健さんの その258 HGUC 1/144 HGUCνガンダムを組んでいて「良いなぁ」と思った点の一つが、ポリキャップでした。適度な肉厚、プラパーツへのスムーズなハメ込み、穴のフチに面取りがしてあり、ピンを差し込む時のトラブルを防止。このポリキャップ「PC−132」、やはりサザビーにも使われていましたよ。これは全くの想像ですが、バンダイという会社は連邦だけじゃなく、ネオジオンのMSもキット化していますね(知ってるって)。きっと最高の状態でνガンダムとの対決を望んだサザビー側の開発チームが、意図的にポリキャップの技術を漏洩して(以下略) まあ、そんな冗談は置いといて、・・・でもマジでアナハイムのマークが描いてあるんですよね。会社に。・・・いや、今度こそ置いといて、本題に参りましょう。リアスカート表・裏、シールド本体の3パーツでランナー1枚という大型MS・サザビーが、MGの様な値段でHGUCに登場であります。 頭部は、首の軸受けを兼ねた芯パーツに、モノアイ・マスク・ワンパーツ成形のヘルメットを取り付ける構成。劇中で乗降時に開くオデコの部分は最後に取り付け。アンテナやトサカごと取り外せる様になっていて、モノアイ位置を調整したい時に便利です。アンテナには若干柔らかい素材が使われていますが細いので、頭は最後に組み立てる事をオススメします。 モノアイは、モノアイレールを模したリングごと左右に回転。リングは直径約3.5mmの軸に通してあるんですが、これが球体コクピットと同じサイズと考えると実物サイズでは50センチに相当し、かなり窮屈そうです。閉じこもり癖なのか脱出系の奇術の類か、乱歩好きなボクとしては、シャアと趣味が合いそうで嬉しくなってきます。 球体コクピットが2mサイズだとすると、スケールは4倍違っている事になり、1/550MAや、1/600重機動メカと並べるのに丁度良いサイズという感じですね。ただ、コクピットにサイコフレームが使われている事を考えると、ユニコーンガンダムの頭身が変化する様に、射出後に4倍に膨張するのだと解釈する事も出来るかも知れません。根っからのガンダム好きな福井さんの事ですから、コクピットサイズの矛盾を補完する意味で、ユニコーンにあんなギミックを組み込んだのかも知れませんね。(無い無い) 首は、二重関節で前後に大きく動きます。が、取り付け位置が少々不満。ピンが真上を向く位置が定位置だと思うんですが、首が後頭部の真下に接続されており、横から見た時、エイリアンの様に首と顔が離れているんですね。ノイエジールに似ててジオンらしいと無理やり言う事も出来るかも知れませんが、サザビーの頭はシャアのヘルメットを模した物です。擬人化から生まれたデザインに、人間離れした骨格を持ち込むのはどうかな?と思う訳ですが。二重関節を利用してアゴを引かせると顔と首が接近して、印象が人間体型に近づきますよ。
ボディは、首をハサミ込んでの左右貼り合わせ。これに赤い装甲を着せていくんですが、黒いパーツは一次装甲(あるいはフレーム)として、一段引っ込めた方が良かったと思うんですが、ほとんど赤い装甲面と面一になっています。エリの下なんかは装甲が黒いパーツにメリ込んでいますね。この辺はハイコンプロの方が、パーツを重ねた順序が明確なデザインになっていて、より自然な気がします。一次装甲同士にも、多少の重なりの表現が有っても良かったかも知れませんね。キットでは一次装甲の折れ線にスジ彫りが入って、MGよりは硬質な印象になっています。 エリ内側の動力パイプは、ネックレスの様に首の周りを一周する配置で固定。設定ではドーガ系と同じく、後頭部につながっているんですが、可動優先の判断でアレンジされています。 肩関節軸は、2軸関節で前後と上にスイング可能。シールドの荷重に配慮して、下にはほとんど動かない配置になっています。肩の取り付けは、腕を押し込んでも肩関節軸がボディ内部に引っ込んでいくため、密着させるのが難しくなっています。胸脇ユニットを一旦分解し、内側から押さえながら腕を取り付けてやると良いでしょう。しかし、胸脇ユニット内で肩関節が完結してるのを見ると「このユニットが前後スイングすれば00に登場できるのに・・・」などと、エクシアとの夢の対決を妄想してしまうのであります。 ウエストは、ボールジョイントで360度の回転が可能。動力パイプは半周ずつ一体成形され、横からC字形の止め具でボディに固定してあります。拡散メガ粒子砲は、MGと同等のサイズ。つまり4〜5割増のボリュームになってるんですが、どちらが設定に近いのかは、周囲の配置が変わっている事もあって判断しにくいですね。設定ではフンドシに食い込んだ配置なんですが、ウエスト可動の妨げとなるので、やや高めの位置に変更されています。 腰です。フロントスカートは左右独立して可動。サイドスカートは、裏面のスラスターを再現。両端のスラスターを支柱でつなぎ、そこに中央のスラスターを取り付ける構成になっています。リアスカートは、ポリキャップで前後左右にスイング可能。表裏2パーツを貼り合わせ、上部にメカパーツを貼り込む構成です。MGほどの色分けは望みませんが、側面のスラスターはシャープさ・形の均一さを出すために別パーツ化してあると嬉しかったですね。 フンドシ下には、2基の角形スラスターを装備。このうち、別パーツ化されてて出来の良い方のスラスターを取り外すと(涙)、飾り台用の取り付け穴が露出します。せっかくの飛行シーンではありますが、スカートの中はあまり見ないようにしましょう。
脚です。モモは左右2分割。ポリキャップを2方向に仕込める設計にして左右共通化を図ってあります。他にもサイドスカート、足首、ファンネル、腕の甲などの左右共通パーツが同一ランナー2枚に納められています。貼り合わせたモモは、上部(股関節)メカパーツを被せる事で、ポリキャップ付近の外れ防止としてあります。 ヒザは二重関節。ハサミ込み式のABS関節ですが、モモ・スネへはポリキャップを使った後ハメ式となっています。 スネは、左右・ヒザアーマー・ヒザ先端・前面といった分割。後ろ中央に通る分割ラインは、設定にも有るパネルラインです。MGではウネリを加えたシルエットでしたが、今回はドムの様なシンプルなカーブで構成されています。内側には、後ろに3基一体、横に1基のスラスターを内蔵。横の1基は先に取り付けておいても良いと思いますが、説明書では最後に取り付ける指示になっています。塗装後でも組み付けられますよ、というアドバイスなのでしょう。 足首関節は、上が2軸、下がボールの二重関節。さらに、クルブシがクツの中から浮き上がるギミックを内蔵。自由度が高く、肩幅以上に大きく足を開いても、足裏がキチンと接地します。 足首は、足裏・クツ・足の甲を縦に重ね、ツマ先を前から差し込む構成。ツマ先とカカトは、設定では可動式のクローになっていましたが、今回は無可動。カカトの肉抜きは、スラスターか何かに見えるディテールが追加されています。 肩アーマーは、肩ブロックとサイドアーマーを前後からハサミ込み、上面パーツを上から被せる構成。上面パーツは段差の部分で分割され、しかも外側は2枚重ねて厚みを表現。MGよりも厚くなっています。(MGも一次装甲との二枚重ねになっていますけども。)しかも、ハメ合わせ部分を隠す役目も果たしていて、内側の見映えが良くなっています。 サイドアーマーは、上下に可動。内側のスラスターはサイドスカートの物と同様、一体成形した両端のスラスターに中央のスラスターを組み合わせる構成となっています。
腕です。肩ブロックは、ポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合わせ。上腕は、フレームパーツに筒状の外装を被せる構成。切り欠きからフレームが露出して、シリンダーを再現しています。 ヒジは、上腕のフレームと一体成形。可動パーツを左右からハサミ込んだABS関節です。曲げた時に露出する関節外側のメカ部分は、MGでは角ばって単調な形をしていましたが、今回は丸みを持たせ、曲面構成された外装と馴染む形となっています。ヒジメカ横にある小さな丸モールドは、シリンダーのロッド中心線上に配置してあると良かったかも? 前腕は、外装本体をワンパーツ成形、手首周辺のリング半周分を別パーツ化してあります。収納されたサーベル先端は、リングと一体で成形。手首関節には角度が付けてあります。ヒジ関節は後ハメ可能。一旦引き抜いて浅く差し込めば、腕の甲を横向きにする事も可能です。
手首は、左右のリアルなゲンコツと、ライフル用の右手、左の平手が付属。平手以外の手の平には突起が設けてあり、ライフル、サーベル、トマホーク全て、グリップのミゾに突起を差し込んで確実に保持出来ますよ。 バックパックは、本体と裏面の2パーツ貼り合わせ。3基のバーニアは別パーツ化、うち大きな1基はポリキャップで上下可動します。プロペラントタンクはスライド金型を使って筒状に成形、長さの途中で分けた2パーツ貼り合わせです。これは設定でもそうなっているんですが、同じ2分割でもモナカ割りと違って、継ぎ目を消す場合でも作業量が少なくて済みますね。基部はポリキャップを使ったボールジョイントとなっています。
ファンネルコンテナは、下半分を箱形にワンパーツ成形、フタパーツをハサミ込んでファンネル収納部を取り付けます。フタは、少し引き上げておいてから左右に展開。バックパックとの接続部は、ポリキャップで2軸可動します。 武装です。ビームショットライフルは、左右貼り合せの本体に銃口部分を取り付ける3パーツ構成。2つある銃口は、収束ビームと拡散ビーム用だそうです。キット開発用の画稿では、大きめに造形するよう指示されていて、スケール換算でMGより約13%大きめになっています。 シールドは、本体に表面パーツと裏パーツを貼り付ける構成。先端にはミサイル3発を装備しており、キットでは3発一体で成形してあります。シールド先端の切り欠きは、打突武器としての意味だけでなく、中央のミサイルを撃ち出すためのスリットなのかも知れませんね。 シールドは、C字形のアダプターを介して腕のハードポイントに装備させます。アダプターには例によって2箇所に取付ピンが用意されていますが、C字形になった表面をレール状にデザインし、いつもより説得力が高くなっています。シールド側の接続ポイントは、レールで上下スライドするという設定ですが、ビームトマホークを収納する都合もあってか、上端に固定。ポリキャップを仕込む幅を稼ぐためのアレンジは有りますが、レールの設定を活かした上での変更となっています。 ビームサーベルは2本付属。ワンパーツ成形で、スライド金型を使ってビーム取付穴を開けてあります。クリアーのビーム刃は単調なシルエットではなく、映画で印象的だった、ほとばしる様なギザギザをイメージして造形されています。グリップにはミゾが設けてあり、ゲンコツ側の突起を使って安定して持てる様になっています。 ビームトマホークは、グリップとビーム発生器の3パーツ構成。ビーム発生器にはミゾが有り、ここにクリアーのビーム刃をセットします。ビームパーツは片刃と、両刃と中央が一体になったサーベル状の刃の2種が付属。設定によると、ビームを発生させずヒートホークとしても使えるそうです。やはりグリップには、保持用のミゾが設けてあります。 ファンネルは、収納状態の物を3基一体で成形。つないでいる余剰部分を切り落とせば、1基ずつでも着脱が可能(なハズ)です。後部と砲身の展開ギミックは省略してあり、ワンパーツ成形された使用状態の物が6基付属。後ろの穴はHGヤクトドーガの物と同一規格なので、クリアー棒を流用すれば飛ばした状態でディスプレイする事も可能です。 組立時間は1時間30分でした。手頃なボリューム、手頃なパーツ数、しっかりした保持力で、気軽に遊べるサザビーが、ようやく手に入る様になりました。MGが超重量級キットだっただけに、飾り台に対応しているのが何より嬉しいポイントですが、逆シャア関連は敵味方含めて全て飾り台対応なのが良いですね。いろんな機体を同じ条件で飾れるというのは、HGUC化が遅れた怪我の功名か、それとも飾り台の普及を待っていたのか?案外、飾り台の普及が逆シャアMSをHGUC化する後押しになったんでしょうか。この作品、戦場は宇宙ばかりでしたし。 ところで、2枚入っているDランナーの端に、穴とピンが4つずつ有るのが気になりますね。これを組み合わせるとDランナー同士を連結する事が出来、メッキ処理等を何枚もまとめて行うための物ではないかと思います。今後豪華版キットが出るなら、その時にはクリアー棒も付くのかも知れませんね。ひょっとしたら、フィンファンネルを飛ばすパーツも含めた、対決セットだったりして。 おまけ
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