健さんの その226 HG ユニオンフラッグの巻 (HG 1/144 ユニオンフラッグ量産型/ ダブルオーの敵MSは、これまでに無いデザインで面白いですね。MSらしくないとも言えますが、世界観と言うのは、こうやって広がっていくのだと思うので、どんどん新しい物を見せて欲しいと思います。 このフラッグも、従来にないスリムな機体のため、キットを手にするまでは「細い」のか「足が長い」のか想像が付きませんでした。実際は従来MSと同程度の全高。「細い」方だった訳ですが。この機体、どのくらい軽量なんだろう?と思って設定を見ると、67.1トン・・・ヴァーチェの方が軽いんですね。(どおりでキュリオスと並んで飛べる訳ですよ。)ま、そんな事を思いつつ、キットに目を通していきましょう。
頭部は、チンガードにクリア成形のセンサーとアンテナをセットし、ヘルメットを被せる構成。センサーの奥に貼り込む銀色のシールも用意されています。カメラはセンサーとヘルメットの間に付いているので、塗装する際は忘れない様にしましょう。アンテナの先には恒例の安全突起が付いてます。巷ではこれを「フラッグ」などというカッコ良い呼び方をされる事もある様ですが、フラッグのフラッグなんて言うとややこしいですね。改めて「安全突起」「余剰パーツ」などというハイカラでない呼び方を提唱する次第であります。 首は、ボディフレームパーツの下からピンを差し込んであります。ボール可動する他、飛行形態時には下がり、頭部をボディに引き込む仕組みです。 ボディは、胸フレームの前後から外装を取り付ける構成。エリや胸の白い部分(アーマー?)は別パーツ化されています。胸中央の張り出しは、成形方向の都合から下面が丸く単調な形になっています。腰中央の張り出しの様に平らなイメージになっていると良かったと思いますが、スケールを考えるとむやみにパーツを割るべきでないのも確かですね。1/100が出るならば、ぜひ艶かしいラインでお願いしたいと思います。 ウエストは、前後回転(ただし前屈み方向のみ)するドラム状のユニット。正面左側には20mm機銃が付いているので、塗装する人は見落とさない様に注意しましょう。腰とドラムの間は後ハメ式で、左右回転が可能です。
腰側のピンは変形のために前後可動します。ここを使って背中を反らせる事も出来ますが、やはりドラム部分で反らせた方がカッコイイのになぁ・・・と思い立ち、ドラムの回転を制限しているストッパーを削ってみました。なるほど、ドラムに付いてる変形用のクボミが丸見えになるからストッパーを設けていたんですね。しかも思ったほどダイナミックなポーズにはなりませんでした。あまりオススメ出来ない加工でしたね。 腰です。股関節は、推進ユニット可動用の横軸の途中からブラ下がる様な構成。しかも、L字に折れ曲がってモモの後ろからボールジョイントで接続してあります。横スイングが苦手なのでツマ先を開く方向のポーズは得意ではありませんが、珍しい形の二重関節ですから、上の軸可動と下のボール可動を使い分けて、腰のズレを表現してやるとダイナミックな飛行ポーズになると思います。 センターアーマー(機首?)とサイドスカートはワンパーツ成形で、フンドシの上から被せる取付。リアスカートは有りませんが、ウイングがそれに相当するでしょう。上下分割の推進ユニットにハサミ込んである可変翼で、キットでも折り畳み可能。左右一体で下に倒す事も出来ます。この時、左右のユニットをつないでいるパーツには負担がかからない様、補強目的の余剰部分が追加されています。
脚です。モモはABSのヒザ関節パーツをハサミ込んでの前後貼り合せ。股関節のボールジョイントは後ハメ可能です。平面的なデザインですが、前側左右の面には、真ん中に設定には無い折れ線が追加してあります。ひょっとしたらですけど、先に折れ線を入れておけば、多少ヒケが出た場合でも目立つのを防げるから・・・とかだったりして? ヒザはハサミ込み式で、二重関節にはなっていません。ヒザ横の丸モールドは別パーツ化して色分け。外側の丸にはクボミが有りますが、飛行形態では、このクボミでヒジとヒザをロックする様になっています。 スネは、前面の黒いパーツを左右からハサミ込み。前面パーツはヒザアーマーまで一体で、一部がスネ後部に突き出てフィンを再現していますが、ここは設定では黒ではないので本体色のブルーグレーで塗装してやると良いでしょう。ずいぶん細いスネですが、内部はミサイル格納庫になっており、前面が開いて発射するという設定です。キットでは再現されていませんが、改造の題材としては手頃かも知れません。 足首は、クルブシにABSの軸受けが埋め込んであり、ボール可動します。足の甲は、フィンも一体でワンパーツ成形。足裏はフチの辺りに肉抜きが有ります。飛行形態で丸見えになりますし、せっかく細かいモールドが入っているのに惜しいですね。カカトは左右に分かれていますが、変形時には外側だけが回転し起き上がります。ストッパーの役目は足首本体に持たせて、左右の足でカカトパーツを共通化してあって親切ですね。 肩アーマーは、前後方向にワンパーツ成形。被弾の心配の少ない後ろ側は開放してあり、ターンエーの様に前と上だけを覆う形です。仕切り板の部分にC字形の切り欠きが有り、肩関節軸に上からハメ込みます。
腕です。肩はボールジョイントで接続。ABSの軸受けパーツを外装パーツで覆ってあります。変形時には肩関節ごと引き出して外側に広がるギミックを内蔵、脚とのポジションを合わせます。 上腕は筒状に成形してあり、ヒジから肩につながる軸に通します。筒状に成形する都合で円柱に近い形になっていますが、設定では前側が三角に張り出し、上面は肩の球体よりも大きく飛び出して見えるデザインになっている様です。 ヒジは、左右分割の前腕でハサミ込む一軸関節。回転軸は腕の中心よりも前にオフセットしてあり、120度くらい曲がります。腕の細さも際立ちますね。 前腕は、前面のグレー部分を別パーツ化。このパーツは手首関節軸も兼ねています。左右の腕ともヒジ側面にはハードポイントが有り、ディフェンスロッドを装着出来る様になっています。 手首は、左右ともゲンコツタイプの物が付属します。腕が細いため手の平に軸受けを、腕側にピンを配置してあり、内側に大きくスイングさせる事が出来ます。普段より大きく、形も変わっていて面白いですね。なんだか手袋をハメた様な印象です。 背部推進ユニットは、上下分割のエンジンに可変翼をハサミ込む構成。ウイング下面にはパイロンが付いています。今後登場のバリエーション機にミサイルでも付く予定が有るんでしょうか?(武器セットだと嬉しいんですけどね。)エンジンユニットは、左右独立して上下可動します。 武装です。リニアライフルは銃身が左右貼り合せで、グリップが可動します。上部後方に付いているのは弾倉とバッテリーが一体化したパック。別パーツになっていますがハメ込みが頑丈で、着脱シーンの再現は想定していない様ですね。 ソニックブレイド(プラズマソード)は、グリップと刃が一体成形。クリアーパーツでないのを残念に思う人もおられるかも知れませんが、出力によって刃の長さが変化するとか、プラズマを放出していない状態の超硬質カーボンの刃で戦う場合もあるという設定ですから、好みの長さにカットして持たせられるという点では、ワンパーツで良かったのかも知れません。・・・ひょっとして、クリアーの刃を付けなくていい口実になってます? ディフェンスロッドは、基部とロッドの2パーツ構成。中心部で回転する様になっています。MS時にしか使用しないので、空中戦のみの作戦では装備しないそうです。ハメ込み用の突起がオフセットした位置にあるので、取り外す時には突起を痛めない様に引き抜きましょう。 飾り台は付属しませんが、例によって別売のアクションベースに対応しています。フンドシ下のフタパーツを外して接続穴を露出させてセットします。 飛行形態への変形です。まず肩関節を引き出して肩幅を広げます。ウエストのドラムと腰のジョイントを回転させ、上半身を後方に沈み込ませます。この時、飾り台を付けたままだと腰内部のストッパーが干渉して変形出来ないので、必ず飾り台を取り外してやります。足を後方に回し、ヒジとヒザを連結して固定、頭を押し込みます。カカト外側のフィンを立て、リニアライフルを機体前部にマウントすれば、飛行形態の完成です。 MS形態に戻す時も、飾り台が腰の変形を妨げるので、必ず取り外してやりましょう。また、引き込まれた首がウエストのドラムと噛み合っているので、頭が下がったままではロックがかかった状態になっています。ウエストを変形させる前に、頭を必ず引き上げてやりましょう。
組立時間は55分でした。ポリキャップは使用されておらず、ABS関節だからこそ再現出来た機体と言って良いでしょうね。と言うより、ABS関節のノウハウが出来上がっていたから、ここまでスリムなデザインにOKが出たんでしょうか。これならF91やVガンダムも、いずれHGUCで発売してもらえるんじゃないかとか、そんな期待もふくらみますね。 おまけ |