健さんの
プラモコラム

その303
 HG オーガンダムの巻

 HG 1/144
 GN−000 オーガンダム/バンダイ
 「機動戦士ガンダム00」に登場
2009年6月発売 税別初出価格1200円



 恩人が最大の敵だったという運命の皮肉。まあいろんな物語で使われてきた展開だろうとは思いますが・・・自分のを否定した時、神の代わりであるかの様に現れたガンダム。そのガンダムを倒して先に進むラスト。上手くまとまっていたと思いますし、シンボルとしてのガンダムも、上手く機能していたと思います。



胸のレンズ底面のみ、色分けシールを貼って撮影しています。

 キットの説明書によると、助けられた事で刹那がガンダムに神を見出した様に、刹那から神を見る様な視線を向けられた事が、リボンズを救世主へと向かわせるきっかけの一つとなったそうで、彼もまた運命を変えらていたんですね。刹那とリボンズ、面白い関係です。ファーストシーズンの最終話が「刹那」、セカンドシーズンの最終話が「再生」でしたが、リボンズという名前は(スペルは変えてあるものの)再生を連想させるもので、名前を対にしたタイトルになっていますね。セカンドシーズンのキャッチコピー「その再生を破壊する」も、リボンズを打倒する意味だったんだな、と。

 てな感じで、終わってみたらまさに番組そのもののシンボルだった気がするオーガンダムであります。RX−78そのものに見えるデザインでなければ、この番組の空気は作りだせなかっただろうなと、今になって改めて思いますね。ではキットに目を通していきましょう。



 頭部は、一体成形された目とアゴをマスクに取り付け、前後分割のヘルメットでハサミ込み。アンテナとオデコのセンサーは正面から取り付けます。1/144キットに比べ、若干大きめに造形されていますね。RX−78のデザインを基本としていますが、側頭部や後頭部に追加されたスリット状のディテールが、中に「丸い何か」が入っている事を連想させ、エクシア等、後のガンダムとの共通性を感じさせます。

 ボディです。は、肩のポリキャップとウエスト上部をハサミ込んで前後を貼り合わせ、上からエリを取り付ける構成。ポリ製の首パーツは上から後ハメします。ウエスト上部は縦方向にワンパーツ成形。胸のリングとレンズはウエスト上部の前面に貼り付けて有り、胸板に隠れる上半分は省略してあります。



 胸部ダクトは、胸板の前からハメ込み。側面は1/144オーガンダムよりも深く胸に食い込んでいて、好みの分かれる所かも知れません。設定ではHGと同じくらい深く食い込んでいるんですが、それは胸が大きく張り出して描かれているため。肩アーマー近くまで食い込んだ様には描かれていません。好みで修正を加えても良いかも。

 エリは、上から成形してあるため、1/144よりもシャープな造形。フチの薄さが良い感じです。クラビカルアンテナは上から取り付け。ダクトの奥で胸のコンデンサーリングに直結しているのかな?と思えば、後のガンダムと近い構造にも見えますね。



 ウエストは、縦方向にワンパーツ成形。上下とも球体ポリキャップによる接続です。腹の青い張り出しに重なる部分は深くエグってあり、若干の前屈みにも対応します。に対してずいぶん細く感じるのは、ダブルオー世界の標準体形に、昔ながらのスカートを取り付けてあるためでしょうか。少し引き出せば、360度の回転が可能です。

 腰フレームは、股関節スイング用のポリキャップを閉じ込めての上下貼り合わせ。フンドシ下から差し込んだ股関節パーツが、前後左右にスイングする仕組みです。股関節パーツ底面には飾り台取り付け穴が開けてあり、フタパーツも用意されています。フンドシ前部は前から取り付け。赤いセンサーパーツが埋没してないのが、ちょっぴり今風な感じですね。



 フロントスカートは左右一体で成形。切り離せば左右別々にボール可動に出来るタイプです。黄色いパーツのハメ込み突起は板状でスカート裏まで貫通しており、分解したい時には押し出す事が出来そうです。

 サイドスカートは、極小ボールジョイントで腰フレームに接続。ウエストが細いので、ボールジョイントが上から丸見えで、脚を大きく動かすと外れやすいので、注意してやりましょう。



 リアスカートは、フンドシ後部と一体成形で、無可動となっています。こちらの黄色いパーツはピンでハメ込むタイプ。前後のパーツが簡単に見分けられる様にという配慮ですね。フンドシ後部は、元デザインにある段差を利用して、表面パーツの一部がスライドし、第二の飾り台取り付け穴が出現するギミックを内蔵。フンドシ下と違って、脚のポーズを制限しない、嬉しい試みですね。



GNドライブの差し替えギミックと、腰後部の飾り台取付穴スライド開閉ギミック。

 です。股関節は軸可動の組み合わせで、モモの上でもヒネれるタイプ。セカンドシーズンガンダムの標準的な関節を、従来デザインのオーガンダムに当てはめた物ですね。モモ上部はメカ色で成形され、ポーズによってはチラチラと目を引きます。いわゆる絶 対 領 域ですね。気になる人は、モモに合わせて白で塗っても良いかも知れません。股関節軸は絶対領域パーツの前寄りに接続してあり、近年のMGでみられる、モモがより高く上がる軸配置となっています。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 モモは、ワンパーツ成形のフレームに、横からヒザ用とヒネリ用のポリキャップをセットし、筒状の外装パーツを被せる構成。ヒザ関節は、モモフレームを左右からハサミ込みます。スネとの接続は後ハメ式。スネ側のポリキャップ部分でも回転する、二重関節となっています。

 スネは、左右と前面の3パーツ構成。ヒザアーマーだけでなく、スネ前面の全体を別パーツにしてあります。正面にパーティングラインが見えず(横には見えるんですが)、なんだかスッキリした印象になりますね。まさか映画で派生MS「オージム」なんてのが出てくるとか、そんな予定は無いとは思いますが(笑)。後部はバーニアの中心を避けて分割ラインを通してあります。



 足首関節は、上がポリキャップへのピン接続、下がボールジョイントの二重関節。メカニック表現の無い可動に特化したパーツで、とにかく細く造形してあります。

 面白いのは、足首アーマーの接続方法。関節パーツの横からクボミを設けてあり、クルブシ外側だけでボール接続してあります。このため、クルブシ内側はフリーとなっており、足首アーマーがどんどん下にズレて可動を妨げません。大きく開脚しても足裏接地性は良好。前側もフリーなので、足首の前後可動も充実しています。



 足首は、ポリキャップをハサんでクツと甲を上下に重ねる構成。クルブシの横は、甲パーツが被さる事で色分けしてあります。足裏は周囲にグルリと肉抜きが有り、モールドを中央寄りに圧縮して再現してあります。ここは足裏が単独パーツ化されていた1/144キットの方が、最限度が高いですね。肉抜きの無い部分を切り取れば、ちょうど1/200の足裏パーツとして使えそうですよ(笑)。



 肩アーマーは、腕用のポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合わせ。上面には段差を設けて、前後面が独立した様な表現になっています。側面は二重装甲の様な表現にする事で、ハメ込みピンを隠しています。肩関節への接続は、前方へスイング出来るポリキャップとボールジョイントの組み合わせ。セカンドシーズンガンダムと同じです。

 です。肩ブロックは上面をくり抜いて箱状に成形。側面にコブが付いたデザインですが、上手く処理してあります。上腕は筒状に成形。ヒジからのピンを、肩アーマー内部へ通して接続します。



 ヒジ関節は、極小ポリキャップをハサミ込んでの左右貼り合わせ。一見するとHGUC風のポリキャップ隠しにも見え、上端を見ると左右からハサミ込んだABS関節の様にも見えますが、実は対称位置に段差を付けてハサミ込みに見せかけている、貼り合せ方式です。なかなか面白いトリックですね。前腕への差し込み部分がポリキャップで可動し、セカンドシーズンガンダム同様の二重関節になっています。



キャンペーンアイテムの1/144オーガンダム(左)との比較。番組の最初と最後を飾った雄姿が並ぶと、感慨深い物がありますね。

 前腕は、ポリキャップをハサミ込んで左右を貼り合せ、下半分を筒状の外装で覆った3パーツ構成。ヒジ関節やヒジアーマーの付近は中心に接着ラインが出ますが、そこから先は細くなって、芯パーツの役割になっている感じです。セカンドシーズン用のポリ製手首軸受けを使ってありますが、スイング可動は有りません。コンパクトなポリパーツをオーガンダムの太い前腕に仕込むための二重構造なのかも知れませんが、近年のガンダムタイプMGキットに見られる筒状外装パーツの応用であり、外観の向上に役立っているのは確かです。

 手首は、左右とも穴あきゲンコツが付属。手の甲もグレーの色指定で、こういった細かい所にファーストガンダムの雰囲気を残してあるのが良いですね。



1/144オーガンダム(左)とは、登場時期の違いを反映して、GNドライブのデザインを変えてあります。

 背中は、GNドライブ取付基部になっています。エリより高い部分を別パーツ化、円中央の穴にはポリキャップが仕込んであります。GNドライブはワンパーツ成形。ダブルオーから奪い取ったという設定で、昔の状態を再現した1/144キットの物とはデザインが異なります。実機でも可能なのかどうか良く分かりませんが、オーライザーのサイドバインダーは接続出来ません。

 GNドライブは、GN粒子貯蔵タンクと差し替えが可能。こちらはラッセが搭乗した時の装備ですね。ワンパーツ成形の本体に左右のスラスターをハメ込む、3パーツ構成となっています。サーベルホルダーは、GNドライブを囲っているMS本体側に接続してあり、ボールジョイントで可動します。



GN粒子貯蔵タンクを装備した状態。

 武装です。ビームガンは、左右貼り合わせの本体に、正面から銃口を取り付ける3パーツ構成。銃口パーツは上にミゾが有り、照星を本体側と一緒に成形、噛み合わせる組立が面白いですね。照星に対応した照門やセンサーが見当たりませんが、そこは未来の科学で機能するGN照星なのだろうという事で(笑)。

 ビームガンの大きさやデザインは、キャンペーン用の1/144キットに合わせてあるので、2丁持たせても違和感は無いと思います。



 ビームサーベルは、グリップとツバの2パーツ構成。1本しか装備しませんが、クリアーのビーム刃は専用ランナーで成形された物が付属するため、2本付いています。グリップは丸ですが、ビーム刃は00シリーズ共通の平タイプ。差込穴は、サーベルホルダーの丸ピンと、平ビーム刃の両方に対応するため、土星みたいな穴となっています。



 グリップが丸タイプなので、平たいビーム刃は持つ方向によって太さが違って見えて面白いですよ。余った1本の刃は、同時発売されたエクシアR2に貸してやると、対決シーンを再現出来ます。もっとも、R2に貸すためにオーガンダムの刃を平タイプにしたというよりは、R2と同じ形・同じ長さの刃を持たせたかったという理由の方がメインでしょうね。丸グリップだからと言って既製品の丸タイプビーム刃にしてしまうと、R2とリーチや出力が違って見えて、対決シーンが互角に見えず、興ざめする可能性が有りますからね。



 ガンダムシールドは、本体とGNフィールド発生装置でポリキャップを閉じ込め、最後に白い表面パーツを貼り込みます。アダプターは、腕をコの字に囲う形で、ピン等は使わずにキツさだけで腕に接続。グリップはアダプターと一体成形され、無可動となっています。1/144キットでは、腕にハードポイントを設けてのピン接続でしたが、HGの接続方法の方が設定に忠実です。アダプターとシールドの接続部は、回転と若干のスイングが可能です。




グフイグナイテッド(左)と、番組を超えた夢の対決。前世でも出会っている様な気がする、そんな二人なのです。余談ですが、最終決戦はタイムリーなことに、MGグフとHGUC逆シャアシリーズの販促の様な、素晴らしい戦いでしたね。(笑)

 組立時間は1時間5分でした。外見がRX−78そっくりなので、HGUCガンダムが少しスリムになった様な関節構造なのかな?と思っていたら、全然別物でしたね。なかなか新鮮で、楽しかったです。この調子で00シリーズの関節を他の一年戦争MSにもフィードバックすると、今回の様な面白い物(あえて言おう!HGUC Ver.2.0であると!)が色々と出来上がってくるのかな?



腰後部にアクションベース取付穴が有るので、身を低くする以外にも色んな回避が可能なのです。(笑)

 今後の展開ですが、V字アンテナ、GNドライブ、クラビカルアンテナ、GN粒子貯蔵タンクが除外可能になっている他、配色の変更に対応したランナー切り替えが多数ある事から、ディアクティブ・・・じゃなくてG3・・・でもなくて、初登場時のロールアウトカラー(?)での発売も期待出来そうです。その時には、デザイン違いのGNドライブが付属するのでしょう。ちょっぴり値上げして、∞っぽい形に放出された粒子をエフェクトパーツで付属させても良いかも知れませんね。楽しみに待ちたいと思います。


 おまけ

 いよいよ公開が目前に迫ったトランスフォーマー・リベンジ、楽しみにしておられる方も多いと思います。今回は1作目と今回の、前売り券購入特典を紹介したいと思います。



 一作目の前売り特典「トランスフォーム・ペン」。改めて見ると、タイトルロゴは映画版ではなく、アニメやトイで長らく使われてきた物でしょうか?たぶん中国製・・・間違いなく中国製(笑)。



 宇宙船かカプセルの様な形から、ボタンを押すとボールペンに自動変形します。ボタンは両側にあって、指ではさむと、持ったままの指を避けるように展開するプロセスが良く考えられています。カバーが後退する事で、同時に保護されていたペン先も露出。しかも、ウニョ〜ンとゆっくり変形するスピードが、いい感じなんですよ。急に動いて怪我をしない様に調整された結果なんでしょうけど。変形前はポケットに入るサイズなのも良いですね。たぶん、映画版トイのセールスポイントであったオートモーフィング(自動変形)を意識して企画されたアイテムなのでしょう。



 これに限らず、映画の前売り特典には実用品が多いんですが、これは「安くする代わりに、これを人前で使って宣伝してね」という期待も込められているんでしょうね。もったいなくて持ち歩きませんでしたけどね。スミマセン。



 そして今回公開となる2作目「リベンジ」の前売り特典「タブレットケース」。サイバトロン(オートボット)のエンブレムが、タイトルロゴに変形します。2つ並べていますが、前売り券1枚につき1個しかもらえませんので、念のため。後に、よりサイバトロンらしい赤色成形バージョンも登場し、ちょっぴりショックでした・・・。



 今回はオートモーフィングではなく、手動で変形。普段トイに触れない人でも変形出来る程度の難易度に抑えてありますが、開く、引っ張る、ヒネる、移動させるといった変形の基本を一通り仕込んであります。迷いながら変形させてみるのがトランスフォームの醍醐味。これで興味が沸いてきた人は、オモチャを買うてくださいね(笑)。



 フタを開いて、タブレットを取り出せます。お菓子は付いてませんので、自分で詰め替えてまで持ち歩く人がどれだけいるのか良く分かりませんが、エンブレム状態ではフタが隠れていて、タブレットを取り出せません。この辺は実用ミクロチェンジシリーズのあるべき姿を、正しく継承していると言えるかも。今後も映画会社の方には、ぜひ楽しい前売り特典を企画して頂きたいですね。

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