健さんの
プラモコラム

その317
 バクフーン&オーダイルの巻

 ポケモンプラモコレクション
 バクフーン進化セット・オーダイル進化セット
 「ポケットモンスター」に登場
2009年10月発売 税別初出価格各760円



 「健さんに そそのかされて 買いました」(さりげなく五七五)をモットーに、日々プラモをオススメしまくっている当サイトでありますが、ポケモン好きな友人からオススメされて、買ってしまいましたポケモンプラモ。まあ、甥っ子姪っ子も好きなアニメですから、ちょっとくらいカジっておくのも悪くないかな?程度の気持ちだったんですが、なかなか楽しいキット内容でした。とりあえず買った2セット、早速紹介していきたいと思います。



 まずはオーダイル進化セットから。右からピカチュウ、ワニノコ、アリゲイツ、オーダイル。ポケモンが進化するというのは聞いていましたが、まとめて1パッケージとしてある事で、ワニノコからオーダイルへの進化の様子が、詳しくないボクにも順を追って分かるキット内容となっています。

 説明書やパッケージにポケモンの特徴が紹介してあるのかな?と思ったんですが、ガンプラと違って一切無し。これを欲しがる子供たちは既にある程度キャラクターを知っているという判断からか、全ての印刷スペースを、キット内容の説明に当ててあります。



 ピカチュウは、「ポケモン進化シリーズ」の各キットに、それぞれポーズの異なる物が付属。右がオーダイルに付属の物、左はバクフーンに付属の物です。指の先までシャープに造形、ちょっとした事ですが、平らな尻尾にも微妙なカーブを持たせてあり、柔らかな印象になっていて感心しました。

 パーツ構成は、前後貼り合わせて尻尾を取り付ける3パーツ構成。4体入りのセットの中でも最もパーツが少なく、色分けも無く、ハサミ込みも無いというシンプルな内容ながら、一番丁寧に組み立て方を解説してあります。シールのどこのコーナーを合わせて貼ればキレイに仕上がるかという細かい事まで触れていて、プラモデルに初めて触れる人に、このピカチュウで慣れてもらおうという事なんですね。どれを買っても付いて来るピカチュウですが、単に人気キャラだからという理由だけではなく、色やデザインが練習台に適しているという判断も有っての事なのでしょう。タミヤの88mm砲に付いてくるバイクを思い出しますね。

 説明書冒頭のパーツの探し方、ランナーからのパーツの取り外し方(今回はタッチゲート方式)、シールの貼り方も、ピカチュウの組立説明と連続させる事で、すぐ隣のページで参照しながら作業を進められます。また、ランナー内のパーツナンバーは、ピカチュウのシルエットに重ねて刻印してあり、無味乾燥な印象にならない様に記を配ってあります。



 1つ完成させて自信を付けた所で、いよいよ本題のキャラへ。ここからは広げた説明書の1ページ(説明書の折り目)ごとに1キャラクターが完成する段取りになっていて、1体完成させるごとに右上に置いていき(まさに「ゲット」していく感覚?)、次のキャラの組み立てを応援してくれる構成としてあります。4体揃うまでの紛失対策でもあり、また1キャラごとに達成感を感じられる、双六やスタンプラリーにも似た進行で、最後まで興味と根気を持続させようという工夫が素晴らしいですね。

 もちろん順番は小さいポケモンから、進化の順に沿って。大人向けのキットならば、まずメインであるオーダイルを組み、その他はオマケ扱いで後回しになるかも知れませんが、進化という生態を実感すると同時に、難易度を徐々に上げていく意味でも正しい順番と言えるでしょう。



 ワニノコ(写真右)は、4パーツ構成。舌と背ビレはボディ内部でつながったワンパーツとなっています。これを左右からボディでハサミ込み、、最後に左右一体の足首を下方から取り付けて完成。ピカチュウに比べて1パーツ増え、ハサミ込みの要素が加わった分、1ランク複雑な作業となっています。他の多くのポケモンもそうですが、目は瞳の中のモールドまで立体的に造形。シールで済ませても良いですが、塗装にチャレンジするにも良い素材だと思います。

 アリゲイツ(写真左)は全6パーツ。まずワンパーツ成形されたトサカと背びれを、左右からボディパーツでハサミ込み。次に左右一体の足首を下からハメ込み、色分けされたアゴを左右から取り付けます。難易度はそのままですが、組立手順がまた一つ増えましたね。ボディの不規則な色分けはシールで再現。手を広げたポーズは、ボディにシールを貼る事を意識して決定されたのかも。



 そして最後の大物、オーダイル。パーツ点数は一気に30まで増加して、ギミック内蔵の凝った内容になっています。説明書は裏面全てを割り当ててあり、1工程ごとの完成状態の図を添えて、毎回チェックしてから先に進む親切な説明。パーツの向きの確認も、拡大図に言葉の説明も加えて、より分かりやすくしてあります。(ガンプラでも場所によっては採用して欲しいですね。)やはり出来上がっているポケモンは、スタートのページに置いておく様になっています。



 組み立ての半分は、ボディ内部のギミックといった感じです。尻尾を上げると、内部のアームで連動して、口を開いて腕を上げ、威嚇の様なポーズを取ります。トサカと背ビレは別パーツ化、手足にも貼り合わせやハサミ込みの要素が加わり、ここまで来るとガンプラの難易度と変わらない気がしますね。



 オーダイル完成。腹部は表面からパーツを貼り付けて色分けを再現、口は上アゴの内側まで色分けしてあります。下アゴ内部と舌で成形色を微妙に変えてあるとか、キバまで色分けシールが用意されているとか、思ったより凝っていて、なかなか楽しい内容でした。

 ところで内部の可動パーツは、ピカチュウのランナー「PK−01」(ポケともピカとも読めるのが面白いですね)に含まれていて、鮮やかな黄色で成形されています。普段はガンプラのグレーのランナーばかり目にしていますが、腕可動軸の青、アゴの赤も加わって、何色も使われたフレームは見ていて楽しいですね。限定のクリアー成形モデルでも、内部フレームの動きを目立たせ機構的な楽しさを演出する手法として、カラフルなフレームを採用してみてはどうかな?と思いました。別に原色でなくても良いですから、現実の複合素材っぽい配色も参考にして、どうですか?



 続いてバクフーン進化セット。右からピカチュウ、ヒノアラシ、マグマラシ、バクフーンです。

 ピカチュウは座りポーズで足首が別パーツになっているため、オーダイル進化セットより多めの全5パーツ。なぜこのポーズがこっちのセットに入っているのかと言うと、ヒノアラシが6パーツと、ワニノコよりパーツ点数が多いからでしょう。ピカチュウを練習キットと位置づけているため、ワニノコよりもパーツの多いピカチュウを、オーダイル進化セットに入れるのは不適当なのです。



 ヒノアラシ(写真右)は、左右貼り合わせのボディに、頭の青、背中の青、左右の足を取り付ける6パーツ構成。順に難易度を上げるという判断からか、あえて口の中を色分けせず、シールで対応しています。

 マグマラシ(写真左)は、左右貼り合わせのボディに上面の青パーツを被せ、トサカと尻尾の炎パーツを取り付ける、5パーツ構成となっています。ヒノアラシよりパーツ数は減っていますが、4本足の内側が肉抜きされた事により、パテによる穴埋めの難易度が・・・いや、何でもありません。後足の肉球を色分けするシールが用意してあって、芸コマぶりに感心しました。



 バクフーンは23パーツ構成。首・胸・腹の3ユニットがそれぞれ、左右貼り合わせておいてから背中のグレーパーツを被せる構成になっています。各ユニットの間にはジョイントパーツをハサミ込んであり、体を折り曲げて前屈みになる事が出来るんですが、腹を折り曲げると背中がスライドするという、ガンプラの装甲の様な連動ギミックが仕込んであります。まさかこんなナマ物系のキットでこのギミックに出くわす時代が来ようとは、思ってもいませんでしたね。

 の可動には連動スライドギミックは有りませんが、少し持ち上げてから折り曲げる手触りは、また別のメカニカルな魅力を感じさせてくれますし、似た様な可動箇所でも違った機構の仕込み方が有るのだと分かると、より興味を持ってもらえるんじゃないかと思います。



 最近はハサミ忘れ対策として、ガンプラの説明書でも、なるべくハサミ込みの工程を2コマに分けて説明する様になっていますね。このオーダイルでも同様で、キットのキモであるハサミ込み関節を、初心者でも混乱せずに組み立てられるんじゃないかと思います。

 マグマラシもそうですが、炎のパーツにはクリアー成形を採用、シールで炎の芯と外縁を色分け出来ます。手足は貼り合わせてから取り付け。足首は左右を間違えない様に、ハメ込み部分をL字形にしてあります。



 股関節は取付軸で可動出来るので、ゴメンナサイのポーズも可能です(笑)。いや、実際は炎のエリを立てて、より攻撃的になってるのかな?



 ここに紹介した2セットの他に、メガニウム進化セットも同時発売されています。膨大な数のポケモンがいて、どれが人気なのか全然知らないんですが、この3セットを第一弾としてチョイスするに当たって、体形の違いを意識してあるんじゃないかと思います。ウルトラマンシリーズなんかでも、早く怪獣のバリエーション(=作品の幅、華やかさ)を増やしてやろうと、体形の似た怪獣が初期の数話で連続しないよう、放送順序に気を配ってある様ですから。

 バクフーンとオーダイルはどちらも直立恐竜形っぽいですが、尻尾の有無や腕の大きさにハッキリとした違いが有りますし、オーダイルの腕の長さは人間形っぽくも有ります。残るメガニウムは四つ足形で、しかも3体の色も重複を避けてますね。



2セット集めただけで、この賑やかさ。自分の写真をペラモデル(別売)に貼って、ポケモンたちと戯れてみるのもまた一興。

 てな感じで紹介してきたポケプラですが、単に人気のポケモンを発売しようというだけでなく、これを通じて組立式プラモの魅力を知って欲しいという企画意図を、強く感じました。中箱の裏までフルカラーでキット内容やシリーズを紹介、しかもアニメの絵を載せているのはキットに含まれないサトシとヒカリ(とピカチュウ)が並んだ一枚だけで、他は全てキットの写真を使っています。パッケージの背景はランナー状態のパーツですし、接着剤や道具が不要な事や、説明書がカラーで見やすい事もPR。ここまで徹底したパッケージは過去に見た記憶が無く、「初心者向け」ではなく「新規モデラー開拓キット」とでも呼びたくなります。

 FGからPGまでグレードで分けて、年齢やレベル別に薦めるのではなく、1つのキットの中で難易度を上げていく発想は斬新ですし、ステップアップとフォローのサジ加減は、まるで教材会社かと思う様な充実ぶりです。子供が例え全部作れなくても、途中の何体かまでは作れると思うんですよね。また次のキットでチャレンジすれば、前より大型のポケモンまで完成させられるかも知れない、そう思える何らかの「達成度」が残るっていうのも、上手いんじゃないでしょうか。

 このシリーズで、ガンダムやプラモに興味の無い子供達と、ボクらの距離が縮まれば嬉しいです。ロボットを欲しがらない子供たちも積極的に仕込まれたメカ的なギミックに触れれば、プラモに限らず、工作や機械への興味も育つと思いますから、そんな機会を末永く提供してくれるシリーズになってくれたらと思います。

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