健さんの
プラモコラム

その190
 
1/100 セイバーガンダムの巻

(1/100 セイバーガンダム/
 ZGMF−X23S セイバーガンダム/バンダイ
 「機動戦士ガンダムSEEDデスティニー」に登場)



 HGUCで一年戦争のシャアの乗機が揃ったと思ったら、今度はアスランの乗機が1/100で勢揃いです。今月は赤い人特集なんでしょうか?今回も1/100インフィニットジャスティス、1/100レジェンドに続いて、MGに見劣りしないアレンジを加えた仕様でのキット化です。さっそく目を通していきましょう。



 頭部は、前後分割のヘルメットにマスクをハサミ込む構成。トサカはヘルメット上の突起に差し込みます。前面センサー部分はクリアーパーツを使ってあり、差し込まれた突起が透けて見える構造です。突起の赤色を隠すシールも用意されていますが、敢えて上下二段にセンサーが仕込まれた様な表現にしてみるのも面白いかも。色を塗ったりディテールを加えたりですね。

 アンテナは、Zガンダムの様な折り畳み式。設定画ではトサカの横に密着していますが、実際は後退気味に配置されているため、斜め後ろに向かって閉じた状態になります。デザイン段階でアンテナの根元にヒンジのスペースを確保してあるので、強度の心配も無さそうです。



 ボディです。は赤いパーツに黒の上面装甲を被せる構成。コクピットハッチ、エリ、エリの前の白いラインも別パーツ化されています。胸部ダクトは、内部メカが一段引っ込んだ配置になっていてMGの様な印象を与えます。実はスキマを設けて、そこを変形時にはシールドの取り付けに利用するためなんですけどね。白い腹巻きの部分はワンパーツ成形で、下側からハメ込んでやります。

 肩上部のインテイクは、現用戦闘機をイメージしたのか、フチの形に斜めに変化を付けています。元の設定では単純な長方形でしたが、これでインテイクなのかスラスターなのか、ひと目でハッキリ伝わりますね。内側にもディテールを追加してあります。

1/100レジェンドガンダム(初回版)等に付属の飾り台を使ってディスプレイ可能。(このキットには飾り台は付属しません。)

 です。フロントスカートは左右独立して可動。白い部分は別パーツ化して色分けしてあるだけでなく、段差を設けて情報量を増やしてあります。本当は少しでも段差が無い方が空力的に有利なんでしょうが、今さら細かい事は置いといて、おおらかな気持ちで空を飛びたいものです(笑)。サイドスカートは前面のスラスターを別パーツ化。噛みあわせ部分に変化を持たせ、内側にディテールを入れるなど、細かい部分にもメカっぽさを盛り込んであります。

 リアスカートは、下端のグレーのラインを別パーツ化して色分け。でも出来れば内側ではなく、外側に貼り付ける構成にして欲しかったですね。ここはモデルを持って遊ぶ時に、つい握ってしまう部分なんですよね。するとグレーのパーツが、スカートの内側に向けて外れてしまう訳です。内側まで色分けする意味では正しいとも言えますが、安心して持ちたいなら、このパーツは接着しておいた方が良いと思います。



 です。モモは左右貼り合わせ。股関節付近をエグってないため、HGの様な大きな開脚は出来ない仕組みになっています。ヒザは前後貼り合わせの二重関節で、モモとスネにハサミ込んでやります。

 スネ側にはもうひと関節、スネ後部が埋まり込む様な可動が仕込んであり、変形時にはモモとスネがHG以上に密着、よりコンパクトに折り畳める様になっています。この可動部はプラ製ですが、可動軸だけはABSのパーツを通してあり、保持力も十分。普段は動かない様にラッチを仕込んで固定してあります。それから、スネが長いほど立てヒザポーズを取らせにくいものですが、この変形用関節を使えば、より自然にポーズが決まりますよ。

変形用の関節を使って右ヒザを曲げてあるのが分かるでしょうか?これで右モモの高さを低く抑え、より自然な立てヒザポーズにする事が出来ます。

 スネは、ヒザアーマーと、その前面のスラスターを色分け。HGでは丸みを帯びたラインで造形されていましたが、今回は直線的なラインで構成されています。角ばっている方が、ヒザ後部の変形ギミックを仕込みやすいという判断も有ったのかも。MA形態で脚を密着させるためか、スネの内側は外側に比べて、ふくらみ具合を抑えてあります。

 足首アーマーは、ハサミ込み式で可動します。足首後部のアーマーは、内側に仕込んだスラスターと一体で可動、こちらもハサミ込み式となっています。表面には小さな垂直翼を、上部にはインテークの表現を追加しています。

ヒザ後部の変形ギミック。手前(右足)はヒザの二重関節を曲げただけの状態。奥(左足)は、さらにヒザ後部を変形させた状態。

 足首関節は、上が二軸可動、下がボールジョイントの二重関節足首はMA時にツマ先を閉じるギミックを内蔵していますが、HGよりも軸位置が低く、設定画よりも大きくツマ先を伸ばした状態になります。足の甲の露出が大きく、ツマ先とカカトの位置がズレた配置になるのが面白いと思います。見慣れた形を崩すほど、「ロボットの足」に見えなくなると言いますか。MS時には、足裏可動部のスキマまで気を配った造形に好感が持てます。

 肩アーマーは、肩ブロックをハサミ込む前後2分割の構成。側面のサーベルホルダーは、HGでは単純な穴でしたが、今回は穴の奥に位置決めの突起を配置し、サーベルの安定性が格段に向上しています。上部のビームライフル用のハードポイントは、単純な角穴から十字形のスリットに変更。左右両方のアーマーに開孔してあります。

 です。肩関節は今回はスイング機構が無く、引き出しギミックが仕込んであります。変形時だけでなく、アムフォルタスを脇に構える時などにも引き出してやると良いでしょう。



 上腕は、設定では丸みの有るデザインを、角ばった物に変更してあります。ヒネリ部分には、ABS製の軸受けパーツを使用。上腕の狭いスペースに仕込むには、ポリキャップより形の自由度が高いABSが適しています。2分割した上腕同士にはハメ込みピンを仕込む余裕も有りませんが、この軸受けパーツがジョイントの役目も果たしています。

 ヒジは二重関節。前腕側は従来通りのポリキャップですが、上腕側の関節にはABS製の可動パーツを採用。ABSパーツの軸はヒジ関節カバーを貫通して前腕ポリキャップにつながっていて、HG等で見慣れた構成に近い物になっています。

 前腕は、側面にシールド接続用のハードポイントが付いています。変形ギミックの面では、やはり手首の収納は無理だったものの、装甲が移動して手首を覆う独自のギミックを採用。前腕内側の装甲が、設定にあるパネルラインで割れて起き上がり、内部メカごと伸びる様にスライド移動しつつ180度回転、外側の装甲と一体化します。一旦ゲンコツを取り外す必要が有りますが、面白いアイデアじゃないでしょうか。設定に忠実な変形を楽しみたい人は、装甲を移動させずにゲンコツを取り外せばOKです。



 手首は、左右ともリアルな握り手が付属。手の甲は、MGの手首スイングのヒンジに似せた切り欠きを付けて有ります。この辺は1/100インフィニットジャスティスと同様ですね。

 バックパックは、左右のスラスターユニットに挟まれたヘッドカバーがスライド可動。ヘッドカバーは先端を尖った形状にアレンジ、フチのラインを色分けし、裏面も再現してあります。MMI−GAU2ピクウス76ミリ機関砲の後ろに、さりげなく排気ダクトのディテールを配してあるのが芸コマ。スラスターユニットは縦に長く大型化し、斜めのラインを盛り込んだり整流板を追加するなど形状的にもアレンジ。ノズルは可動式となっています。



 テールスラスターは、背中のポリキャップに接続してあり上下に可動。HGよりもシャープなシルエットで、ノズルの奥や側面にディテールが追加されています。

 M106アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲は、地面に届きそうなギリギリのサイズまで長さを延長、設定画よりさらに迫力を増しています。側面にふくらみを持たせ、ダクトのフィンを斜めの配置に変更、整流板を追加、MA時に肩と噛み合う、ディテールが無かった面にダクトを追加、ノズルを長く奥行きのある物に変更するなど、各部にアレンジを加えてあります。

 バックパックにつながるアームの形状も、幅に変化を持たせたデザインに変更、ディテールを大幅に加えて単調さを解消してあります。可動は、HGではボールジョイントだった部分も2軸可動に変更、自由度は若干低下しているかも知れません。

 MA−7Bスーパーフォルティスビーム砲は、アムフォルタスにハサミ込む組立てで、上下に可動。アムフォルタスに追加されたダクトは、この装備の冷却用という解釈なのかな?



 ウイングは、アムフォルタスの側面にポリキャップで接続、2軸可動します。やはりアレンジが加えてあり、可変翼の様なデザインとなっています。下面にはパイロンの表現を追加。ミサイルを装備して戦う姿を想像してみるのも楽しいでしょう。装備面でも、ムラサメに負けてられませんからね。

 武装です。MA−BAR70高エネルギービームライフルは、、銃口とセンサーを別パーツ化。グリップはハサミ込み式で、グリップと前方のガードが割れて、折り畳めるギミックを仕込んであります。これ、設定には無いギミックですよね?MA時にライフルをスリム化して、空気抵抗を減らそうという事でしょうか。割れるギミックを使えば、ゲンコツをバラさなくても、ライフルを持ったり手放したりが簡単に出来ます。

 ライフルを使わない時は、設定画には有りませんが、やはり肩アーマーにでもマウントしておくしかないみたいですね。腰後部のハードポイントは、今回もライフルの突起と規格が一致しておらず、あくまでMA時のシールドマウント用という解釈です。これは一致させ忘れたのではなく、ライフルをマウント出来ないほどにバックパックを大型化してある事から、承知の上での設計だろうと思われます。確かに、腰にライフルが有るとアムフォルタスの可動の自由度を損ねそうですからね。

武器の持ち替えが面倒(その代わり落としにくい)なのはSEEDシリーズの特徴ですが、今回のビームライフルは持ち替えが簡単です。MA時には、このままグリップはライフル本体へ収納され、ガードは下のバーを折り畳み、銃身に密着するよう移動します。


 MA−M941ヴァジュラビームサーベルは、左右の肩アーマーに1本ずつ収納。クリアーのビーム刃が2本付属します。

 MMI−RD11空力防盾(シ−ルド)は、腕のハードポイントに取付け可能。腕へのアダプターは、取付ピンが2方向に付いたタイプで、ハードポイントの形にピッタリとフィットするようデザインされています。シールドはノーズを設定画よりも長めに造形、フチや表面には、うねる様な曲面を盛り込んでいます。

 シールド表面は黒と黄色の部分も色分け。黄色い部分は、張り出しというよりフィンの様な解釈になっていますね。裏面のグリップは、パーツ化されているものの、固定式となっています。MAに変形させる時には、ボディに接続するためのツメを引き出します。ツメを引き出すためのツマミは、フックを模した形になっていて、外観を損ねないよう配慮されています。



 MA形態への変形です。アンテナを閉じ、腰を少し引き出しておいてからウエストを180度回転。肩関節軸を引き出し、肩アーマーを倒して腕をカバーします。腕は一旦ゲンコツを取り外し、前腕を伸ばして内側の装甲を180度開いたら、ゲンコツを再び取り付け。ヒザを折り曲げてツマ先を畳み、モモとモモの間に、ポジションをロックする補助パーツをハサミ込んでやります。後頭部カバーを前にスライドし、ツメを引き出したシールドを胸部ダクトと腰後部のハードポイントに接続。アムフォルタスを前に移動してウイングを開き、ビームライフルを左肩にマウントすれば完成です。モモにはさんだ補助パーツは他キットの飾り台とのジョイントも兼ねており、拝借してくれば飛行状態で飾る事も可能です。



 MA形態のプロポーションは、アムフォルタスと肩が一体化していたり、ヘッドカバーとバックパックの表面が、ほとんど面一になっていたりとスキマが無く、HGに比べて航空機らしさが増しています。しっかり折り畳まれたスネと延長されたバックパックはHG以上に接近し、モモや腰を上手く隠しています。前後に長く、三角にアレンジされたウイングはスネに近い配置になり、シルエットにまとまりが生まれています。



 の様にユニットを収納・移動している訳でもなく、どうしても「変なポーズのロボット」に見えてしまいがちな変形パターンなんですが、MA形態をより良く見せる目的に沿って、各部にアレンジが加えられているのだろうと、変形させてみると気付かされます。


HGセイバー(下)との比較。バックパックやウイングと、ヒザアーマーの位置関係に注目です。

 組立時間は2時間でした。アレンジの面白さ、変形の面白さを感じさせてくれる優良キットだと思います。股関節やヒザ関節にロック機構が有るだけでなく、シールドで上半身と下半身のポジションも決まり、MA形態で安定して飾れるのも嬉しいですね。SEEDやデスティニーの1/100シリーズ、このクオリティーなら今後も新製品を出し続けて欲しいものです。


 おまけ

 発売から時間が経ってしまいましたが、ケロロ軍曹シリーズのケロロロボを簡単に紹介しておきましょう。



 手足はヒジ・ヒザに二重関節を採用。ハサミ込んだポリパーツはムキ出しになっていますが、安価で手軽なキットで、この広い可動範囲を実現しているのは嬉しいですね。肩と股関節には球体ポリキャップ、足首にはアレイ型のダブルボールジョイントを採用。SEEDデスティニーのコレクションシリーズで採用された機構を引き継いでいます。ウエストは左右に回転。ゲンコツはワンパーツで、下面に肉抜きが有るものの指の造形は結構リアルです。手首の接続はHGUC等と同じ規格となっています。



 武器はライフルとシールドが付属。シールドは腕のハードポイントにピンで接続。シールドやスネ装甲の裏面には、ガンプラ同様のメカっぽいディテールが入っています。



 頭部には「ソーサー」と呼ばれる移動式のコクピットを収納。ソーサー下面のフィンを、ミゾに差し込んで合体します。飾り台を使えば、ソーサー単体でのディスプレイも可能です。



 付属するケロロのフィギュアは、単品発売のプラモの半分の大きさ。さすがに目の表情は変わりませんが、可動式の手足がボディフレームに組み込まれた状態で成型してあり、このキットのセールスポイントとなっています。ガンプラPGの指の様に、ランナーから切り取るだけで、動かせる状態になる訳ですね。キットはタッチゲート方式で、もぎ取りに対応していますが、ここだけはニッパーを使う様になっています。



 この手足の成型は「くみプラ」と呼ばれています。以前から有った技術ですし、特に注目していなかったんですが、この細い手足が根元でボール可動し、ヒジまで動くのは魅力ですね。組立て不要という事は単にユーザーが楽というだけでなく、ハメ込みピンやヒンジ部の切り欠きが不要という事です。直径3ミリ弱という細い腕ですが、保持力も強度も問題ない様です。

 ケロロのフィギュアは、ソーサー用の飾り台を背中の穴に差し込んで立たせる事が可能。ソーサーには腰の切り欠きを使って接続するので、安定して座らせる事が出来ます。

 良く動き、フィギュアとの連携で色んなシチュエーションが楽しめるオススメのキットです。また、ケロロ等と同様、このキットもガンプラと手足の組み替えが可能となっています。それにしても、ボクが人生の大半を費やして集めてきた物が、カエル宇宙人めの侵略兵器のオプションパーツだったとは・・・。

 (プラモデル・ケロロ軍曹については、こちらのおまけ記事を参照であります。)

2006.11.14 健 竹史


 

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