健さんの
プラモコラム

その267
 MG シャア専用ザク
 Ver.2.0
の巻

 MG 1/100
 MS−06S シャア専用ザク/バンダイ
 戦後の軍事記録写真集に登場



 MGザクVer.2.0のバリエーションに、待望のシャア専用ザクが登場です。真っ赤なカラーリング、頭部のブレードアンテナ、通常の3倍のスピードでアムロのガンダムを圧倒する初登場エピソードは何度見てもカッコ良く・・・え?シャアザクじゃない?・・・すみません、これ、ジョニー・ライデン専用ザクでした。ちょっぴりおかしいなー、と思ってたんですけど、あんまり似てるんで誤認してしまいましたよ。記事のタイトルは、今度また訂正しておきますね。(ワザとらしいなあ:笑)



別売のアクションベース1 シャアVerを使用しています。
このキットにアクションベースは付属していません。
また、この人はシャアではありません。

 今回は既存キットのバリエーションという事で、変更箇所を中心に紹介していきます。変更ない部分については「その239 高機動型ザクVer.2.0の巻」を参照下さい。



 前腕は、ヒジ横の張り出しが新規パーツになりました。高機動型専用ランナーからR−1Aのパーツを除外し、新たに追加してあります。前腕内側は別ランナーに含まれる量産型ザクと共通のパーツですし、バリエーションキットが増えるごとに、準備の良さに感心させられます。



 頭部アンテナは2種付属。Ver.1.0ではスタビライザータイプ(MSV風)のアンテナを取り付ける様に指定されていましたが、今回はノーマルタイプ(アニメ風)とスタビライザータイプから、好みで選択する指示になっています。

 コクピットに変更は有りませんが、1/144キットの解説によると、R−2型は右胸から直接乗れる様に改修されている様です。両胸ともハッチが開きますから、搭乗シーンを再現したい場合は右胸を開けてやると良いでしょう。



 肩アーマーは、スパイクの根元に段の付いたデザイン。スパイクと段の部分を分割して色分けしてあります。スパイクのピンは、リング状の段とアーマーを貫通して内部フレームにハメ込むため、かなり長さが有ります。肩アーマーはフチに補強(?)の表現が入った新規の物。内部フレームは従来と共通のパーツとなっています。



 胸板・ヒザアーマー・ヒジアーマー・クツ等、通常は黒で成形される部分がボディカラーの赤に変更。このため、多色成形のAランナーには、赤・クリアー・追加されたスパイクの黄色の3色しか使われていません。Ver.1.0ではカラー変更を想定していない金型だったため、シャア専用ザクと誤認されても仕方ない配色にアレンジされていましたが、今回は徹底した事前準備によって、カラー変更に対応したパーツ配列としてあります。



 スネの増加アーマーは、動力パイプの後ろの角で2分割。パーツの合わせ目にはスキマを作って、接合部のディテールがチラリと見える演出がされています。後部プロペラントタンクの交換時には、後ろ側の増加アーマーをまるごと外す解釈でしょうか?タンク付近だけが開閉するんじゃないかと思っていましたが、強度的な判断で見送られたのかも知れませんね。



 後部プロペラントタンクは角形の物に変更、燃料積載量が増加した事が内部パーツで表現されています。アーマーに隠れる前部スラスターはジョイントパーツに置き換えてあり、ここに前部アーマーを接続。後部アーマーの裏にはコの字形の噛み合わせが有り、ここに前部アーマー裏とプロペラントタンク横の構造材をハメ込む事でアーマーを固定。R−1型のスネ形状を損なわず、上手く増加装甲を被せてあります。

 ふと思ったんですが、実は前部スラスターは廃止されたのではなく、噴射時だけ開く開閉式スラスターに変更されている、なんて可能性は有りませんかね?フタになってる様にも見えるデザインなんですが。(まあゲルググに無い物はR−2にも無くて構わない気もしますが。)って言うか、増加アーマーの中身、R−1型の装甲は外されていて、内部メカが全然別物になってても良いかな?と思ってみたりします。



R−1Aのランドセル(左)と、R−2のランドセル(右)の比較。タンクが大型化しています。

 ランドセルは基本的にR−1A型と共通ですが、タンクの張り出しが大型化。張り出し内部のパーツは新規となっていますが、中央に収まる円筒パーツは従来と同じ物が使われています。

 ところで当時の資料を見ると、上部フックが後端左寄りの配置になっていたり、面構成がシンプルだったりと、キット化以降に見慣れたデザインと若干の違いがある様です。アニメに登場していない分、自由に設計が行われていたのか、あるいはキット化の中でイメージが固まっていった面もあるのかも知れません。当時の物に思い入れのある人は頑張って再現してみるのも面白いんじゃないでしょうか。従来キットよりもランドセルの着脱が容易ですから、2種作って換装を楽しむのも良いかも知れません。



 武装です。ジャイアントバズは、06R−1A型Ver.2.0に付属した、ザクバズーカの前後をパーツ換装するタイプではなく、ドムサイズの大型MSに合わせた新設計の物が付属。スコープの可動やカバー開閉といったギミックは継承しています。マガジン内部の弾も再現、弾の直径は2割程度大型化しています。



歴代ジャイアントバズの比較。上から
MG 06R−2 Ver.2.0、
MG 06R−1A Ver.2.0、
旧1/100ジョニーライデン専用06R−2。

 ジャイアントバズは、スコープのクリアーパーツを除いた全パーツが、1枚のランナーに集めてあります。これをそのままMGドムVer.2.0に流用するのかな?と思ったんですが、スネ内部のタンクや構造材も同じランナーに含まれていて、ちょっと微妙ですね。試しにMGゲルググVer.2.0に持たせてみたら、グリップサイズはフィットするのに、手の平の突起がフィットしませんでした。ザクとゲルググで突起の幅は同じなんですが、長さは0.5mm程度、ゲルググの方が長くなっています。



 せっかく2.0という新規格でMGが2周目に突入し、ギミックや内部構造、ディスプレイ方式まで含めて統一感を楽しめていた所に、これは少々残念ですね。試しにゲルググの手の平の突起を少し削ったら、今回のジャイアントバズを持てる様になりましたが(参考にして工作される場合は自己責任でお願いします)、もしMGドムVer.2.0が出るのであれば、ゲルググやザクとの互換性を考慮して欲しいと思います。

 ザクマシンガンはゲルググに持たせられますし、ザクバズーカも肩に担ぐ場合のミゾにならフィットするので、ほんのちょっとの違いなんですけどね。



 ザクバズーカは、従来と同等の物が付属。1/144キットではシールド表面にバズーカをマウントするホルダーが付いていましたが、あれ、もう一度付けて欲しいですね。設定に無いキット独自のパーツでしたが、MGにはそういう物もまるごと全肯定できる懐の深さがあると思いますし。今後のバリエーションキットの中で、どうでしょうか?



 ザクマシンガンも、従来と同じ物が付属します。ザクVer.2.0ファミリーが増えてきたから感じるのかも知れませんが、これ、スコープを右に回して左手に持たせられるのが良いですね。たくさん並んでいると、他と違う持ち方をさせたくなったり、バズーカと両方持たせたりして変化を付けたくなりますが、そんな時に左持ちをオススメします。



 ヒートホークも従来と同じ物が付属。R型やR−2型の場合は、リアスカートにマウントするのが良いかも知れません。バーニアの輻射熱(敢えて直火とは書きません:笑)で刃が温まって、すぐに使用可能になるのではないかと。マシンガンのマガジンは火気厳禁、サイドスカートの方が安全な気がしますね。



歴代ジョニー・ライデン専用ザクの比較。左から
旧1/100、
MG Ver.1.0、
MG Ver.2.0。



歴代ジョニー・ライデン専用ザクの比較。左から
旧1/100、
MG Ver.1.0、
MG Ver.2.0。

 組立時間は3時間15分でした。ようやくイメージ通りのカラーリングでジョニーライデン機が手に入る様になりましたね。そう言った意味でも嬉しいんですが、MGザクVer.2.0発売時に徹底して準備された拡張性を証明するキットとしての意味も大きいと言えるでしょう。今回の金型があれば、およそどんなカラーリングのザクでも、望むままに生産出来るに違いありません。そう例えば、Ver.1.0と同じ配色のジョニー・ライデン機とか(笑)。説明書に「風聞」として紹介のあったフルバレットの発売も、お願いしますね!

MG 1/100
 MS−06R−2 ジョニー・ライデン専用ザク Ver.2.0
 バンダイ
 「機動戦士ガンダム」モビルスーツバリエーション
 2008年9月発売 初出税別価格4500円


 おまけ

 この機会に、過去の1/100ジョニー・ライデン機もまとめて紹介しておきましょう。まずはMG Ver.1.0から。



 キットは、先に発売されたMGシン・マツナガ機をベースに、一部パーツを追加した物。もともとカラーリング変更を考慮していないJ・F・S型のバリエーションのため、シャア専用機と誤認されても仕方ない成形色となっています。



 余談ですが、シャアは再び宇宙に上がってからテキサスコロニーでゲルググに乗るまで、専用のMSを持っていなかったんでしょうかね?実はこのカラーリングのシャア専用R−2型がザンジバルに積まれていたとか(4機しか無かったのに?)、届けられる予定だったとか(誰かの中古?)、いざとなったらズゴックで宇宙戦をするつもりだったとか・・・皆さんはどの案がいいですか(笑)?S型を大事に持っていたというのもアリですし、出番が無かったけど本当に専用リックドムを持っていた、なんてのも夢があって良いかも。



 ランドセルやスネのパーツはMGシン・マツナガ機と同じランナーですが、ランナーに切り替えを設けて、タンク横の張り出し、ランドセル側面のスラスター、背中中央の横長スラスター、スネのバーニアを大型化してあります。Ver.2.0と違って、R−1型との違いの表現に積極的ですね。スネのバーニアは、ただ大きくしただけでなく、2パーツを貼り合わせて内部に4つの噴射口のあるタイプとし、迫力を増しています。この各部ディテールの違いは設定画にも描かれている物です。正確には、スネ内側のバーニアだけはR−1型と同等サイズのままの様ですが。Ver.2.0ではほとんど違いが表現されていませんが、こだわりたい方は手を加えてみるのも良いでしょう。スネのバーニアについては、R−2の物を大型化するより、R−1の物を小型化する方が簡単かも知れませんね。



 スネの増加アーマーは、後部タンクと前部スラスターを取り付けず、ここをハメ込みに利用した前後貼り合わせ。タンクは見えない部分ですが内部再現を十分には楽しめず、前部スラスターが撤去されているのは納得出来ますが、スネの中をのぞき込むとハメ込み突起が丸見えとなっています。細かい所ですが、Ver.2.0ではこんな所まで徹底してあります。



 左肩アーマーはシン・マツナガ機と同一パーツ。スパイクは新規となっています。武装はザクマシンガン、ザクバズーカ、ヒートホークが付属します。残念ながらジャイアントバズは付属せず、ちょうど3年後、黒い三連星機が発売されるまで待つことになります。もしMGドムの企画が動き出す前のこの時期、ジョニー・ライデン機に付属する事になっていたら、若干違った形のジャイアント・バズになっていたかも知れませんね。

 1996年6月発売 初出税別価格2800円

 続いて旧1/100キットです。やはり先に発売されていたシン・マツナガ機に新規パーツを追加した物でした。首の二軸可動、腕の後ハメ、最後に取り付けられる下半身など、基本的な仕様は「その265」で紹介した1/100ザクキャノンと同等の規格になっています。



 頭部は、接着前にオデコ中央を削って穴を開けておいてからアンテナを接着する方式。元となったシン・マツナガ機でもこの作業は必要で、穴を開けずに済むバリエーションキットは発売されませんでしたね。つまり黒い三連星機の事ですが、MSVの再販に合わせて新パッケージで発売するとか、そんなファンサービスが有っても良いのではないかと思います。MG1体分の値段で3体買えてしまいますし、どうでしょう?



 脚は、モモと足首をつなぐフレームにR−1のスネを前後から貼り合わせ、さらに増加アーマーを取り付けます。増加アーマーはピン等の位置決めが何も用意されていないので、プラ板のカケラを内側に仕込むなど、接着前にガイドを付けてやると良いかも知れません。足首は前後分割。左右分割に比べて接着ラインが目立たない様にも思え、上手い分割だと思います。スネバーニアは、シン・マツナガ機と直径は同程度ですが、根元が太く内部パーツまで用意された新規パーツがセットされています。



 肩アーマーは前後分割で、スパイクを別パーツ化。シールドはニ軸可動しますが、ジョイント部を肩ブロックで前後からハサミ込むため、接着ラインを消すのに苦労しそうです。肩は前後スイング。手首は左右のゲンコツ、左右の平手、右の武器持ち手が付属します。ランドセルは偏向板が可動。タンク横の張り出しパーツのみがR−1との相違点となっています。



 武装は、ザクマシンガンとジャイアントバズが付属。ザクマシンガンはフォアグリップが可動、ストックが回転・伸縮します。構えるポーズでの干渉を軽減する目的ですね。実際はよりしっかり構えるためのパーツでしょうから、動かない方が良いのでしょうね。収納時の折り畳み機構と考えればアリではないかと思います。ジャイアントバズも後部が回転、伸縮しますが、フォアグリップは固定式となっています。

 個人的な話ですが、1/144と同様、ノーマルザクとミックスして1/100ベストプロポーションザクを作ろうとしたのも懐かしい思い出です。今回改めて見ると、旧1/100ザクがほぼ成形色で色分けされていたのに対し、このキットは単色成形なんですね。パーソナルカラーのエース機体が多く色分け出来なかったのでしょうが、そんな点も含めて、何ともMSVらしいMSVだなあ、と思うのであります。

 1984年9月発売 初出税別価格1200円

 2008.9.25 健 竹史


  

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