売 税別初出価格2714円



  えー、ここはプラモを紹介するコーナーではあるんですが・・・今回はリボルテックの新シリーズ「特撮リボルテック」がスタートしたという事で、第一弾のエイリアンを採り上げたいと思います。発売日に買い逃し、再出荷分でようやくゲット。その後はDVDを見返したりコメンタリーを聞いたり関連本を読み返したり、子守唄代わりにDVDを見ながら寝たりして。一度ここで採り上げておかないと落ち着かない感じなので、しばらくお付き合い下さい。エイリアンかわいいよエイリアン・・・はぁ。



 頭部は、口の開閉とインナーマウス(口の中の口)の出し入れを再現。アゴの後ろが筒抜けになっていて、喉ギリギリの所までインナーマウスが突き出しています。突起がちょっとだけ見えてしまいますが、ここを押し出せばインナーマウスが簡単に動かせ、気軽に遊べるギミックに仕上がっています。これだけ細かいパーツは、引っ張り出すよりも押し出す方が簡単ですからね。

 は、歯をムキ出した表情で造形。インナーマウスがあまりにも印象的なため、どうしても歯がムキ出しになった商品が多くなる様に思うんですが、この素晴らしい造形で、閉じた唇も見てみたかったですね。あの唇のファンは少なくないと思うんですが。



 頭の透明フードは、スモークで塗装してあります。後ろは後頭部の下端に被さる様に成形、この辺は次第にスモークが濃くなって、後端は完全に不透明となっています。フードの境い目が分からない塗装は「3」に登場するドッグエイリアンに顕著な特徴かと思っていましたが、画集「ギーガーズ・エイリアン」を見返すと、表紙のイラストでも後頭部は不透明になっていますね。本編映像は見返しても良く分からないんですが、ギーガー氏は当時からこんなイメージを持ってたという事でしょう。



 フードは被せてあるだけで、簡単に取り外せます。製作途中やメンテ中のスーツを妄想するも良し、フードを外した頭を黒くリペイントして「2」のウォーリアーにしてしまうも良し、って事でしょうか。特撮リボルテックのシリーズ第一弾なので、「2」のファンの人が「ひとり100個は買うてくださいね」を実行すると、好調な出だしでシリーズ全体にも弾みが付くと思いますし。(もしかして狙ってやってます?)フードの中身は、側面の模様を塗装で表現してあります。



 は二重関節になっていて、大きくうつむく事が出来ます。背中に突起があるので、あまり上を向くのは得意ではありません。

 ボディは、ウエスト部分に前傾出来る関節を仕込んであります。さらに胸では左右スイング。肋骨のスキマが筒抜けになっていて、チラリとのぞいたチューブ風の体表ディテールが、スイングする度に左右に動いて見えるのがたまりませんね。



 は、ムクで成形されたモモ・スネ・足首を、リボルバージョイントで連結。股関節やヒザ・足首には関節球がムキ出しになっています。これぞ生物と機械のディテールが融合したバイオメカノイド(違)。カカトの突起にスキマが有る事は、このフィギュアを見て初めて気付きました。画集を見返すと、脱いで分解されたスーツの写真が、確かにそうなってました。これは2本の指なんでしょうか。この人は時々重力に逆らった様な動きをされますが、この2本を含む足の指で、何かに掴まっていたりするのかも?足裏には丸穴が開けてあり、飾り台の突起を差し込んで立たせる事が可能です。



 は、肩とヒジにリボルバージョイントを採用。手首は回転とスイングが可能な、軸関節が仕込んであります。肩関節の軸は斜め下に向けて差し込んであり、上腕上端で関節の球体を覆う様に造形してあります。関節が目立たず、腕を真横まで上げられるのは、軸打ち方向を工夫してあるお陰ですね。軸が真横に打ってあると、それが邪魔をして動きを制約するでしょうから。

 手首の交換パーツは無く、左右とも平手のみの再現となっています。ファンとしては指先を細めた、おやすみ中のシーンを再現出来る手首が欲しかった気もするんですが。中の人などいないので、6本の指は遠慮なく開いて造形。ツメは銀色で塗装してあります。



 尻尾にはワイヤーを仕込んであり、曲げてポーズが付けられる様になっています。MPCのキットに見慣れていたので根元がずいぶん太く感じられましたが、スーツの製作風景の写真を見ると、このくらいの太さは有りそうです。



MPC社のエイリアン(左)との比較。

 ボディ表面は、濃淡を付けて塗装してあります。やや茶色がかった感じの黒で、これは「1」よりも「2」の体色に近い気がするんですが・・・やはり「ひとり100個は買うてくださいね」という事なのかも知れません(笑)。



 飾り台は円形の板で、裏に「特撮リボルテック」のロゴが入っている事から、シリーズ共通の物だろうと思います。表面にピンが1本出ていて、これを足裏に差し込んでディスプレイ。エイリアンの場合は細身で足裏面積も小さく、しかも重心が高いもんですから、安定して立たせるには調整が必要だったりします。出来ればピンが2本欲しかったですね。好きに配置できる差し替え式のピンでも良いと思いますが、例えば、ベースに接続してない方の足に履かせる、クリアーのカンジキみたいな補助パーツが有るだけでも、かなり安定が良くなるのではないかと思ったりします。



 オマケに、エイリアンエッグ(エッグチェンバー)とフェイスハガー、ネームプレートが付属します。エイリアンエッグは素材の透明感を生かして、何か入ってる様子が透けて見える作りになっています。口は開いた状態で造形。内側の網目状の組織まで塗装してあります。関連フィギュアが今後も発売されるなら、その時は口が閉じた状態の物を付属させて欲しいですね。

 フェイスハガーは、本体と尻尾の2パーツを接着してある様です。内側のディテールは、「1」よりも「2」の物に近いでしょうか。具の部分は塗装済み、呼吸袋には血管も描き込んであります。そのまま床に這わせても良いですが、飛沫パーツにフェイスハガーの尻尾を差し込んでエイリアンエッグに取り付ければ、人間に寄生しようと飛びかかるシーンを再現出来る様になっています。



 ネームプレートは底面に穴を開けてあり、飾り台のピンに固定出来る様になっています。キャラクター名だけでなく、登場した映画のタイトルと、公開の年まで書き添えてあるのが良いですね。まさに封入ブックレットにある「特撮大博物館」といった感じでディスプレイ出来そうです。並べただけでなく、それが何なのかが明示してあってこそ博物館。シリーズを買い揃えていった時、統一されたネームプレートが添えてあれば、それだけで数段格調が高まりそうですね。



 パッケージの扉内側に、詳細な作品解説がある点も素晴らしいと思います。ボクの様に、「一目惚れしたら買っちゃう」という人は、作品を知ってるかどうかは購入動機と無関係なんですが、知りたくて買ってるような部分も有る訳でして。古い作品のキャラもどんどん発売されるなら、尚更キチンとした解説に触れたいものです。シリーズの性格上、大半がリアルタイムで見てない物になる可能性も有りますが、ここまでフォローしてもらえれば、その魅力を十分に味わえると思います。

 解説は内容が詳しいだけでなく、見映え良く一枚にまとめてあって、これまた博物館の解説パネルみたいなんですよ。メーカーの方としてはパッケージごと保存してくれたら一番良いと思われるでしょうけど、住宅事情で箱を取っておけないという人は、この解説部分だけでも切り取っておくと良いと思います。コレクションをズラリと並べ、その1つ1つに解説パネルが添えてあると・・・たまりませんよね。模型趣味というのは、元々博物館みたいな物だと思うんですよ。最近特に。



 てな感じで、また一つ面白いシリーズが始まった様で、今後に期待してしまうのであります。特撮を扱ったシリーズですから、それぞれの商品には原典となる映像作品が有ると思うんですが、フィギュアと一緒にDVDも売れるとか、フィギュアの発売がブルーレイ化の後押しになるとか、TVシリーズならさりげなく発売時期に合わせて再放送されるとか、そんな感じで映像作品の方にも活気が出たら嬉しいですね。


 おまけ




 ついでという事で、MPCのエイリアンも紹介してしまいましょう。初めて買ったのは高校生の頃、しかも映画は未見でしたっけ。少なかった小遣いの中から2000円は大出費、たぶん月額の大半をコレに使ったんじゃないかと思います。シュリンクパックがかけてあるので、買ってみないと分からない、見ないで決めなきゃならない、パッケージに写真は無く、判断材料は「全高9インチ(23センチ)以上」の英語表記と、「HOW TO BUILD GUNDAM」(当時版)に出ていた広告くらい。・・・って言うか、あの広告で欲しくなっちゃったんですよね。初めて買った輸入キット。急いで帰ってシュリンクパックを破り、フタを開けてアメリカの空気を吸いましたよ(笑)。



 思い出話はこのくらいにして、中身の話に移りましょう。頭部は左右貼り合わせて、クリアー成形のフードを取り付け。前後方向がちょっと短めかも知れませんね。フードパーツは収縮率が違うのか、ボクが買った物は被せた時に、前後に少しスキマが出来る様でした。チェックさえしておけば、接着前にパテで充填する事も出来るでしょう。仮組み段階でチェックしておきたい所です。



 インナーマウスは、上下2パーツの貼り合わせ。後端の抜け止めを頭パーツでハサミ込んであって、前後に可動。出し入れ可能ではなくて、出っ放しの状態で前後に動きます。

 首は、ガンプラの様なキッチリした関節が有る訳ではなく、首(頭)パーツの先端のクビレを、ボディ内部の2本のピンでハサミ込んであります。箸でツマんだ様な、前後にフリーになった固定法ですね。そのため、左右スイングだけでなく、若干の、本当に若干の、上下可動も出来る様になっています。



 ボディは前後貼り合わせ。肩から足裏までが一体成形で、背中やカカトの突起は別パーツ化されています。足裏面積は小さいですが、安定感は良好。ポーズはナルキッソス号(脱出艇)の噴射を浴びせられてるシーンをイメージしているものと思われます(ホントかなぁ?)。体の前後のモールドはシャープなんですが、横に行くほど甘くなるのが、生モノの難しい所です。

 背中の突起類は、真ん中の張り出しが左右貼り合わせ。左右の煙突も、2本一体で左右貼り合わせ。縦3列の突起物が、一体のクボミに埋没する様に収まります。ここに選択式のフタパーツが用意してあれば、「3」のドッグエイリアン(ただし着ぐるみVer)モドキが作れるのに・・・すみません、ちと無理がありますね。カカトの突起は間にスキマが無く、1本モノとして造形してあります。

 尻尾は左右貼り合わせ。根元は丸ピンの差し込み式で保持力も有りますから、接着せずにおいて、少しヒネって遊んでも良いかも知れません。



 腕は2パーツ貼り合わせ。指の造形は2本ずつが一体になっています。ピン接続の肩関節はスイングが可能。可動軸に抜け止めパーツを接着してからボディでハサミ込む指示になっていますが、今なら市販の関節パーツも充実していますから、後ハメが効く関節に置き換えてやると良いでしょう。

 「2」「3」までプラキットで発売されたエイリアンですが、時代が進むごとに完成品フィギュアやソフビキットが主流になり、「4」のエイリアンやニューボーンエイリアン等は、確かプラキットが発売されていないのではと思います。脇のモールドがダルくても、それでもプラキットが好きなんですが・・・。出来たらいつか、仲間を並べてやりたいですね。

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 2010.4.28 健 竹史

  

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