健さんの
プラモコラム


その208
 HGUC
 ブルーディスティニー2号機
の巻

(HGUC 1/144 ブルーディスティニー2号機/
 RX−79BD−2 ブルーディスティニー2号機/バンダイ
 ゲーム「機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY」に登場)



 最近盛んなゲーム登場機体のキット化ですが、今度は「THE BLUE DESTINY」から、ブルーディスティニー2号機の登場です。いやー、懐かしいですね。今ではすっかり遠のいてしまいましたが、こんなボクでもゲームをやってた時期は有るんですよ。「バイオハザード3」くらいまでですね。このゲームは残念ながらクリアー出来ず・・・って言うか1作目の半分弱までしか進めなかった記憶が有りますが。

 ボクの様に下手な者としては、ゲームをメディアとして位置づけられるのは少々ツライ物がありますね。クリアー出来ないとストーリーを堪能できない訳で。ついでに言えば、今でもこのゲーム、手に入ったりプレイ出来たりするんでしょうか?アニメ作品をいつまでも見る事が出来る様に、過去のゲームも末永くプレイ出来るといいんですけどね。年表の一端を担うメディアならば。では、そろそろ本題に移りましょう。



 頭部です。マスクは前後分割のヘルメットと一体成形。目と一体のアゴを、内側から取り付ける構成です。オデコは別パーツになっているので、組立て後に目を塗装したい時にも邪魔になりません。はムキ出しのポリパーツで、上側でボール可動、根元で前後可動します。今回のポリパーツは、メカ部の色に合わせて黒で成形されています。

 ボディは、ウエスト・首・肩関節をハサミ込んでの前後貼り合わせ。ハッチバルカンは表から取り付けます。HG(HGUCではなく)陸戦ジムEz−8では簡易的にコクピット内部を再現してありましたが、今回は再現されていません。キットは二重ハッチの様にも見えますけどね(笑)。肩関節は、胸板上面ごと前後上下に大きく可動します。



 です。フロントスカートは左右一体で可動。軸の中央を切り取るとボール可動になってくれるタイプです。サイドスカートは2軸可動。着脱可能なマガジンがマウントされていますが、このマガジンが適合するマシンガンは付属しません。リアスカートは固定式となっています。股関節は、フンドシの下半分まるごとスイング可能。フタパーツを取り外せば、SEEDデスティニーシリーズ等の飾り台を使ってディスプレイ可能です。

 です。ABS製のヒザ関節は、先に組んでおいてから、モモとスネにハサミ込みます。モモは最近のMG同様、パネルラインに見える様に前後分割。スネも前後分割ですが、フクラハギ左右のユニットは別パーツになっていて、横から取り付けます。スネ後部は、スソの中からスラスターがのぞいているデザインですが、しっかり別パーツ化してあります。



 スネ横のサーベルホルダーは、フタの開閉を差し替え式で再現。フタパーツ下端の形状を利用しているので見苦しさが有りません。内側にはサーベルを固定可能。裏側上端のスキマもパーツで塞いであり、好感が持てます。



 足首アーマーは、正面の六角モールドを避けて左右分割。クルブシに接続してありますが、イメージ的には、Ez−8の様にスネ前面に連なるラインを狙っている様です。ポーズの都合がつく限りは、スネの下端に密着させてやると良いでしょう。足をハの字に開く場合も、なるべく股関節ごと開かせて、足首だけでヒネらなければ、イメージに近くなると思います。

 足首は、左右貼り合わせのメカ部にカカトとツマ先を取り付ける構成。ツマ先は上に向けてのみ可動します。足首アーマーに隠れていますが、足の甲にはモールドでシリンダーを表現。足裏は、ほぼ全面が均一に張り出しているデザインですが、これは凸凹によるスベリ止めではなく、ゴムパットの様な解釈なんでしょうか?ちょっと面白いと思いました。



 足首関節は、メカ部分が高い位置まで詰まっているデザインのため、左右スイングが苦手です。やはりこのキットには、足首ではなく股関節でヒネるポージングが適しているのかも。ボールジョイントだけでなく、その軸が左右スイングする機構を仕込んで、二重関節にしてあっても良かったかも知れませんね。

 肩アーマーは、肩ブロックをハサミ込んでの前後貼り合わせ。横に張り出したアーマーも、この時一緒にハサミ込んでやります。上面の接着ラインは、フックを成形する都合で通してある金型パーティングラインと前後対象の配置なので気にならないんですが、本当は消してやるべきなんでしょうか?



 肩アーマーはニムバスに強奪された後は赤く塗り直されたそうですが、キットでは青で成形されています。ここはサービスで、赤と青、2セット分の肩アーマーを付属させて欲しかったですね。世の中には、特にロボット好きな人の中には、「肩が赤い」と聞いただけでサイフのヒモが緩んでしまう人が少なからず居るものです(笑)。どちらか1色と言われれば、無塗装で機体ナンバーのシールを貼れるように、メーカーとしても青を選択するしかなかったんでしょうね。

 です。上腕は筒状にワンパーツ成形。肩のコブは、上腕の回転を妨げない様に、スキを設けて造形してあります。ヒジは、ABSパーツを組み込んだ二重関節。設定では全体が白のため、青いABSパーツの前後に貼るシールが用意されています。前腕は、両腕にハードポイントを装備。ハードポイント内部の軸受けは、スライド金型を使ってヒジ関節パーツの横から穴を開けたもの。HGUCヘイズル改等でも使われたアイデアですね。



 手首は、左右のリアルなゲンコツと、ライフル用の右手首が付属します。リアルな出来栄えも、右手の甲が1つしか付属しない事も含めて、HGUCスタンダード(笑)に準じた物となっています。

 バックパックは、地上用のバックパックの上に宇宙用のバックパックを重ねてあり、完成後も着脱が可能。地上用バックパックも取り外し可能となっていて、背中の取付け面も再現されています。宇宙用バックパックの四隅には小さな丸バーニアが配置されていますが、抜け止めが付いていて、完成後に外れて紛失しない親切設計。塗装が済むまでハサミ込みたくないという人は、抜け止めを切り落として接着すればOKです。



 武装です。ビームライフルは、青と黒の2色で成形。銃口はスライド金型を使って成形、スコープはセンサーの表面を避けてパーツ分割してあります。フォアグリップは可動式。ヒジ・肩・手首とも良く動くので、両手持ちも楽に決まります。

 ビームサーベルは、左右のフクラハギに1本ずつ、計2本を装備。MGで良く見られる様なミゾが有り、サーベルホルダー内に固定する時はこのミゾを利用します。クリアーのビーム刃が2本付属。設定は詳しく知らないんですが、コミックスでは1号機のフロントスカートのポケットに2本並んで入っている様にも見えます。キットのフロントスカートは設定よりも短めで、予備の小さなサーベルも入りそうに有りませんが。



 シ−ルドは、ジムクゥエル等と同じ物を装備。グリップはモールド再現による可動しないタイプとなっています。アダプターを介して、腕のハードポイントに接続します。

 組立時間は1時間10分でした。やや小顔な印象も有りますが、ヘルメット横に張り出しの有る陸戦型ガンダム等と並べる事を考えて、この位が丁度良いとい判断されたのかも知れません。昔のキットと違って、肩がせり上がった時に圧迫感を感じさせてもいけませんからね。取れるポーズから逆算してプロポーションを決めるなんて事も、可動が進化するほど必要になってくると思います。



 今後の展開ですが、頭部、ヒジ関節側面、スネ側面スラスター、宇宙用バックパック、シールド、ビームライフル等が除外可能。Aランナーは切り替えだらけで迷路の様になってますし、多色成形ランナーが2枚含まれていたりと、ひと通りのバリエーションは期待出来そうです。1号機、3号機だけでなく、発売が決定しているHGUC陸戦ガンダムも、このキットとパーツを共用してるんでしょうね。



 と言うより、当時は「どうして発売しないんだろう?」と思ってたもんですが、あとひと息の勢いが必要だったのかなー。ガンダムXが3クールで終了する等、エヴァブームに押されてた真っ最中でしたからね。「買うのが一番の応援」なんて事を、エヴァの新作映画の情報なんかを見ながら思うのであります。


 おまけ

 キットが発売されたこの機会に、「THE BLUE DESTINY」の小説とコミックを買ってみました。

 小説は、本文の下に設定解説の欄を設けてある親切な構成。ガンダム全般に詳しくない人、細かい所まで覚えていない人にも読みやすくなっていると思います。本文中で長々と解説する必要も生じないので流れを妨げず、詳しく知ってるファンにも有り難い事だと思います。巻末には宇宙世紀0100年までの年表を収録、さらに「ミナカ・ユンカース講演録」と題して、アナハイムの支社で行われた講演といった形でガンダム世界の歴史を解説。これも他のガンダム作品を良く知らない人のためのフォローですね。オマケと言っては失礼な程の読み応えがあり、本文より先にここを読んでしまいました。

 この小説を書かれた皆川ゆかさんは、あの「機動戦士ガンダム公式百科事典」を書かれた人なんですね。どおりで講演録も細部の描写も、説得力がある訳ですよ。(「ミナカ・ユンカース」って、ご自身のお名前のもじりじゃないですか!)解説が福井晴敏さんというのも、ちょっとトクした気分。まだ読み始めたばかりですが、ちょっぴり「逆シャア」なんかとも絡めてあって、冒頭から興味をそそられます。続きを楽しみに読み進めたいと思います。

 コミック版は高山瑞穂さんの作。ゲームの第二部までに相当する様ですね。キット製作の前にビジュアルイメージをつかんでおきたい人にはオススメですね。・・・って言うか、ゲームを引っ張り出してきてプレイしても静止画像にしたり、繰り返し見たり、見たい場面をすぐ見たりというのには不向きですから、良く出来たコミック作品というのは有り難いです。今からでも続きを描いて欲しいと思うんですが、どうでしょう?

2007.4.23 健 竹史




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