健さんの
プラモコラム

その295
 1/100
 セラヴィーガンダム
の巻・発動編

 1/100
 GN−008 セラヴィーガンダム/バンダイ
 「機動戦士ガンダム00」に登場
2009年3月発売 税別初出価格3600円



 先日最終回を迎えたガンダム00、最後まで面白かったですね。最後の最後に映画化の発表、そして画面いっぱいの木星。これはまだまだ楽しませてもらえそうです。そして本気で「来たるべき対話」をやってしまうという事でしょうか?最終話のラストでチョチョイと扱ってはもったいないと思ってたんですよ。

 ところで映画化発表の直前に出てきた「The childhood of humankind ends」という英文ですが、これは「2001年宇宙の旅」の原作者でもあるア−サ−・C・クラークのSF小説「幼年期の終わり」(Childhood's End)が元になってると思われます。

 初代ガンダムを意識してると思ってたら、こんな所まで話を広げて・・・と、その時は思ったんですが、ボールのデザインが2001年のスペースポッドだったり、宇宙に出たら進化するなんてニュータイプの発想自体が2001年っぽかったり、もともとガンダムは多大な影響を受けてるんですよね。

 そういえば紫のハロが凶暴なのも、木星旅行でおかしくなったHAL9000コンピューターのパロディだったのかな?・・・なんて思って、そこで気づきました。ハロという名前自体、HALのパロディだったんじゃないかと。何かもう、納得しちゃいました。外宇宙とか木星とか対話とか、いずれガンダムで扱うべきネタだったんですよ。遠慮なく、じゃんじゃんやって下さい。期待してます!

 さて本題ですが、今回は1/100セラヴィーの続きという事で、バックパックが変形した「セラフィムガンダム」についてです。2体で1つのキットですので、お間違えないよう、お願いします。



ヒジのレンズ底面のみ、色分けシールを貼って撮影しています。

 頭部は、マスク・クマドリとアゴ・クリアー成形の目を前後方向に重ね、首のポリキャップと一緒にヘルメットで左右からハサミ込む構成。今回は発光ユニットで目を光らせる意図は無い様です。チョンマゲは上から取り付け。オデコセンサーは、アンテナ中央にクリアーパーツを被せます。セラヴィーのオデコも同様ですが、センサー内部にまでモールドが入っています。出来ればシールではなく、クリアーカラーでの塗装をオススメしたい所です。



 ボディは、ウエストまで一体成形された胸の芯に謎の空洞が有り、ここに1/100ダブルオーガンダムの発光ユニットが、そのまま収まる様になっています。従来と違うのは、発光ユニットのLEDが上ではなく前に向く様になっていて、胸のガンダムフェイスを光らせる配置になっている点。この芯パーツを胸板前後でハサミ込み、同時に肩関節を仕込んでやります。は胸板と一体成形のため、頭部側だけで可動。二重関節にはなっていません。



 胸のガンダムフェイスは、頬のダクトと目にクリアーパーツを使っていますが、基本的なパーツ構成はHGセラフィムの物を踏襲しています。オデコとアゴは固定で、目とマスクの上下スライドには今回も、レール内幅のキツさで保持されたポリキャップが動く仕組みを採用。頬の裏面には、光漏れしない様にフタパーツが用意してあります。



1/100ダブルオーの発光ユニット流用でガンダムフェイスの目が発光。(発光ユニットは付属していません。)

 アンテナはボールジョイントで可動。オデコセンサーの中に仕込んだポリキャップで保持してあり、HGに比べて安定している代わりに、横に大きく開くのが苦手です。ピンを斜めに配置してあれば、もっと大きく開けたかも?左右に引き出して角度を稼ぐと同時に、正面から見える面積が最大になる様にヒネってやれば、少しでもイメージに近づくんじゃないでしょうか。

 ウエストは左右スイングに加えて、少し引き出せば若干の前後スイングも可能です。と言っても、腰から出ているピンは短く、あまり大きく引き出すには向いていません。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにアクションベースは付属していません。

 です。フンドシは前後貼り合わせで、サイドスカート用のポリキャップをハサミ込んであります。股関節軸は固定式。フロントスカートは前から取り付け、HGの様な可動ギミックは採用されていません。サイドスカートは二軸可動となっています。

 腰後部には引き出し式の突起が仕込んであり、セラヴィーとの合体時に引き出します。ここでセラヴィーとセラフィムのフンドシをロックするんですが、突起を敢えて引き出さなければ、合体状態でもセラヴィーのウエストがスイング可能。これはHGには無い、嬉しいポイントです。ただし、突起はセラフィムの下半身を支える意味も有り、これを使わないという事は、ウエストのピンだけで下半身を吊るして支える事になります。そういう意味でも、腰のピンは抜け対策としてギリギリまで長めに設定して欲しかったですね。



 フンドシの下面後部にはミゾが有り、アクションベースに対応したY字形のジョイントパーツを取り付け可能。ただ、股の内幅が狭いため、ジョイントを取り付けると脚のポーズが窮屈になります。後ろに張り出したフンドシ形状を利用して、いっそ下面でなく後面にジョイントを付けても良かったんじゃないかと思ったりします。B17パーツ(ジョイント押さえ)の前端をミゾとすればディテールにも見えたと思いますし、起こした突起を利用する等の方法でも良かったかも。



HGではそう感じなかったんですが、この形態が、ふとケロロロボに見えてしまう事があります。光ってない目がそう思わせるのか、顔とボディの比率がそう思わせるのか・・・。

 です。モモは、ヒザ関節をハサミ込んでの左右貼り合わせ。上端前部のダクトは、前からパーツをハメ込んで色分けしてあります。ヒザは、2パーツ貼り合わせ。と言っても、バックパックに変形した時に上下面が露出するので、ここのポリキャップが丸見えになるのは面白くありませんから、上下からポリキャップを差し込んでから貼り合わせる珍しい構成で、上下面を切り欠かずに済ませています。



 スネは、ヒザ関節と足首関節を左右からハサミ込み。ヒザアーマーは正面から取り付け、HGと同様に、取付位置を差し替える事で変形を再現しています。裏面のハメ込み穴がHGよりも分かりやすい形状になっているので、上下の向きや取付位置に迷う事は無いでしょう。

 足首関節はスネ側で後ろに折れ曲がり、バックパック形態ではクルブシを後ろに移動させる仕組み。MS形態ではスネ下端にロックされ、安定しています。クルブシは左右貼り合わせで、足首関節の先端でボール可動。ヒネリ可動や接地性も良好です。



 ツマ先はクツ・足裏・関節の3パーツ構成で、クルブシの前側から後ハメ可能。今回も伸ばす方向にしか動かないのが残念ですが、常に飛んでるイメージが有るので、そんなに問題は無いでしょう。不満を感じるとすれば、本編イメージと関係なく、変なポーズを取らせたいボクみたいな人ですね(笑)。クルブシのボールジョイントを引き出せば、ある程度代用出来るのでお試しあれ。関節パーツは横からの肉抜きをディテールっぽく処理してあり、チラリズムを尊重した造形となっています。

 カカトには突起が追加されていて、モモ後部のミゾと噛み合う事で、バックパック形態での脚の形を安定させています。ユニット化した印象になるのは嬉しいんですが、カカトと噛み合うモモ後部上端が尖っているため、HGの様に脚を後ろに動かせないのが少々残念。いや、人間の脚も後ろには動きませんし、変なポーズを取らせたいボクみたいな人しか困らないんですけどね(笑)。HGはモモ後部上端や腰骨を削いで可動を拡大していて、1/100の方がデザイン画稿のシャープなイメージには近いんですけども。



せっかくの2体セット発売ですから、対決させるのも楽しいですよ。

 肩関節は、脇のメカ部が胸板と一体で前後幅も無いため、上方向のみのスイング可動。最近では恒例となった前後可動もボール可動も無いため、ポーズが固く感じるかも知れません。でもGNバズーカUの荷重を考えると、ボールジョイントを使わなかった判断は納得できますね。バックパックへの変形では、関節を押し下げて、本体とGNキャノンの密着感を高めます。最近では珍しいスライド可動、しかもポリキャップの筒部分をスライドに使ってるので、なかなか頑丈です。ちょっと力が必要かも。



 肩アーマーは、肩ブロックをハサミ込んでの前後貼り合せ。上腕を覆う前後のアーマーはそれぞれ可動。ヒンジが別パーツ化してあり、ちょっと目立つ印象です。ポーズを付けてる最中に外れやすく感じますが、逆に、見えない位置のアーマーをわざと外して腕の干渉を避け、より自由なポーズを取らせるのもアリでしょう。

 肩ブロックは、ポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合わせ。00登場のガンダムとしては珍しいですね。上腕は筒状にワンパーツ成形してあります。



六刀流、こんな感じで合ってましたっけ?(違います)

 ヒジは丸パーツを両面から組み合わせる、おなじみの構成ですが、肩ブロックから出たピンと上腕の中で接続するため、虫メガネ状になっているのは前腕に接続する側のみ。上腕に接続する側はポリキャップをハメ込むため太くなっていて、腕フレームという感じですね。上腕装甲のスキマから角ばったフレームがチラリと見えてしまうので、ピンの方が外観の点では優れていると思います。ヒジ外側には、クリアーのレンズをハメ込んであります。



背中の穴に腰のピンを差し込んで、飛行形態をデッチ上げてみました。

 前腕は、2パーツ貼り合わせておいてのパーツを取り付ける、セラヴィーに近いパーツ分割。手首が展開する時には甲が一旦開く設定なので、このシーンを再現したい人には嬉しい分割でしょう。手首関節にはボール軸受けのポリキャップを採用。袖の中にはクリアーグリーンの砲口パーツを取り付けてあります。1つのキットの中に、無色と色付きの2つのクリアー成形色を使ってあり、なかなか豪華ですね。

 手首は、左右とも穴開きゲンコツが付属。手の甲表面のクリスタルはクリアーグリーンで成形され、その下には甲のメカニックもパーツ化されているので、HGよりも実機のイメージに近いんじゃないでしょうか。



「ちょっとくすぐったいぞ」
「なにするアルか!」

 手首はセラフィム用の物の他に、セラヴィーのヒザのGNキャノン用の物も付属しますが、それぞれ取付方式がボール接続とピン接続になっていて一致しておらず、互換性は有りません。また、手首を外してGNキャノンに変化させた場合、砲口のクリスタル面の真ん中に穴が開いていてイメージを損ねるのと、無色クリアーパーツの裏面にシールを貼ったHGに比べて、色が暗く見えるのが少々残念ですね。腕に自信のある人は、ヒザのGNキャノンを複数用意して、砲口に発光ギミックを仕込んでも面白いかも知れません。(これ、別売りしてもイイかも。)



figuma等の自転車が似合うと聞いたんですが、近い物をという事で、トランスフォーマーのバイクに乗せてみました。そういえば、ウチにも時をかける少女の自転車が有ったなあ。

 背中は、GNドライブの中にポリキャップが仕込んであり、セラヴィー側のピンと連結する仕組みになっています。ガンダムフェイスのチョンマゲは左右貼り合わせ。ハサミ込んだアームで背中に接続してあり、GNドライブを覆っています。バックパック形態では、アームの回転移動とレール式のスライドで上部へ移動。今回はスライド可動が多いですね。



 また、背中の板全体が外れる様になっていて、1/100ダブルオー付属の発光ユニットが簡単に出し入れ出来ます。背中の板は密着させて押し下げると、ツメでロックされる仕組み。先にセラヴィーとの合体時に腰の突起を使わなければウエスト可動が生かせると書きましたが、ツメの設置方向の都合から、背中の板をセラヴィー側に残して自重でズリ落ちる事も有りますので注意が必要です。背中の板の下端を留めるツメは可動するので、発光スイッチのオン/オフだけなら、ここをヒンジとして半開きにするだけでOK。遊びやすい設計になっています。



 バックパック形態への変形です。正座させる要領で脚を曲げ、足首を後方に折り畳んでカカトとモモをロックします。ヒザアーマーは位置を差し替えて移動。はまっすぐに伸ばし、上腕をアーマーで覆ってGNキャノンに変化させます。肩関節を押し下げて、GNキャノンを上に回します。頭部を取り外し、背中のチョンマゲを上に移動させて首を隠します。アンテナを前に移動させ、マスクを閉じれば変形完了。腰後部の突起を引き出し、背中と腰でセラヴィーと接続します。

 セラフィムの組立時間は1時間15分、セラヴィーと武器を合わせた合計は2時間45分でした。ヴァーチェの後継機で発想も似てますが、2体並べて飾れる分離ギミックは、片方しか飾れない着脱ギミックよりもお得感が有りますね。これでヴァーチェよりも安くなるとは意外でした。ヴァーチェの値段を超えない範囲であれば、交換用手首を充実させるとか、サーベルを6本付けても良かったかな?と思ったりもします。



同スケールのガンダムと並べると小柄なセラフィムですが、HGと並べると、「ガンツ先生とロボコンたち」みたいな感じで楽しいですよ。女の子ロボも混ざってますし。

 ところでセラヴィーとセラフィムのパーツ配列はキッチリと分けてあり、2枚のポリランナーはセラヴィー用とセラフィム用に1枚ずつ割り当ててあります。これは別売に対応した物と思いますが、映画でセラフィムが単独で活躍するとか、何か予定が有るのかも知れませんね。あるいは海外では「分離」よりも「合体」を強調して別売りにするとか、HGの様に今後は無変形のバックパックを付けて売るとか。GNバズーカU関連のパーツはセラフィム側に含まれており、サーベルはセラヴィー側に含まれています。

 ちなみに、コクピットはセラフィム側に有るのかな?とも思ってたんですが、セラヴィーのシートが、分離時にセラフィムに移動するのだそうです。GNドライブも有るのに無理して通路を作らなくても・・・という気もしますが、拾ったセラヴィーを修理して別人が運用とか、有人MS2体が合体するように改造されるなんて展開もやりやすい設定ですね。今後も何らかの形で、隠し玉が見れるかも知れません。


 おまけ




 本文でも触れた「2001年宇宙の旅」、昨年秋に、幸運にもスクリーンで見る事が出来ました。高校生の頃に後輩がビデオを貸して見せてくれたのが最初だったんですが、大人になる頃には廉価版ビデオが出たので自分でも購入、何度も見返した作品の一つです。じっくり見るも良し、目が冴えて眠れない夜に睡眠導入剤代わりに見るも良し。でも結局面白くなって見入ってしまう事もあるので、セリフが出始めるまでに寝付けるかが勝負です(笑)。

 ストーリーはシンプルで詰め込み過ぎの感じは全く無く、特に宇宙船のシーンなどは、ゆったりと見せるスローな映画だと思ってましたが、スクリーンで見ると全然印象が違いました。動きも作り込みも見事で、隅々まで見るには時間が足りないと感じるくらい。ぜひ多くの人に少しでも大きな画面で見て欲しいですし、リバイバル上映を見る機会があれば、ぜひスクリ−ンで見て欲しいです。「これは映画館で見るべき映画」と語る人は少なくない様ですが、あれは褒めすぎでも誇張でも無く、本当に正直な感想ですね。

 難解だと言われる事もありますが、それは40年前の、公開当時の評価だと思います。未知の体験を主人公視点でそのまま見せただけで、最近のいろんな作品で使われる「謎」の類とは、ちょっと違う気がしますね。(視聴者に見せてないだけで登場人物は謎と思ってない例とか、多いでしょ?)ただ、どんなに感じ方が変わっても、古さを感じさせる事は、今後も無いのではないかと思います。ガンダム等の作品が好きで未見の方、ぜひご覧になって下さい。

 2009.4.12 健 竹史

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