健さんの
プラモコラム


その231
 1/60 ガンダムエクシアの巻

(1/60 ガンダムエクシア/
 GN−001 ガンダムエクシア/バンダイ
 「機動戦士ガンダム00」に登場)



 年末恒例、大型キットのシーズンがやってまいりました。しかし今年は大型キットがいくつも有って大変ですね。1/20レッドショルダーカスタムユニコーンガンダム、そしてエクシア。いや、組んだら小さくなってくれそうなんですが、箱の大きさが尋常じゃありません。早く組んで積みっぱなしの箱をどうにかしないと、年越しの時期に肩身の狭い今日この頃であります。では、今年最後のキット紹介になりそうですが、本題に参りましょう。



 頭部は、目とアゴの赤い部分が頭の奥まで続いていて、頭部のになっています。フレームと言うとカッコイイんですが、真四角でシュールな顔パーツですね。これに上面・後面・側面上半分・側面下半分と、いつもより細かく分割されたヘルメットを取付けていきます。側頭部の丸モールドは、黒の内部パーツにクリアーパーツを重ねる構成で、内側に貼り込むシールには起動時に浮き出る文字まで印刷。頬のダクトは、裏側からパーツをハメ込んで色分けされています。

 一見すると小顔の印象で、友人達も同じ様に感じるみたいなんですが、丸モールドの直径や頭部幅など、測りやすい部分を実際に比べると、HGをスケール分(2.4倍)拡大した数値とほとんど同じでした。サイズが大きくなると小顔に感じやすくなるのかも。1/100同様、ヘルメットに対して顔が引っ込んでいるので、頭は同じ大きさでも顔は実際に小さく見えているのかも知れません。



 は、ボディと一体成形のため、頭部側のボールジョイントのみで可動。前後可動しないのは残念ですが、可動範囲は十分と思います。

 ボディです。前後分割のフレームには、事前にコクピット、ケーブル、肩関節をハサミ込んでやります。ケーブルは合成ゴム製ですが、弾力があってキツキツのパーツは押し込む時に縮んで組み付けにくいので、もう少しクリアランスが大きい方が良かったかも。これは他の部分のケーブルでも同様に感じました。



 胸両脇のユニットは、ニ軸可動する肩関節軸の途中に取り付けてあり、上下前後にスイング可能です。HGの様な、ボールジョイントでユニット自体をヒネるような可動は出来ませんが、そこはビッグスケールになるほど荷重対策が切実になるので止むを得ない所ですね。このキットでは上下にピンを配置してしっかり接続、ポリキャップまで仕込んであります。

 エリのアンテナは折り畳み可能。HGや1/100でも採用されたギミックですが、起こした時に収納ユニットとの間にスキマが全く出来ないのはこのキットだけです。このキッチリした設計は、良い意味でトイ的な印象を受けますね。倒した状態では1/100同様、カバー内部に完全には引き込まれず、起こしやすい仕組みになっています。



 GNドライブ(太陽炉)はボディフレームの一部として内部パーツを再現。大きな球面に貼り込むため、色分けシールには切れ込みが5箇所も入れてあります。クリアーパーツはランナーから切り離す時の圧力でパーツを傷めない様、ゲートを斜めに配置。完成状態ではコクピット周りの切り欠きのフチをハッチが被さって隠すため、1/100より自然な仕上がりとなっています。

 コクピットは、軸関節と引き出し関節の組み合わせでハッチが開閉。斜め下に引き降ろす様に大きく開くので、内部が良く見えます。内部にはパイロットスーツ姿の刹那のフィギュアが座っています。



 ウエストは左右各30度程度の回転が可能。横スイングは出来ませんが、赤い外装パーツとグレーのフレームの間にスキマが設けてあり、「動きそうに見える」造形となっています。1/100の様に細かなモールドを加えるのも良いですが、ビッグスケールを活かしたこういう方法も、ディテールアップの一種と言えるでしょうね。

 です。フロントスカートは左右独立して可動。1/100でも加えられたスリットモールドの中に、さらにモールドが加えられています。1/100用アレンジ画稿を見ると、この時すでに描かれてはいるんですが、1/100に盛り込むには細か過ぎたんでしょう。リアスカートは固定式。GNビームダガーのホルダーは、左右一体で可動、横にも折れ曲がります。



 フンドシ下には、飾り台用の穴は有りません。FGまで飾り台対応が標準になってきているので、未対応のキットは久々な気がします。さすがに1/60は、今後も飾り台対応が標準になる事は無いかも知れませんね。1/60ストライクフリーダム・ライトニングエディションには飾り台が付属しましたが、逆に「背中が身軽なので飾り台が無くても安定して飾れる」というのは、エクシアをはじめ、ダブルオーMSの長所の様な気がしています。股関節軸には荷重を考えて頑丈な補強が加えられていますが、メカっぽさを損なわない様に配慮されています。

 です。股関節の球体にはポリキャップを内蔵、ボール可動します。腰にGNブレイドを装着した時、1/100では軸可動のため2本のGNブレイドが常に平行、HGではモモとGNブレイドが常に平行でしたが、今回は股関節球体とモモが個別にヒネれるので、腰からもモモからも独立して、好きな方向にGNブレイドを向ける事が出来ます。アダプターは回転可能なので、上下方向の角度も自在。立ち姿に映える角度に調整して楽しみましょう。



 モモは左右貼り合わせ。前面のケーブルは別パーツ化されていて、事前にハサミ込んでやります。1/100同様、股関節球体との間でヒネる事が出来ますが、脚を前に大きく上げる可動は苦手です。1/100と違って股関節がボール可動のため、ガニ股にして横に上げるにも限度があります。PGが発売される事があれば、フロントスカートを前に畳める様にする等の工夫で、股関節の機構を変えずに可動範囲を拡大出来るんじゃないかと思います。もっとも、このサイズのモデルにハイキックなんかさせない方が良いですけど。

 ヒザ関節はモモにハサミ込み。関節の後ろ側に、チラリと見える形でシリンダーを仕込んであります。軸受けは貫通ではなく、行き止まりになったポリ製のパーツ。キツさだけでなく、閉じ込められた空気を利用して関節のヘタリを防止する、エアダンバーとなっています。組み立ての時、ロッドをどこまで押し込んだか触ってて分かるくらいにキツく調整されていましたからね。この機構、特許出願済だそうです。



 スネは、フクラハギの丸モールドの部分で可動。関節のドラムの大きさには圧倒されますよ。フレームを前後から装甲で覆い、合成ゴム製のケーブルやヒザアーマーを取り付ける構成は1/100とほとんど同じですね。ヒザ後部にあるコの字の留め具(?)が別パーツ化され、ここに隠れる様にクリアーパーツに張り出しを設けてあるのが目新しい部分でしょう。クリアーパーツのキツさだけでハメるのではなく、張り出した部分にハメ込みピンを配置してあります。絶対確実とは言い切れませんが、それだけ分解しやすくなっていると思います。

 足首アーマーは、スネフレームから張り出したヒンジに下からハメ込みます。足首後部アーマーは左右分割。後ろに接着ラインが出てしまいますが、一体成形した場合に比べて側面のモールドがクッキリ成形出来ますし、取付時に押し開かないので厚みをしっかり表現出来ます。スキマからハメ込みピンが見えやすくなっているので、あまりのぞかない様にしましょう(笑)。



 足首関節はボールジョイントで可動。荷重に配慮して二重関節にはなっていません。

 足首です。足裏とクツは、ツマ先からカカトまでワンパーツ成形。黒い内部パーツの上に足の甲パーツを重ねる構成で、クツと足の甲の間にスキマの演出が有ります。スミ入れをしなくてもクッキリとしていて、動かないけど「動きそう」な感じです。



 肩アーマーは、上腕をハサミ込んでの前後貼り合わせ。側面のフチは折り曲げて厚みを強調、下のフチは薄く造形してあります。良く見ると設定もそんな感じですね。上面の幅がどのくらい有るのか等は、前後の設定画から想像するしかないのでしょうが、1/60ではふくらみの有る柔らかなライン、HGはシャープなラインで構成され、印象の違いが面白いですね。

 です。上腕はケーブルをハサミ込んでの前後貼り合わせ。側面のコブにあるモールドは省略されて(忘れられて?)いますが、ケーブルでほとんど隠れる所なので、あまり気にならないと思います。ケーブルは肩アーマー側でもハサミ込み。ケーブルの厚み部分は、もう少しエッジに丸みが有った方が良かったんじゃないかと思います。



 上腕のヒネリは、ヒジのすぐ上で分割してあります。ヒジは前腕にハサミ込む方式の一軸関節。ちょうど90度程度曲げる事が出来、可動範囲ではHGに若干負けますが、延ばした状態でのスキマの無さは良い感じですね。可動軸は前寄りに配置してあります。ヒジの内側が密着し、外側の内部メカが出っ張る曲がり方は、同じ一軸可動でもHGより人間に近い感じがしますが、どうでしょうか?

 前腕は、ハードポイントを含むフレームパーツと、ヒジ、ケーブルをハサミ込んでの左右貼り合わせ。手首カバー部分は別パーツ化して、ポリキャップを仕込んであります。側面の丸モールドは、1/100の時に指摘した様な、レンズを切り欠かない形の面構成で造形。と言うより、装甲の内側から真円のクリアーパーツをハメ込んであり、これまでで最も高い再現度です。番組タイトルにも使われている「0」を形取った最重要アクセントですから、余計にうるさい事も言いたくなる訳でして。レンズへのこだわりは、このキットが一番だと思います。



 手首は、左右とも可動指タイプが付属。これまでの1/60と同様、親指以外は第2関節まで動くんですが、中指〜小指は一体化されていて、希望者だけ切り離して独立可動化出来る様になっています。指の間の余剰部分は結構大きいので、少しずつ切れ込みを入れて切り離し、後で丁寧に削って整えてやると良いでしょう。指パーツは、ランナーに付いたまま手の平に組み込める配置になっていて、組み立てがとても簡単になっています。似たパーツが多くて紛らわしい部分ですから、こういう配慮は嬉しいですね。ここも特許出願済だそうです。



ランナーから切り離さずに組み立てられる可動指パーツ。ランナーの中からここの枠だけ取り外せるので作業も楽です。

 バックパックです。1/100では、円錐パーツの周囲にグレーのリブを貼り付けていましたが、今回は3枚一体になったリブを、円錐の底方向からハメ込む事で、パーツ数を抑えています。一方、途中の継ぎ目部分に入るクリアーパーツは3分割。より円錐表面に近い配置にしてあり、しかも内側からモールドを加えてあります。ハイテクの香りは大増量、より尖った先端の造形と相まって、実はGNドリルなんじゃないかとワクワクしてきます。(光って唸れば何でもアリですよ:笑)



 武装です。GNソードは、刃が後方に回転してライフルモードに変形可能。今回もモールドを利用したラチェットが仕込んであり、しっかり保持されます。の部分はパーツを2枚貼り合わせて厚みを表現。そのためシャープではなくなっていますが、安心して遊べる強度となっています。



 ライフルの銃口は穴が開いてるだけのアッサリした物なので、物足りない人は市販の丸モールドを(変形に支障が無いように)貼り付けてやっても良いでしょう。グリップには等間隔のスリットが有り、手の平の2つの突起を接続する仕組みになっています。

 GNブレイドは、ロング・ショートの2種が付属。刃先からグリップまで一体成形で、2パーツ貼り合わせとなっています。これを芯にして、グレーや青のパーツを貼り付けていく構成。グレー部分には角穴が有り、腰に接続する時にはここを使います。股関節球体の側面のフタを外し、アダプターを取り付けますが、フタは外しやすい様、ツメを引っ掛けるスキマが設けられています。



 GNビームサーベルは、2パーツ貼り合わせでグリップを作り、ツバ(ビーム発生部分)を取り付ける構成。しっかり握らせるため、グリップには2列のスリットが設けてありますが、これは設定には無い物です。こだわって撮影したい時などは、見えなくなる方向にスリットが来るよう、適宜ひっくり返して挿し直してやると良いでしょう。クリアーのビーム刃が2本付属します。

 ところで、肩の後ろからどうやって抜くのかと思ったら、腰後部のホルダーと同様に可動して、ワキの下から前に向くんですね。腰にはすでに2本のブレイドが有りますが、このアイデアで、似た動作で脇から抜刀する剣をさらに2本仕込んでみた、という所でしょうか。こだわりを感じさせるデザインです。



 GNビームダガーは、ビームサーベルと同一の物。短いビーム刃が2本付属しますが、この刃はクリアーピンクのビーム刃専用ランナーから除外出来る様になっています。人気次第では、他の4体のガンダムも1/60での発売を期待していいのかな?かな?

 GNシールドは、グレーの裏面パーツに表面パーツを貼り付けていく、1/100と同等の構成。表面の青と白のパーツのスキマは裏面パーツを盛り上げて再現、裏側はクボミになってしまっていますが、オリジナルディテールを追加した様にも見える処理となっています。アダプターはポリキャップ使用で回転。腕のハードポイントに接続します。



 組立時間は2時間5分でした。SEED以来、基本的に「大きなHG」のスタイルで開発されてきた1/60キットの最新作。可動の複雑さに大きな違いは無いにしても、クリアーパーツの組み込み方とか、頭部の細かな分割とか、ここぞという所にビッグスケールの長所が表れています。組んでてとても楽しいですね。フルカラーで見やすい組立図、常に参照出来るパーツリスト等、親切な説明書も従来通りです。



 ポージングの派手さは小スケールキットにかなわない部分が有りますが、その辺はそちらに任せておけば良い話。武器も派手で(しかも重そうでなく)、もう立ってるだけでカッコイイです。このサイズでガンダムアストレアを見てみたい気もしますが、1/60でMSV展開なんていう夢の様な時代が、もう一度来てくれないかなぁ、と思ったりして。

2007.12.27 健 竹史

  

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