健さんの
プラモコラム


その271
 HG ケルディムガンダムの巻

 HG 1/144
 GN−006 ケルディムガンダム/バンダイ
 「機動戦士ガンダム00」に登場
2008年10月発売 初出税別価格1200円



 登場人物が本名を明かさずコードネームで呼び合う設定は、当初は「国の垣根を越えた組織を維持するには、出身地すら明かさない方が良いのかな」程度に思ってたんですが(国連が導入したら面白いかも知れませんね)同じ名前で二人の人物を登場させる仕掛けだったとは予想もしてませんでした。過去の経歴を小出しにして、互いを知った途端に対立する等、ドラマの展開にも上手く使われてましたね。

 今、気になってるのはラッセも双子じゃないのかとか(6つ子くらいだと便利ですね)、実は生きていたニールライルになりすましていないかとか、逆にミスターブシドーは、そういう本名の新キャラじゃないのかとか(星座が同じくらい、聖闘士星矢の姉さんに比べれば・・・)、ひょっとしてイオリアも双子の弟が最高齢ギネス更新中(以下略)

 そんな話は置いといて、家族や経歴が一番怪しくて、過去番組に出ていた疑惑まで有るハロの新しい愛機、ケルディムのキットに目を通していきましょう。



 頭部は、目とアゴを一体成形した赤パーツとマスクを組み合わせ、左右貼り合せのヘルメットでハサミ込む組み立て。の軸受けはヘルメットパーツ内側に有り、HGダブルオー以前のスタンダードなパーツ構成に戻っています。側頭部にレンズが無いので、特に必要が無いという事なのでしょう。

 オデコの正面にはV字アンテナを、左側頭部には2本組のアンテナを取り付け。普段オデコセンサーが付いている部分には、クリアー成形のフタパーツが付いています。ミゾと突起で保持してあり、軸は有りませんが開閉可能です。開くと、アンテナパーツの中心に成形されたカメラが露出。デュナメスの狙撃モードよりも単純な変化ですが、スキマも出来ず、よりプラモ向けのギミックと言えるかも知れません。ポーズ調整中に触りやすい部分なので、フタパーツの脱落・紛失には注意しましょう。



 ボディです。は、前後貼り合せた本体にダクトを取り付け、正面の張り出しと一体成形されたダクトアーマーを取り付けます。張り出し中央の窓(?)にはクリアーパーツを使用。底に貼り込む緑のシールが用意されている所を見ると、GNコンデンサーなんでしょうか?円形以外の部分にもクリアーパーツが多く使われ、今回のシリーズは面白い物になりそうな気がしますね。

 ウエストです。腹巻の上側は、胸の下に固定。腹巻の下側は縦にワンパーツ成形され、腰から突き出して胸のボール軸受につながっている可動軸に被せてあります。腹巻の途中は適度にスキマを持たせて噛み合っていて、前後左右に可動。スキマ部分にもディテールが入れてあって、気が利いてますね。



 です。フロントスカートは左右一体で可動。真ん中のツナギ部分を切り取れば、左右独立してボール可動が可能になります。ケースが連なった様なデザインですが、今回も何か仕込んであるんでしょうか?サイドスカートは、HGダブルオー同様、ポリ製のボールジョイントで自由可動。脚を真横に上げる時には、後ろにヒネると収まりが良い様です。

 リアスカートは固定式。テールユニット取付用ポリキャップの押さえになっています。フンドシ後端のハメ込みピンは、スカートパーツを貫通して表面に露出するので、短く切らない様に注意しましょう。



 テールユニットは、腰後部のポリキャップで上下可動し、5基のGNシールドビットをマウント可能。根元には、GNシールドビットに保護される形でGNドライブが配置してあります。レンズをハサミ込んで左右を貼り合わせた後、レンズの押さえパーツを兼ねた上面パーツを取付けて接着ラインを隠す構成。レンズ底面は、中央を避けてフチの部分で分割してあります。

 フンドシは、HGダブルオー同様、縦にワンパーツ成形。股関節スイング用のポリキャップを仕込んでおいて、胸まで通るウエスト軸と一体の上面パーツを取り付けます。センターアーマー(フンドシ正面)が、先に組んだ上面パーツをロックする機構が良いですね。左右一体の股関節は下側から後ハメ可能。ポリキャップの左右にスキマが設けてあり、前後だけでなく左右にもスイング可能になりました。



 です。モモ上部は、2パーツ貼り合わせのドラムにポリキャップを仕込んだ、HGダブルオー同様の2軸関節。ただし今回はドラム下に直線部を設け、モモ外装を通してヒザ関節に直結。モモ外装筒状にワンパーツ成形してあります。なんだか上腕の構成に似てますね。特に内部再現は有りませんが、モモ外装を外した状態でも組む事が可能です。

 ヒザ関節は2パーツ貼り合わせの二重関節。上は極小ポリキャップを仕込んだジョイントパーツをハサミ込んであり、下はスネに差し込むピンとなっているので、上下とも後ハメ可能です。関節側面にはGNコンデンサーのレンズパーツを取り付け。関節に埋もれた位置に配置してあると、作画の負担が少しは減るのかな?なんて事を思ってみたりします。



 スネは、ヒザアーマーをハサミ込んでの左右貼り合わせ。説明書では足首(?)もハサミ込む指示になっていますが、後ハメも可能です。外観は、フクラハギ後部の張り出しが別ユニットの様な造形になっていたり、足首アーマー(?)の横にクボミが有る等、設定画よりもディテールが増やしてあります。ホビージャパン2008年12月号等に有る、デザイン画稿に準じた物だと思いますが、アニメ用よりも細かいデザインを基にキット化する方式も、定着して来ましたね。

 ヒザ正面には、全身に見られる共通パーツがマウントしてありますが、これは分離して遠隔操作されるGNシールドビットだそうです。裏面には突起と穴が有り、フレームだけのヒザアーマーにマウント可能です。



腰を180度回転し、ギャプランのイメージで飛行形態をデッチ上げ。GNシールドビットはジョイントパーツで連結してあります。(このモードは模造的空想科学立体の創作であり、イオリア・シュヘンベルグの計画にはありません。)

 ヒザアーマーは、ヒザを曲げると連動してスライドするギミックを内蔵。左右分割のスネの内側にカーブしたレールが有り、そこにハサミ込んであるだけの単純な物ですが、ヒザ関節パーツの下端にある突起に引っかかり、これに押されて持ち上がる機構になっています。ヒザを伸ばした時に連動して戻る仕組みは無く、ヒザ関節自体に押されて下がります。MGで見慣れたギミックですが、単純化のアイデアに感心しました。これだからプラモは止められないんですよね。中身に詰まったアイデアが楽しめるのは、自分で作れるプラモならではです。

 スネとクツの間には、足首の様な、足の甲の様な、見慣れない関節が付いたデザインになっています。ズボンをまくり上げてスネが半分出ている様にも見えますね。ここは芯パーツに筒状の外装を被せる構成になっていて、上が2軸関節、下がボールジョイントとなっています。スネの途中で折れ曲がる様な、接地性には優れますが奇妙な動きをしてくれます。犬の様にツマ先で立ってる感覚に近いかも知れません。



 足首は、固定された足の甲を持たず、クツだけという珍しいデザイン。ワンパーツ成形のクツにポリパーツを閉じ込め、足裏を取り付ける構成です。ポリキャップは、内部のスペースが狭いので、普段より小さいサイズの物を使用。カカトにはC字のハメ込みで可動する突起が有り、これを下げると安定性が向上します。肉厚の都合も有るのかも知れませんが、もう少し根元が太ければ設定に近かったでしょうか。これでカカト落としとかされたら、かなりコワそうです。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにアクションベースは付属していません。

 肩アーマーは、腕接続用と側面のポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合わせ。今回も腕と胸は直接つながっておらず、肩アーマー縦壁のボールを、ボディ側のポリ軸受けにハメ込みます。ポリ軸受けはHGダブルオーと同じ仕組みで、前に引き出し可能です。下面にはサイドアーマーを接続。可動式で後ハメ可能となっています。

 肩アーマー側面の張り出しは、ハードポイントになっています。張り出しはワンパーツ成形。後ハメ可能ですが、ピンの先端には抜け止めが付いています。少し引き出せば前後にスイング可能で、マウントしたシールド等を前後に移動出来ます。デュナメスにも同様のギミックが有りますが、普段は肩アーマーと一体のデザインのため、作画が若干楽に・・・いや、敵に機能を悟られにくく、頑丈な構造に進化しています。



 左肩には、GNシールドビット2基をマウント出来るホルダーを装備。右肩は必要に応じてGNスナイパーライフルUをマウントします。

 です。のドラムは、上半分を省略してC字形に成形。形としてはポリキャップ隠しですね。これと筒状の上腕を通して、ヒジ関節のピンを肩アーマー内のポリキャップに接続。左右貼り合わせ式のヒジ関節は、外側にレンズを取り付けてある事もあって、何だか虫メガネの様ですね。



 前腕は左右貼り合わせ。レンズが付いていない分、HGダブルオーよりもシンプルですが、スイング可能な手首基部、ヒジ関節の差し込み部でも可動する事など、基本的な構成はHGダブルオーと同等となっています。

 手首は、左右の穴あきゲンコツと左の平手が付属。平手はライフルに添えられる様、指を軽く曲げた造形になっています。



 バックパックは、中央ユニットの左右に、ボール可動式のスラスターユニットを装備。普段は下端の突起でロックされているので、動かしたい時にはここを外してやります。バーニアは2基一体で成形。偏向板はそのまま閉じ、フタになるんでしょうね。キットではユニットと一体の固定式となっています。

 武装です。GNスナイパーライフルUは、ライフルモードから三連バルカンモードへの変形を差し替えで再現。設定では銃身が真ん中で折れ曲がりますが、キットでは前部ユニットを一旦外し、後部ユニット底面に取り付けます。これならコンパクトで、近距離戦でも使いやすそうですね。このモードは、肩にマウントする時の収納形態でも有ります。マウント時には後部側面からジョイントを引き出し、肩のハードポイントに接続します。



 前部ユニットは、左右貼り合せの本体に銃口という構成。銃口はハメ込み部分が板状で、左右にズレやすいのでポージングの際に注意してやりましょう。ハメ込みがもっと深ければ安定が良かったと思いますが、組み替え時に触る部分なので、破損対策としてズレやすくしてあるのかも知れませんね。後部ユニットは、マウント用のジョイント、可動式フォアグリップ、上部クリアーパーツをハサミ込んで左右を貼り合わせ、銃口を取り付ける構成。グリップは、トリガーまでしっかり握らせると、安定が良い様です。



 GNビームピストルUは、グリップをハサミ込んでの左右貼り合わせ。背中に2丁装備出来ますが、少し角度を付けてある辺りが初代ガンダムのビームサーベルを思わせ、いかにもガンダムっぽいのです。グリップは可動式で、まっすぐ伸ばせば斧の様な形に変化。銃身下部に耐ビームコーティングが施してあり、ビームサーベルを受ける事が可能と言う設定です。説明書によるとこれで格闘戦を行うそうで、銃身下部はになっている様にも見えます。万一の備えなのか、積極的に接近戦を行うのか、劇中で使われる日を楽しみに待ちましょう。(未見ですが、「ガン=カタ」と称して拳銃で接近戦をする映画もある様ですし。)



 GNシールドビットは、肩・ヒザ・テールユニットのアーマーが分離し遠隔操作される装備。防御だけでなく、内蔵ビームガンでの攻撃も可能との事です。キットには同一パーツ9基が付属し、クリアー成形のスタンドと、直線ジョイント・くの字形ジョイントが2個ずつ付属。裏面の取付穴を使って、色んなパターンで空中展開した状態を楽しめます。



 身を守る以外にも分身の術で敵を惑わせたり・・・



 文字を作って通信や感情表現が出来るなど、マイスターのアイデア次第で用途が無限に広がる、たいへん便利な装備となっております(笑)。あれこれ試していると、ブロック玩具やタミヤのレンガセットみたいで楽しいですね。たくさん欲しくなってきます。ところで、股間の赤いパーツが親機なんじゃないかと思ってみたり。劇中でいつ分離して飛んでも良い様に、接着しない事をオススメします(笑)。



 スタンドを使わず、肩に装備したままジョイントで連結した例。本当に浮いている様に見える・・・かな?



 ジョイントを使ってテールユニットにスタンドを接続すれば、アクションベースを持っていなくても空中シーンを再現可能。・・・と言っても説明書に有る使い方では有りませんし、ベース面積が小さく不安定なので、転倒の恐れがあります。良い子はマネしない様にしましょう。



 フォロスクリーンは、バックパック上部に収納されたユニットが回転して前に展開、顔の前に情報を表示する装備。トランザムでのシューティング時に使用します。キットではクリアーパーツを取り付けますが、実際は立体映像なんでしょうね。「ガンダムが見なくてもコクピットに表示すれば・・・」とか「いくら高速演算と言っても手間を1回増やしている様な・・・」とかツッコむのは野暮というもので(なら言うなよ?:笑)、ガンダムを擬人化した演出、面白ければ大歓迎です。



GNドライブは腰後部に配置、普段はGNビットに保護されています。

 組立時間は1時間15分でした。装備の楽しさも有って、満足度の高いキットになっていると思います。と同時に、回を追うごとに充実していく可動ギミックの進化の早さに驚きますね。さすがに足裏の接地性はダブルオーにかないませんが、ウエストだけでなく、腰でも上半身を左右に傾けられる様になりました。さらに今回はスネも途中で曲がるなど、派手なポーズが得意になっていく一方、まっすぐ立たせるのに調整が必要な箇所も増えている様な。どこまで進化するのか、1作も見逃せない感じですね。

 2008.11.2 健 竹史


  

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