健さんの
プラモコラム


 HG セラフィムガンダムの巻

 HG 1/144 セラフィムガンダム/バンダイ
 「機動戦士ガンダム00」に登場
2009年2月発売 初出税別価格1000円



 人類が、ロボット兵器に人を模した顔を付ける必要性を議論するようになって、すでに半世紀。大河原さんはF91に口を付ける事の意味に悩み、コミック作品には二つ目とアンテナが付いてればガンダムにされるんだなんていうセリフが登場。そんな流れが変わるきっかけになったのは、Vガンダムだったでしょうか。コアファイターに頭部を配置したデザインについて、カトキさんは機能的な必要性よりも、「頭はシンボルなんだから、中核メカに付いてて当然」みたいな発言をされてましたっけ。翌年のGガンダムでは、ガンダム顔さえ付いていれば魚も動物もガンダム扱いで呆気に取られましたが、顔や頭を「有って当然」とする発想は、Vガンダムのコアファイターから始まっている様に思います。



 さらに月日が経って、セラフィムガンダムが登場。今では「なんじゃこりゃ!」よりも「カッコイイ!」という反応の方が多いのではないでしょうか。「胸に顔が付いてる意味は?」と思う前に、顔自体に意味を感じる様になったのは、長年かけて慣らされたのかな(笑)?ともかく、カニのガンダムがカニガンダムなら、この機体はガンダムガンダムですよ。たぶん別格の何かを秘めている、より上位のガンダムなんだろうなあ、と思わせるには、これ以上のデザインは無いかも知れません。てな事を思いつつ、本題に参りましょう。



 頭部は、目とアゴの赤いパーツにマスクを組み合わせ、左右からヘルメットでハサミ込む構成。マスクの小ささはハンパではなく、不慣れな人には少々ツライかも知れません。今後これ以上小顔のガンダムが登場したら、クマドリの色分けは省略した方が良いかも知れません。



 クリアー成形のオデコセンサーは、アンテナの表面に取り付け。アンテナは他のガンダムよりも若干細いのか、アンテナの上下幅よりも大きな安全突起が付けてあります。は、ダブルボールタイプのポリパーツをそのまま使用。エリやバックパックが無い分、首後部の肉抜き穴は目立ちやすい印象です。



HGセラヴィーガンダム(左)との比較。

 大きい方の頭・・・と言うか、ボディです。さすがにここを破壊されたら「たかがメインカメラをやられただけだ!」とは言えないでしょうね(笑)。胸とウエストは一体で、肩と腰のポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合わせ。のポリキャップはボール軸受けタイプで、腕を横に上げる可動は、ボール可動自体よりも、主にポリキャップごとのスイングが受け持っています。関節前後にはポリ軸が露出しているので、上級者は塞いでやるのも良いでしょう。初心者でも、ゲート跡をきれいに切り取るだけで見映えが違ってくると思います。



無敵城計画!別売のアクションベース1ソレスタルビーイングVerを使って、装備品と一緒にディスプレイしてみました。

 胸のアンテナは、HGセラヴィーのバックパックと同様、ボール可動式。正面からオデコセンサーで押さえてあります。胸にガンダム顔が付いているデザインは一見冗談の様ですが、他のガンダムと比較すると、オデコセンサーがハッチ、ヒサシが胸板、アンテナがエリのクラビカルアンテナ、ほほガードが胸部ダクトに対応し、00系ガンダムの基本を押さえたデザインである事に、改めて気付かされます。マスクのパーツ構成やスライドギミックは、HGセラヴィーに準じた物となっています。



これはイメージです。もうすぐ公開になる映画とは一切関係ありません(笑)。・・・でも、普段からこんな出動をしていれば、ソレスタルビーイングも、少しは世論の支持を得やすくなるかも知れません。

 ウエストは、左右スイングのみの一軸可動。太さは正方形に近い印象で、として見ても違和感の無い形ですね。ダブルボールジョイントで動いたら、さらに首っぽい印象になったでしょうか。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにはアクションベースは付属していません。
また、GNバズーカUは、HGセラヴィーガンダムから流用しています。
このキットにはGNバズーカUは付属していません。

 です。フンドシは、縦に2パーツ重ねる構成。最近増えてきた気がする分割方式ですが、特にダブルオー関連の物は、これでフロントスカート用の極小ボールジョイントを閉じ込める狙いが有ります。フンドシ下の飾り台取り付け穴は、プラパーツに直接開孔。フタパーツは有りません。



 フロントスカートは、プレート全体がフンドシ中央の極小ポリキャップで可動。ヒネりを加えれば、擬似的にウエストをヒネった様に見せる演出が可能です。サイドスカートも、極小ポリキャップで腰に接続。リアスカートは無く、セラヴィーの腰と噛み合う張り出しが付いています。



 です。股関節軸はフンドシと一体のボールジョイントで、スイング機構は有りません。左右に少し引き出してやれば、開脚の自由度が高まりますよ。モモは、ヒザ関節をハサミ込んでの左右貼り合わせ。正面のダクトやヒザのクボミは、中央を避けて分割ラインを通してあります。



キット2体分を使って、マスターガンダム風のMSをデッチ上げ。首のポリパーツは使わず、両面テープを使用しています。右はスピードグレード 1/200 Gガンダム

 ヒザは、薄型ポリキャップをハサミ込んでの2パーツ貼り合わせ。正面のスラスター(?)を避けて分割してあり、ノズル内部のモールドを損なっていません。スネと密着するためにモモの裏は平面的なデザインになっていますが、ヒザ関節パーツにちょっとした折れ曲がりが有るだけで、単調な印象を軽減出来ている気がします。



左がHGセラフィムガンダム、右がHGセラヴィーガンダムのバックパック。

 スネは、ヒザ関節をハサミ込んでの左右貼り合わせ。ヒザアーマーはMS形態とバックパック形態で位置が異なりますが、差し替えで移動を再現。裏面のクボミを見ても取り付け位置が分かりにくいので、表面の折れ曲がりを目印にして、ここがスネ上端に揃う様にセットしてやると良いでしょう。ヒザアーマー下に、ちょっと切り欠きを造形してあるんですが、これだけでもメカニカルな印象が強調されますね。



左がHGセラフィムガンダム、右がHGセラヴィーガンダムのバックパック。

 クルブシは、カカトまで一体で一つのユニットになっています。他キットでは肩の引き出しに使われているポリキャップをハサミ込んでの、2パーツ貼り合わせ。ボール可動を活かして、足裏の設地は、ほとんどここの可動で調整します。変形時には、軸可動で後ろに大きく折れ曲がるんですが、実際はスネに引き込まれて一体化するんでしょうか。



左がHGセラフィムガンダム、右がHGセラヴィーガンダムのバックパック。

 足首は、クツと足裏を縦に重ねる構成。足裏は関節パーツを兼ねていて、カカトにハサミ込んだ後端で可動します。変形時には後ろに180度回り込み、モモ後部へ移動。基本的に変形用の関節のため、伸ばす方向にしか動きませんし、大きく動かすとカカトとの間にスキが出来ますが、クルブシの可動を併用すれば、あまり困る事は無いでしょう。



別売のアクションベースを使って、セラヴィーからの分離シーンを再現。

 肩アーマーは、上腕接続用のポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合わせ。根元はボール可動します。GNキャノンに変形する都合で側面まで覆う形のアーマーのため、腕は45度程度しか横に上がりません。それ以上は肩関節ごと上に上げる様にしてやります。前後にはC字形のヒンジでアーマーを取り付け。変形時に上腕を覆います。



セラフィムの方が本体なので、イメージ的にはこれが本来の姿?

 です。肩ブロックは、下半分のみを覆うポリキャップ隠し。上腕は筒状にワンパーツ成形してあります。ヒジは、円形パーツを組み合わせた、おなじみの構成。他のガンダムよりもコンパクトですが、いつのも薄型ポリキャップを仕込み、外側にはクリアーパーツをハメ込んであります。



セラフィムとセラヴィーの下半身を入れ替えてみました。

 前腕は、(砲口部分)を筒状に成形、完成後も着脱可能としてあります。手首のポリキャップごと取り外し、HGセラヴィー付属の砲口と差し替える事で、手首の展開・収納を再現する事が出来ます。袖を除いた前腕本体は左右貼り合わせ。ヒジ関節はハサミ込んで固定してあり、今回は二重関節になっていません。



前腕の袖部分は、HGセラヴィー付属の砲口タイプに差し替えてあります。

 手首は、左右とも穴開きゲンコツが付属。普段と同じ2パーツ構成ながら、手の甲がクリアー成形された、珍しい物になっています。これはGNキャノンの砲口がそのまま起き上がって手の甲になるという設定のため。クリスタルは結晶構造のため、わずかの厚みながらもビームに指向性を持たせる事が可能とか何とか、そんな理屈が用意してあるのかも知れません。丸ければレンズマンっぽかったのに(笑)。



HGセラフィムの手首を、キット2体分使用しています。

 ところで、セラフィムの手は左右共通で、親指が両側に付いた6本指になっているそうです。使わない方の親指は折りたたまれ、手の平の一部の様に擬態されているんですね。キットでも、その様に造形してあります。これはセラヴィーの肩のGNキャノンの隠し腕を展開した時に、親指の向きが自然になる様にという配慮ですね。



HGセラフィムの手首とビームサーベルを、キット2体分使用しています。

 別にそこまでしなくても逆向きでいいのに・・・と思ってましたが、セラフィムの分離機能を秘匿するためには、ここまでやる必要が有ったのでしょう。一般視聴者でさえ設定画から予想出来た分離機能を、なぜイノベイターが予想出来ないのか?ガルマの部下でさえ、わずか数回の戦闘記録からコアブロックシステムの存在を解析出来たのに、ムキ出しのセラフィムに気付かないのは変じゃないか?という意見も有るかも知れませんが、親指の位置にまで気を配る徹底ぶりが、イノベイターさえも欺き続けたのです(笑)。



 手首関節は、ボールジョイントではなくピンを使用。ボールタイプよりもスムーズに着脱出来るだけに、余計にオプションの手首が欲しくなってきます。設定画にある平手は緊張感が有って実に良いですし、手持ち武器を持たずに登場する分離シーンにピッタリなので、ぜひ付属させて欲しかったですね。他に要望が高いのは、サーベルを取り出すシーンの再現でしょうか。掴んだ瞬間の手首が有れば、「突き」も再現出来たでしょう。6本も手が有ると、サーベルの持ち方にパリエーションが有れば楽しくなったと思うんですが。



 背中には、セラヴィーと合体するためのピンが有りますが、これはボディパーツと一体成形。GNドライブの一部と思われる赤い部分は、リング状に成形してあり、ピンに通して取り付けます。バックパック形態の頭頂部カメラカバーは、MS形態ではこのピンに差し込み、ジョイントカバーの役割を果たしています。バックパック形態では、取り外した頭部の代わりに、首のボールジョイントを使ってマウント。つまり首のボールと背中のピンは直径が同じです。余った頭を背負う事も出来ますね(笑)。



 武装は、ビームサーベルが2本付属。ビーム刃は、長い物が2本、短い物が1本の、合計3本が付属するという大サービス。これは、シチュエーションに合わせて長短2種を使い分けられるだけでなく、手首目当でキットを2つ買った人が、六刀流を再現出来る様にという配慮なのでしょう。残り2本のグリップは、HGダブルオーやHGアリオスから流用可能です。

 また、説明書にはセラヴィーのGNバズーカUを構えた写真が掲載されています。劇中で使用する予定が有るのかも知れませんね。



 バックパック形態への変形は、正座させる要領で脚を畳み、ヒザアーマー位置を差し替えて移動。足首を後方に折り畳みます。はまっすぐに伸ばし、肩アーマーと前腕のスキマにアーマーを一体化。手首を取り外して肩の上に回し、GNキャノンのポジションを取らせます。頭部は取り外し、背中のカバーを付け替えてフタをします。アンテナを突き出す位置に回し、マスクを閉じれば変形完了。背中のピンでセラヴィーに合体させます。



 組立時間は50分でした。セカンドシーズンではFGキットのリリースが無くなり、2種類のキットを作り比べられる(今のところ)唯一のMSですね。GNキャノンの可動や、折り畳んだ脚の一体感等、HGセラヴィー付属の物の方が、バックパックとしては優れている点も有りますから、使い分けて遊ぶと良いでしょう。

 また、設定画を見ると、胸のガンダムフェイスが普段以上に引っ込んでいる様にも見えます。手首目当てで2個買ったという人は、1つは変形を省略して、プロポーション修正にチャレンジしてみても良いかも知れませんね。


 おまけ




 おもしろヒコーキを見かけると、ついつい買ってしまうんですが、先日見つけたのがコレ。ドラゴンモデルの1/48 Ba349A ナッターです。発射台を使って垂直発進する有人ミサイル。ガンダムZZに登場するバウの下半身が「バウ・ナッター」という名前でしたが、あれをミサイルとして使う戦法が有りましたね。あのバウ・ナッターのネーミングの由来、これなのかな?と。ちょっと思いました。綴りは違うみたいなんですけど。使い方も、ロケット弾を撃った後にパイロットが脱出、エンジンを回収して再利用するなど、違いが有りますけどね。上半身の分離を脱出と思えば、ある程度似てるかも知れません。

 グレミーがバウ・ナッターをミサイルにする戦法を思いついたのは意外と早い段階で、それに因んで命名されたのかも・・・。

 Ba 349 (航空機)(ウィキペディア)

 2009.2.25 健 竹史


  

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