健さんの
プラモコラム


その220
 1/20 ブルーティッシュドッグの巻

(1/20 ブルーティッシュドッグ/
 ATM−09−GC ブルーティッシュドッグ/バンダイ
 「装甲騎兵ボトムズ」に登場)



 時々「読んだら欲しくなりました」という感想を寄せて頂く事があるんですが、先に発売された1/20スコープドッグの回は、特にご好評頂けたようです。実際に買われた方や、買いに行ったらどこも品切れで残念だったという方からお話を伺うと、「ガンプラだけでも手一杯だけど、紹介して良かったな」と嬉しくなりますね。今後とも「煽る、売れる、いつかMGターンエックスが出る」を合言葉に頑張って参りますので、どうぞよろしく〜。



 そんな訳で、後がつかえてる状態ではありますが、スコープドッグのバリエーション、ブルーティッシュドッグも紹介せずにはいられないのであります。今回は新規部分を中心に紹介していきますが、前回紹介しきれなかった内部ディテールの写真も添えておきますね。共通部分については「その215 1/20スコープドッグの巻」を参照下さい。



 右腕は、前腕をガトリングガンに換装してあります。外装は筒状にワンパーツ成形。内側には2パーツ貼り合せの内部メカが詰まっています。ボルトパーツの本数に余裕があるので、内部メカにまでボルトを打ち込む箇所が用意されています。



 ガトリングの砲身は1本ずつパーツ化されていて、全部で7本取り付けます。数本ずつ束ねて成形してあると組立は簡単になるんでしょうけども、破損状態や分解修理のディオラマを楽しみたい人に向けたパーツ構成が1/20ボトムズシリーズの特徴ですからね。砲口の内側にもディテールが入っているので、向きを間違えない様に取り付けます。



 ガトリングの砲身は、ポリキャップで回転可能。モーターで回る訳でもないし、固定でも良いのでは・・・とも思ったんですが、コマ撮りして楽しむなんて遊びにも対応できますね。マガジンは着脱式。内部に向けて給弾中のまで再現されています。

 ガトリングガンの側面にはアイアンクローを装備。大きな方のツメは可動式で、根元のシリンダーも連動します。つい忘れそうになりますが、前腕の中にはガトリングだけでなく、クローの可動のための機構も内蔵されてるハズなんですよね。ツメは、先端のシャープさが半端じゃありません。小さい方のツメは固定式ですが、外れやすいので紛失しない様に注意しましょう。



 ヒジ関節は、グレーのメカパーツはスコープドッグの関節と共通です。円柱状の前腕とメカパーツの間の軸受けパーツは、2パーツ貼り合せ式。ハメ込みピンで外観を損ねない様、薄い底面をギザギザに分割して噛み合わせ、ピンの代わりとしてあります。ヒジ関節軸はピンだけを単独パーツ化。軸部分だけにABSを使い、外装部分を通常プラで成形する狙いだろうと思いますが、結果として軸を抜かずに分解出来る様になっているのも嬉しいですね。

 ちなみに右手首や右前腕のパーツは、スコープドッグ発売の時から除外可能にしてあり、パーツが余らない様になっています。



 足首には、通常のグライディングホイールに加えて、カカトに補助ローラーユニットを追加装備。ローラーはハサミ込み式で、足首外装は新規パーツとなっています。ノーマルのスコープドッグ用足首パーツは除外されていますが、なぜか足裏パーツは除外されていません。カカトが寸詰まりになった新規の足裏パーツが付属し、従来の足裏は余りパーツとなっています。

 補助ローラーユニットが装備されたため、これに干渉する足首後部アーマーは取り付けません。キットでは除外されず、余りパーツとなっています。スネ後部には、このアーマーをハサミ込むための切れ込みが有るわけですが、ここを塞ぐスペーサーパーツが用意されています。アーマーと同じヒンジピンでハメ込むため、動いてしまうのはご愛嬌。実機の交換パーツ調達の都合を考えても、スネアーマー自体を新規パーツにしなかったのは正解だと思います。



 PRSPパックは、ポリマーリンゲル液(PR液)の劣化を抑える、活動時間延長のための増加装備。時間延長というよりは、高性能化の犠牲になった活動時間を、この装備で取り戻している感じですね。これが無いと、毎週キリコを絶体絶命の危機に追い詰めながら「血液交換の時間だ」とか言って基地に帰らなくてはいけなくなるのです。(ジジリウムシャワーが欠かせないフィアナは、十分そんなキャラクターでしたけどね。)



 PRSPパックは、表・裏・左・右の4パーツを貼り合せてあり、文字通り箱組みといった感じ。裏面ディテールはAT本体の背面ディテールに対応していて説得力が有りますし、ボルトパーツを打ち込む演出も有ります。

 左側面には予備のマガジンを取り出す穴があり、ガトリングガンのマガジンを外して差し込む事が可能。今回も予備のマガジン自体は付属しておらず、少々残念です。



 穴の奥行きは浅めに設計してあり、マガジンが奥まで入って取れなくなる様なトラブルは起きません。あくまで収納ではなく、取り出しシーンを再現するためのギミックとなっています。実機ではバックパックの左下のボックスが、まるごと着脱可能なユニットになってるんじゃないかと思います。表面にはロック機構の様な物も有りますし。

 ところで背中のフックへの接続ですが、「差し込んで下ろしてロックされる」のだとばかり思ってましたが、キットでは「まっすぐ差し込むだけ」という仕組みでした。フックの横幅のキツさで保持しているんですね。軽い装備なので問題ありませんが、横からハメてあるPRSPパックの側面プレートのハメ込みキツさに頼った仕組みは、あまり良い方法では無かったと思います。



 もっともこれは、パラシュートザックラウンドムーバーより軽い装備なので問題無いという、今回限りの判断の可能性も有りますね。と言うのも、差し込んで下ろす方式ではパック裏のスリットが縦に長くなり、着脱ユニットらしい予備マガジンボックスにまでスリットが掛かってしまいそうだからです。パックの内部でロックピンが作動していると解釈すれば間違っているとは言えず、設定の整合性を優先した判断と言う事になるでしょう。



 もちろん今後登場するハズの大型装備が保持出来なくては困るので、今後は差し込んで下ろす方式を採用するか、あるいはキツさで保持可能な事が既に確認してある事を期待したいと思います。



 おまけに、座りポーズと立ちポーズのフィアナのフィギュアが付属します。座りポーズの物はキリコと同様、ゲンコツがコントロールスティックと一体成形。バイザーにはクリアーパーツが使われていますが、顔の再現も無いのに中が透けて見える事もあって、無塗装ではロボットの様な印象。キリコもそうですが、バイザーを省略した素顔パーツとの選択式だと嬉しかったですね。ヘルメットのアゴは、もう少し柔らかいラインになってると良かったかも知れません。キットでは省略されていますが、首の後ろにはチューブが2本通っているという設定です。首の可動に影響あるかも知れませんが、こだわりたい人は再現してみるのも良いでしょう。



 立ちポーズの物は、髪の毛を別パーツ化。ケロロ軍曹のヘルメット(?)みたいに、縦方向にワンパーツ成形されています。ストレートヘアだからと言っても、思い切ったパーツ構成ですね。仁王立ちは良いとしても、にはもう少し表情を付けてあった方が自然に見えて良かったかな?せっかく首が可動しても、あまりにポーズが硬くては意味が無いと思いますし。

 スコープドッグの物と同じ内容ではありますが、ボルトパーツと組み付け用の工具にも改めて触れておきましょう。スコープドッグはメタルスペックバージョンの方を組んだので、プラ製のボルトパーツを使うのは今回が初めてだったんですよ。



 ボルトはランナーから切り出してから工具にセットするのではなく、ランナーに付いた状態で工具で掴んでおいてから切り出します。これで紛失の心配が激減する訳ですね。メタルスペックバージョンの金属製ボルトも工具にセットしてから組み付ける様に指定されてはいますが、こっちは主目的ではなく、指でつまんで組み付ける方が簡単でした。(ボルトの向きを揃えたいなら使うべきでしょうか?)プラ製ボルトを扱って、初めて工具の便利さを実感できました。



 ボルトパーツはランナーに何列も配置されていますが、ランナーのワクは一列ずつ折ってバラバラにする事が出来ます。こうするとワクが邪魔にならず、工具でボルトを掴むのがとても楽になりますよ。



 また、余ったボルトパーツは1.5mmの穴をピンバイスで開けて、好きな所に取り付ける事が出来ます。このキットを改造したり増加パーツを自作した場合も、共通のボルトでデコレートすれば統一感が高まりそうです。もちろん、全く別のキットに流用しても良いですね。ランナーのタグには「ボルト1」とだけ書かれています。要望が高ければアフターパーツとして単品発売しても良いと思います。



 ところでこのキットを見ていると、1/1スコープドッグ(ブルーティッシュカスタム)を再現したくなるのはボクだけでしょうか?足はカカトに補助ローラーの無い通常タイプで、左腕にガトリング装備という仕様だったでしょうか?「各自で再現すれば良いじゃないか」という事も言えますが、あれは「アニメを再現した模型」であると同時に、「実在するAT」でも有りますし、独自の魅力も感じさせますよね。可能ならキットとしての発売をお願いしたいと思います。



 スコープドッグブルーティッシュドッグのランナーから必要なパーツをセレクトして、ガトリングやクローの形状など特徴的な部分だけでも新規パーツをセット、説明書には実物の解説とサビ塗装の再現方法を載せるんですよ。(フィギュアは付けないか、あるいは高橋監督を希望!)単なるバリエーション展開としてでなく、模型の楽しさを提供するメーカーとして、模型そのものをキットの題材にするのも悪くないと思います。どんなもんでしょうか?



 おまけ




 タカラトミーのCAUL トヨタ・プリウスを買ってみました。「CAUL」はこのシリーズの名前で「CAR ACTION UNIT’S LINE」の略。赤外線コントローラーで走らせて遊べます。車種はいくつか発売されていますが、プリウスの場合で約12センチ、1/38程度だそうです。このボリュームで600円というのは、かなりお得じゃないかと思います。



 メカニック部分は組み立て済み。たぶん各車共通なんでしょう。これにタイヤを組み付け、ボディを被せ、ライトやエンブレム等のシールを貼るだけで完成します。電池は単四乾電池を本体に2本、コントローラーに2本使用。前進後退、左右のハンドル操作が可能です。室内の再現は有りませんが、窓にはスモークがかかっていて丸見えになる事はありません。赤外線の信号を受信しやすい様にクリアースモークにしてあるのだろうと思います。



 バンド(と言うより信号の種類ですかね)にはA.B2つのタイプがあり(どうやらコントローラーの赤・青で区別)、異なっていれば2台同時走行が可能。まぁボクの頭の中はレースをさせようとかではなく、他のプラモに組み込んで走らせる事が出来るか?という事ばかり考えてる訳ですが(笑)。チョロQよりも大きくて従来品よりもコンパクトなのが無いかなー?と、ずっと思ってたんですよね。


2007.9.30 健 竹史


  

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