健さんの
プラモコラム


その250
 1/100 オーバーフラッグの巻

(1/100 オーバーフラッグ/
 SVMS−01O オーバーフラッグ/バンダイ
 「機動戦士ガンダム00」に登場)



 ダブルオーシリーズが好評なのか、それともインターバルを設けて期間的な余裕が有るのか、いや両方かな?1/100スケールでも敵メカの登場です。しかも「メカニカルディテール」と銘打って、担当のMSメカデザイナー本人がアレンジを加えたスペシャルモデル。まあガンダム4機も詳細なデザイン画稿をベースにしてましたけどね。これ、「Ver.誰々」という商品仕様をMG以外にも広めた物と言って良いでしょう。

 バンちゃんとダイくんの作り方解説マンガ(名前は勝手に命名)が添えられてる様な、年齢的な間口の広いキットの説明書に、メカデザイナーの名前を出し、コメントを載せるというのは、アニメやプラモの製作現場に興味を持ってもらう上で、とても良い事だと思います。出来れば今後のスタンダードにして欲しいですし、呼び名が決まったという事は、その可能性は十分という事でしょうか。

 では、キットに目を通していきましょう。



 頭部は、首可動用のポリキャップを左右のでハサミ込み、前後分割のヘルメットや顔を取り付ける構成。顔の奥のディテールはこのキットのために新たに設定画が描き起こされました。センサー面のクリアーパーツにも裏面からモールドが入り、発光パターンや素子の配列(?)が表現されています。クリアーパーツは上端をヘルメットで押さえて固定。ピンや突起を使わず裏面モールドを損ねないよう配慮してあります。



 はボール式でなく軸可動式のポリキャップのため、左右に傾ける事は出来ません。チンガードは、組み上がった頭部の下から取り付けます。



 ボディです。コクピットドラムは、上側はエリ内側の首基部とアームで接続され、下側にはウエスト接続用のABS軸受がハサミ込んであります。ドラムの側面を円盤パーツでハサミ込み、それを前後分割のでハサミ込みます。変形時には、ドラムを回転させると首がボディ内部に引き込まれる連動ギミックになっているんですね。エリは胸にハサミ込んであり、変形時に手が当たって外れやすいという、HGの欠点を解消して有るんですが、連動変形によって頭やエリに触れる必要自体が無くなっています。あえて言わせてもらおう、オートモーフィングであると!



 胸左右の白いパーツは正面から取り付け。エリは、フチのラインをスジ彫りではなく段差で表現してあり、より凝った形状になっています。安全突起はエッジの先端と一致させずズラす事によって、まるで必要が有って付いているかの様な自然な印象になっています。さすがフラッグのフラッグは、ひと味違いますね。あまりカッコ良くなると削り落としたくなくなるので困る人も出てくるかと(笑)。



 です。フンドシは、ウエストのドラムへ接続するシャフトをハサミ込んでの左右貼り合せ。シャフトは伸縮し、上半身をHGに比べてより後ろに、より深く沈み込ませて変形時の密着感を高めます。ドラム側の軸受けがポリキャップでなくABSのため、シャフトの先端には抜け止めが付いています。背中を前にしてハメ込み、180度回す組立です。



 フンドシ前部は前に開き、スキマからランディングギアが出てくるという設定。キットでは開閉ギミックのみ再現してあり、必要時にランディングギアを取り付ける方式になっています。フンドシ前部が別パーツ化された事で、左右のインテイクとの境い目がクッキリして、HGよりもシャープな印象になっています。腰アーマーも、左右の張り出しと中央部を別パーツ化。接合部の印象が良くなっています。



 フンドシから出た横軸に、股関節ジョイントと推進ユニット可動用のジョイントが付く構成はHGと同様。股関節ジョイントはHGより長めで、変形時に脚がより後方に移動する様になっています。

 腰部推進ユニットは前後分割。左右ユニットのつなぎの両端に丸いエンジンが一体成形されていて、これを前後からハサミ込む構成です。筒抜けになったユニットに筒型のエンジンが収まり、四隅のスキマからは向こう側が見えます。止むを得ず付け足されているハメ込みピンのスペースも、フィン状のモールドを付けて違和感を軽減するよう配慮してあります。



 推進ユニットの上面にはクボミを追加し、変化のあるデザインにアレンジすると同時に、変形時に胸がさらに密着する様にしてあります。可変翼は、推進ユニットとの接合部がヒンジになっていて、上下にも若干スイング出来る様になりました。ウイングの後端は差し替え式になっていて、エアブレーキが展開した状態を再現出来ます。

 です。モモは、ABSのヒザ関節パーツと、股関節のポリキャップをハサミ込んでの前後貼り合せ。モモの上部は、キットでは塞がっていますが、説明書のイラストではインテイクになっている様です。形状も横にツブれた三角で、このイメージもカッコイイですね。立ち姿の設定画を改めて見ると、スネよりモモの方が太い様にも見え、この比率で立体化すれば、先端の三角が横長になりそうです。モモが細い方がヒネリ可動が大きく取れるので、キットでは承知の上で細めに造形して有るのかも知れませんけれども。



 ヒザはハサミ込み式で、一箇所で曲がる関節。スネの組立では、スネ前面(ミサイルハッチ)、ヒザアーマー、フクラハギのノズルもハサミ込んでやります。ミサイルハッチは、下端(足首付近)を押すと簡単に開きます。内部のミサイルも2パーツ貼り合わせで再現、ハッチ裏に固定してあります。対ガンダム戦では、軽量化のため装備せずに出撃する事も多い、と解説されています。



 ヒザアーマーは、上端を差し替える事でランディングギアの展開状態を再現可能。飛行形態で着陸する時は、ヒザアーマーを立てる事で前輪と後輪の距離を稼いでいます。キットでも可動する様になっているんですが、設定ではヒザ関節と同じ軸位置で回転する事を想定しているのに対し、キットでは根元で可動するため、設定よりもヒザアーマーが大きく突き出て、前傾した態勢になってしまいます。そのため前輪と後輪の距離は狭まってしまいますが、パッケージ写真を参考に、ヒザアーマーを立てずに飾るのが良いでしょう。



ヒザアーマーを立てない状態(上)と、ヒザアーマーを立てた状態(下)の比較。ツマ先で接地して飾れるので、真横から見ない限り、ヒザアーマーを立てなくても違和感は感じないと思います。

 ところで、キットで見る限りランディングギア下半身(いわゆるBバーツ)にしか付いていないんですよね。分離して運用する事も可能という設定ですが、上半身にもランディングギアが付いているんでしょうか?劇中ではフラッグの前身であるリアルドが、上半身を切り捨てて自爆攻撃させるシーンが有りましたが、もし本当にランディングギアが無いなら、切り捨てる時は常に上半身、という事になりそうです。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにアクションベースは付属していません。

 足首は、クルブシの部分でボール可動。今回も二重関節にはなっていません。ツマ先は、延ばす方向に可動。ポリキャップを使ってあり後ハメが可能です。カカトのフィンは、可動する外側だけ軸が太くなっているので、内側のフィンとの見分けが付きやすくなりました。ここもポリキャップで可動します。フィンの内側は肉抜きされていますが、ディテールに見えるよう配慮されています。



 ところで、クルブシの丸い部分はチャフ・フレア・ディスペンサーになっているそうです。後方からミサイルを撃たれた時、金属箔等を撒いて攪乱する装置ですね。劇中ではガンダムが相手のため、航空機らしい装備の出番が無かったの残念です。機会が有れば普段の空中戦を見てみたいものです。

  肩アーマーは、スライド金型を使ってワンパーツ成形。肩関節軸にジョイントを通し、その上にセットするので、腕から独立して前後回転が可能です。上面のインテイクは、HGと異なり肩アーマーの後端まで伸びています。飛行形態では、背部推進ユニットの先端に少し隠れるところまで密着させると、設定画(ホビージャパン2008年1月号等に掲載)のイメージに近づく様です。今回は肩関節軸が可動するので、HGより調整が効きますから試してみて下さい。



 です。肩関節軸は、ABSの2軸関節で上下前後にスイング可能。HGの様な引き出し可動は有りません。肩の球体はポリキャップをハサミ込んでの前後分割となっています。上腕は筒状にワンパーツ成形。球体とヒジから伸びた軸が、上腕の中で接続してあります。

 前腕は、内側がフタになっていて、ソニックブレイドを両腕に収納しています。フタはヒジ関節と同軸で開閉。裏側にソニックブレイドが固定してありますが、刃の厚み部分をハサんで保持しているため、不要な穴等による外観の崩れは有りません。そのまま前にスライドさせ、抜き放とうとしているポーズも取れますよ。ヒジ関節は、ヒジ内側の丸パーツ、ABSの関節パーツ、軸パーツ、フタ、腕の甲を横一列にハメ込む構成。ABSの露出は最小限である上、何もハサミ込んでいないので、万一破損した場合のパーツ交換も容易です。



腕のソニックブレイドホルダーを展開した状態。このままソニックブレイドを前にスライドさせ、劇中と同じ取り出しポーズを取らせる事が可能です。

手首は、左右のゲンコツと右の平手が付属します。グラハム君は左利き、オーバーフラッグスのその他のメンバーは(少なくとも機体の設定は)右利きなので、出来れば両手とも平手を付けて欲しかったですね。手首の球体は、ヒケを防ぐためか別パーツになっています。手首を引っ張って交換しようとすると球体ごと抜けるので、自然に外れるまで関節を内側に曲げて交換します。



背部推進ユニットは、筒状のエンジンを前後からハサミ込む構成。エンジン前面のディテールは密度的に見ごたえが有るだけでなく、フィンの向きが左右で異なっている事までこだわって再現してあります。左右のユニットはつなぎパーツで接続、一体で上下可動します。可変翼は腰の場合と同様、上下に反らせる事が出来る様になっています。主翼下面にはパイロンが有り、今後のバリエーションキットにミサイル等が付属する予定が有るのかも。腰のウイングと同様、エアブレーキの展開を差し替えで再現可能です。

 背中への着脱はポリキャップを使用。背中の取り付け面は、部分ごとに角度を変えた複雑なデザインとなっています。



 武装です。新型リニアライフルは、左右と下の3箇所にグリップが付いていて、どこを持っても良いデザインになっています。3つのグリップは全て折り畳み可能。後部左右の張り出しは横から被せる様になっていて、上下貼り合せの本体をしっかり固定。銃身上面にはクリアパーツが使われています。ここには冷却と防磁のためのジェルが入っているという設定。その下には単独パーツ化された200mm口径の銃身が収まり、銃口の穴も再現してあります。銃身に貼るシールは2種用意され、一般機は銀、グラハム機は青を使用。グラハム機はソフトウェアも含めて左利きに合わせてあるので、武器を左手に持たせる様にします。



 新型リニアライフルは、グリップを畳み、ジョイントパーツを取り付ければ、ヒザの横にマウントする事が可能。この時、ヒザの丸パーツは取り外します。エクシアの腰の様に、丸い部分が伸びてジョイントになるという設定なんでしょうね。



 ソニックブレイドは、刃とグリップの2パーツ構成。折り畳み・展開が可能です。超硬質カーボンの刃を高周波振動させて斬り付けるのとは別に、プラズマで刃を生成したプラズマソードとしても使用可能で、こちらはグリップも含めてクリアーパーツで再現。グリップは塗装してやる必要が有ります。こちらも2本付属しています。



 ディフェンスロッドは、HGよりも幅広の造形に変更。中央の丸部分も大きく、頑丈そうなイメージになったと思います。2パーツ貼り合わせで、丸みを帯びた裏面の感触が良いですね。このカーブが衝撃を分散させる絶妙の設計になってるのだと勝手に解釈。中央の回転部分にはポリキャップを使ってあります。

 飾り台は付属しませんが、別売のアクションベースを取り付けるためのジョイントが付属。コの字形の先端が、フンドシ下端にハマリ込む様にフィットします。



 オマケに、パイロット1名と兵士2名のフィギュアが付属。フラッグの航空機としての魅力を引き立てる、良いアクセサリーになってくれます。ついでにスケールの近い現用整備車両のキットなんかを並べてみるのも面白いかも知れませんね。



 飛行形態への変形です。ウエストのシャフトを引き伸ばし、上半身を後ろに沈めるとコクピットドラムの回転に連動して頭が胸に引き込まれます。腰と背中の推進ユニットを水平にし、脚を後ろに移動させます。ヒジとヒザを連結して固定、カカト外側のフィンを立て、新型リニアライフルを機体前部にマウントして、飛行形態の出来上がりです。



 さらに、肩ウイングと、腰ウイングがX字になる様に角度を調節し、腕を後ろに伸ばせば高速飛行形態となります。劇中の描写は良く覚えていないんですけど、離陸後にこの形態になるのが自然なんじゃないかと想像しています。



 組立時間は1時間40分でした。スケールが上がればキットの出来は充実していくものですが、HGに比べて、特に航空機としての魅力が大きくプラスされているのが嬉しいですね。ランディングギアを付けて駐機状態で飾れるだけでなく、フィギュアまで付いてるとか。スネのミサイルを見たときの感想も「ミサイルが再現されてる!」ではなく「ミサイル格納庫の中まで再現してある!」だったりして、普段とちょっと感動のニュアンスが違ってました。



 ダブルオーの世界は宇宙世紀と違って、ガンダムさえ来なければレーダーも無線も使える、現代の延長の世界。戦闘機は今とあまり変わらない活躍をしてるんじゃないかな?と思うんですよね。机の上のフラッグを眺めながら、刹那達が行動を起こす前の空の戦いを思い描くのも楽しいんじゃないかと思います。

 今後の展開ですが、フィギュア、腰アーマー、ライフル関連パーツが除外可能で、スネ、頭部、推進ユニットやウイングのパーツがB・Cランナーにまとめてある事から、ノーマルフラッグの発売も予定されているのだろうと思います。ライフルマウント用のジョイントも除外可能ですが、これはノーマルフラッグにも活かして欲しいですね。また、ホビージャパン2008年2月号で発表された陸戦重装甲型の様なバリエーション展開も前向きに検討して欲しいと思います。

2008.5.21 健 竹史

  

1/100 オーバーフラッグ
HG ティエレン宇宙指揮官型
HG サーシェス専用AEUイナクトカスタム

  

HG オーバーフラッグ
HG ユニオンフラッグ(量産型)
HG グラハム専用ユニオンフラッグカスタム

  

HG ガンダムナドレ
1/100 ガンダムアストレア
機動戦士ガンダムOO サントラ 2

  

機動戦士ガンダム00 6
ガンダム00オフィシャルファイル5
LOVE TODAY

  

1/100 ティエレン地上型
MIA ティエレン 地上型
機動戦士ガンダムUC(4) 特装版(MGユニコーン武器セットつき)

  

UNION
メン・イン・ブラック デラックス・コレクターズ・エディション
明日のナージャ イタリアンフラッグ衣装セット

  

タジマツール 左刃 サウスポー替刃 10枚入
匠の技 ステンレス ヘアーカットはさみ (左利き用)
左利きモデル エレキベース入門セット 12点
Cougar TI-CAT-2 メンズ12点ゴルフクラブセット 左利き用

  

私の台所 グラハム粉 450g
北海道日本ハムファイターズ公式球団歌「ファイターズ讃歌」 [Maxi]
とっとこハム太郎は〜い! ハムちゃんずのハムハムチャレンジ! あつまれは〜い!


[HOME]

inserted by FC2 system