健さんの
プラモコラム


その261
 HG ジンクスの巻

 HG 1/144
 GNX−603T ジンクス/バンダイ
 「機動戦士ガンダム00」に登場
2008年7月発売 初出税別価格1200円



 ダブルオーがスタートした時には、多数の国家が存在する現実の延長の世界の物語、という認識しか有りませんでしたが(それでも軌道エレベーターを口実に国家群を3つに絞って分かりやすくした設定は秀逸!)、それが地球連邦の設立までを描く仕掛けを兼ねていたとは。そのシンボルとなるジンクスの設定も良いですね。GNドライブ搭載の未知()の機体で、GN−X。目やバインダー等にもXの意匠を取り入れてあります。主役側のに敵対するXでもあるんですね。(の登場はまだですか?:笑)

 てな感じで、「連邦の白い奴ら」に目を通していきましょう。



オデコと胸のクリアーパーツ裏には色分けシールを貼ってあります。

 頭部は、左右分割のヘルメットに顔をハサミ込み、オデコパーツを正面から取り付ける構成。オデコ中央のセンサーはクリアーパーツを使用してあり、オデコの裏側から取り付け。パーツ裏に貼り込む色分けシールが用意されています。4つの目の色分けもシールで対応。オデコのセンサーと合わせると、エヴァ零号機弐号機をミックスした様な顔つきですね。



リアスカートと腰バインダーが、ほぼ同じ方向に向いたデザインとなっています。

 エリに囲まれて見えませんが、うなじの辺りには、内側のハメ込みピンに沿った肉抜きが有ります。クラッシュモデルやメンテシーンのディオラマを作りたい人は埋めてやると良いでしょう。

 は二重関節ですが、エリが高くアゴを引いたデザインのため、あまり左右に動かないのが残念です。首のポリパーツの横と後ろを削ってスリム化し、ヘルメット側首軸受けの左右幅を決めている突起を削り落とすと、可動範囲が拡大し、首をかしげるポーズ等も自由度が増しますよ。



首の可動範囲を拡大した例。右は削って細くした首パーツです。(自己責任の範囲で、ある程度工作に慣れた方のみ参考になさって下さい。)これ以外の写真は、キットのまま手を加えていない状態で撮影しています。

 ボディは、ニ軸可動の肩関節をハサミ込んでの前後貼り合わせ。胸板(ここもXの意匠ですね)に隠れて見えにくいですが、胸正面にはガンダムと同じレンズが有り、シールを貼って前側からクリアーパーツをハメ込む構成になっています。



 エリは上側から後ハメ。背中の擬似太陽炉は、円錐パーツを二つ重ねて色分けを再現しています。胸両脇ユニットは箱形にワンパーツ成形。肩関節軸下に張り出したボールジョイント一箇所で接続してあり、上下前後に自由に動きます。ボールジョイントは外れやすいですが、わざと外して、より大胆なポーズを取らせるのも良いでしょう。

 胸から上に伸びた突起は、バインダーと表記されています。スラスターかと思っていたんですが、パッケージイラストではここから赤い粒子は出ておらず、どうやら違う様子。盗んだ技術では小型化出来なかったクラビカルアンテナの代替装備?などと思ってみたり。バインダーは内側のグレー部分を別パーツ化した2パーツ構成。胸板の上端にボールジョイントで接続してあり、若干の開閉・ヒネリが可能です。



 ウエストは、胸パーツと一体で成形。ポリキャップ内蔵で左右スイングします。デザインを見ると、前後スイングも出来そうな感じですね。1/100が出たら、その時は可動式になっているのかも。

 です。フンドシは前後貼り合わせ。リアスカートは、下側からテールスラスターを取り付ける構成。奥まって見えにくいですが、ノズルも別パーツ化されています。後ろにハネ上がった配置のスカートのため、腰を持つと外れてしまう事があります。胸を持つと胸板が外れやすいですし、モモを持つのが一番安定が良いかも知れません。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにアクションベースは付属していません。

 腰前部には、バインダーの基部を貼り付け。アームも一体の表裏貼り合わせとなっています。バインダーは胸の物と同じく、内側のグレー部分を別パーツ化。基部との接続にはポリキャップを使ってあり、上下にスイングします。

 です。モモ上部は2パーツ貼り合せの球体になっています。モモとはポリキャップで接続してありヒネリ可動が可能。モモは左右貼り合わせのフレームに、ヒザ関節のポリキャップと関節カバーをハサミ込み。関節カバーは、ポリキャップをモモの内側から隠すC字形のパーツです。HGティエレンに似たパーツ構成ですね。



 モモの外装は、尖った先端がヒザまで覆う独特のデザイン。外装をスライドさせなくても常にヒザ関節を覆う配置にしておけば合理的だし、スライドのための可動機構も省けて軽量化、ついでに装甲の保持も堅牢になるという優れた設計思想はUC世界やCE世界のMS設計者も見習(略)逆に、リアスカートで覆われるモモ後部は大胆に外装を省略してあります。キットではヒザ横の放熱穴(?)の部分で外装を分割、前と下から取り付ける構成となっています。ヒザ後部は可動式のアーマーで保護。ここも後ハメが可能です。

 スネは左右貼り合わせ。足首後部のアーマーはスネと一体成形、足首前部のアーマーは別パーツ化され、可動式となっています。押さえると簡単に外れるので、紛失しない様に注意しましょう。アーマーの中央には丸モールドが有り、関節保護だけでない何らかの機能性を感じさせます。この中央に穴の開いた丸がセンサーなのかGN粒子の制御をしてるのか分かりませんが、主役側ガンダムに多用された丸モールドと対になる、マガイ物っぽさを示す記号として(?)、全身に配置されています。



 足首関節は、上がボールジョイント、下が前後に軸可動する二重関節。下側は左右貼り合せの足の甲にハサミ込む指示ですが、これはポリキャップだけをハサミ込むよりも、関節パーツと組み合わせてハサミ込む方が作業が簡単だからですね。実際は関節パーツを後ハメする事が可能です。関節パーツは、ボール位置を足の内側に寄せて接地性を高めた設計。前後対象の形にする事で左右共通化を図っています。

 クツとカカトは縦方向にワンパーツ成形。土踏まずの部分は、足の甲パーツに隠れる部分でつながっています。この構成は土踏まずの下だけ色が違ってしまう欠点が有りますが、外装よりも一段出っ張らせる事で、下面はフレームがムキ出しになっている表現にして違和感を解決してあります。カカト下面にはスラスターが仕込んであり、後部の偏向板は先端を地面に接地させて安定性を向上。毎度ながら、00のデザインはプラモの都合を良く考えてありますね。



肩の可動例。胸脇ユニットごとスイングしてポーズを決めてやりましょう。(見やすくするため胸前面のパーツは取り外してあります。)

 は、アーマーが付く代わりに大きなユニットとしてデザインされています。になるグレーの部分は、ポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合わせ。上から被さっているC字形のリングは180度以上を覆っているため、前側だけパネルラインの部分で分割してあります。側面には丸パーツと突起パーツを取り付け。突起は上手く傾けてワンパーツ成形してあります。設定ではもう少し尖って見えますが、安全に配慮してエッジを丸めてあるのでしょう。

 です。上腕は2パーツ貼り合わせ。後ろにアーマーが貼り付いたデザインです。半ば一体化していますが、ヒジを上から覆ってガードする構成はティエレンに近い印象です。



 ヒジは、肩から出たピンが上腕を通ってポリキャップにつながる構成で、後ハメ可能です。前腕は2パーツ貼り合わせ。側面にはスリットが有り、ここがハードポイントになっています。腕の外側だけでなく内側にもハードポイントが有るのは限られた機数と予備パーツで有効に運用するために左右共通化を図った物でしょう。そして、こういう細かな積み重ねが開発費を下げ、1/100発売の可能性を高めるのです。(笑)



 手首は、左右のゲンコツと、左の平手が付属します。指はGNクローと呼ばれ、第二関節のカバーが指先まで覆う打突武器になっていて、カバーの内側から第三関節が曲がるデザイン。エルガイムのアキュートに似ていますね。握ったゲンコツの指も、ワンパーツで成形できる範囲でクローの形状を再現してあります。



 武装です。GNビームライフルは、腕へのコネクターとフォアグリップをハサミ込んで左右を貼り合わせ、銃口を取り付ける構成。フォアグリップは可動式ですが、片手持ちの時は押し込めば真下にロックされ動かなくなる仕組み。コネクターはボール可動式で、両手持ちさせる時などに手首に角度を付けても、しっかり腕に接続出来ます。



 GNロングバレルビームライフルは、GNビームライフルの前部に長距離狙撃用のユニットを取り付け、上部のスリットにセンサーを追加したもの。ユニットは銃身下面に被さるデザインで、フォアグリップを横向きにしておいてから接続。武器のモードが切り替わるギミックはそれだけで楽しい物ですが、一種類のMSでソレスタルビーイングに対抗するにあたって、対デュナメスを意識した長距離狙撃戦への対応を忘れていない点が説得力を高めていますね。



 GNビームサーベルは2本付属。グリップはワンパーツ成形で、クリアーのビーム刃が付属します。収納ギミックは有りませんが、本編を見返してみると、モモ上部から取り出しているみたいですね。



 GNシールドは、本体・ディフェンスロッド・裏面ジョイントの3パーツ構成。腕のスリットに接続するため、ジョイントは非常に小型です。キットではシールド裏の丸モールドから独立していて、ハメ込み突起の中心で回転しますが、設定を見ると丸モールドを中心に回転する様ですね。と言うより、全く回転しないのかも。シールド裏とヒジ横の丸モールドが連結し、エネルギーの供給を受けているのだと思います。ディフェンスロッドは固定式。実機では本体から浮き上がって回転します。



AEUとユニオン出身のパイロットの皆様には、この様な飛行ポーズをオススメします。(笑)

 飾り台は付属しませんが、別売のアクションベースに対応します。今回はテールスラスター下にフタパーツが有り、ここに取り付け穴が仕込まれています。



 組立時間は1時間でした。今後の展開ですが、バインダーやライフル、肩上部・側面のパーツが除外可能なランナー構成になっている事から、第一部エピローグに登場した、ジンクスの発展型らしいMSの発売も予定されている様ですね。劇中シーンでは胸のバインダーが無くなり、の様な武器を持っているのが確認出来ます。敬礼ポーズのパイロットフィギュアなんかが付いていると、地球連邦平和維持軍発足宣言の式典シーンを再現したくなると思うので、強くリクエストしておきたいと思います。(出来れば外箱から切り取るとかじゃないヤツを:笑)



 という訳で、こういう機体は30個買いたくなる人もいると思いますが、発展型も30個買いたくなる可能性もあるので、要注意でありますよ。友人は「4年後にはGNドライブが量産可能になってるかも知れないから、30個じゃ済まなくなるかも知れないね」って言ってましたけどね。ガクガクブルブル・・・。


 おまけ




 あまり最近でもないんですが、、「ぐりこえほん」を2冊ほど買ってみました。グリコのおまけとして小さな絵本が付いたシリーズです。65mm×58mm、本文は13ページという小さい絵本です。ボクが買った時期には、第6シリーズ全18種が発売中でした。何が出るかは、買ってからのお楽しみです。



 絵本のミニチュアでありながら、実用性もそのまま。ミニチュア物は全般的に好きなんですが、ちゃんと中身が読めるというのは、なかなか楽しいですね。ストーリーは相当に短縮したダイジェストになってると思いますが、絵としてのクオリティは普通サイズの本そのままだと思いますし、選ぶべき代表的なシーンをピックアップしてあるのだと思いますし。むしろ、あっという間に読めてしまうほど短縮してあるのが楽しいんですよね、こういう物は。

 この感覚は何かに似てるなあ・・・と、しばらく考えたら、「劇場版Zガンダム」でした(笑)。どこまで短縮できるか試してみたい衝動。頑張れば、きっと13ページまでZの物語を短縮できるハズ!なんだか、ぐりこえほん版Zを読みたくなってきましたよ。

 模型好きならば、小さいというだけで欲しくなる人、少なくないと思います。見かけたらぜひ一冊手にとってみて下さい。ドールの小道具にも使えるかも知れませんね。

 発売元・江崎グリコのシリーズ紹介ページ

 2008.7.29 健 竹史

  

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