健さんの
プラモコラム

その322
 HGUC ユニコーンガンダム
 デストロイモード
の巻

 HGUC 1/144
 RX−0 ユニコーンガンダム(デストロイモード)
 バンダイ
 「機動戦士ガンダムUC」に登場
2009年11月発売 税別初出価格1800円



 先に紹介したユニコーンモードに続いて、今回は同時発売されたデストロイモードの紹介です。「機動戦士ガンダムUCパーフェクトガイド」のインタビューによると、企画スタート時に福井さんが考えていたのは、目とツノを消して変化を持たせたいという、首から上だけで済むかも知れない程度のモードチェンジだった様です。その案のままデザインが決定していたら、キットが2種類発売される事もなく、交換用の頭部が付属しておしまい、となっていたかも知れませんね。



 しかし、福井さんは「ボディまで変身させるようにしたのはカトキさんだからね(笑)」と仰ってますが・・・これは、なるべくしてこうなったデザインと言えるかも知れませんね。ユニコーンをモチーフにするとなると純白にせざるを得ず、歴代で最も地味なガンダムになりそうです。他のガンダムに負けないカラフルさを出すには、純白のボディが何らかの変化を起こさないと。ストーリーもそうですが、ユニコーンという絶妙なタイトルは、デザインにも影響を与えているんだろうなと、改めて思うのでした。

 では、15年前ならガンダム顔の風雲再起モドキになっていたかも知れないキットに、目を通していきましょう。(ちょっと待て!)



 頭部は、クリアーレッドのフレームパーツに、マスクと後頭部を組み合わせておいて、ヘルメットで左右からハサミ込む構成。HGユニコーンモード同様、チョンマゲは別パーツ化されていて上からセット。オデコセンサーは、アンテナと組み合わせて前から取り付けます。アンテナの安全突起は、目立たない様に後ろに付けてあるので、ユニコーンモードの物とは配置が異なります。不揃いに見えて気になるという人は・・・って言うか、付いてる時点で気になりますね。

 アンテナの前面は、ユニコーンモードで閉じて密着する部分ですが、他のガンダムの様に中央を山形に盛り上げ、わずかに折れ線を付けた造形となっています。はフレームパーツの一部なのでクリアーレッドですが、実際は緑のため、シールで色分けに対応。MGの発売が近いVガンダムに合わせて、1/100キットの思い出を呼び起こしておこうという憎い演出ですね(違)。



 は、上がボールジョイント、根元が前後スイング式の二重関節。HGユニコーンモードと同じパーツを使っています。今回は1ランナーだけですがユニコーンモードとデストロイモードで同じランナーを使ってあり、関節等の変身に関わらないパーツを共通化。コストを節約すると同時に説得力を持たせてあります。



 ボディは、胸中央パーツの左右からクリアーレッドのフレームパーツを取り付け。肩関節の保持もこのフレームパーツが行っています。その上から胸左右の外装を被せる構成は、MGに近い印象ですね。展開したダクトカバーは別パーツ化、正面から取り付けます。背中も展開して肩幅が広がっていますが、展開ラインはモールドで再現してワンパーツ成形。ほとんど隠れるので妥当な判断でしょう。エリ内側と胸下の外装は、ユニコーンモードと同じパーツを使っています。



 ウエストは、腰から伸びた軸が、胸のボールジョイントに接続。腰の芯や腹巻のパーツはユニコーンモードの物と同一で、腹巻の上にクリアーレッドのフレームパーツを被せる事で、変身状態を再現してあります。

 です。フロントスカートは、切り離せば左右独立してボール可動に出来るタイプ。本体・サイコフレーム・スライドした装甲の3パーツを重ねる構成です。



 サイドスカートは、本体・サイコフレーム・裏面パーツを重ねて色分けを再現。裏面パーツはユニコーンモードと同一のパーツを使い、統一感を演出しています。ポリキャップによる二軸可動ですが、腰の上から見えるポリキャップはサイコフレームに合わせて赤で成形してあるものの、透明でないので「おや?」と思ったりもします。気になる人は、いっそ他キットで余ったグレーのポリキャップに交換しても良いかも知れません。

 リアスカートは固定式。ユニコーンモードと同じパーツを使ってスラスターを色分けしてある他、表面が展開してバーニアが露出した状態を再現してあります。サイコフレームにノズルを取り付け、上に表面パーツを被せてあるんですが、上端だけでハメ込んであるため、腰を持つとカバーが閉じてしまいます。スカート内に底面を設けて、もっと頑丈に保持してあっても良かったかな?でも、筒抜けのスカートからモモが見えたりするメカニカルさがたまりませんね。このキットを参考に、ユニコーンモードに収納状態のバーニアを仕込んでみるのも面白いかも知れません。



 フンドシ正面は、クリアーレッドのサイコフレームの上下から外装パーツを被せ、フンドシ前面に貼り付けてあります。股関節は左右スイング可能なボール軸。ユニコーンモードと同一のパーツを使用しています。

 です。モモは、外側のパーツをベースにして、サイコフレームや内股の外装を取り付けていく構成。外側側面のサイコフレームは内部に仕込むのではなく、表面から貼り付けてあるため、ハメ込み突起が透けて見えてしまっています。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 内股の外装は、スライドラインで上下に分断。外側だけでもコマ切れにせず、股関節からヒザ関節までをつなぐ一体のパーツにしておこうという、組み易さや強度に配慮した構成なのでしょうけれど、どうせなら目立つ外側ではなく、内股や後面の様な、目立ちにくい面に貼り付け式のフレームを持ってきた方が良かったかな?と思いました。それが難しいなら、突起をデザインに見える形にしてしまうとか。



 ヒザは、関節まるごとユニコーンモードと同じ物を使っています。スネは、足首関節付近とヒザ関節を先に組んでおいて、左右からハサミ込み。側面上下のスラスターは、ユニコーンモードと同じパーツを使ってあります。スネ後部は、サイコフレームとノズルを組み合わせたスラスターを取り付け、その上にスラスターカバーを固定してあります。

 スネ前面は別パーツ化。突き出たヒザアーマーは、サイコフレームの前と上に外装パーツを貼り付け、斜めに差し込みます。実機がどうなっているか知らないんですが、内緒で引き出してやると、立てヒザポーズが取らせやすくなると思います。



 足首は、上が二軸関節、下がボールジョイントの二重関節を、左右貼り合わせのサイコフレームでハサミ込み、スネ組立時に閉じ込める組み立て。正面から貼り付ける足首アーマーは下半分がヒンジで可動しますが、これはユニコーンモードの足の甲がせり上がった物。ユニコーンモードのパーツに比べてコンパクトになっています。全身各部のパーツを極力共通化しつつも、場所によってはバランスに変更を加えてある様ですね。他に分かりやすい変更箇所としては、ヒザアーマー上端の幅が挙げられます。

 足首は、足裏パーツをベースにして、クツとカカト、甲、クルブシを上からセットしていく構成。ベタ足のユニコーンモードに対してデストロイモードはハイヒール状のデザインですが、クツとカカトはユニコーンモードと共通のパーツ。カカトは、2つのキットで組み付ける方向を変えてあるんですね。



 側面のアーマーは、ユニコーンモードとは配置が変わった状態の新規パーツを、クルブシ横に取り付け。このアーマー、ユニコーンモードでクツを隠して白の面積を増やす狙いが有るのでしょうけど、その結果ツマ先だけ露出したクツは、馬の蹄を思わせる様で面白い変化ですね。のパーツは、ユニコーンモードの甲(デストロイモードの足首アーマー)と重なる設定。キットではプラの厚み程ではありませんが、装甲の厚み分だけコンパクトになる事を意識して、ほんの少しユニコーンモードよりも小さく造形してあります。



ユニコーンモード(右)との比較。

 肩アーマーは、肩ブロックを前後からクリアーレッドのフレームパーツでハサミ込み、前後・上・横から外装を取り付け。上面はユニコーンモードの形を単純に分割したのではなく、展開時に傾いた部分を作って有ったりして、見比べると面白い造形になっています。側面の角穴にはスラスターパーツを取り付け。一つの穴に、外と中から突起を差し込んである、ハメ込み処理が面白いですね。

 肩のセンサーは、ユニットごと胸上面外装に上から差し込む取り付け。全体をクリアーレッドで成形してあり、白い部分はシールで覆う様になっています。肩関節を上スイングすると一緒に動いてしまいますが、これはキットの都合であって、実機ではポジションが固定されて動かないのだろうと思います。



ユニコーンモード(左)との比較。

 です。肩ブロックと上腕は新規パーツですが、形はユニコーンモードと同じ物だろうと思います。小説連載時のデザイン画では、上腕の下端と前腕の上端が、ヒジ横で噛み合った様な形に描かれていますが、アニメ用の設定画では、噛み合う様なデザインが廃止されています。キットではユニコーンモード・デストロイモードとも、上腕と前腕のを変える事で干渉を避け、可動範囲を確保。その分、前腕のボリュームが大きく感じられるかも知れませんね。

 ヒジ関節は、ユニコーンモードと同じパーツを使用しています。前腕は、2パーツ貼り合わせのサイコフレームにヒジ接続用のポリキャップをハサミ込み、甲と内側の外装を被せる構成。手首のポリキャップを腕輪に仕込んでセットする所まで、ユニコーンモードと同じパーツ分割になっています。



 甲のサーベルホルダーは、ユニコーンモードではパーツ内側で受けていた差し込み構造が、今回は表面まで露出し、前方への回転が可能になっています。内蔵したビームサーベルにビーム刃を取り付ければ、ビームトンファーが再現出来ますよ。

 手首は、左右のリアルなゲンコツと、右の武器持ち手が付属します。手の平と指は、ユニコーンモードと共通のパーツ。手の甲も含めて変身後もデザインは共通なので、平手を拝借して来る事が可能です。



 バックパックは、外装をユニコーンモードの物と共通化してあり、ハサミ込む内部フレームを専用パーツに変える事で、展開状態を再現しています。2基だったバーニアは、側面カバーが展開する事で4基に増えますが、スラスターカバー自体は共通パーツです。中央上端の後方センサーも、同一のカバーパーツの取り付け方向を変更した物。サーベルホルダーは新規パーツですが、変身前にサーベルが収まっていた外装パーツのスキマのモールドは、ユニコーンモードでも再現されている物です。

 武装です。ビームマグナムは、左右貼り合わせの本体にフォアグリップと、2パーツ連結式の銃口を取り付ける構成。上面には引き出し式のジョイントがハサミ込んであり、右側面には固定式のジョイントを装備しています。前腕の前後やバックパック中央のハードポイントにマウント可能で、収納状態も配置を選べて楽しいですね。と言うより、何丁も装備させたくなってきます。説明書に指示は有りませんが、サイドスカートのスリットも同じ規格で、ここもハードポイントなんでしょうか。ジョイントだけでなく、ユニコーンモードに付属するバズーカのグリップの突起までピッタリ合いますよ。(笑)



 予備のEパックは、焼きギョウザの様に5個連結した状態の物が付属。ワンパーツ成形で裏は空洞、左リアスカートにマウント可能です。これはビームマグナムの銃身を前後に伸ばして分割、間にハサミ込む様に装備する物で、キットのビームマグナムには一体成形されています。着脱ギミックや、Eパック同士の連結・分離ギミックは楽しいものですが、さすがにこのスケールでは省略されています。機会があれば、ぜひMGを手にとってみて下さい。



 ビームサーベルは合計4本が付属しますが、クリアーのビーム刃は残念ながら付属せず。ユニコーンモードからの流用が可能ですが、せっかくだから手持ちサーベルとトンファーの同時展開とか、やってみたかったですよね。2キット買えば4本になる様、商品仕様を決めて欲しかった所です。ぜひ今後のキットには長さや色味の同じ物を付属させて、流用出来る様にお願いしたいです。



ハイパーバズーカとそのマガジンは、ユニコーンモードから拝借しています。

 シールドは、変身に合わせて展開した状態を再現。上下に伸びて分割されたシールド本体は新規パーツですが、Iフィールドジェネレーターと裏面のフレームパーツは、ユニコーンモードと同じパーツを使っています。X字に展開したサイコフレームのブレードは一体で成形。フチの白いパーツにハメ込むピンや突起が透けて見えてしまうのが、クリアーパーツの難しい所ですね。腕や背中へのマウントといったプレイバリューは、ユニコーンモードと同等です。



展開状態と閉じた状態のシールドの比較。閉じた状態のシールドは、ユニコーンモードに付属しています。

 組立時間は2時間10分でした。一部パーツを共用して変身の説得力を高め、付属武器の重複を避け、同時リリースによってすぐに並べて楽しめる、なかなか理想的な形での2モード発売でしたね。MGの様な変身ギミックは楽しめませんが、変身前後を並べて楽しめるのはHGUCならでは。いや、2体買えばMGも並べて楽しめるんですけどね、安さ・手軽さってのはありがたいですね。



 そういえば昔、おじさんが1/48オーガスを4モード全部作ってるのを見て「可変オーガスを買えば4つも作らなくていいのに」と言ったら「並べた方が楽しいからなあ」と言われました。子供の頃は可動やギミックにばかり関心が有りましたが、今ならおじさんの気持ちも分かる気がします。トランスフォーマーも出来れば2個ずつ欲しいし・・・(おいおい)。


 おまけ


 今回はネタバレの内容を含むので、小説を読み終わった方だけ、こちらでお読み下さい。

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