健さんの
プラモコラム

その183
 
HG ブルデュエルガンダムの巻

(HG  1/144 ブルデュエルガンダム/バンダイ
 GAT−X1022 ブルデュエルガンダム
 「機動戦士ガンダムSEED C.E.73スターゲイザー」に登場)



 TV放映されれば1週遅れの地域。ネット配信が始まるも我が家は電話回線SEEDシリーズとは何かと距離を感じてしまうボクなのであります。そんな訳でブルデュエルがどんな活躍をするのかだとか、ケルベロスバクゥハウンドにコテンパンにやられてしまったとか、全然知らないんですけど(知ってるじゃん!)知らないなりにブルデュエルのキットに目を通していきましょう。

 今回はデュエルガンダムのバリエーションキットです。新規パーツを中心に紹介していきますので、変更ない部分については「その63 HGデュエルガンダムの巻」を参照して下さい。



 ブルデュエル本体は、基本的にイザークの乗っていたデュエルガンダムと同一デザインの機体の様です。キットではHGデュエルガンダムアサルトシュラウドのパーツをほぼそのまま流用し、腰の一部に新規パーツを採用。HGストライクノワールと同じ仕組みで股関節(フンドシの下半分)がスイング可能になりました。フンドシ下には飾り台の取付け穴も設けてあります。



 腰前部は、初代デュエルの様な角穴の開いた張り出しが有りません。これはデザインが変更されたのか、あるいはフロントスカートに隠れるから省略されたのか、良く分からない部分です。張り出しの辺りを一段引っ込めてあるのでフロントスカートが良く動きます。ついでにウエストへの干渉も減って腰が良く回る様になっていると嬉しかったんですが、腰後部の張り出しが有るので可動範囲は従来と同程度でした。残念。

フォルテストラを脱がせ、一旦分解してフロントスカートも外した状態で、股関節のスイングギミックをチェック。ここにヒネリが加わると柔らかさと言うか、しなやかさと言うか、人間的なポーズ表現が可能となります。

 フロントスカートはHGストライクノワールと同様、切り離せばボールジョイントになる可動軸をフンドシにハメ込んである構成。他のアーマーと違って、本体完成後に被せるパーツではありません。初代デュエルの様に装甲を分離出来る設定なのかどうか分かりませんが、少なくともキットでは、フロントスカートだけは外した状態にする事が出来ない構成になっています。

フンドシに注目。フロントスカートの取付け穴だけでなく、フロントスカートの基部がフンドシと一体でモールドしてあるのが分かるでしょうか?腰の左右に張り出しも有りません。このため、フォルテストラを取り外しても、そのままでは初代デュエルと同じ形になってくれません。

 頭部は、初代デュエルが装備していたイーゲルシュテルンに代わって、M2M5トーデスシュレッケン12.5ミリ自動近接防御火器が搭載されたという設定。これは口径が小さく携行弾数の多い武装で、対MS戦闘よりも対人・対軽車両戦闘を目的とした物だそうです。キットには変更は有りませんが、活躍を想像したりディオラマを作ったりする時には念頭に置いておくと良いかもです。

 この他、設定色の変更に合わせて、初代デュエルよりも渋めの色で成形されています。



 続いて今回の目玉、火力強化装甲「フォルテストラ」を見ていきましょう。胸部アーマーは、前と左右からパーツをハメ合わせる構成。前側のアーマーはMS本体の胸ダクトのクボミにハメ込む様になっているので、ダクト内側の黄色いパーツは使用せず、余りパーツとなります。

 胸左右のパーツは、背中の後ろまで伸びたスラスターユニットとなっています。キットでは一旦腕を外して(説明書通りの手順なら腕を取り付ける前に)、肩関節軸を通して取り付けます。実機ではユニットが上下に分割してあって、腕を外さなくても肩関節軸をハサミ込む様に装着出来るのかも知れませんね。背中のサーベルホルダーに被さる様な形になっていますが、ここからエネルギーの供給を受けたりしているのかも。フォルテストラはPS装甲になっているそうですから。



 ウエストは初代デュエルと異なり、増加装甲に覆われていません。そのためフォルテストラを着込んだ状態でもウエストの左右回転が可能です。デュエルは元々腰の出っ張りが有るため、ウエスト接合部の露出が少ない機体ですから、ここを特に保護する必要は無いのかも。可動範囲が少ないとは言え、ボディにポーズが付けられると軽快な印象になって良いですね。

 スネアーマーは左右2パーツの貼り合わせ。初代デュエルでは主にスネの外側を覆っていましたが、今回は前面を主に覆っています。スリムな印象なのは、パイロットが女性である事を意識しての事でしょうか?ヒザの横はサーベルホルダーになっていますが、丸穴ではなくミゾ状なので、ポーズを付ける途中で手が当たると、サーベルの角度が変わってしまいます。ディスプレイする前にチェックしてやると良いでしょう。



 肩アーマーは前後貼りあわせ。左肩のハッチは差し替え式で開閉を再現出来ます。差し込み部分は開・閉どちらの状態でもヒンジに見える様に設計してあり、ハッチ内部に仕込まれたMk315スティレット投擲噴進対装甲貫入弾モールドで再現してあります。ハッチで前後アーマーの分割ラインがほとんど隠れているのが嬉しいですね。右肩にもハッチらしき物があります。武装のリストに数えられていませんがミサイルでも仕込んであるのか、あるいはレールガン用のバッテリーかも知れませんね。



 前腕アーマーは、腕へのジョイントパーツとビームガンをハサミ込んでの左右貼り合わせ。前腕のハードポイントを利用して取り付ける仕組みは初代デュエルと同様です。

HGデュエルガンダムアサルトシュラウド(左)との比較。上半身は重装備ですが、スネとウエストは細くて俊敏そうなイメージ?初代が砂漠の砂に足を取られて苦労してたのが懐かしいですね。

 背中の増加パーツは、本体バックパック中央のハードポイントを利用して後ろからセットします。テールスラスターが1本増えていますが、他のパーツは初代デュエルのアサルトシュラウドのパーツをそのまま使用。これはザフトの技術を何者かが持ち出した可能性を感じますよ?!(笑)

HGデュエル(左)と、素体状態での比較。ブルデュエルの股関節軸はスイングさせています。

 新しいテールパーツを介して従来のテールパーツを取り付け、配置を変える事で印象に違いを持たせているのは上手いと思います。と言うよりも、上部は胸アーマーから伸びたスタスターに挟まれ、下部はワキのフィンに連結していて、胸と一体になってる感じですね。背中の装着面が全く見えないので、バックパックという感じではないです。

 武装です。Mk315スティレット投擲噴進対装甲貫入弾は、コンバットナイフとしても飛び道具としても使える装備。投擲噴進と言ってるので、手裏剣の様に投げた後ロケット推進するのだろうと思います。3本握った右手が付属しますが、手の甲は従来のゲンコツから付け替えて使用します。地球に優しいなぁ(泣)。



 M7G2リトラクタブルビームガンは、前腕アーマーから展開するギミックを再現。ハサミ込み式のアーム1本で連結してある単純な機構ですが、腕の甲側から前を回って手に銃が収まる一連の動作は、このキットの見せ場になっています。このシリーズは武装が豊富なだけでなく、それぞれ展開ギミックを備えているのが面白いですね。手に持たなくても前腕に固定武装を仕込んでおけばいいじゃないかとか、そういう事を言ってはイケマセン(笑)。

ビームガンの展開ギミック。ちょっと小さめのグリップですが、ゲンコツの穴にスムーズに収まるギミックは、やはり楽しいです。

 ES05Aビームサーベルは、初代デュエルと同じパーツを使用。ただし設定上の型番ファントムペイン独自の物になっている、信頼性・耐久性の高いモデルだそうです。収納位置が背中からヒザ横に変更され、重装甲のデュエルにとっては扱いやすくなったかも。クリアーのビーム刃が2本付属します。



 シールドは、腕へのジョイントパーツを使用せず、右肩に装備するよう変更されました。支持アームは肩の増加装甲上面に接続、ボールジョイントで可動しますが、肩サイドアーマーに干渉してあまり大きく動かせません。アームの各部が動く様になれば自由度も上がるんでしょうが、設定上動くのかどうか良く分かりませんね。シールドとアームはポリキャップで接続してあり、若干ですが動かす事が可能です。

 M443スコルピオン機動レールガンは、これまた初代デュエルのレールガン「シヴァ」と全く同一のパーツ。これも技術流出?まさか前大戦でデュエルが脱ぎ捨てたアーマーを拾って使ってるんじゃないでしょうね?!(笑)シールド裏のアームに接続されていますが、ボールジョイント用のポリキャップが足りない(アーム基部に使用)ので、プラパーツ同士の軸可動に変更されています。他キットの余ったポリキャップを流用しようとしても、軸がボールになっていないのでフィットしません。

 ビームライフルは、初代デュエルと同じものが付属。でも武装のリストに含まれておらず、手に持った写真も説明書に載っていません。劇中で使うシーンが無かったのかも知れませんが、「従来のライフルも使用可能だった」とか何とか書き添えて、塗装見本の意味で写真くらいは載せるべきだったと思いますね。少なくとも「余りパーツ」扱いはしていない訳ですから。



 飾り台は、SEEDシリーズ共通の物が付属します。フォルテストラを脱がせた状態の方が腕が良く動くので大胆なポーズが取れたりして。フロントスカートを外した状態の腰パーツも付いていれば、「飾り台に飾れる初代デュエル」に組む事も出来たのになぁ。ある程度の改造経験のある人ならばパーツを移植して作ってしまっても良いのでしょうけど、最初からパーツが付いていれば、プラスαのセールスポイントになったんじゃないでしょうか?

 組立時間は1時間10分でした。増加装甲何通りも用意された機体は初めてではありませんが・・・と言っても、机上プランなんて言葉を使わず、劇中で本当に使用したのは画期的ですね。たとえ前大戦とは別機体であったとしても。しかも一部パーツを共用してる辺りが、かえって面白いと感じたりします。ぜひ初代デュエルと並べてみて下さい。デュエルVSブルデュエルの戦いを想像してみるのも面白いかも知れませんね。で、1/100でも欲しいと思ってしまうんですが、その辺りの企画は進んでるんでしょうか?(出してね!)


 おまけ


 こちらもスターゲイザーに登場する機体、HG 105スローターダガーを軽く紹介しておきましょう。バリエーションキットですので、細かな部分については「その116 HGガンバレルダガーの巻」「その60 HGエールストライクガンダムの巻」を参照下さい。



 本体はHG105ガンバレルダガーの成形色を変更したもの。ガンバレルストライカーと飾り台は付属しません。エールストライカーは、「ひょっとしたら翼面積の大きな、劇中イメージに準じた新規設計の物が付属するかも・・・」と思ったんですが、エールストライクガンダムの物の成形色変更でした。



  ストライクの物は3色、今回の物は2色成形ですが、これはストライク本体の多色成形ランナーに含まれていたテール(バッテリーパック)部分とビームサーベルを、ノズル等のグレーのランナーに追加したためです。ここはランナーに切り替えが用意されていて、今後ストライクを生産する時には除外されるハズです。また、グレーと黒のランナーはネームタグの部分に変更が加えられ、ストライクかスローターダガー、いずれかのタグだけを付けて成形出来る様になりました。



 武装です。MX703Gビームライフルは、ガンバレルダガー付属の物と同形状。「その116 HGガンバレルダガーの巻」で「制式レイダー用の機関砲ポッドの様だが・・・?」と指摘した物ですが、今回は実体弾兵器とビーム兵器のハイブリッド共存を目指した物との事です。(上手いなぁ。)これはビームも実弾も撃てると解釈していいんでしょうか?

 シールドは、ガンバレルダガーと同じ物を装備しています。



 ES01ビームサーベルは、腰とエールストライカーに2本ずつ、合計4本装備しています。と言っても、腰の物とエールストライカーの物ではディテールが違うんですが。量産されたエールストライカーに相変わらずビームサーベルが装備されているという事は、腰にビームサーベルを装備しないタイプのダガーも存在するのかも知れませんね。クリアーのビーム刃は2本付属します。

 組立時間は1時間程度でした。過去の2つのキットをミックスしたカラーバリエーションで、一部新金型を起こしたものの、形として新しいパーツは無しというキットでした。元がSEEDシリーズ共通の飾り台が開発される前のキットであるため、フンドシの下に穴は開いているのに規格が合わないというのが残念ですね。せめて1パーツ、共通飾り台の先に取り付ける角穴対応アダプターパーツくらい付けてくれても良かったんじゃないでしょうか?

2006.9.18 健 竹史

  

HG ブルデュエルガンダム
HG ストライクノワールガンダム
HG ヴェルデバスターガンダム

  

HG 105スローターダガー
HG ジン タイプ インサージェント
機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER

  

RAHDX フレイ・アルスター
RAHDX カガリ・ユラ・アスハ
RAHDX ラクス・クライン

  

Voice I-doll Superior ラクス・クライン
Voice I-doll Superior ルナマリア・ホーク
ガンダムロウバストシルエットコレクション-序章-(BOX)

HG ケルベロスバクゥハウンド
HG スターゲイザーガンダム
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