健さんの
プラモコラム

その307
 ジェットファイアーの巻

( タカラトミー/
 オートボット ジェットファイアー
 「トランスフォーマー/リベンジ」に登場)

2009年5月発売 税別初出価格6800円


 さて、今日のプラモコラムは、待ちに待ってたジェットファイアーから物語を始めよう!・・・・という趣向なんですけれども、最近ますますプラモの記事が滞ってるというのに、何でまたトランスフォーマーなのか!というお叱りの声も聞こえてきそうな気がしますね。何しろプラモじゃないですし。ですが当コーナーではバトロイドバルキリーメサイアバルキリー等、機会あるごとにバルキリーを採り上げてきた経緯がありまして。そもそもトイのスーパーバルキリーをトランスフォーマーの一員として海外発売した物が、(アニメ一作目の)ジェットファイアーだったので、これは紹介しなくてはなるまいと・・・え?ちょっと強引でした?まあブラックバードは男のロマンですから、しばらくお付き合い下さいませませ。



 まずはビークルモードから。モチーフになったSR−71ブラックバードは、マッハ3以上を誇る超音速偵察機であります。子供の頃は「そんなに速いのか」くらいにしか思ってなかったんですが、最近になって関連書籍やネット記事を読んでみると、相当とんでもないヒコーキだったんだな、という事を知りました。友人にウィキペディアの記事を見せたら「なんじゃこりゃ、ほとんどロケットじゃないか!」と言ってました。確かに宇宙服を着て乗り込むんですけどね。他にも色々探して読まれると、トンデモエピソードがどんどん見つかると思いますよ。



 何度見ても美しいシルエットですね。長い機首が蛇の様に見えるため、沖縄に配備されたブラックバードは、現地では「ハブ」と呼ばれたそうです。マッハ3以上の高速飛行時に、機体温度が上昇する事でようやくパネル同士が密着する設計。熱膨張していない駐機状態ではシーリングにスキマが生じるので、各部から毒性の燃料が漏れるのだとか。「毒に注意」なのもハブらしくて、ニックネームに合ってる様な(笑)。劇中では開発チームにちなんで(?)スカンクの様な描写も有りましたっけ。なかなか物騒なおじいちゃんであります。



 機体ナンバー「17972」は、スミソニアン博物館に展示されているブラックバード。スカンクのマークは、この機体を開発したロッキード・マーチン社の一部門「スカンクワークス」の物。ディセプティコンに所属しながら、後にオートボットに力を貸す事を暗示する、主翼の「傷の入ったデストロンマーク」が面白いですね。アニメ第一シリーズでのジェットファイアー(日本名スカイファイアー)もデストロンからサイバトロンに寝返っており、このエピソードをオマージュとして取り入れた物と思われます。



 ビークルモードを横から見たところ。機体下面がゴチャゴチャしてるのはご愛嬌。容赦なく尖った機首やエンジン先端のコーンにはゴムパーツを使用。安全対策のためですが、変形の最中にブツけて傷がつくの事も無く、大人が扱う分にも助かります。



 実機は偵察機なので武装は有りませんが(本機をベースにした戦闘機開発の予定は有ったそうです)、機首下面にバルカン砲っぽい武器を装備。真ん中にミサイルをセットして、スプリングで発射する事が出来ます。



 機体下面。機首の下は前方に伸ばした腕、そこから後端までは、前後に割って開いたボディユニットです。後端が腰で、そこから脚を前に伸ばしています。このムキ出しのロボットパーツが内部に収納出来たら、完璧なディスプレイモデルになるのに・・・なんて事は、思っても言わぬが華。機体をひっくり返した時!すでにッ!トランスフォームは始まっているんだぜ!(意味不明)



 ハセガワの1/72ブラックバード(右)ボディパーツとの比較。このジェットファイアー、偶然なのか狙ったのか、ほぼ1/72スケールとなっています。これだけでも買った甲斐が有ったというもの。組み立てるにはそれなりの勇気が要る大型機ですが(実際、ボクの机の作業スペースを越えてます)、買ってすぐ飾れるトイという形で手に入るのは嬉しいですね。それにロボットに変形させれば、占有面積も減らせるのです(笑)。

 ひょっとしてスタースクリームも実機の1/72になっているのかな?と期待して、友人が買った物を測らせてもらったんですが、こちらは21.3cm、残念ながら1/89程度でした。実機は18.92m、1/72では26.3cmですね。



 勝手にガウォーク形態をデッチ上げ。前に伸ばした両手でランディングギア(杖)を持っているんですが、これを立てればイイ感じに自立してくれますよ。杖が途中で曲がる事で、ランディングギアの収納をイメージしている様です。スネに付いている後部ランディングギアも、折り畳み可能となっています。



 腕を左右に開いて機首を折り畳み、割れていたボディを2枚重ねて一体化、エンジンを横に引き出して位置を調整し、顔を隠していた髪の毛を左右に開いて自立させると、ロボットモードの出来上がり。ヒザがまっすぐ伸びない設計になっていて、身を低く屈めた様な立ち姿になるのは、老兵という設定を反映したもの。可動式の指に杖を握らせてポーズを支えます。杖の先に車輪が付いてるのは危ないんじゃないかと、少し心配ではありますが。



 今回のメックアライブ&サウンドギミック。胸のスイッチを引き下げると、頭と胸を光らせながら首を左右に振り、胸のメカニックをギシギシ動かしつつ、「ジェーットファイア イズマイネィム」とセリフを喋ります。オプティマス同様、今回も自己紹介。互いに挨拶させてから合体させると良いでしょう。(今ひとつハッキリ聞き取れずにいたんですが、読者のおぽんぽんさんに正しいセリフを教えて頂きました。情報ありがとうございました。)



 後姿。背中下部のスイッチを押すと、飛行音が鳴るギミック付き。厳密に言うとスイッチ自体はボディパーツに有り、取り外し可能な背中パーツには、そのスイッチを押すピンが仕込んであるという格好です。飛行音スイッチの横には駆動音を出すスイッチも有るんですが、これは背中パーツを外した時(=オプティマスとの合体後)に露出。ジェットファイアー単体ではスイッチを押せない仕掛けになっています。だっておじいちゃんは体にガタが来てるので、あんな力強い駆動音は(略)。この他、ボディパーツを重ねる時に、ハメ込みピンが穴の奥のスイッチを押す事で変形音が鳴ります。オプティマスの時と同じで、ピンが外れる時にも同じ音が鳴る仕組みになっています。

次は、市民病院前〜、市民病院前〜。お降りの方は・・・

 ヒザが曲がりっぱなしなので、立てヒザも余裕で可能。左腕には、機首から外した武器をマウント可能。機首のラインを楽しみたい人は、ビークル形態でもこの位置にマウントすると良いかも。但し、うっかりランディングギアが引っ込むと、発射ボタンが床と接触し、ミサイルが飛んでしまう可能性も。ミサイルは装填せずに飾るのが良いでしょう。



 腰をおろしたおじいちゃん。床に当たっているのはエンジンノズルで、実は腰をおろすと言うよりウンヤンキー座りなんですけども。もともと猫背っぽいプロポーションという事もあり、なかなか様になります。



 モモのヒネリ可動部分は、筒状の外装にスキマを作り、回転軸になる芯パーツに内部メカをモールドしてあります。簡易的ながら、ヒネる時に内部メカが移動して見える、これもメックアライブの一環。ハサミ込み式のヒジ関節にもスキマと内部メカ表現が入っていますが、MGゲルググVer.2.0も、ヒザ関節に似たような表現が有りましたね。あれもメックアライブだったのか・・・。



 オプティマスプライム(左)との比較。ヒーロー体形のロボットばかりでないのが良いですね。



 オプティマスとの合体。オプティマス側の合体準備は、重なっていた背中のアーマーを展開、密着していた足首とクツ底を外して、ツマ先立ちにする事。足首とクツ底の間にジェットファイアーの脚が入り込み、その分だけ脚が長くなります。ジェットファイアーの機首は肩アーマーに変化。



 合体モードの背面。二人羽織を思わせる合体のため、ジェットファイアーの音声ギミックのスイッチは隠れて使えなくなります。エンジンユニットは、アームで横に引き出して展開。ラチェットがもう少し強ければ保持力が高くて嬉しいんですが・・・弱い場合は、パーツ同士を引っ掛ける等して、少しでも支えてやると、安定が若干良くなります。

 ところで、この状態で改めて見ると、主翼のマークは「打倒ディセプティコン」の意味にも取れますね。



 ジェットファイアーの足は、オプティマスの足にラッチで固定。脚のポーズは動かせなくなりますが、これは転倒防止の意味も有っての事でしょう。スネに追加されたエンジンユニット(ジェットファイアーのモモ)の配置が良いですね。



 ボディの固定箇所は、背中の左右、フンドシの下、そして腹部のベルト。ベルトがマジンガーZのジェットスクランダーみたいだなと思って、ブラックバードをそのまま背負わせる合体も試しましたが、空中輸送みたいで結構イケます。(干渉するので、脚だけは引き出します。)

 オプティマスもベルトで音声ギミックのスイッチを塞がれてしまうんですが、これは合体後に名前が変わるかも?という可能性に配慮した結果だったりして?名前を喋るギミックですからね。今のところ、特に合体後の名前は設定されていない様です。(頭を直接持ち上げれば、喋らせる事が出来ますよ。)



 右手には、ジェットファイアーの背中が変形した武器を持たせる事が出来ます。ジェットファイアー用の武器は、左腕にマウント。変形用のスキマと金属シャフトを使って固定してあり、専用の穴を開けずに解決してあります。



 武器の裏面。銃口とグリップを引き出し、コの字に折り曲げる変形ですが、杖パーツを仕込んでフレームとしてあるのが面白いですね。



 肩アーマーが目立たない方が好みだという人は、後ろに折り畳む等、自分なりの変形を工夫しても良いでしょう。エンジンユニットを前に向けてキャノン砲にするには、もう1関節あると嬉しかったですね。肩の上に乗っかるとカッコイイと思うので。まあ、窮屈な中で各パーツ位置を調整して、理想の配置に近づかないか?と試行錯誤するのも面白いんですけど。



 劇中には出てきませんが、隠し腕(笑)。

 今回の映画「リベンジ」は、もちろんドラマ的にも面白いんですが、メカニック描写としては「合体」が大きなテーマになっています。二人の合体に意外性を持たせ、かつストーリーのクライマックスに持ってくるため、オプティマス発売時には合体可能という説明は一切無し、ジェットファイアーの発売は劇場の上映も終わろうかという時期に設定。さらに、元々味方でもない二人が合体する事に、いろんな描写を丹念に重ねて説得力を持たせています。って言うか、従来のアニメ版での合体とは、ちょっと概念を変えてありますね。まだ上映してる地域の方は、ぜひ急いで劇場へ。ロボ史に残る、熱い合体ですよ。

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