健さんの
プラモコラム

その312
 1/100
 ゲイルストライクガンダム
の巻

 1/100
LG−GAT−X105 ゲイルストライクガンダム
「機動戦士ガンダムSEED VSアストレイ」に登場
2009年8月発売 税別初出価格2500円



 各軍の機体データを保有し、強化再設計したMSを使って戦いを仕掛けてくる謎の組織、ライブラリアン。SEED外伝の新シリーズ「VSアストレイ」は、こんな話になる様です。分かりやすく言えば再生怪人軍団みたいなモンですね。(おいおい!)石油価格の高騰とか、開発費の問題からか、ダブルオーの頃から特にバリエーション展開が盛んに(しかも上手く)なってきてますが、同じ流れはHGUCにも見受けられます。そんな中で持ち上がった、SEED資産を上手く使いながら、再び光を当てる企画、といった所でしょうか。

 では早速、キットに目を通していきましょう。元キットと共通の部分については「その64 1/100エールストライクガンダムの巻」を参照下さい。



 頭部は、基本的にストライクのままで、マスク部分のみ新規パーツとなりました。口のスリットが無くなったのは冷却装置が従来のガス冷却に代わる高効率な物に変更された(変更する必要が有った)ためだそうで、中身は従来機よりも高性能化しているという設定です。オデコのセンサーは元キットと同じパーツですが、外れやすい様なら接着しておくと良いかも知れません。



 ボディは、従来と同じパーツ構成ですが、色数が減った事で印象が変わった様に思います。いつもなら一番多く色を使う箇所なんですが、ほとんどの部分を手足と同じにする事で、新規パーツ(青いパーツがそれです)を目立たせる狙いも有るんでしょうか?そんな意図が伝わりやすくなるのなら、シリーズ第一弾にふさわしい配色と言えるかも知れません。

 も従来と同じ構成ですが、サイドスカートが無くなり、ポリキャップに新装備の武器、ウイングソーを直接取り付ける様になっています。ジェガンデュエル等、MSというのはサイドスカートだけは付ける傾向が有ると思ってましたが、エクシア等のデザインが受け入れられた影響も有るんでしょうか。



 です。モモは従来パーツを使ってあり、左右貼り合せ。スイングもヒネリも無く、軸位置が前寄りにもなっていない股関節が、かえって新鮮に感じられたりします。



 ヒザは、従来と同じ関節パーツの上から、筒状に成形された新規パーツを被せてあります。これによってヒザ部分が延長され、ノーマルのストライクよりも脚が長くなっています。関節の上側は固定となり、二重関節では無くなっているので、ポージングの面から言えば、モモが長くなったのと同じですね。劇中で定着した細身のイメージのフィードバック、あるいは上半身のボリュームに負けないための変更という意味も有るのかも。



1/100ストライクガンダム(左)との比較。身長差は、ヒザにかましたパーツによる物です。

 このプロポーション変更によって、モモとスネの長さが近くなり、片ヒザをついたポーズを取らせやすくなっています。最近は股関節軸位置を前寄りにする事で、モモが大きく上がり、同時にモモがスカートに隠れる長さを短くする工夫がされていますが、別の解決法を示して見せたのは面白いですね。



1/100ストライクガンダム(右)との比較。ヒザ関節を覆っているのが、本来肩アーマーとして使われていたパーツです。

 ヒザ関節の延長部分は、コの字形のアーマーで覆われていますが、これは元キットの肩アーマーパーツ。なんとも面白い流用を思いついたものです。下端が丸ピンと噛み合ったデザインですが、若干可動出来る様に、ピンの周囲にスキを持たせてあります。実機ではこの丸ピンでアーマーが可動するのかも知れませんね。それにしても、ハサミ込み関節と装甲のスライドギミックを持つMGでは、成立しにくい改変だったかも知れません。設定よりもキットをベースにデザインされた機体、と言えそうです。

 スネは、正面から取り付けるヒザアーマーのみ、新規パーツになりました。瞬発的な関節可動が可能になった代わりに、加熱対策としてアーマーに廃熱効果を持たせたという設定です。正面に入れてある、スリット状のモールドがそれですね。足首アーマーと足首は、従来キットのままとなっています。



 肩アーマーは、肩ブロックを囲うフレームパーツのみ、元キットからそのまま使用。ヒザに移されたアーマーの代わりに、新規のエンジンユニットパーツで前後からハサミ込みます。側面にはエールストライカーのノズルとフィンを使用、実機を再構築するのと同じ感覚で、キットを再構築しています。ゲイルストライクは近接戦闘に特化したMS。直進速度だけ優れていても意味が無いという事で、本来飛行用のエンジンを、左右への瞬発力を高めるために側面に移設するというアイデアは面白いですね。新規の可動式サイドアーマーも装備しています。



 は、元キットと同じ組み立てながら、サイドスカートをヒジアーマーとして移設しています。ポリキャップの径が統一してあるから出来る荒技ですね。アーマーシュナイダーの収納ギミックも健在。但し、「最後の武器」としては、あまり良い配置ではないかも知れません。「右手で掴めない物は?」「答えは右ヒジ」というクイズが有る様に、片腕を切り落とされたら、取り出しも難しくなるんですよね。MS戦力が不足していた時代と違うので、さほど深刻では有りませんが。説明書でもその辺りを意識したのか「投げて使うなど、運用法に違いが見られる」と解説されています。



 ストライカーパックは、推進ユニットと可動シールドを組み合わせた、シールドストライカーを装備。エールストライカーのテール(バッテリーユニット)に新規の上部ユニットを乗せ、両端がポリキャップで可動するアームでシールドを保持しています。最初は奇抜な配置に思えましたが、両手に剣を持ち、重心を中央に持ってくるための配置なんですね。

 待機状態では、アームの形状がテール上面に密着します。シールド下のジョイントは、四方向にスラスターを配置してあり、シールド展開の速度を高めてあるという設定。こんな解説を組立途中に掲載してあるのは、作業中に興味を持続させるための気配りかも知れませんね。シールド自体は元キットと同一の物ですが、腕に装備しないため、グリップやアダプターは余りパーツとなります。



 シールドストライカーのエンジンは、二軸可動する新規の物。エールストライカーの物より小型ですが、これ、エールの上部ユニットに使われていた固定式のノズルを、上下逆にして取り付けてあります。回転範囲が広く、上方向への噴射も可能なので、ジャンプだけでなく急降下にも使えるんじゃないでしょうか。



1/100エールストライクガンダム付属のエールストライカーを装備した状態。肩と刀(ウイングソー)のオレンジのパーツは、元はエールストライカーのフィンだったパーツです。

 武装です。ウイングソーは、敵装甲素材に合わせて微細に振動する事で、切れ味を増すという設定。これ、ターンエーに登場したフラットの振動装甲で受け止めて、勝負させてみたいですね。2分割のツバ(?)で、刃を左右からハサミ込み、(みね)の部分にはエールストライカーのフィンが使われています。大胆なパーツ流用ですが、刃の厚みを変化させて見映えの向上にも役立っていますし、滞空時の気流制御にも使うという設定に、説得力(らしさと言うべきかな?)も与えていますね。



 腰へのマウントは、側面のピンで直に接続。グリップには肉抜きが有りますがこれ、各種MGキットの手の平の突起に、ミゾ幅を合わせてあると良かったんじゃないかと思います。今のままでも、ちょっとグラグラするものの、ズリ落ち防止の補助としては役立ちますけどね。

 ビームサーベルは、シールドストライカーの前部がホルダーになっていて、ここに接続します。肩が大きいので、背中から取り出すのは難しいでしょうからね。パーツは従来の物と同じで、クリアーのビーム刃も付属しています。



頭部をガードするシールド。もう、顔にしか見えません(笑)。ウイングストライカーを背中に浅く差し込み、サーベルを外して、シールドを上下逆にすれば、のぞき窓がギリギリ目の位置に来ますよ。こちらもオススメです。

 57mm高エネルギービームライフルアーマーシュナイダーも、従来と同一の物。ただしビームライフルは、格闘戦に特化したこの機体が使う事は、少ないそうです。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 組立時間は1時間20分でした。奇抜とも思えるカラーリングに、最初は「海外版のトランスフォーマーを見てる様な気分だな」とも思いましたが、慣れると「こういう機体が、MSの表現の幅を広げていくんだろうな」と思える様になりました。(ヨメは今でも「変な色のガンダム」と呼んでますが:笑)

 そして、元のパーツを全く違う箇所に当てはめてしまう発想の面白さ。流用というより、セルフミキシングビルドとでも言いますか。友人は「これ、いわゆる僕の考えた最強のガンダム、だよね」なんて言ってましたが、ユーザー個人で行ってきた改造の手段を公式デザインに持ち込んだのは画期的じゃないですかね。しかも余ってるパーツと言えば、マスク、ヒザアーマー、エールユニットのインテイク、シールド保持パーツ程度だったりします。背中に顔を付ければマスクも余らなかったのに、まだまだ思いきりが足りないなあ・・・え?背中の顔、要りませんかそうですか。

 過去のキットの全データが蓄積され、それを続々と再構築して生まれ変わらせるバンダイは、まさにライブラリアン。そして、こんな企画とストーリー展開が出来てしまうSEED世界って、懐が広いというか、モデラー的にオイシイなと、改めて思うのでした。


 おまけ

 先日発売された「シャア専用MSモノアイアイス」、やっと今日開けてみたので、ちょっと紹介しておこうと思います。



 他のMSでも構わない気もするんですが、シャアの人気に加えて、いちご味だけ用意すれば済むという、その辺の事情も有ってのチョイスなのかも知れません。ザク、ズゴック、ゲルググの3種が発売されました。



 いちご味かき氷の真ん中に、モノアイに見立てたいちごソース、その周囲に、モノアイシールドの黒をイメージしたコーラシャーベットを配置した、三重丸のアイスです。これに透明部分を設けたフタをすると、MSの顔が出来上がるという訳ですね。



 さっそくザクのフタを開けると・・・・せっかくのモノアイが、フタにくっついて外れてしまうトラブルが発生!トホホホホ・・・。



 改めてズゴックでチャレンジ。いちごソースの上に何秒間か手を当てて、フタにくっついた部分を溶かしてから慎重に開けると・・・今度は上手くいきました。このフタや容器、何か面白い使い方が出来るかも知れませんね。しばらく取っておこうかな。

 30周年の夏にピッタリの商品だと思うんですが、8月24日発売と、夏も終わる頃になっての登場。これ、来年また初夏の頃から売ってもらえませんかね。今度は水陸両用MSシリーズとか、真ん中にパイナップルソースでも使って、どうでしょうか。

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 2009.9.16 健 竹史


  

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