健さんの
プラモコラム

その202
 MG Hi−νガンダムの巻

( MG 1/100 Hi−νガンダム/
 RX−93−ν2 Hi−νガンダム
 小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン」に登場)



 あのHi−νガンダムが、MGに登場です。公式設定かどうかなんて事は、ボクはあまり気にしてなかったんですが、そう言えば設定資料集に載ってませんでしたね。小説とアニメの違いという点からしても、シャア専用リックドムだって発売されてますし、コアブースターGアーマーはどちらも公式だし。それでも今後の展開に弾みがつくなら、「あえて公式化しよう」という今回の動きは、ガンプラファンとしても喜ばしい「事件」と言えそうですね。てな事を思いつつ、キットに目を通していきましょう。

 頭部は、目とメインカメラをクリアーパーツで再現。クマドリアゴが別色のため、クマドリは単独パーツ化されています。ヘルメットは前後分割ですが、分割ラインはパネルラインという扱いにはなっていません。チョンマゲは単独パーツで、上からセットします。オデコのセンサーには機体ナンバーとアナハイム社のロゴが、レーザー加工と思われる細かい字で刻印してあります。



 ボディです。首はボールジョイント+根元で前後可動の二重関節。特に上を仰ぐ方向に大きく動くのは、MGνガンダムのギミックを意識した物でしょう。コクピットはパネルやペダルまで再現。ハッチの開閉はエリがまるごと起き上がる仕組みのため、内部フレームがチラリと見える見せ場にはなっていますが、肝心のコクピットは足元にか見えません。コクピット下に背中を反らせるギミックが仕込んである都合もあって、球形コクピットらしい表現にはなっていません。普段は背中がファンネルの重みで反らない様、背中中央にディテールに模したストッパーが仕込んであります。

 外装は、青と白の色の境い目でパーツ分割。これはパネルラインなのか迷彩塗装なのか迷う所ですが、説明書の図解では、青の部分だけ外装を外した分解図が描かれています。外装パーツの取り付けは、内部フレームの放熱板をハメ込み板に利用し、余計なピンを極力配置せずに上手く処理してあります。肩関節軸は二軸可動。上へのスイングは、胸の上面パーツごと起き上がります。



 です。フロント・リアスカートはボールジョイントで左右独立して可動。裏面パーツは、表面スラスター内部の色分けも兼ねています。サイドスカートは青・黒・銀の部分を別パーツ化して色分け。横方向にだけスイング可能で、余計な方向に動かさないというのも、一種のこだわりだろうと思います。リアセンターアーマー(フンドシ後部)には、ビームライフル用のマウントラッチと、フック(?)が付いています。

 股関節軸は、左右独立して前後にスライド可能。MGギャンでも採用されたギミックですが、股関節軸パーツを左右共通にしてあり、組立て時に迷わなくなっています。中央にはさむ軸受けにラチェットを仕込んで有るので途中位置でも固定出来たり、フンドシ下にツメを露出していないので外観を損ねない・フンドシ下の飾り台接続穴と両立を実現などの改善も見られますが、前後スライドさせる時に軸の根元に負担をかけないという点では、従来の様なツメが露出した機構も捨てがたいと思います。



 です。モモは上部にガンダムMk−2の様な球体を内蔵。球体との境い目でモモをヒネる事が出来ますが、ストッパーが仕込んであるので、ヒネり過ぎて不自然なポーズになる事がありません。(いや、不自然なポーズが好きなんですけど。)ヒザは二重関節。ヒザアーマーは、ヒザの曲げ可動に連動してスライドする様になっています。

 スネは、フクラハギから下の内部メカを組んでおき、それとヒザ関節をフレームパーツでハサミ込んで固定する組立て。内部フレームが二重になっていた、MGボールに似た構成ですね。スネ後部のスラスターは、ユニット全体が起き上がる様に可動、その内側のバーニアも可動します。スネ前面の装甲は、割れる様に前方に開きます。



 足首はボールジョイントで可動。二重関節になっていませんが、重量を考えれば妥当な判断だろうと思います。ツマ先は伸ばす方向へ少々可動、上へ向けては大きく可動します。2箇所で可動する様になっているので、カカトとの位置関係を微妙に調節可能。足裏のツメも可動します。

 肩アーマーは、ヒンジでハネ上げる事が出来る内部フレームに、外装を取り付ける構成。上面の青い部分はワンパーツ成形で、白い部分との境い目はスジ彫りを入れ、パネルラインとして処理してあります。装甲の裏側にディテールを入れてあるのは見慣れていますが、ハメ込みピンを差し込む穴の周囲の様な、完全に隠れる部分にまでディテールを入れてあるのが面白いですね。



 です。は球状のフレームが露出したデザインで、筒状の上腕フレームに接続。上腕は外装を筒状にワンパーツ成形。外装は曲面で構成されていますが、内部フレームは角柱です。これは通す様に被せるキットの都合によるものでしょうから、実機はまた違った構造なのかも知れませんね。ヒジは二重関節。メカパーツが途中で折れ曲がっているのが特徴的です。関節周辺の切り欠きを最小限で済ませる効果を狙っているんでしょうね。

 前腕は、ヒジ関節をハサミ込んだ内部フレームを、外装で囲っていく構成。右腕にはマシンガンを装備していて、ヒジの部分がマガジンになっています。せっかく着脱可能になっているんですが、予備マガジンが見当たらないのは少々残念?まぁ補給がスムーズに行えるだけでも意味は有るんですが。



 左腕は、ヒジの部分のミゾがシールドマウント用のラッチになっています。その前方は開閉式のサーベルラック。サーベルの接続部分と開閉アームは一体化してあり、簡単組立で確実に動いてくれるのが嬉しいですね。(MG陸戦ガンダムのスネのサーベルラックとか、結構複雑でしたからね。)



 手首は、左右とも可動指タイプの物が付属します。中指・薬指・小指は一体ですが、切り離せば5本全ての指がボール可動に出来るタイプです。手首関節はボール可動+スイング可動の組み合わせ。手の甲は、人差し指の付け根に突起が付いていますが、これはカメラか、それともダミーバルーンの射出装置(劇場版では指先)でしょうか?こういう所は、説明書でも解説が欲しいですね。

 バックパックは背中と半ば一体のデザイン。中央のスタビライザーは上下に可動、メインバーニアはボールジョイントで可動します。ファンネルラックは左右スイングとヒネリが可能。上下に可動しない仕組みなのは、フィンファンネルの重さを考慮しての事でしょうか。フィンファンネルを接続するソケットはABS製で、それぞれが2軸可動。角度を広げたり閉じたりして表情を付ける事が出来ます。



 解説によると、劇場版νガンダムの様な直列接続よりも、エネルギーの再チャージの点で優れた設計という事の様です。直列接続の場合、確かに(常に6基同時に使うならともかく)左端のファンネルの使用頻度が高くなるため、エネルギーのチャージが不均一で、しかもチャージ不足のファンネルを優先的に使う事になりかねない気がしますね。個別にチャージ可能なHi−νなら、その心配が有りません。また、左右均等にファンネルを配置したHi−νの方が機体のバランスも良くなっています。(とか言いつつ、劇場版νガンダムは意図的にシールドと同じ左側にファンネルを背負い、利き腕の反対側に重心を置く設計だったのではなかろうかと思ったり思わなかったり・・・。)



 ファンネルラックの前部は、開閉式のサーベルラックになっています。フタにはツメが付いていて、閉じた状態でしっかり保持され、勝手に開く事が有りません。サーベルはフタの裏に直接固定されていますが、これでは取り出しにくいので、実機ではフタから独立したホルダーに接続されているんじゃないかと想像しています。



バックパック下とフンドシ下の2箇所に飾り台用の接続穴が用意されています。足裏のツメにも注目です。

 プロペラントタンクは、左右貼り合わせと先端の3分割。先端のスラスターは、ホビージャパン1990年8月号のイラストでは角穴でしたが、今回の設定で丸バーニアに変更になりました。タンクの長さは、HJ誌の作例に慣れ親しんできたため短く感じられますが、作例の記事でも「タンクを支えにして」立っているという記述も有りますし、イラストでも、それほど長くはない様です。しゃがむ等のポーズの妨げにならない意味でも、この程度の長さが妥当なのでしょうね。

 プロペラントタンクの根元には、銅色のメッキが施されています。このテの金属色を見ると、アポロの月着陸船を思い出してウハウハしてきますね。宇宙の香りがする、良いアクセントだと思います。そう思って見ると、MS本体も放熱に適した白を基本に青の迷彩で、紫外線に弱い(早く退色する)赤を一切使っていない、珍しいガンダムであります。まさに宇宙戦闘向け。あ、真っ赤なナイチンゲールが発売されたら、今の言葉は忘れて下さい(笑)。



 武装です。ビームライフルは、左右貼り合せの内部パーツに外装を被せる構成。カバーに隠れる部分には、しっかりとメカニックの表現が施してあり、武器までMGという感じですね。銃口は別パーツ化。右側面からはジョイントが起き上がり、腰後部のラッチにマウントする事が出来ます。カートリッジは銃身と一体成形され、着脱不可となっています。

 ニューハイパーバズーカは、左右貼り合せの砲身にグリップをハサミ込み、砲口、後部ユニット、ノズル、下面の肩当てを取り付ける構成。前半分のデザインは、劇場版のνガンダムに近い物になっています。マガジンは着脱可能。内部のも再現してありますが、外からは見えないデザインに変更されています。グリップは可動式。背中へのマウントギミックは無くなっているので、折り畳みではなく角度調節が目的のギミックですね。



左から、MG Hi−νガンダム、MG νガンダム、旧1/100−νガンダムのフィンファンネル。従来の物よりも若干コンパクトになっています。

 フィンファンネルは、MGνガンダムの物に比べて、かなり小さくなっています。これは上半身が小さい今風のプロポーションに合わせたアレンジなのか、軟質クリア棒で浮かせてディスプレイする都合を考えて、少しでも軽くしたかったのか。大きい方が迫力が有って良いという意見も有るでしょうが、オールレンジ攻撃を再現できるプレイバリューは大きく、軽いほど成立しやすいという都合は無視出来ないんじゃないかと思います。



 フィンファンネルヒンジ部分は内部にラチェットが仕込んであって、90度刻みでロックされ、安定して飾る事が出来ます。この機構はMGνガンダムから引き継いだ物で、内部の仕組みも同等です。細かい事を言いますと、設定では折れ曲がって露出した切り口はスラスターになっているので、どちらの切り口も露出しているのが正解です。45度刻みでラチェットが効き、コーナーでつながっているのが理想なんですが、この形に一番近いのは、旧1/100νガンダムのフィンファンネルだったりします。一軸可動のため、ヒンジは目立ってしまっていますけどね。



 フィンファンネルは、曲げて角度を調節できる軟質クリア棒を使って飾り台にディスプレイする事が出来ます。MGストライクフリーダムで導入されたのと同じディスプレイ方式ですね。今回はスラスターの噴射炎にジョイントの役割を持たせ、ビームの演出をプリントした塩ビシートを取り付けられる様になっています。なかなか面白い効果が出ていると思いますよ。

 ビームサーベルは、左右のファンネルラックの中に1本ずつ装備。MGνガンダムの時は可動指の握力だけで保持していましたが、今回はグリップにクボミを設けてあり、手の平の突起に接続して持たせます。これは他の武器も同様の仕組みです。ビーム刃は長短各2本付属。これはそれぞれ1/100サイズと1/144サイズの従来ランナーですね。短い物はシチュエーションに応じて、グリップの後端に取り付けます。

 予備のビームサーベルは、左腕に1本装備。メインのサーベルよりもグリップが短い物になっています。ビーム刃はメインのサーベルと同じ物を使用し、前方にのみ取付けます。



 飾り台は、支柱の途中と先端で角度調節出来る専用の物が付属。ベース部分はアムロのパーソナルマーク(イニシャルであるA)をかたどった物となっています。基本的にバックパック下に接続しますが、別売のアクションベース対応のジョイントが付属していて、こちらを使う場合はフンドシ下に接続します。どちらの接続穴にもフタパーツが付属。外したフタは飾り台の下に収納する事が出来ます。

 飾り台のベースからは4本のが引き出せる様になっており、この先端の穴に軟質クリアー棒を取り付けて、射出状態のフィンファンネルを飾る事が出来ます。フィンファンネルを6基飛ばす場合は、残りの2基は飾り台の支柱に差して飾ります。支柱に差すにはちょっとコツが必要なので、アクションベースに飾る方が簡単で良いかも知れませんね。アクションベースの場合だと、穴がたくさん開いてますし連結も可能なので、6基で足りないという人はストライクフリーダムのドラグーンも一緒に飛ばしちゃってもいいかも?(おいおい!)



MGνガンダム(右)との比較。全高は低めになり、特に上半身のボリュームが小さくなっています。脚があまり短くなっていない割に、足首はずいぶん小型化されています。

 組立時間は3時間40分。MGνガンダムよりも短い時間で組めました。フィンファンネル同士が連結しないため、6基どれもが同じパーツ構成で、迷わずスイスイ組めるからだろうと思います。νガンダムよりも小柄ですがこれは間違いではなく、設定全高はνガンダムよりも2メートル低い、20メートルとなっています。

 従来のνガンダムの存在を否定しない扱いになっていると聞きましたが、このキットをベースに20メートルサイズのνガンダムを空想してみるのも面白いかも。それから、今後ナイチンゲールが発売される事があるなら、MGνガンダムを見ながら想像していたよりも、より巨大に感じられるかも知れませんね。

 元々有った設定ではなく、今回新たに設定を描き起こして公式化した物であるため賛否両論あると思いますが、現物を見せた友人達の反応は概ね好評でした。ボクとしては、この調子でイボルブ版νガンダムも出してもらえたら嬉しいんですけど、どうでしょう?・・・・うーん、アレはMGというより、PG向きかなぁ?


 おまけ



 ウルトラマンティガのDVD−BOXを買いました。独身の頃にはLD−BOXなんかも時々買ってましたが、こういうの買うの何年ぶりでしょうね?LDの頃よりも安くなってるからとか、主役がジャニーズ事務所所属のため契約条件が複雑で、LDの頃に追加生産が難しいと言われていたから買い逃すべきではないとか(ぜひ安定供給して欲しいですね)、色々自分を納得させて、思い切って決めました。(最近ますます大物キットが増えてますし・・・)でも、買って良かったです。

 30周年、16年ぶりのシリーズ復活という事で製作された、まさに入魂の一作。40周年記念作品であるメビウスを見て思うんですが、ティガが30周年で過去の設定を捨て、完全新規の世界観を描ききったからこそ、40周年の今年、ウルトラ兄弟の設定を前面に押し出した作品を作ろう、という事になったのかも知れませんね。リニューアルも、総決算も、手段は違っても過去のシリーズが蓄積した物の上であるべき姿に挑んだ、対になる作品ではないかな?なんて思っています。

 さすがに全部見るには時間がかかりますから、とりあえず初代ウルトラマンが登場する特別篇「ウルトラの星」と、最終回3部作だけ鑑賞。当時からもう何度見たか分かりませんが、やっぱり見事です。

 主題歌「Take Me Higher」が上手く作品世界を引っ張り、本編の内容とも合致していったなんて評価は良く聞きますが、改めて見てみると、子供の声でタイトルコールを入れている辺りからして、何とも意味深ですね。本作のテーマと結末は、いつ頃スタッフの中でイメージが固まっていったのか・・・ゆっくり見返してみたいと思います。

2007.3.25 健 竹史


  

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