健さんのプラモコラム　その３１０・カップヌードルＸガンプラの巻

健さんの
プラモコラム

その３１０
　カップヌードル×ガンプラの巻

　３０周年ということで、いろんな方面で露出度が増えているガンダムですが、今度はカップヌードルとガンプラのコラボです。１／３８０スケール、全４種。さっそく中身を見てみるとしましょう。・・・それにしても今月は、大きなガンダムから小さなガンダムまで、色んなサイズのガンダムに出会いますね。（笑）

　パッケージは、ガンダムのイラスト入りのカップヌードル容器の上に、透明なカップに入ったガンプラが乗せられた物。ガンプラのカップはラベルに大きなスキマが有って中身が見えますし、ラベル自体にも種類の表示が有るので、何が出てくるのか選んで買うことが出来ます。カップヌードルだけをシュリンクパックしてあり、その上にセロテープでガンプラのカップを固定。ガンプラを取り出すのにシュリンクパックを破らなくて良いので、ヌードルだけを長期保存したい場合にも好都合ですね。

　ガンプラのカップを取り外したところ。ランナー３枚と説明書が入っていて、底ブタで密封してあります。ラベルの表には、カップヌードル上面と同じ原材料等の表示があり、オマケが付いた状態でも外した状態でも食品情報を確認出来て良心的。オマケのラベルの裏側には、ＭＳの機体解説とガンプラトリビアが紹介されています。こういう時のトリビアというと、例によって「最初のガンプラは？」とか「スナップフィットとは？」みたいな記事な訳ですが。

　ランナーは、多色成形ランナーを含む３枚構成。いろプラとしては史上最小スケールという事です。普段ガンプラを買わない人への技術ＰＲという意味もあって、多色成形は、こういう商品では欠かせない構成要素ですね。カップヌードルの上に重ねて梱包するための、丸いランナーが新鮮です。

　あっという間に、ガンダムの完成。頭部はアンテナまで一体で前後貼り合せ。ボディは腰を組んでおいてから胸で前後からハサミ込みます。脚は前後とクツ底の３パーツ構成。腕は、右腕が左右貼り合せ。左腕は外側が肉抜きされたワンパーツ成形で、シールドで隠れる事を前提とした構成となっています。右手のゲンコツはビームライフルと一体で、握った指の表情も細かく再現。ランドセルはビームサーベルと一体になっています。

　首は左右回転が可能。脚は付け根で若干のヒネリが可能です。腕は、肩関節がボールジョイントになっていて単純な前後回転だけでない、若干の表情付けが可能です。ヒジには軽く角度が付けてあるので、自然な立ち姿を楽しむには十分だと思います。腕の外側にハッチの表現が有る事などから、ＭＧガンダムＶｅｒ．１．５あたりの形状を基本としている様ですね。

　続いてシャア専用ザク。ガンダムより１色少ない、３色構成となっています。

　大きな足首など、ＭＧザクＶｅｒ．１．０の特徴も見られますが、スネ後部のバーニアを３発としている等、ＭＧザクＶｅｒ．２．０の特徴を備えた部分も有りますね。頭部はアンテナまで一体で左右貼り合せ。腕は前後貼り合せで、成形方向を活かして、左手の親指がものすごくクッキリと成形してあります。右手のゲンコツはザクマシンガンと一体成形。ザクマシンガンは、ワンパーツ成形する都合からスコープを真上に配置してありますが、可動式という解釈だと思えば悪くないかも？

　ランドセルは内部メカを再現してあり、外装を被せる二重構造。これは量産型ザクには見られないシャアザクだけの表現で、外観もデザインを変えてあります。小スケールモデルだと言うのに、なかなか芸が細かいですね。

　量産型ザク。基本的なパーツ構成は、シャア専用ザクと、ほぼ同等。こっちもランドセル内部を再現して欲しかったという意見も有るでしょうが、こちらはボディカラーのランナーに武器が含まれていますからね。これだけランナーサイズが小さいと、あと１パーツ追加する余裕を作るのも大変な事。シャアザクの内部再現が「あと１パーツ分のサービス」である事が分かると思います。形状データはシャアザクと共用していても、金型は別個に作られた物となっています。スネのバーニアは２発。スネのふくらみ具合は共通の様です。

　腕はボールジョイントで可動しますが、ガンダムは胸から軸が出ていたのに対して、ザクは腕から軸が出ているため、互換性は有りません。ヒートホークは右手ゲンコツと一体成形。指が少し斜めになっていて、造形も単調にならない配慮がされています。スパイクの先が丸いのが目立ちますが、スケールが小さくなるほど安全対策が目立つのは、ある程度仕方のない事でしょう。肩とシールドのスキマには、ＭＧザクＶｅｒ．２．０を思わせる、可動式アームの表現が入っています。ツナギ部分を太くして強度を持たせる意味でも、都合の良いディテールですね。

　シャアザクと量産型ザクは右手首の差し込みが共通のため、武器の交換が可能です。一時期流行った様にゲンコツを黒で塗装しておくと、完成後も組み替えが出来て楽しいかも。

　最後はドム。黒とグレーを使い分けた、３色のランナーとなっています。これだけパーツが少なくても、ランナーの記号は透かし彫りなんですね。

　ボディは頭部や背中のバーニアまで一体で、前後貼り合わせ。胸板だけ前からハメ込んで色分けしてあります。腕は左右貼り合わせのため、ザクの様なシャープな親指にはなっていませんが、肩アーマーの中にまでモールドを入れてある芸コマぶり。右腕は、ジャイアントバズを担いだポーズに合わせて、ヒジに角度が付けてあります。

　スカートの底は一段引っ込んでいるので、市販のバーニアパーツを仕込んでみるのも面白いかも。ジャイアントバズのスコープは真上に向いていますが、ザクマシンガンよりは切り離すのが簡単だろうと思います。実はヒートサーベルが付いていないんですが・・・取付部のモールドだけは存在していて、使い終わったのでサーベルホルダーごと廃棄されたと解釈しても良いでしょう。もちろん、自作しても良いですね。

　４種集めて並べたところ。いずれもスケールは正確な様です。

　上方パース。サイズはガンコレに近いんですが、プラモファンとしては、素材がプラだと何だか安心してしまいます。シリーズ化してくれませんかねえ・・・。（出来ればもうちょっと安く）

　足裏まで再現されています。量産型ザクの足裏は、シャア専用ザクと同等のデザインとなっています。

　可動部は、肩関節と首、それに脚の付け根を若干ヒネれる程度のもの。と言うより、後ハメの副産物といった感じですね。関節以外の部分でもハサミ込みは少なく、初心者でもハサミ忘れのトラブルは、まず起こらないと思います。

　ザクは他の２体に比べて、腕が横に大きく上がるようです。ヒートホークは特に、腕を大きく振り上げたポーズが銃火器よりも様になるので、量産型ザクの満足度は高いかも知れません。

　脚の付け根のヒネリも、ザクが特に優れています。色々と調整して立ち姿を楽しんでみましょう。少し引き出せば、首の前後可動も出来ますよ。

　左からカップヌードル、オマケの１／３８０ガンダム、ガンプラコレクションの１／２８８グフ、ＨＧガンダムＶｅｒ．Ｇ３０ｔｈ（一部塗装してあります）。値段的にはガンプラコレクションより割高な印象も有りますが、中身が選べる事、いろプラである事、レーザー加工を多用したと思われる細かなディテール、足裏まで再現した大型キット並の精密モデルである事、ＭＡＤＥ　ＩＮ　ＪＡＰＡＮである事などを思えば、税込５９８円（近所のスーパーの場合）くらいになるのかな、という感じです。３０周年に因んで３００円だと嬉しかったですけど、それでは復刻版チョコスナックより割安になってしまいそう。細かさを楽しむ類のモデルであり、小さければ小さいほど面白い性格の物だと思ったので、試しに１個だけ買ったら、結局残りの３つも欲しくなってしまいました。

　そしてカップヌードル。最近は具が新しく、より美味しくなったんですよね。コロ・チャー・・・コロニーチャーシューですね分かります。（大間違い！サイド６の給食じゃないんだから：笑）せっかくですから、ハロの絵のナルトとか、何かガンダムっぽい物が入っていても良かったかも。

　組立時間は、各３分程度でした。これ、カップヌードルとしても画期的な革命じゃないですかね。タッチゲート方式なんで特に工具を持ち合わせていなくても組めるんですが、このオマケキットが、そのまま時計代わりになるって事ですよ。お湯を注いで、待ってる間に組み立てて、完成したら食べ頃です。やり過ぎると、プラモ狂四郎の特訓みたいになるかも知れませんが（笑）。

　2009.8.30　健　竹史

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