健さんの
プラモコラム


その225
 1/100 ガンダムエクシアの巻

(1/100 ガンダムエクシア/
 GN−001 ガンダムエクシア/バンダイ
 「機動戦士ガンダム00」に登場)



 ハイペースで新キットが続々発売中のダブルオーシリーズに、1/100スケールが登場であります。今回はアニメ用設定画ではなく、エクシアのメカデザイナー、海老川兼武氏のアレンジ画稿を元にしたディテールが盛り込まれたキットとなっています。では早速、解説行動を開始しましょう。



HGエクシアと同様、クリアーパーツ下に貼り込むシールが付属しますが、今回は側頭部にのみ貼って撮影しています。

 頭部は、やはりフェイスパーツを左右分割のヘルメットでハサミ込む構成ですが、今回はさらに側頭部のリングも別パーツ化されています。は側頭部のリングと一体成形。HG同様、クリアーパーツの下には、あらかじめシールを貼る様になっていて、これは他の箇所でも共通です。耳の裏側は「肉抜きしてある」と言うより「フチを補強してある」と言うべきでしょうか。カメラの中央をパーティングラインが通っているのは残念ですね。うなじカバーと同じ様に、カメラの端で割って欲しかった所です。



 顔つきは、HGよりも優しく感じますね。HGではマスクとヒサシがほとんどくっついていて、目つきがキツい感じでしたからね。1/100はHGよりもマスクが奥まった感じで、マスクとほほガードの間にも余裕が有ります。この辺りが違った印象を与えるんじゃないでしょうか。

 は、ボールジョイント&前後可動の二重関節。首の太さはHGとほぼ同じ(ボールジョイントの直径は同じですからね)な上、後頭部の干渉に留意してあり、エリのアンテナは角度を垂直に近づけて間隔を広めに配置するなど、首がとても動かしやすく設計されています。HGの首も良く回りますが、より楽に回せるという事ですね。上方向にはHGより大きく動かす事が出来、別パーツ化されたエリ内部パーツで外観上のスキも有りません。エリの内側まで丸みを持たせなくても良かった気もしますけれども。



 ボディは、胸両脇の可動部を前後分割のフレームでハサミ込み、外装を取り付けていく構成。この時、ボディ側面に合成ゴム製のケーブルパーツをハサミ込んでやります。今回は上腕だけでなく、全身のケーブルも単独パーツ化してあるんですね。エリのアンテナは、今回も折り畳みを再現してあるんですが、スリットの中に完全には収納されません。引き出しやすい様にという配慮なのかも知れませんね。

 GNドライブ(太陽炉)のクリアーパーツは、HGでは丸でしたが、今回はハッチと噛み合う形にカットされたパーツとなっています。劇中のハッチ開閉シーンでも切り欠いてあるので、忠実なモデルでは有るんですが、フチにパーツの厚みが見えてしまうとか、水中シーンが多いのに機密性が悪そうに見えてしまうとか、気になってしまう部分ですね。設定段階から、円とか球のパーツは、なるべく切れ込みを入れない方が強度が有りそうで良かったのでは?なんて事も思ったりします。何より切れ込みが有ると流用バーツとして使い勝手が・・・(結局そこか!)



 胸両脇のユニットは、2軸可動する肩関節軸を上下からハサミ込む様に取り付けてあります。下半分は設定通りメカ色に色分け。胸のダクトは、フィンだけでなくクボミの内側の黄色まで再現しようとしつつ、ついでに破損しにくい形にアレンジを加える意図が有ったのかどうか、設定とはずいぶんイメージの異なる物になっています。説明書に収録されたマンガ形式の作り方ガイドを見ても、低年齢層を意識したスケールである事は分かりますが、さりげなく(余りパーツのフリをして、とか)設定通りのフィンも付属させて有ったら嬉しかったかな?なんて思います。



 ダクトユニット自体、丸みを帯びていて設定とは違う雰囲気ですね。アレンジ画稿のラインは航空機に使われていそうな曲線ですが、キットでは面取りを大きく取ってあるためか、アレンジ画稿とも異なる印象になっていて惜しいと思います。

 ウエストは、回転の他に左右スイングも可能。腰との境目にはメカ色のスペーサーをかましてあり、体をスイングしたスキマからチラリと見える様になっています。スペーサーの下面は平らではなく、フンドシと噛み合う様な形で股関節球体とのスキマを埋めてくれているので直立時の見映えは良いんですが、左右にヒネれる角度が左右各30度程度に限定されてしまいます。腰をもっとヒネらせたい人は、段差を削り落とすか、大きなポーズを付ける時だけ引き出してやると良いでしょう。



 です。フロントスカートは左右独立して可動。リアスカートは固定式です。腰後部のGNダガー用のラックは、HGUCのフロントスカートの様に一体成形され、左右一緒に上下可動。切り離す事も可能です。さらに、HGでは出来なかった横への折れ曲がり可動も再現、GNダガー取り出しシーンを再現出来ます。色分けに関しては、フンドシ後部のセンサー(?)が別パーツ化され、HGよりも充実しています。



写真ではGNダガー用ラックを左右切り離して独立可動させています。キットのままでは左右一緒に動きますのでご注意下さい。

 股関節軸は、大型モデルの過重に配慮したのかHGの様なスイング可動は無くなり、「カカト落とし」の様な極端に足を高く上げたポーズは取れません。もっともカカト落としが決め技な訳でもないですし、通常のポーズを取るのに必要な可動範囲は確保されてると思います。股関節軸をスイングさせるスペースを確保する必要が無いためか、HGよりも腰前後幅が引き締まっている様な気もしますね。



HGほど脚が上がらないと言っても、あくまで正面方向の話。フロントスカートと無関係な横方向へは良く上がるので、上手く活かしてポーズをつけましょう。カカト落としは無理でもハイキックはご覧の通り。立てヒザポーズも、脚を開き気味にしてやればOKです。

 です。股関節は、球体内部にポリキャップを仕込んで2軸可動、モモと球体との間でヒネリ可動する構成になりました。モモ前面の水色部分はケーブルという設定で、ゴムパーツをハサミ込んで再現しています。キットのモモは左右分割ですが、海老川兼武氏のアレンジ画稿では前後分割の様で、パネルラインには噛み合わせが入っていますね。MGの様に装甲がスライドする事は想定されていないという事でしょうか?(スライドしなくても動きやすいデザインにはなっていますよね。)

 ヒザ関節は、ハサミ込み式の二重関節。と言ってもモモ下端の丸と、ヒザの丸の部分で曲がるので、いつもの二重関節とはちょっと違いますが。ヒザアーマーは、HGでは真ん中で横幅が最大になる様なふくらみが有りましたが、今回は前面の幅がほぼ一定している造形。ちょっぴりガンダムセンチネルのネロを連想しました。



 スネは、左右貼り合せのフレームに前後から装甲を取り付ける構成。側面のスキマから露出するフレームは色分けされ、前後のディテールもシャープです。前面のスリットにはゴム製のケーブルが通りますが、後ハメ可能となっています。それにしても、ヒザのドラムは大きいですね。1/60ではどんな大きさになってるか、今から楽しみです。

 足首アーマーは、足首関節パーツのC字形の軸受けにハメ込む取り付けで可動します。スネケーブル下端のグレー部分がヒンジじゃないのかな?と思いますが(HGではそうです)、キットでは関節パーツを動かすと足首アーマーとスネアーマーが離れ、スキマが開いていきます。防御力の点でこれは不自然だと思うんですが。足の甲ではなく、関節を守るアーマーでしょうからね。また、ハメ込みを前面から行うため、開いたスキマからプラモっぽいヒンジが丸見えになります。下からハメる様になっていれば目立たなかったでしょうね。白い軸をグレーに塗ってやれば、目立ちにくくなると思います。



 後部足首アーマーは、コの字形に一体成形されていて、スネ下端にハメ込みます。可動式になり、パーティングラインも無くなったのは嬉しいんですが、成形方向の都合から、横のモールドやコーナーのクボミはHGの方がシャープですね。

 足首関節は、上が2軸可動、下がボールジョイントの二重関節。足首は、ツマ先が伸ばす方にも上げる方にも可動。ただし、可動のクリアランスを確保するためクルブシ下でクツを割ってあります。ここは設定では密着してるんですが、ツマ先を伸ばす方向の可動をあきらめるなら、スキマを作らなくても良かったかも知れません。せっかくですので可動を楽しむのが吉でしょうか。足裏は別パーツ化され、HGの様な肉抜きを設けず再現してあります。



 肩アーマーは、仕切り板をハサミ込んでの前後貼り合せ。仕切り板のヒンジで上下可動しますが、ケーブルの長さが限られているので、ある程度以上は上がらない様に設計されています。ケーブルの先端は止め具に通し、後ハメ出来る様になっていて親切ですね。上面は、HGには有ったクボミが無くなっているんですが、ポーズ集やプロモーション映像を見てもクボミは無く、付け忘れた訳ではない様です。HGは「初期稿」の様な物を参考にしていたんでしょうか?

 です。上腕はケーブルパーツをハサミ込んでの前後貼り合せ。ヒジのすぐ上で分割され、ここでヒネる様になっています。このケーブル、この分割ラインを使って、上腕の下側からハメ込む様に出来ませんかね?MGが発売されるならば、検討してみて欲しいと思います。



このキットには飾り台は付属しません。別売のバンダイアクションベースを使用しています。

 ヒジは、ABS製の二重関節。HGでも関節にディテールが追加されていましたが、このキットと同じ機構を想定したディテールだった様ですね。関節下側はそのまま、ハードポイントを含む前腕フレームパーツになっています。

 前腕は、フレームパーツを左右からハサミ込む組立て。後面のケーブルも同時にハサミ込んでやります。ここでも惜しいのはヒジ横のレンズ(?)です。GNバルカンが一段引っ込んだ配置になってるとか、実にそれらしい造形になってると思うんですが、レンズ表面よりもバルカンが引っ込んでいて、切り欠きの断面が丸見えというのは良ろしくないと思いますよ。美しさや強度も気になりますし、もし光学的な意味があるならばですが、こういう変化部分で光が屈折しそうな気がします。欠けてないレンズよりも機能的に劣る気がして、しっくりこないですね。



 手首は、左右の握り手と、左の平手が付属します。ゲンコツはハメ込みが頑丈で分解に手間取るほどですが、分解しなくても持たせられる武器ばかりなので、気軽に持ち替えさせる事が出来ます。平手は手の平のディテールがHGよりも凝っていますが、親指の関節部分については、HGの方が凝った形をしています。似ていてもデータは使いまわしていないみたいですね。

 バックパックは、円錐を途中で分割し、継ぎ目にクリアーパーツを仕込んであります。ここも内側にシールを貼っておく様になっていますね。前々からロケットの指令船に似てると思ってましたが、クリアーパーツが窓みたいで、ますます疑惑が深まりました。謎の推進装置はムーンレイスの科学技術に違いありません。



 武装です。GNソードはライフルモードへの変形を再現。刃も含めて各部にディテールが追加され、間延びしないデザインにアレンジされています。重量に負けずに、畳んだ刃をしっかり保持できる様、モールドを利用したラチェットが仕込んであり、閉じた瞬間にカチッという手ごたえが有るのが何とも快感。塗膜が擦れるのはちょっと心配ですが。ライフルの先端は左右分割ですが、銃口内部だけは中心を避けてパーティングラインを通してあります。

 GNブレイドは、ロング・ショートの2種が付属。刃の部分は2パーツ貼り合せで、グリップの上の青い部分とグレーの部分を色分けしてあります。HGでは腰のアダプターにハサミ込んでいましたが、今回はグレー部分にが開けてあり、アダプター側の突起を差し込んで固定。より確実に保持される様になりました。



 GNブレイド用のアダプターは、股関節球体側面のフタパーツを一旦取り外して装着、外側にフタパーツを取り付けてやります。脚をヒネっても球体の向きは一定しているため、GNブレイドは常に真後ろを向きます。また、ミゾと板でハメ込んであるためアダプターは回転せず、脚を上げればGNブレイドが下がるというのが厄介な点ですね。尻もちを突いたら地面に剣が刺さってしまいそうです。



 GNビームサーベルは2本付属。肩から取り外して持たせる事が可能です。HGにはクリアーのビーム刃が付属しませんでしたが、今回は2本付属。グリップは厚みが増したため、2パーツ貼り合せとなっています。



 GNビームダガーも2本付属。ビーム刃も2本付属します。グリップはサーベルと同等の物。GNブレイドも含め、6本のグリップがスライド金型のランナー上にズラリと並ぶ様は、なかなか壮観ですよ。ところで刹那は、ダガーを投げて突き刺す戦法を得意としていますが、他の勢力が実用化に成功していない最新鋭装備を投げ、戦場に残して帰るというのはどうなんでしょうね?まさか、エンジンやタンク等、必ず大爆発を起こす場所ばかりを狙ってダガーも破壊し、機密を守っているのでは・・・ガクガクブルブル・・・。



 GNシールドは、グレーの裏面パーツに表面パーツを貼り付けていく構成。HGでは色分けされなかった中央部分も白で成形され、左右の青パーツとのスキマにもモールドが入っていて精密感もバッチリ。スキマが有るのに防御力は大丈夫かな?なんて気になりますが、未来の科学なんできっと大丈夫なのであります。アダプターの回転部分にはポリキャップを内蔵。腕のハードポイントに接続します。



 キットに飾り台は付属しませんが、フンドシ下にY字形のジョイントパーツを接続すれば、別売のアクションベースが利用可能となっています。



 組立時間は2時間弱でした。MGでない1/100キットにアレンジを加えた例は過去にもありますが、それはあくまでMG化されない可能性の強いライバル機等でした。今回、いきなり主役機がアレンジを加えて発売された事で、MGの在り方がどうなっていくのか興味がありますね。

 さらに大胆なアレンジを加えた物になるのか、逆にMGの方が設定に近い形状のままギミックだけを追求した物になるのか、すぐにはMGを発売しない方針が決まり、最初からMGっぽい1/100を発売する事になったのか、それとも真の主役は他にいるのか(ええー?!)。



HGエクシアとの比較・・・ではなく、ウエストの軸径が同じなのでミックスしてみました。

 そう言えば刹那くん、思いつめた様な表情で「俺がガンダムだ」なんて言ってましたが、なにか焦りでも有るんでしょうか。「俺が・・・一番ガンダムなんだ。・・・一番ガンダムなんだ!!」なんて独房で叫ぶ日が来ない事を祈るばかりです。(笑)

 特に深い意味はなく、これからの1/100は全部この方針で行くというなら、それも面白いかも知れません。ダブルオーは敵MSもカッコ良いですし、さらにディテールが緻密になったティエレンとかフラッグとか、ぜひ1/100で見てみたいですね。


 おまけ


 新製品でもないんですけど、最近ゾイドのカスタムブロックスに手を出してみました。買い物がガンプラ中心になってしまって、しばらくゾイドからは遠ざかってましたが、これは値段もサイズも手頃で、なかなか楽しいですよ。



 テントウムシ型のデッドバスター。背中のパーツを分離、他のゾイドのパワーアップパーツ「デッドランチャー」としても運用可能。



 ヨウチュウ型のガーニナル。ネーミングの由来は「蛾になる」でしょうか?複座タイプで、フィギュアは2体付いています。ボディから砲身が展開し「ガーニナキャノン」に変形。



 スズメガ型のスピアウイング。翼が変化して「スタンニードル」になります。



 コオロギ型のメタルホッパー。頭と手足をもいで(ギャーッ!)推進ユニット「メタルブースト」に変化。ボディ後部のフィンが一枚一枚可動するスグレモノ。

この他、クモ型のハルパース、アシナガバチ型のキラービーが発売されています。



 小さいイメージが有りますが、同スケール(1/72)の戦車と並べるとこんな感じ。武器無しでも組み付いて勝ってしまいそうですね。



 いずれもキューブ型のブロック1個を中心にパーツを接続する仕様。キツ過ぎずユル過ぎずのハメ込みキツさで、ストレス無く組み換えを楽しめます。パーツはランナーから切り離された状態で入っていて、「もぎ取れる」の上を行く親切さ。ゴミが出ないのも良いですね。また、ランナー面積の影響を受けず、袋詰めしたパーツが最も安定するキューブ型のパッケージは、ブロックスを象徴する形でもあり、実に良い商品スタイルだと思いますね。

 これ、もっとたくさん発売して欲しいですね。出来ればアタックゾイドの再発売もよろしく。コマンドゾイドとしてカプセル自販機で再発売されましたけど、ゾイドにはサイクルの長い売り方が似合ってると思いますし。

2007.11.22 健 竹史

  

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