健さんの
プラモコラム


その240
 1/100 ガンダムヴァーチェの巻

(1/100 ガンダムヴァーチェ/
 GN−005 ガンダムヴァーチェ/バンダイ
 「機動戦士ガンダム00」に登場)



 重厚なデザインが魅力のヴァーチェが、ナドレへの換装ギミック付きで登場です。装甲を外す事で身軽になるとかではなく(GN粒子の効果でもともと身軽なんですよね)、隠している本来の姿と能力が現れるというシチュエーションが良いですね。ユニコーンガンダムなんかもそうですけど。

 ところで、派手に脱ぎ散らかしたアーマーは、どうやって回収・再装着してるんだろう?と気になったりもします。その昔、ゴッドマーズの6体のロボが遺跡の中から飛び立つのを見る度に、「崩れた遺跡はあとで丁寧に積み上げてるのかな?」などと気になったのを思い出します。実は遺跡の復元能力を描写したシーンが有ったのかも知れませんが、電波状態が良ければ見れるという、基本的に未放送の地域だったので確認してないのです。ダブルオーは一週遅れだし、アニメに恵まれない人生を送ってますね。・・・無駄話はこの辺にして、ぼちぼち本題に参りましょうか。



各部のレンズ下には付属の色分けシールを貼り込んであります。

 ナドレの頭部は、目とアゴの赤いパーツにマスクを取り付け、左右分割のヘルメットでハサミ込み。チョンマゲとアンテナは別パーツ化。側頭部のレンズにはクリアーパーツが使われています。後頭部にはコの字形のグレーのパーツがハメ込んであり、(ケーブル)パーツの根元を押さえて固定。髪留めの様でもありますね。髪は軟質素材で成形。左右に分割してあって、根元のハサミ込み部分はヒンジで可動式になっています。前部の髪は、フェイス両脇の穴に差し込んであります。



 ヴァーチェの装甲は、髪を取り外してから被せます。チョンマゲカバーとフェイスガードはワンパーツ成形。後頭部カバーは左右分割となっています。後頭部カバーはカバー同士の噛み合わせだけで接続、フェイスガードは、髪を取り外した穴を利用して差込みます。アゴの赤はシールによる色分となっていますが、着脱パーツを細かく分解するのは破損の元ですから、妥当な判断だと思います。ナドレのアンテナはヴァーチェのアンテナに覆われているという設定ですが、キットでは差し替えによる再現となっています。



 は、ボディにハサミ込む組み立てで、前後に可動します。前にも後ろにも肉抜きが有るのかと思ったら、前のは髪パーツを差込む穴でした。向きに注意して組立てましょう。



 ナドレのボディは前後貼り合わせの構成。ほぼ完全に白いので、ウエストまで一体で成形されています。エリのアンテナ、脇腹のゴム製ケーブルはハサミ込み式。GNドライブのレンズはクリアーパーツを使用、先にシールを貼ってからハメ込んでやります。ハッチは開閉式。表面から取り付け、腹部中央のパーツで押さえる構成になっています。



顔だけでなく首にも取り付けてボリュームを表現している髪の毛ケーブル。前後ともGNドライブに沿う様にカーブが付けてあります。しかし・・・某映画の敵キャラを連想してしまうのはボクだけでしょうか?

 胸両脇のユニットはスイング可動が可能。ヒンジは二重関節で、根元側は引き出せる様になっています。一旦外側に引き出しておいてから、前や後ろに角度をつける要領でスイングさせましょう。肩関節軸は、上にのみスイングする様になっています。

 ヴァーチェの装甲は、エリのアンテナを立てておいてからアンテナユニットカバーを上から装着。そのままでは固定されませんが、バックパックと噛み合わせる事で安定します。胸脇ユニットカバーは前後分割。ナドレのダクトとは別に、ヴァーチェのダクトが付いています。2体のダクトの位置はまるで違っていて、カバーというより増加放熱ユニットといった物なんでしょうね。



 GNドライブカバーは開閉可能。GNドライブ上のクボミに、ヒンジごと差し込んで取り付けます。MS本体の前面にクボミを付けなくても、アンテナユニットカバーと噛み合わせれば固定出来たのでは・・・とも思いましたが、髪の毛で隠れる部分だからこんな処理方法になってるんですね。クボミは設定にも描かれていて、最初からアーマーの接続方法を検討してあったのではないかと思われます。

 腹部カバーは前後分割。赤とグレーのパーツを組み合わせてありますが、完成後は一体のアーマーとして扱えます。ケーブルを隠さない形状になっているのは、装甲を外さずに整備出来る様にという配慮でしょうか。



別売のアクションベースを使用しています。
このキットにアクションベースは付属していません。

 ナドレの腰は、股関節軸周辺のフレームパーツを前後からハサミ込む構成。この時、ヴァーチェの装甲を接続するポリキャップも前後に仕込んでやります。細身のナドレに対してフンドシはかなり大きめの印象で、不恰好に感じる人も少なくないのではないかと思いますが、ヴァーチェの状態では適度なボリュームに見え、両立の難しさを感じさせます。フンドシ下の外装も外してスマートにするという手段も有ったでしょうが、そこは飾り台の接続部分です。支柱は外装ではなく、ナドレのフンドシに直結させないと保持力が心配ですからね。

 ヴァーチェの外装です。フンドシ前部は、ナドレ側の角穴に接続。赤いセンサー(?)は、ずいぶん上に向けて配置してありますね。フロントスカートは、左右独立してボールジョイントで可動します。



足裏中央の白い部分は、ナドレの足裏が露出しています。

 リアスカートは、裏面パーツ、サイドスカート、サイドスカート前面、スラスターを別パーツ化。サイドスカートは固定式になっています。後部にちょっとだけ露出しているケーブルは合成ゴムをハメ込んで再現してあります。

 外装はウエストの左右と後ろに密着する様に設計されているため、ナドレの状態では回転出来るウエストが、ヴァーチェでは回らなくなってしまいます。と言うより、ナドレの腰骨ヴァーチェのウエスト下段に相当していて、プロポーションに違いを持たせてあるんですね。つまりウエストのヒネリ可動を仕込むべき箇所が2機の間で違っているんですね。これではロックするのも仕方ない判断でしょう。



ウエストの増加装甲を、後ろ半分だけ装着した状態。ナドレの腰が、ヴァーチェのウエストになっているのが分かるでしょうか?

 もしMGが発売されるなら(すごく欲しいです)、ナドレのフンドシ前部を上下スライドさせる等してみたらどうかと思います。ナドレの腰骨の上でも下でも回転可能とし、ナドレの状態ではフンドシが下の回転をロック。ヴァーチェ状態ではフンドシを下げて下の回転を可能にし、上の回転は外装を被せてロックするのです。ついでに上下移動によってフンドシを、ナドレの時には小さく、ヴァーチェの時には大きく見せる事が出来るのではないかと思います。どうでしょう?

 です。モモは左右貼り合わせ。前面のゴム製ケーブルパーツとヒザ関節はハサミ込んでやります。モモには増加装甲は付かず、ヴァーチェとナドレで外観の変化は有りません。



胸脇ユニットのスイング可動。右肩は後ろに、左肩は前に動かしてあります。

 ヒザは、エクシアと同様にドラム部分で回転可能。関節メカ部と合わせて二重関節となっています。ドラム内部パーツは前面が少しエグってあって、ここにビームサーベルが収まる様になっていますが、ヒザを曲げ伸ばしする時にもサーベルが外装で擦れない様に配慮してあります。塗装派には嬉しい気配りですね。



 ナドレのスネは、ヒザのドラムをハサミ込んでの左右貼り合わせ。ヒザアーマーは前面から取り付け、前部ケーブルはハサミ込む様になっています。後部にはポリキャップが仕込んであり、ヴァーチェの外装はここで保持します。

 ヴァーチェの外装は前後貼り合わせ式。1/60かと思うほどのボリュームです。ナドレの脚は、スネ側面やヒザのクボミも押さえてガタつかない様に閉じ込めてあり、安定感は十分。ヒザ後部はドラム部の回転が途中で止まり、ナドレの時ほどは曲がりません。外装の干渉部分を削ってやれば可動範囲は拡大しますが、結局リアスカートに脚が当たって制限される事を考えれば、現状で十分な可動範囲だろうと思います。足首アーマーは可動式。ヒンジもゴツイですよ。

 GNフィールド発生装置は、本体とフタの2パーツ構成。展開可能なフタパーツの保持には、ポリキャップを使用してあります。抜け止めのツメの処理はHGよりも目立たず、上手くまとめてあります。上下の内部モールドを全く入れないという解決法ですが、見栄えは良いですね。



ドリルガオーをガイガーの腕に装着!・・・あれ?違いました?

 足首関節は、荷重を考慮して二重関節になっていません。スネ下部にボールジョイントの軸パーツをハサミ込み、前部センサー(あるいはジョイント?)もこのパーツと一体で成形されています。MGが発売される事があれば、ナドレには二重関節を仕込んでおいて大胆に可動させ、ヴァーチェの状態では外装でセンサーの辺りを押さえてロック、上の関節を殺して荷重に耐えるといった事も可能かも知れません。

 ナドレの足首は、芯になるメカパーツをクツと足の甲で上下からハサミ込む構成。甲とクツの境目にわずかな段差が設けてあり、外装の固定に利用してあります。

 ヴァーチェの外装は、赤いクツの部分。つまり足の甲はナドレと共通です。設定では前後分割式のクツですが、キットでは左右分割となっています。この方がパーツ点数を抑えられ、扱いも簡単になるからでしょう。足裏は中央部が空洞になっていてナドレのクツが丸見えですが、説明書の装甲パージ資料では中央も外装に覆われている様です。



 ナドレの肩アーマーは、肩ブロックを前後からハサミ込む構成。縦にミゾが設けてあり、ここを利用してヴァーチェの肩アーマーを固定します。ヴァーチェの肩アーマーは、前・後・側面の3パーツ構成。側面のパーツは下端を折り曲げて厚みを表現すると同時に、ナドレの肩アーマーとのズレ防止の役目も兼ねています。

 です。上腕は、ヒジ関節をハサミ込んでの左右貼り合わせ。肩ブロックとのヒネリ部分にはポリキャップが使ってあり、後ハメが可能です。ヒジ関節は、筒状にワンパーツ成形されたメカパーツに、ABSの関節パーツを通す構成。ABSを内側に閉じ込めてしまうのは塗装派には嬉しい配慮です。後部のケーブルは、関節を組み終えてから取り付ける事も可能です。

 ナドレの前腕は、ヒジ関節をハサミ込んでの左右貼り合わせ。後部にはヴァーチェの外装を接続するためのポリキャップが仕込んであり、前側にもハードポイントが配置されたデザインのため、分割ラインは端に寄せてありません。角穴の端に合わせてあるので消すのは簡単ですが。側面のレンズにはクリアーパーツを使用してあります。



 ヴァーチェの外装は、前腕を前後からハサミ込む様に装着します。ハードポイントと後部のポリキャップを利用していますが、外装同士だけでも頑丈に噛み合う様になっています。前部のレンズにはクリアーパーツを使用。腕にはナドレとヴァーチェ合わせて4つのGNコンデンサーが有るという事ですかね?ヒジ・ヒザの横に配置出来るくらいですから薄型なのだろうとは思ってましたが、装甲の厚みの中に埋設してあります。あるいはコンデンサー本体は腕の中にあって、レンズだけを表面に露出させてあるんでしょうか?位置的にはハードポイントの正面にあたり、どちらの解釈も成り立ちそうな気がします。

 手首は、左右とも穴開きゲンコツが付属します。関節部分のクリアランスが大きく取ってあり自由に動きますが、GNバズーカの重さを考えると、関節自由度はむしろ低い方がヘタレにくくて良かったかも。GNキャノンの荷重には耐えられるので、例えばナドレの状態では現状の様な広いクリアランスを確保、ヴァーチェの時は前腕の外装が手首関節軸の周辺を覆ってクリアランスを無くし、ヘタレを防ぐといった対策が有っても良かったかも知れません。



 背中の突起は、クリアーパーツを途中にハサミ込んで積み重ねる構成。両横にあるグレーのリブは少し開いて接続穴が露出、ヴァーチェのバックパックとの接続に利用されます。



HGでは可能だったアームの前後旋回は、1/100では廃止されています。(写真はHGヴァーチェです。念のため。)

 ヴァーチェのバックパックは、GNキャノンを支えるアームが可動式。ハサミ込みが基本で、後ハメ出来る箇所は有りません。また、HGでは可能だった基部での前後旋回が出来なくなっていますが、これは荷重を考えての転倒防止策でしょうか。劇中で多用された印象も無いので問題ないと思います。アームを後ろに反らせる可動は健在です。

 バックパック本体は、箱状に成形した全体と裏面を貼り合わせ。さらに下部のダクト(?)を別パーツ化、フィンを斜め下に向けて、HGよりも自然な印象にしてあります。中央のも別パーツ化し、色分けしてあります。



 武装です。GNキャノンは、アームとの接続部分がボールジョイントで可動。取り外し、グリップ引き出し、砲身の展開、GNフィールド発生装置の展開といったギミックは全て再現。ポリキャップを除いたパーツ構成は、基本的にHGと同じです。

 GNバズーカも、基本的にHGと同じパーツ構成。側面グリップ着脱部が後ハメでなくハサミ込み式になっていたり、機関部前面の丸モールドを犠牲にしてスライドレールが追加されていたりと、若干の違いは有りますが。



 あまりに大型のため、GNドライブに直結して放つ「バーストモード」では、自由度の高い手首がヘタレて、ポーズを維持するのが困難となっています。が、グリップを手前に引きつける説明書の指示には反しますが、グリップを前方(砲口側)にスライドさせると、割と簡単にポーズが保持出来る様になります。つまり、グリップの前と後ろのバランスが均等に近づけば、てこの原理によって手首への負担は軽くなるという事です。お試しあれ。

 このサイズになって、ようやく胸のデザインの意図が分かりました。バーストモードでハッチを開くのは(二重ハッチと思えば良いとは言え)不自然だと思ってたんですね。あれはGNバズーカの後端を、胸カバーとハッチで上下からハサミ込み、荷重を支える狙いが有ったんですね。つまりプラモに都合の良いデザインです。MGが発売されるなら、バズーカ後部に引き出し式のジョイントでも新設して、胸カバーと連結してやれば、さらに発射ポーズの安定が良くなるのではないかと思います。



 GNビームサーベルは、ツバの部分が別パーツ化された2パーツ構成。クリアーのビーム刃が2本付属します。

 飾り台は付属しませんが、別売のアクションベースに対応するジョイントパーツが付属。フンドシ下にセットして使用します。



 組立時間は2時間15分でした。増加装甲を持つガンダムは過去にも登場しましたが、「着る」よりも「脱ぐ」方をメインにしたデザインは実に面白いですね。どう見ても脱ぎそうだったら秘密になりませんから、「ひょっとしたら脱がないかも知れない」自然な外観になっていますし、そこが気に入られた要素なのかな?と思います。

 顔まで隠して別人になる発想はアレックス等のアーマー着脱とは違ったニュアンスを感じさせますが、ナドレのアイデアの元はMG等、プラモの内部フレームじゃないでしょうかね。ダブルオーのMSはプラモの存在を意識させる物が多いですが、これもまたその一つと言えそうです。本来のコンセプトを再現した1/100キットで、「完成後も取り出して楽しめるフレーム」の収まり具合を堪能して欲しいと思います。

 ところで、実際に手に取って着脱させてみると、「アーマーが自力で外れるための動力はどこに仕込んであるんだろう?」と気になる部分もチラホラ有りますね。まさか髪の毛は触手で、アーマーを内側から押しのけているのでは・・・こわい考えになってしまった。

2008.3.18 健 竹史


  

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