健さんの
プラモコラム

その297
 MG ソードインパルスガンダム
の巻

 MG 1/100
 ZGMF−X56S/β ソードインパルスガンダム /
バンダイ
 「機動戦士ガンダムSEEDデスティニー」に登場
2009年4月発売 税別初出価格4500円



 コンスタントにMGでキット展開が続いているSEEDシリーズに、ソードインパルスが登場です。フォースインパルスのオマケとして、剣1本だけ先に公開するという意外な展開には驚かされましたが、無事にフルセットでの発売となりました。あの時は何だか、トムとジェリーの予告を見てる様な気分でしたね。「それでは次回発売のキットを、予算いっぱいまで、御一緒に見ましょう〜」みたいな。長丁場の商品展開の中で興味を引くには、実に上手い方法だったと思います。「あれでソードを発売した事にされちゃったのでは?!」という、微妙な不安感も含めて(笑)。

 さてキットは、MGフォースインパルスガンダムの色替え・装備替えによるバリエーションキットとなっています。共通部分については、その257 MGフォースインパルスガンダムの巻を参照下さい。



 頭部は、フォースインパルスではクマドリとアゴが一体でしたが、今回はアゴが黒になったため、それぞれを単独パーツ化。一体になった従来パーツは、除外されずに余りパーツとなっています。1/100キットでは一体のまま、目もクマドリも黒で成形されていましたが、アレはアレで無表情さが面白い効果になっていましたね。(え?塗らないのかって?:汗)



 この他、オデコのデュートリオンビーム受信器も黒に変更。こちらはクツやウエスト、ハッチ等と同じランナーに配置され、当初からカラー変更に対応しています。



頭頂部カメラのクリアーパーツが後頭部カメラまで伸びているため、パソコンディスプレイの前に立たせていると、カメラが光って見えます。

 ソードシルエット本体は、前後幅を詰めると同時に形状に変化を持たせ、間延びした印象を与えない様にアレンジを加えてあります。元々の設定がフラットだった上、1/100キットでは前後幅が目を引く造形でしたが、今回は上面にインテイクを追加して盛り上がりを持たせてあります。これはスラスターユニット位置を高めにして軽快な印象にすると同時に、ビームブーメランを引き上げ、ウイング(少なくともデザイン的には)として、より自然な配置にする狙いが有るのでしょう。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。

 スラスターユニットは、1/100では上下スイングしていましたが、今回は変形時に垂直位置に移動し固定されます。これによって可動のためのスキマを廃止し、密着感をアップ。移動にはヒンジ式ではなく、回転しつつレール移動する方式を採用しています。外装パーツには通常プラを使い、レール内を移動するピンだけABSを埋め込んである、塗装派には嬉しいパーツ構成。上面インテイクのフィンにはスキマが有り、内部メカまで再現してあります。



 ソードシルエット本体は、スラスターユニットの可動部を左右からハサミ込み、上面も別パーツ化。これに囲まれる様に一体成形の芯パーツが内蔵してあり、この一部が背中へのジョイントとして、MS本体のボディフレームにダイレクトに接続します。側面には元々メンテナンスハッチの様なディテールが有りましたが、キットではサイドスラスターの様な解釈に変更されています。



ソードシルエットは、コアスプレンダーに密着した状態になります。フォースシルエットは多少のスキが有ったんですけどね。ウエストを回転させる時には、ウエスト関節を少し引き出してやると、ウイングの干渉が軽減して、より大きなポーズが取れる様になりますよ。

 下部ノズルは、ここだけでスイング可動する解釈に変更。スラスターユニットが固定となった代わりなんでしょうね。後部左右のスラスターは、フィンを強調したデザインに変更。MGのフォースシルエットの該当部分に近い印象としてあります。各部のスラスターがこれだけ強調してあれば、戦艦から戦艦へ飛び移ったりといった、劇中での派手な立ち回りにも説得力が出ますね。



 エクスカリバーを保持するアームは、直接ツバに接続するのではなく、ホルダーを介して接続するデザインに変更。根元で軸可動する他、ホルダー側でボール可動します。マウント用のピンや穴を設けずに済むので、エクスカリバーの見映えが良くなっていますよ。



 武装です。MMI−710エクスカリバーレーザー対艦刀は、フォースインパルスガンダムに付属の物とほぼ同一のデザインですが、伸縮ギミックが追加された新設計・新金型の物となっています。ホルダーに噛み合わせて固定するため、ツバの付近にライン状の突起を追加。この他にも細部に若干の違いが見られます。サイズを大型化した分だけ、背負った時の印象が変わるのかな?と予想してましたが、縮めれば設定同様のポジションとなります。



各種エクスカリバーの比較。上から順に
MGソードインパルス付属の物(収納時)
MGソードインパルス付属の物(使用時)
MGフォースインパルス付属の物
1/100ソードインパルス付属の物

 スライド部とツバは筒状にワンパーツ成形。刀身を通しておいてから組み合わせます。グリップ部は、青いグリップカバーに黒いパーツを組み合わせ、グリップエンドを組合わせる構成。フォースインパルス付属の物より、色分けが充実しました。



エクスカリバーのスライド部分。上が縮んだ状態、下が伸ばした状態です。

 それにしても、ビーム刃やエフェクトパーツが共用とは言え、新規に作り直すとはなかなか贅沢ですね。作り直す事を承知でフォースインパルスに付属させたのか、長めの対艦刀を高い位置で、あるいは斜めに背負わせる予定が後で伸縮式に変更になったのか分かりませんが、グリップガードが細くなって、この部分も握らせやすくなっている等の改良点も見られます。



 ビーム・エフェクト関係のクリアーパーツは、今回もラメ入りで成形。MGフォースインパルス付属の物は対フリーダム戦の白熱した表現として、今回はラメを入れずに違いを表現しても良かったかも・・・と思ったりもします。



 グリップエンドで連結した「アンビデクストラスフォーム」の再現も可能。何故かフォースインパルス付属の物とはジョイントの規格が若干異なっていて、連結する事は出来ません。フォースインパルスの物を2本用意すれば、連結出来るとは思うんですが、実際には未確認です。



 RQM60フラッシュエッジ・ビームブーメランは、1/100キットよりも大きさと薄さを強調して造形され、ウイングの様な外観になりました。(これ見たら700円のゴッドシグマをまた作りたくなってきます。再販して下さい〜。)2パーツを貼り合せて前側のフチを取り付ける3パーツ構成。後側はパーツの合わせ目を厚み部分に配置せず、表面部のパネルラインにも見える様に処理してあります。(説明書の完成見本ではパテで埋めてあります。)



 クリアー成形のビーム刃を取り付ければ、使用状態を再現可能。また、ビームサーベルとしても使用可能です。厚みを抑えてあるため持たせやすく、ポーズが決まります。グリップだけでなく、前縁部も握れますよ。



 中央のコントロールユニットごと外せば、大型ブーメランとしても使用可能。このユニットには整流板の表現も追加されていて、本当にウイング扱いですね。投げる時には引っ込むんでしょうか?ブーメランのホルダーはヒンジで可動。元デザインでは最低限のサイズとなっていますが、今回はある程度の面積を持ったウイングの様に造形してあり、ブーメランを取り外した状態でも補助翼として機能するのかも。低下した揚力を補う意図なのか、裏面にはスラスターの様な表現も追加されています。



 また、シルエット本体側のマウントラッチ上下スライドする点も嬉しいですね。ソードシルエットフライヤー時には設定通りのポジションを保ち、MS時には上にスライドして、よりウイングらしい配置に変化します。また、このお陰で、ブーメランを取り出すポーズが自然に決まる効果も生んでいます。もちろんホルダーが長く、シルエット本体の前後幅が詰めてあり、ヒンジで可動する事も全て合わさった結果ですけどね。



 細かい事ですが、マウントラッチが回転するのも気が利いていると思います。着脱時に塗膜に負担がかかるのは仕方ないですが、回転時に擦れる要素だけでも無くそうという配慮なのでしょう。



 この他、高エネルギービームライフル、フォールディングレイザー対装甲ナイフ、機動防盾、シンとルナマリアのフィギュアが今回も付属。分離状態3機のランディングギアやアクションベース用ジョイントパーツもそのまま付属していますから、分離・合体シーンの再現も可能です。



 嬉しいのは、1/100やHGではフォースインパルスにしか付属しなかったシルエットフライヤーが、今回も付属する事。帰還途中に破壊されたら換装不能になりますし、帰還して別装備を搭載するまで次の換装が出来ないとなると大きな制約になりますから、複数機が存在したんじゃないかと思うんですよね。MGフォースインパルスを買っていなくてもフルに遊べるのはもちろん嬉しいですし、複数あると遊びの幅も広がるでしょう。駐機状態で飾れるベースは、ソード装備に合わせた物が新規に付属します。



コアスプレンダーをマルチパックに換装した状態(右)。

 連合系のストライカーパックを装備可能にするマルチパックは、今回も付属。コアスプレンダーと同じランナーに配置されているため、フォースインパルスの時と同じ、青で成形されています。ここは色変化を起こさないという解釈なんでしょうか?コアスプレンダーの代わりに内装する物なので、そう考えるのが自然かも知れませんね。そう言えば、これで手持ちのMGインパルスの色が2色に増えた訳ですから、背負うストライカーパックに合わせて、本体側の色変化を妄想して使い分ける事が出来る様になったんですね。



1/100ソードインパルスガンダム(左)との比較。身長差は1センチ有るか無いか程度だと思うんですが、ずいぶん大きさが違って見えます。むしろ、1センチの差はこんなに大きいと言うべきでしょうか?



1/100ソードインパルスガンダム(左)との比較。ビームブーメランの配置の違いに注目です。



上半身と下半身で2機の戦闘機に分離。MGフォースインパルスも持っている人は、コアスプレンダーを上半身にも内蔵すると良いでしょう。(こんな設定は有りません。念のため。)



対ザムザザー戦での換装シーンをイメージ。
「メイリン!予備のレッグフライヤーを!」
「注文理由は?こわしたの?なくしたの?」(笑)



対フリーダム戦で、フォースインパルスガンダムがソード装備を受け取るシーンをイメージ。

 組立時間は3時間15分でした。武器を構えたポーズだけでなく、取り出すポーズも決まるのが嬉しいですね。剣やブーメランといった武器は、可動を追及したMGの魅力を良く引き出してくれます。ぜひ、アクションベースと組み合わせて、色んなポーズを試してみて下さい。



 今後の展開ですが、シルエットフライヤーのジョイントパーツを中心に、フォースシルエット・ソードシルエットの黒パーツが含まれているLランナーに、まだ未使用の切り替えが有りますから、ブラストインパルスの発売も期待したい所です。この装備は1/144コレクションシリーズで発売されたきり、HGも1/100も未発売となっていますからね。



 いっそMGフォースインパルスの時みたいに、今回のソードインパルスにビームジャベリンの1本でも付属させて世間の期待を煽ってみても面白かったかも?そしてブラストインパルスの時にも・・・いや、さすがに毎回はやり過ぎかな?(笑)

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 2009.4.22 健 竹史


  

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