健さんの
プラモコラム

その335
 HGUC
 陸戦型ガンダム地上戦セット
の巻

 HGUC 1/144
 RX−79[G] 陸戦型ガンダム
 M353A4 ブラッドハウンド 他/バンダイ
2009年9月発売 税別初出価格2200円



 ザク陸戦型ガンダム。かつて対決セットで発売された2体が、今度は車両や兵士を引き連れてのプレイセットで張り合ってます。しかも地上でしか戦わない陸戦型ガンダムが「地上戦セット」って・・・・そう、この不思議な感覚は、もともと最終戦にしか登場しなかったエヴァ量産機「最終戦仕様」として再発売された、あの時に似ていますね。

 まあいいや、とにかくザクと陸戦型ガンダムは、プラモ的にもライバルなのでありますよ。これは両方買い揃えて、机の上で仲良くケンカさせるのが吉なのであります。それに、複数揃えたいと思いながら延び延びになってた人にとっては、2個目を買う良い機会かも知れませんよ。



君が選ぶ、君のヒーロー!(番組違うよ)

 てな訳でキットに目を通していきましょう。ガンダムは基本的に従来と変わりありませんので、その214 HGUC陸戦型ガンダムの巻を参照下さい。



セット内容。左列上からM353A4 ブラッドハウンド、連邦軍兵士2種4体、陸戦型ジム頭部、右平手。右列上から陸戦型ガンダム、レールキャノンと武器持ち手、180mmキャノン(既発売のHGUC陸戦ガンダムにも付属)

 セット内容はザク地上戦セットに準じて、既発売の陸戦型ガンダム1体に、同一の新規ランナー2枚と、ナンバーや注意書きを収めた水転写デカールを追加。組みあがれば車両が2台含まれて、これだけで部隊らしさが楽しめる内容となっています。



 MS戦闘支援車両「M353A4 ブラッドハウンド」は、2両付属。名前は聞き慣れませんが、第08MS小隊に登場するホバートラックですね。車体は、箱形に成形された後部荷台を左右からハサミ込み、上面パーツを取り付けてあります。車体下面は真ん中に分割ラインが通りますが、脚でつながった状態で成形されたホバーユニットを取り付けると、ほとんど目立たなくなります。分割ラインを消したいという人も、パテ埋めだけでなく、何かパーツを貼り付けて隠しても良いかも知れませんね。



 後部パーツは2種付属し、車種の違いを表現出来ます。左は指揮官用車両。レドームを装備し、通信機能が強化されているという設定。右はで荷台を覆った一般型の車両。どちらのパーツもワンパーツ成形。各2個ずつ付属するので、2台とも同じ車種にする事も、完成後に組み替える事も可能です。右側面のパーツはアンダーグラウンドソナー。展開状態・収納状態のパーツが差し替え可能です。振動を探知して索敵を行い、MSの戦闘をフォローするのは、この車両の大きな任務です。後部左に付いているのは可変式伸縮アンテナ。こちらは固定式となっています。



 天井パーツを外して荷台を露出した状態。兵員輸送や休息等の場面も再現出来る様に、座った状態のフィギュアが付属しても良かったかも知れません。サイズ的には、Nゲージ用のフィギュアを流用すると良いでしょう。



 アンダーグラウンドソナーを使う際には、前後のアウトリガーを展開します。アウトリガーというのは車体固定用のアームで、クレーン車が作業中に踏ん張る足等がこう呼ばれます。



 前部アウトリガーは、前面プレートとアームがスライド伸縮。引き出す事で車体とのロックが外れ、引き下げる事が可能になります。後部アウトリガー(兼ハッチ)はワンパーツ成形ですが、可動軸の部分がレールと噛み合っていて、やはり引き出して初めて下に下げられる様になります。二段階の凝った動きが楽しめるのと同時に、パーツが重さで垂れず、安定してディスプレイ出来ます。



 ホバーユニットは、脚でつながった状態でワンパーツ成形。円形の上面カバーは1つずつ成形され、個別に被せていきます。上はカバーのスキマまで、下はフィンの奥までモールドが入っていて、精密感は十分。脚の根元にはシリンダーの表現が有り、実物はここで可動する事が分かります。



 連邦軍兵士フィギュアは2種4体付属。側面のハッチは、フィギュアと比べると、かなり窮屈な感じです。もちろんベースの厚み分を差し引いて比べる必要が有るんですが、設定画では、もう少し窮屈かも知れない位です。車体上部の20mmチェーンガン(アニメ用設定ではバルカン砲と表記)は、上から差し込んであるターレットごと左右に回転可能。銃身も若干の上下可動が可能です。内部にはシートも再現。ターレット後部の突起はアンテナの基部です。上級者はパッケージイラストを参考にアンテナを追加してやっても良いでしょう。

 チェーンガンは、連射の動力伝達にチェーンを利用した機関砲。ガス圧式に比べて不発や弾詰まりのトラブルを起こしにくい特徴があります。
 ウィキペディアの「チェーンガン」解説ページへ



先に発売されたザク地上戦セット・61式戦車5型(左)との比較。ボリュームはほぼ同程度です。

 続いて、陸戦型ジムの頭部パーツです。バイザーと頭頂部カメラはクリアーで一体成形、顔の内側から取り付けます。その奥には内部カメラパーツを仕込んであるんですが、横のラインだけで構成されたシンプルなディテール。近年のジムに比べるとアッサリした内部カメラとなっています。丸いは別パーツ化、モールドもシャープです。



左から、キット状態の1/144陸戦型ジム、地上戦セット付属の頭部に交換した1/144陸戦型ジム、地上戦セット付属の頭部を使ってジム頭を再現したHGUC陸戦型ガンダム。

 旧1/144キットに比べて横幅が狭く、小顔の印象。前に突き出したチョンマゲや、フラットな印象が強かった後頭部も、より設定に近く自然な印象に改善しています。

 この頭部はHGUC陸戦型ガンダムに取り付けて、「第08MS小隊」に登場した、ジム頭の現地改修機を再現出来ます。また、ボールジョイントのサイズが同じであるため、旧1/144キット(ジムスナイパー含む)や、旧1/144陸戦型ガンダムにも取付可能です。



 レールキャノンは、可動式グリップをハサミ込んで左右貼り合わせた砲身に、マガジン後面とセンサーユニットを取り付ける構成。電磁レールで金属弾を発射するので、火薬は使っていません。マガジン後部はダクトになってる様ですが、あくまで廃熱のための物で、発射煙は出ないのでしょうね。説明書の再現ディオラマには煙の表現は有りません。汚し塗装の際には念頭に置かれると良いでしょう。センサーユニットはワンパーツ成形で、後ろが肉抜きされていますが、レンズ面の円形は省略せず再現してあり、パテ埋めしやすいパーツ形状となっています。



 武器持ち用の右手は、手の甲を切り欠いてありスイング出来る様になっています。HGUCザク地上戦セットにもポーズの幅を広げる新規手首が付属していましたが、今回は武器を構えるポーズの自由度アップを狙った物です。これ、ザクの時にも欲しかったですね。



 面白いのは、手首の取付軸がボール接続とピン接続の2種類から選択出来、HGUC陸戦型ガンダムだけでなく、旧1/144陸戦型ジムにも対応している事です。説明書ではレールキャノンを持たせるのに使う指示になっていますが、旧1/144陸戦型ジムには豊富な武器が付属していて、当時からトリガーに指をかけた設計の手首になっていたため、HGUC準拠の手首との相性も良好。従来の武器を持たせるのにも使えます。



旧1/144陸戦型ジム付属のロケットランチャーを、今回付属の新規手首を使って持たせた例。肩当て位置の違いに注目です。

 もちろん、旧1/144陸戦型ジムの武器をHGUC陸戦型ガンダムに持たせても良いですね。腕の可動が充実したこのキットにスイング可能な手首を組み合わせれば、ロケットランチャーをより自然な形で構える事が出来ます。このロケットランチャー、肩当てが前後スライドするギミックが採用されているんですが、ジム本体はそれを活かせるほど腕が大きく曲がらなかったんですよ。HGUC陸戦型ガンダムでは、腕を曲げ体に引き寄せて構える時に、肩当てのスライドギミックが活きてきます。



今回付属の新規手首を使って、180mmキャノンを持たせた例。手首のスイング機構を使ってヒジを横に張り出し脇を引き締めない事で、緊張感を抑える効果が・・・出ているかな?戦闘シーンと非戦闘シーンで、ポーズの付け方を変えてみるのも面白いと思うのです。



 同じ取付軸パーツを利用した、スイング可能な開いた右手も付属。同一ランナー2枚に余りパーツが出ないように成形してあるため、開いた手、武器持ち手、ボール軸、ピン軸が、全て2個ずつ付属しています。旧1/144キット2体あるいはHGUC2体に同じ手首を使いたい場合は軸パーツが足りなくなります。ちょと欲張りかも知れませんが、軸パーツは余分に入っていても良かったかも知れません。



 陸戦型ガンダムを除く新規パーツの組立時間は、30分程度でした。発売時期が近い「MSイグルー2重力戦線」をイメージしたキットという事になってはいますが、実質的には08小隊ファンに向けたキットでしょうね。また、HGUC以前のキットにスポットを当てて、この様な形でアップデートパーツを提供する商品企画自体にも注目したいと思います。普通であればHGUCで陸戦型ジムを発売しておしまい、なのですが。この機会に、安価でプレイバリューの高い旧キットに触れてみてはどうでしょうか。



今回付属の頭部と平手を旧1/144陸戦型ジムに組み合わせると、ハッチ開閉ギミックがより楽しくなります。コクピット内部が十分に再現されてないのが惜しいですね。

 って言うか・・・旧キットでも陸戦型ジム発売時にプロポーションの改善が行われ、いいトコを持って行かれた印象の有った陸戦型ガンダム。今回も旧1/144ジムに利用された感が無きにしも非ず・・・ザクキットとの因縁だけでなく、こういう部分も含めて、オマージュなのかなあ、って事で、ニヤリとさせられてるオールドファンも少なくないのでは(笑)。


 おまけ

 今、サントリーのBOSSコーヒーのキャンペーンで、「戦国騎馬武将」のゼンマイフィギュアが付いてきます。早速、武田信玄を買ってみたので、紹介したいと思います。



 馬はABS製、武将は軟質素材。のぼりは、プラパーツにシールを折り曲げて取り付けます。武将の身長は30mm程度。1/60と言いたい所ですが、昔の人は小柄だったので、1/48の方が近いかも知れません。



 馬はゼンマイで動きます。トコトコ歩くのかな?と思ってたんですが、これが激しく跳ねながら進むんですよ。ほとんどロデオ。ゼンマイを巻いただけでは動き出さず、床に置いた重みで動き出す仕組みが良いですね。



 あまりの激しさに、「闘乱残無」(とらんざむ)と勝手に命名。活動限界を超えると馬も武将もゼエゼエ言ってしばらく動けなくなるという設定です。んー、どこかで聞いた事がある様な。

 ラインナップは織田信長、徳川家康、武田信玄、直江兼次、上杉謙信、山本勘助、豊臣秀吉、真田幸村、伊達政宗、前田慶次郎の10種。我が家は全種買い決定ですね。品切れないうちに、コンビニ等でお早めにどうぞ。

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 2010.3.3 健 竹史

  

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