健さんの
プラモコラム


 1/144 ガンダムラジエルの巻

 1/144
 GN−XXX ガンダムラジエル/
電撃ホビーマガジン2009年1月号付録/
 「機動戦士ガンダム00P」に登場
2008年11月発売



 今年も電撃ホビーマガジンに、付録が付くシーズンがやって参りました。何冊買って、誰に何冊配ろうかな、と毎年悩むところです。今回は連載中の外伝で活躍する、ガンダムラジエル。宇宙世紀モノのヘイズルと違って、後からHG化される可能性は少ないかな?とかも判断材料にしつつ、お年玉代わりに(お年玉もあげるんですけど)、本誌を読んで喜びそうな親戚の子や友人の数を数えるのです。

 それにしても、ここ最近の機体ナンバーときたら○○○○とか×××とか、伏せ字みたいですね。では早速、秘密めいた何かを期待しつつ、こっそり箱を開けてみる事に致しましょう。ハァハァ・・・。



 パッケージは、段ボールに1色で印刷された、例年の付録よりもシンプルな物。説明書は本誌の記事に含まれています。そのまま組み立てるだけなら1ページで完成する分量なので、パッケージに印刷してあっても良かったかも知れません。が、今回は手を加えて楽しむ方が(企画意図としては)メインであるため、どこまで手を加えるか、どう加えるかを、途中写真を交えて何通りも解説する必要が有り、本誌でなければ収録出来ないだけの分量になっています。「キットだけ友達に譲ってもらった」という人もおられるかも知れませんが、一度は本誌記事に目を通しておくと良いでしょう。



 パーツは単色成形のランナー1枚。ポリキャップは有りません。「ああ、プラでプラをハサミ込む、FG仕様の関節なのか」と思ったら、微妙に違います。箱にはFGのロゴが有りますが、これはファーストグレードではなく付録グレード。ちょっぴり別物という事も有り得るのです。ランナーを見渡すと、ポリキャップの代わりになる関節パーツも無い様ですが・・・。



 組み立ては、15分程度で完成します。可動箇所は首(と肩アーマー)のみ。しかも左右には動かず、上下可動も、デザインの関係でうつむく方向だけに限られます。球体ポリキャップという手段も有るし、FGダブルオーシリーズがヒジ・ヒザの可動まで実現している時代に、あえて固定モデルとは、実に思い切った仕様です。



 これはもう、「あまり動かない」「価格相応の可動に抑えました」「パーツが少なく組み立て簡単」という、従来の入門キットとは、全く違った方向で企画されたキットですね。先に述べた様なスタイルの入門キットは「でも制約の中で最大限のプレイバリューを追求しています」というサービス精神が常に感じられた物ですが・・・このキットは、可能な限り固定にした、普段なら当然動くハズの所まで固定にした、そういうキットなんですね。



 確かに、FGダブルオーシリーズをいじっていると、「こんなに動く」という驚きと同時に、「あとココとココだけ動けばフル可動なのに」という感想を持ってしまいますね。どんどん縮まる通常キットとの差は、これ以上進化したら違いが分からなくなる数歩手前まで迫っているのかも。安価だから改造の練習台にも最適!と言っても、動かない箇所もどんどん少なくなってきていますし。そこで考え出されたのが、従来以上に可動を廃止し、素材に徹する、付録ならではの今回の仕様なのでしょう。



 このキット、そのまま組めば素立ちのラジエルに仕上がるんですが、少し手を加えれば可動ギミックを仕込める様に設計されています。だから可動を封じてあるんですね。つまり教材キット。1箇所でも多く工作を体験してもらうには、1箇所でも多く関節を固定した方が良い訳で、全く動かない方が目的には合っているんですね。「今しか手に入らない限定アイテム」という方向のオマケも有って良いと思うんですが、このラジエル、実に模型誌らしいオマケだと思います。



HGUC、SEED、ダブルオーのキットをほぼ一通り買い集めた場合、手元にはおよそこの程度のPC−123プラスが余っている?ハズ。ボクの場合、手付かずのランナーが8枚。10枚集めれば、何かささやかな願いが叶うんじゃないかとか勝手に思ってるんですが。MGターンエックスが発売されますように・・・パチパチ。

 キットに仕込まれた内部機構を活かして手軽に可動を仕込みたい場合は、PC−123プラスを用意します。HGUCやSEED以降のHGキットの多くに使われている、ポピュラーなポリランナーですね。ポリキャップNを主に使うため、解説にある標準的な工作を行う場合、このPC−123プラスが2枚必要になります。期間限定で誌上通販サービスもしてくれています。余っている人が多いであろうポリキャップを想定して設計してあるのは、ユーザーへの配慮であると同時に、これを機会に余ったポリキャップで関節を自作する技術を身に付け、自作や改造を楽しむきっかけにして欲しいという事なのでしょうね。



 では、パーツ内部と工作例の一部を見ていきましょう。頭部は、T字形をした首の軸を前後からハサミ込み、アンテナを取り付ける構成。フェイスパーツは事前に内側に組み込んでおきます。軸の収まる部分はポリキャップNと同じ形をしているので、無改造でポリキャップを仕込む事が出来ます。T字の横棒を削り落とせば、ポリキャップに首を下から差し込む事が出来、頭の左右スイングが可能となります。横棒を削った跡は、デザインナイフでカンナがけする等して仕上げてやりましょう。

 首があまり上に向かないのは、ヘルメットの後頭部と首にスキマが無いデザインのため。もっと可動させたい気持ちに誘導する罠ですね(笑)。横スイングが出来る様になると欲が出て、「いっそ首を丸ごと自作して二重関節化しようかな」と思う人も少なくないと思います。本誌でも上級者向けの別案の徹底工作例を紹介していますし、それとも違う独自アイデアの工作を行っても良いのです。



 腕は、2パーツ貼り合わせ。肩関節軸の四角くなった先端を、上腕のコブ内側のクボミに差し込む事で固定してあります。肩関節にはそのままポリキャップNが入れられる設計になっているので、肩関節軸の先端を切り落とし、通常の丸軸にしてやれば、2軸可動の肩関節が出来上がります。首のT字よりも削り落としやすく、より難易度の低い工作だと思います。

 この他にも、ボクは行っていませんが、ヒジの可動にそのまま使える場所に軸受けが用意されていたり、手首を切り離せばHGダブルオーシリーズの手首がそのままフィットしたりと、さらなる工作を行いたい人に向けた仕掛けが用意されています。自信と経験に合わせて、どこまでトライするか選べるのが良いですね。



 フンドシ下には、別売のアクションベースに対応した軸受けパーツが用意されていますが、ポリキャップNとサイズが同じで、置き換える事も可能です。ウエストにはポリキャップMがセット可能。腰を切り離して軸を埋め込んでやれば、左右回転ギミックが出来上がります。上下スイングする肩関節を自作したい時には、ボディ前後のハメ込み穴を利用出来ます。背中側の穴径がポリキャップにフィットするんですが、胸側はピンなので軸受けは有りませんし、ポリキャップを適切な位置に仕込むにはカットも必要です。場所によって難易度を変えてあるのは、チャレンジ心をくすぐる仕掛けなのかも。軸受けを丁寧にカットすれば、ピンに移植して胸側の軸受けに利用出来るかな?



 脚です。股関節も腕と同様、軸先が四角くなっていて、脚側のクボミに差し込む構成。そのままポリキャップNがフィットする設計になっているので、先端をカットして丁寧に成形、差し込んでやれば2軸可動の関節が出来上がります。



 腕同様、ヒザにもポリキャップが仕込める構造になっています。丁寧に切り離せば、二重関節を仕込む助けになってくれるでしょう。本誌には他キットの関節パーツを移植する方法と、プラ材で自作する方法が紹介されていますが、どちらもそれなりに大掛かりな工作になるでしょうね。写真は、ポリキャップNとAを組み込んでみた状態。ポリキャップの数に余裕が無ければ、記事の指定以外のポリキャップを加工して使ったり、別の機構を考えても良いでしょう。



 足首は2パーツ貼り合わせて、甲に突起を取り付ける構成。スネとの接続部は、肩や股関節と同じT字になっています。この横棒を削り落とせば左右スイングとヒネリが可能になるんですが、前後には可動しません。またここでも、もっと動かしたい衝動が(笑)。上級者向けの作例では、ボールジョイントの移植例が紹介されています。



 腰です。フンドシ前部は、フロントアーマー、サイドアーマーまでをワンパーツ成形。フンドシ後部は左右のスラスターユニットをワンパーツ成形。それぞれ前後から取り付けます。



 肩アーマーは前後に長いユニットになっています。前後2パーツを貼り合わせ、側面にプレートを取り付ける構成。内部スペースが広いので、全く別の取付方法に変更する事も出来るかも知れませんね。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにアクションベースは付属していません。

 別売のアクションベースを使って、飛行状態でディスプレイ。足首が前後に動かないなら、飛行状態で楽しめば・・・と思ったら、腰後部のスラスターユニットがモモに密着した配置になっていて、脚があまり後ろに動きません。ここも動かしたくなってきますね。



 武装は、GNビームライフルとシールドが付属。GNビームライフルはワンパーツ成形で、左側面は肉抜きだらけになっています。これもパテを使った穴埋めの練習なのですね(汗)。



 シールドもワンパーツ成形。腕のハードポイントにピンで接続します。裏面までモールドが入っていて良い感じですよ。ハードポイントは、左右両腕に設けてあります。



 左右分割ながら、足裏のモールドも再現。足裏が単独パーツ化されていない割には、細かく良い感じのモールドになっています。



 部分可動仕様での組み立ては、30分程度で完成。加工無しでそのまま組んだ物(右)と比べると、素立ちポーズでも若干印象が違ってきますね。5度程度の調節だけでも、手足の表情に自然さや力強さが出てくるのだなと、再認識しました。

 「プラモデルなんて誰が作っても同じじゃろう」とは父の言葉。「色の塗り方に上手下手があるんよ」とは母の言葉。しかし、各人の技術レベルや好みでここまで完成状態が違ってくる(選べる)キットが出てくるとは。組む前は「ピンを切るだけなんだから」と簡単に考えていたんですが、動かない関節を1つずつ可動式にしていくというのは、予想外にワクワクするものでした。可動を仕込む工作はヘイズルでも行いましたし、工作としては今回よりも大がかりだったんですが、今回は元が全く動かないキットですからね。

 手を加えるごとに1箇所ずつ可動が増える。動く部分は全て手を加えた所。1箇所ポーズを変える度に思い出す工作時の感触。ミョーな満足感。これって、技術の習得以上に、改造する快感を覚えさせる効果が有りそうです。そういう意味では、このキットの最大の欠点は、わずかでも首が動くという事ですかね。無駄な突起を足してでも首をピクリとも動かなくしようとか、1箇所くらい動いた方がとか、企画会議でもモメた部分だったりして。実に楽しいキットを組ませてもらいました。

 2008.11.30 健 竹史


  

電撃ホビーマガジン 2009年 01月号
機動戦士ガンダム00P Vol.1
機動戦士ガンダム00P Vol.2

  

MG Gファイター ガンダムVer.2.0用V作戦モデル
ROBOT魂 ダブルオーガンダム&オーライザーセット
カンペキ塗装ガイド 3

  

HG アリオスガンダム
ROBOT魂 アヘッド
HG ブシドー専用アヘッド

HG GNアーチャー
HG オーライザー
HG ガデッサ

  

坂本真綾 かぜよみ(初回限定盤)(DVD付)
シェリルの宇宙兄弟船
ランカとボビーのSMS小隊の歌

  

BOME presents 美少女フィギュア フレッシュセット
プラモつくろうCUSTOM 美少女フィギュア [DVD]
フィギュアの達人 初級編

  

R/Cパーツ Mシャーシ 60DラジアルMグリップタイヤ
ラジカルサイファー パーフェクトエッセンス 30ml
イーサン・M. ラジエル他 マッキンゼー式 世界最強の仕事術

  

クラフトツール 薄刃ニッパー
OLFA アートナイフ
クラフトツール カッティングマット(A4サイズ)

  

S.I.C.極魂 仮面ライダーヒビキ
ART WORKS MONSTERS デネブイマジン
S.I.C. LIMITED 仮面ライダー電王ロッドフォーム&アックスフォーム


[HOME]

inserted by FC2 system